JPH0555026A - 超電導パンケ−キコイルの巻線方法および装置 - Google Patents

超電導パンケ−キコイルの巻線方法および装置

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JPH0555026A
JPH0555026A JP3217623A JP21762391A JPH0555026A JP H0555026 A JPH0555026 A JP H0555026A JP 3217623 A JP3217623 A JP 3217623A JP 21762391 A JP21762391 A JP 21762391A JP H0555026 A JPH0555026 A JP H0555026A
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winding
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punk
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充 山田
Katsuyuki Takemata
勝之 竹俣
Yoshikazu Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】超電導ケ−ブルに与える加工歪みが小さく、従
って高性能で寸法精度の高い超電導パンケ−キコイルを
容易に形成できる巻線方法,および巻線装置を得る。 【構成】超電導ケ−ブル1を拘束されない渦巻状にして
電線ドラムから固定台14に移し替え、その外周側の端
末を固定台14に固定するとともに、その内周側の端末
を固定台14の中央部に回転可能に配された巻枠に連結
した後、この巻枠をその巻き締め方向に回転して超電導
ケ−ブル1の径を逐次巻枠側に縮小し、巻回間が相互に
密接した超電導パンケ−キコイル20を形成し、その後
結束する。また、巻締めしたコイル20を一端緩めてテ
−プ絶縁層を形成し、しかる後再び巻締めを行うか、渦
巻状の超電導ケ−ブル1の状態でテ−プ絶縁層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核融合炉のトロイダ
ル磁場コイル,ボロイダル磁場コイルの主要部を成す強
制冷凍形超電導パンケ−キコイルの製造方法、およびそ
の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル磁場コイル,ボロイダル磁場
コイルは最高磁界が10Tを越える直流磁場またはパル
ス磁場を発生するため、その励磁電流も数KAを越え、
従って電流のオンオフに際して極めて強大な電磁機械力
が発生する。そこで、上記大電流による電力損失が少な
く,強大な電磁機械力に耐え,高磁界を安定して発生で
きる強制冷凍形超電導パンケ−キコイルの開発が進めら
れている。
【0003】図6は強制冷凍形超電導ケ−ブルを簡略化
して示す断面図であり、強制冷凍形超電導ケ−ブル1
(以下超電導ケ−ブルと略称する)は、銅などの安定化
材で被覆された超電導線1S多数条を、ステンレス合金
製の方形断面を有するコンジット1C内に収納し、超電
導線1Sの隙間にヘリウム等の冷却媒体1Hを強制通流
することにより、超電導線1Sが超電導状態となるよう
形成される。コンジット1Cはその幅Wおよび高さHが
それぞれ数十mm,その厚みが1mm以上有る。従っ
て、超電導ケ−ブルそのものが高剛性で電磁機械力に耐
える性能を持ち、かつ超電導線の電力損失が零に近づく
ので、要求性能を満たす超電導パンケ−キコイルが得ら
れる。
【0004】図7は超電導パンケ−キコイルの従来の巻
線方法を示す説明図であり、電線ドラム1に所定の径で
巻かれた超電導ケ−ブル1に張力を加え、巻線機3に取
り付けられた巻枠4に巻取る過程で、巻線機3に固定さ
れた半月形の案内板5Aと2個の案内ロ−ラ5Bとで構
成されるベンダ−5を設け、超電導ケ−ブル1を巻取径
に近い状態に湾曲加工しつつ巻回間に隙間の無い渦巻状
の超電導パンケ−キコイルを形成する巻線方法が知られ
ている。しかしながらこの方法では、ドラム2で付いた
巻癖を張力を加えて引き延ばし、再びこれより小さな径
に湾曲させるため、超電導ケ−ブル1に繰り返し曲げ応
力が加わる。このため、図8に超電導ケ−ブルをその幅
W方向に巻線したときの超電導ケ−ブルの断面形状の変
化を示すように、コイルの内,外径側の面がδだけ凹
み、側面H側に膨らんだ形状に変化し、その幅WがWb
に縮むと同時にその高さHがHb に増大する。
【0005】超電導ケ−ブルの上記変形および寸法変化
を回避するために、伸長した超電導ケ−ブル1の中間に
加圧成形手段6を設け、図9に示すように超電導ケ−ブ
ルの高さH方向に圧縮荷重Pを加え、超電導ケ−ブルを
図8の変形方向に直交する方向に変形させ(高さHp,
幅Wp)、これをベンダ−5を介して巻枠4に巻き取る
よう構成した装置が知られている。また、ベンダ−5の
代わりに曲げ半径の異なる複数種類の曲げ型を用い、超
電導ケ−ブルを局部的に湾曲加工しつつ巻枠に巻き取る
方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ベンダ−を用いた従来
の巻線方法では、コンジットが変形してその剛性が低下
し、また大きな寸法変化により寸法精度の高い超電導パ
ンケ−キコイルが得られず、さらに変形や寸法変化が冷
却媒体の流通や超電導線に歪みを与えてその超電導性能
が低下するなど、種々の悪影響が発生する。加圧成形手
段は、これにより与えられる変形とベンダ−で生ずる変
形とが打ち消し合い、超電導ケ−ブルを方形断面に回復
させようとするものであるが、加圧成形手段による変形
の与え方に高度の技術を必要とするとともに、装置の構
成が複雑化して設備費の高騰を招くと推定される。さら
に、局部的な曲げ型を用いる方法では、連続した曲率の
曲げ加工が困難で、極端な表現をすればコイルの各タ−
ンが菊花紋の外周に似た波形になり、各巻回間に大きな
隙間ができ、超電導ケ−ブルの寸法精度の低下や耐電磁
機械力性能の低下を招くばかりか、隙間を充填材で埋め
る作業に多くの工数が必要になる等の問題点を生ずる。
【0007】この発明の目的は、超電導ケ−ブルに与え
る加工歪みが小さく、従って高性能で寸法精度の高い超
電導パンケ−キコイルを容易に形成できる巻線方法、お
よび巻線装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、金属管内に複数の超電導線を収
納した超電導ケ−ブルを巻回間が密接した渦巻状の超電
導パンケ−キコイルに巻線する方法であって、前記超電
導ケ−ブルを拘束されない渦巻状にして電線ドラムから
固定台に移し替え、その外周側の端末を固定するととも
に、その内周側の端末を前記固定台の中央部に回転可能
に配された巻枠に連結した後、この巻枠をその巻き締め
方向に回転して前記超電導ケ−ブルの径を逐次前記巻枠
側に縮小し、巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キ
コイルを形成する。
【0009】また上記1項の構成において、巻回間が相
互に密接した超電導パンケ−キコイルを形成した後、巻
枠をその巻き戻し方向に回転して巻回間に隙間を形成
し、超電導ケ−ブルの表面にテ−プ絶縁層を形成し、し
かる後巻枠をその巻き締め方向に再び回転して巻回間が
相互に密接した絶縁被覆を有する超電導パンケ−キコイ
ルを形成する行程を含むこととする。
【0010】さらに前記1項の構成において、固定台に
載置された拘束されない渦巻状の超電導ケ−ブルの表面
にテ−プ絶縁層を形成する工程を含むこととする。
【0011】また前記1項の構成において、巻回間が相
互に密接した超電導パンケ−キコイルを形成した後、各
巻回間の凹所に液状の充填樹脂を充填するとともに、超
電導パンケ−キコイルを接着剤を含むバインドテ−プで
結束し、しかる後前記充填樹脂および接着剤を加熱硬化
する行程を含むこととする。
【0012】一方、上記巻線方法で使用する巻線装置
が、駆動装置に水平に連結された回転テ−ブルと、この
回転テ−ブル上に固定された巻枠と、前記回転テ−ブル
を同心状に包囲し前記回転テ−ブルと同一平面内に固定
したテ−ブル面を有する固定台とを備えるものとする。
【0013】また上記巻線装置の巻枠および固定台がク
ランプ部を備え、固定台側のクランプ部が超電導ケ−ブ
ルをそきの長さ方向の任意の位置で固定できるよう取付
位置が可変に形成されてなるものとする。
【0014】
【作用】この発明の構成において、金属管内に複数の超
電導線を収納した超電導ケ−ブルを巻回間が密接した渦
巻状の超電導パンケ−キコイルに巻線する際、超電導ケ
−ブルを拘束されない渦巻状にして電線ドラムから固定
台に移し替え、その外周側の端末を固定台に固定すると
ともに、その内周側の端末を固定台の中央部に回転可能
に配された巻枠に連結した後、この巻枠をその巻き締め
方向に回転して超電導ケ−ブルの径を逐次巻枠側に縮小
し、巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キコイルを
形成するよう構成したことにより、超電導ケ−ブルが電
線ドラムに整列巻される際その内部に蓄勢しているスプ
リングバック力を利用し、超電導ケ−ブルを固定台上に
その巻癖によって決まる径の渦巻状に電線ドラムから移
し変えることができる。また、渦巻状の超電導ケ−ブル
は電線ドラムによる巻癖(永久歪み)を保持しており、
その外周端を固定台に,内周端を巻枠に固定して巻枠を
巻締め方向にゼンマイを巻くように回転すれば、巻枠が
ベンダ−の機能を兼ねて上記巻癖で不足する永久歪みが
与えられ、巻枠側から巻回間に隙間の無い超電導パンケ
−キコイルが形成されるとともに、超電導ケ−ブルが巻
重なるにつれてその外径が大きくなり、従って与える永
久歪みも減少するので、最小の加工歪みで超電導パンケ
−キコイルを形成する機能が得られる。その結果、得ら
れた超電導パンケ−キコイルは超電導ケ−ブルの断面形
状の変形が殆どなく、その補正のための加圧成形を不要
にする機能が得られる。
【0015】また、巻回間が相互に密接した超電導パン
ケ−キコイルを形成した後、巻枠をその巻き戻し方向に
回転して巻回間に隙間を形成し、超電導ケ−ブルの表面
にテ−プ絶縁層を形成し、しかる後巻枠をその巻き締め
方向に回転して巻回間が相互に密接した絶縁被覆を有す
る超電導パンケ−キコイルを形成する行程を含むよう構
成すれば、コイルのスプリングバック力を利用して超電
導ケ−ブルに歪みを与えることなくテ−ピング作業に必
要な空間を確保できるとともに、再び巻締めする際テ−
プ絶縁層に与える歪みが少なくて済むので、皺などの欠
陥がなく絶縁性能の良いテ−プ絶縁層を得ることができ
る。
【0016】なお、固定台に載置された拘束されない渦
巻状の超電導ケ−ブルの表面にテ−プ絶縁層を形成する
ことも可能であり、超電導ケ−ブルの径と渦巻きの径に
大きな差がない場合には皺の少ないテ−プ絶縁層を形成
できるとともに、超電導パンケ−キコイルを巻戻し,再
巻締めする工程を省略することが可能になる。
【0017】また、巻回間が相互に密接した超電導パン
ケ−キコイルを巻線した後、各巻回間の凹所に液状の充
填樹脂を充填するとともに、超電導パンケ−キコイルを
接着剤を含むバインドテ−プで結束し、しかる後加熱硬
化する行程を含むよう構成すれば、超電導パンケ−キコ
イルの巻戻りを阻止し、機械的安定性を向上する機能が
得られる。
【0018】一方、この発明の巻線方法で使用する巻線
装置を、駆動装置に水平に連結された回転テ−ブルと、
この回転テ−ブル上に固定された巻枠と、回転テ−ブル
を同心状に包囲し回転テ−ブルと同一平面内に固定した
テ−ブル面を有する固定台とで構成すれば、極めて簡素
な構成の巻線装置で高性能な超電導パンケ−キコイルを
巻線することができる。また、巻線装置の巻枠および固
定台がクランプ部を備え、固定台側のクランプ部が超電
導ケ−ブルの長さ方向の任意の位置を固定できるよう取
付位置を可変に形成すれば、超電導ケ−ブルを超電導パ
ンケ−キコイルに必要な長さ位置で固定台に固定し、巻
線作業を効率良く行うことができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の実施例方法における第1の工程を
装置とともに示す断面図、図2はこの発明の実施例にお
ける第2の工程を示す断面図、図3はこの発明の実施例
における第3の工程を示す断面図である。図において巻
線装置11は、駆動装置12の上部に水平に連結された
回転テ−ブル13と、この回転テ−ブル13を同心上に
包囲し上部に固定テ−ブル15を有する固定台14とで
構成され、回転テ−ブル13と固定テ−ブル15の上面
(テ−ブル面)は同一水平面上に位置するよう形成され
る。第1の工程では、図6を用いて既に説明した超電導
ケ−ブル1が整列巻された電線ドラム2が、回転テ−ブ
ル13上に間隔片9を介して回転テ−ブルと同心状に載
置される。この状態で、電線ドラムに固定された超電導
ケ−ブル1の一方の端末(図では下端側)の拘束を開放
すると、超電導ケ−ブル内に蓄積されていた弾性限界内
の撓みが開放され、そのスプリングバック力により超電
導ケ−ブルの径が拡大し、開放端を外側にして自力で固
定テ−ブル15上に移動して巻癖(永久歪み)により決
まる径の渦巻状の超電導ケ−ブル10を形成される。そ
の際、他方端を電線ドラムから切り離し、電線ドラムを
テ−ブルから取り去る。
【0020】実施例方法による第2の工程は図2に示す
ように、回転テ−ブル13に同心状に巻枠16(巻型と
もよぶ)を固定し、渦巻状の超電導ケ−ブル10の外周
側の端末をクランプ部18により固定台14に固定し、
内周側の端末をクランプ部19により巻枠16に固定す
る。なお、超電導ケ−ブル1の長さが超電導ケ−ブルに
必要な長さを大幅に上回る場合には、超電導ケ−ブルの
適度な位置をクランプ19を移動して固定するようにし
てよく、また巻枠の外周部分に切り欠きを設けてコイル
の巻回間に段差が生じないよう構成してよい。
【0021】実施例方法による第3の工程は図3に示す
ように、駆動装置12で回転テ−ブル13、およびこれ
に固定された巻枠16を図に矢印で示す巻締め方向にゆ
っくり回転し、ゼンマイを巻き上げるように渦巻状の超
電導ケ−ブル10の巻線を行う。このとき、巻枠16が
ベンダ−の機能を兼ねて渦巻状の超電導ケ−ブル10の
持つ巻癖で不足する永久歪みが与えられ、巻枠側から巻
回間に隙間の無い超電導パンケ−キコイル20が形成さ
れる。また、超電導ケ−ブルが巻重なるにつれてその外
径が大きくなり、これに伴って超電導ケ−ブルに与える
永久歪みも減少するので、最小の加工歪みで超電導パン
ケ−キコイルを形成することができる。。その結果、得
られた超電導パンケ−キコイルは超電導ケ−ブルの断面
形状の変形が殆どなく、その補正のための加圧成形手段
も不要になる。
【0022】上述の巻線方法において、外径900mm
の巻枠に、コンジットの外径寸法が幅Wが29mm,高
さHが35.5mmの超電導ケ−ブル1をその幅方向に
複数回巻回し、各タ−ンコイル毎にコンジットの外径寸
法の変化量を測定した。その結果、巻付け半径Rがコン
ジットの幅Wの20倍以上であればW,H寸法の変化量
が0.15mm以下、内外周面の凹みδは殆ど零であっ
た。また巻付け半径が20倍以下になると、寸法変化が
複雑に変動するが、その最大変位量はW,H寸法で0.
3mm以下、δ寸法では0.1mm以下に収まり、この
巻線方法によれば、超電導ケ−ブルの変形量が極めて少
ない超電導パンケ−キコイルが得られることが実証され
た。
【0023】図2はこの発明の異なる実施例方法を示す
断面図であり、電線ドラムに整列巻された超電導ケ−ブ
ルが、その表面をテ−プ絶縁層により絶縁被覆されてい
ない場合、図3に示す巻回間が相互に密接した超電導パ
ンケ−キコイルの巻線工程(第3の工程)が終了した時
点で、巻枠をその巻き戻し方向に回転して巻回間に隙間
21を形成し、例えば台木22などを用いて超電導ケ−
ブル1を局部的に持ち上げ、超電導ケ−ブルの表面に絶
縁テ−プ23を複数層巻回してテ−プ絶縁層24を形成
する。しかる後、巻枠をその巻き締め方向に回転して巻
回間が相互に密接した絶縁被覆を有する超電導パンケ−
キコイル30を形成する。この方法によれば、コイルの
スプリングバック力を利用して超電導ケ−ブルに歪みを
与えることなくテ−ピング作業に必要な空間を確保でき
るとともに、再び巻締めする際テ−プ絶縁層に与える歪
みが少なくて済むので、皺などの欠陥がなく絶縁性能の
良いテ−プ絶縁層を得ることができる。
【0024】また、固定台に載置された拘束されない渦
巻状の超電導ケ−ブル10の状態で、超電導ケ−ブルの
表面にテ−プ絶縁層を形成することも可能であり、超電
導ケ−ブルの径と渦巻きの径に大きな差がない場合には
皺の少ないテ−プ絶縁層を形成できるとともに、超電導
パンケ−キコイルを巻戻し,再巻締めする工程を省略で
きるので、巻線工程の短縮,省時間化,および省力化が
可能になる。
【0025】図5はこの発明の実施例になる製造方法に
おける結束工程を示す要部の断面図であり、図3に示す
巻線工程を終了した超電導パンケ−キコイル20は、コ
ンジットの角部の丸みによって超電導パンケ−キコイル
の巻回間にできるくさび状の凹所に液状の充填樹脂31
を充填し、コイルの要所を放射状に例えば半硬化状態の
ガラスバインドテ−プ等の緊縛材を複数回テ−ピングし
てバインドテ−プ層32を形成し、超電導パンケ−キコ
イルの巻戻りを阻止した状態で余分な超電導ケ−ブルを
切断し、全体を樹脂の硬化温度に加熱して充填樹脂31
およびバインドテ−プ層32を硬化処理すれば、形態安
定性のよい超電導パンケ−キコイル30が得られる。な
おこの工程で、巻枠16および回転テ−ブル13とコイ
ルとの間に放射状に間隔片35をあらかじめ装着してお
けば、テ−ピング作業を容易化することができる。ま
た、コイルをバインドテ−プで仮締めした状態で巻線装
置がら取り外し、その後上記充填樹脂31の充填,バイ
ンドテ−プ層32による結束作業を行うよう構成しても
よい。
【0026】
【発明の効果】この発明は前述のように、金属管内に複
数の超電導線を収納した超電導ケ−ブルを巻回間が密接
した渦巻状の超電導パンケ−キコイルに巻線する際、超
電導ケ−ブルを拘束されない渦巻状にして電線ドラムか
ら固定台に移し替え、その外周側の端末を固定台に固定
するとともに、その内周側の端末を固定台の中央部に回
転可能に配された巻枠に連結した後、この巻枠をその巻
き締め方向に回転して超電導ケ−ブルの径を逐次巻枠側
に縮小し、巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キコ
イルを形成するよう構成した。その結果、超電導ケ−ブ
ルが電線ドラムに整列巻される際その内部に蓄勢してい
るスプリングバック力,および巻癖を巧みに利用して電
線ドラムから巻線装置への移し変え作業を容易化でき
る。また、巻枠を回転して渦巻状の超電導ケ−ブルを巻
締めする工程では、巻枠に巻重なるコイルそのものがベ
ンダ−または曲げ型の機能を兼ねて上記巻癖で不足する
永久歪みが均一に与えられ、巻枠側から巻回間に隙間の
無い超電導パンケ−キコイルが形成される。じたがっ
て、最小の加工歪みで超電導パンケ−キコイルを形成す
ることが可能になり、超電導ケ−ブルに張力を加えて巻
線する従来の巻線方法で問題となったコンジットの変形
をほぼ完全に回避でき、これに伴う耐電磁機械力性能の
低下,冷却媒体の通流性能の低下,および超電導線の性
能低下などが無く、寸法精度の高い、高性能な強制冷凍
形超電導パンケ−キコイルを簡単化された方法で得られ
る超電導パンケ−キコイルの製造方法を提供することが
できる。
【0027】また、巻締め中のコイルがベンダ−の機能
を兼ねるので、従来方法で必要としたベンダ−や曲げ型
が不要になり、またコンジットの変形を回避できるの
で、加圧成形手段も不要になるので、巻線装置は駆動装
置および回転テ−ブルと、これらを包囲する固定台とか
らなる簡素な構造で済むことになり、設備費用を大幅に
低減でき、これに伴って超電導パンケ−キコイルの加工
費用も大幅に低減できる利点が得られる。
【0028】一方、巻回間が相互に密接した超電導パン
ケ−キコイルを形成した後、巻枠をその巻き戻し方向に
回転して巻回間に隙間を形成し、超電導ケ−ブルの表面
にテ−プ絶縁層を形成し、しかる後巻枠をその巻き締め
方向に再び回転して巻回間が相互に密接した絶縁被覆を
有する超電導パンケ−キコイルを形成する行程を含むよ
う構成すれば、コイルのスプリングバック力を利用して
超電導ケ−ブルに歪みを与えることなくテ−ピング作業
に必要な空間を確保できるとともに、再び巻締めする際
テ−プ絶縁層に与える歪みが少なくて済むので、皺など
の欠陥がなく絶縁性能の良いテ−プ絶縁層を有する超電
導パンケ−キコイルを提供することができる。また、固
定台に載置された拘束されない渦巻状の超電導ケ−ブル
の表面にテ−プ絶縁層を形成してもよく、超電導ケ−ブ
ルの径と渦巻きの径に大きな差がない場合には皺の少な
いテ−プ絶縁層を形成できるとともに、超電導パンケ−
キコイルを巻戻し,再巻締めする工程を省略できる利点
が得られる。
【0029】また、コイルの結束方法を、巻回間が相互
に密接した超電導パンケ−キコイルを巻線した後、各巻
回間の凹所に液状の充填樹脂を充填するとともに、超電
導パンケ−キコイルを接着剤を含むバインドテ−プで結
束し、しかる後加熱硬化する行程を含むよう構成すれ
ば、超電導パンケ−キコイルの巻戻りが阻止され、機械
的安定性の高い超電導パンケ−キコイルを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例方法における第1の工程を装
置とともに示す断面図
【図2】この発明の実施例における第2の工程を示す断
面図
【図3】この発明の実施例における第3の工程を示す断
面図
【図4】この発明の異なる実施例方法を示す断面図
【図5】この発明の実施例における結束工程を示す要部
の断面図
【図6】強制冷凍形超電導ケ−ブルを簡単化して示す断
面図
【図7】超電導パンケ−キコイルの従来の巻線方法を示
す説明図
【図8】従来の巻線方法における超電導ケ−ブルの変形
状態を模式化して示す図
【図9】従来の加圧成形手段による超電導ケ−ブルの変
形状態を模式化して示す図
【符号の説明】
1 強制冷凍形超電導ケ−ブル(超電導ケ−ブル) 1S 超電導線 1C コンジット 1H 冷却媒体 2 電線ドラム 4 巻枠 5 ベンダ− 6 加圧成形手段 10 渦巻状の超電導ケ−ブル 11 巻線装置 12 駆動装置 13 回転テ−ブル 14 固定台 15 固定テ−ブル 16 巻枠(巻型) 18 クランプ部(固定テ−ブル側) 19 クランプ部(巻枠側) 20 超電導パンケ−キコイル 21 隙間 22 台木 23 絶縁テ−プ 24 テ−プ絶縁層 30 結束された超電導パンケ−キコイル 31 充填樹脂 32 バインドテ−プ層 35 間隔片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 良和 茨城県那珂郡那珂町大字向山801番地の1 日本原子力研究所 那珂研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属管内に複数の超電導線を収納した超電
    導ケ−ブルを巻回間が密接した渦巻状の超電導パンケ−
    キコイルに巻線する方法であって、前記超電導ケ−ブル
    を拘束されない渦巻状にして電線ドラムから固定台に移
    し替え、その外周側の端末を固定台に固定するととも
    に、その内周側の端末を前記固定台の中央部に回転可能
    に配された巻枠に連結した後、この巻枠をその巻き締め
    方向に回転して前記超電導ケ−ブルの径を逐次前記巻枠
    側に縮小し、巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キ
    コイルを形成することを特徴とする超電導パンケ−キコ
    イルの巻線方法。
  2. 【請求項2】巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キ
    コイルを形成した後、巻枠をその巻き戻し方向に回転し
    て巻回間に隙間を形成し、超電導ケ−ブルの表面にテ−
    プ絶縁層を形成し、しかる後巻枠をその巻き締め方向に
    回転して巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キコイ
    ルを再び形成する行程を含むことを特徴とする請求項1
    記載の超電導パンケ−キコイルの巻線方法。
  3. 【請求項3】固定台に載置された拘束されない渦巻状の
    超電導ケ−ブルの表面にテ−プ絶縁層を形成する工程を
    含むことを特徴とする請求項1記載の超電導パンケ−キ
    コイルの巻線方法。
  4. 【請求項4】巻回間が相互に密接した超電導パンケ−キ
    コイルを形成した後、各巻回間の凹所に液状の充填樹脂
    を充填するとともに、超電導パンケ−キコイルを接着剤
    を塗布したバインドテ−プで結束し、しかる後前記充填
    充填樹脂および接着剤を加熱硬化する結束行程を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の超電導パンケ−キコイル
    の巻線方法。
  5. 【請求項5】金属管内に複数の超電導線を収納した超電
    導ケ−ブルを巻回間が密接した渦巻状の超電導パンケ−
    キコイルに巻線する装置であって、駆動装置に水平に連
    結された回転テ−ブルと、この回転テ−ブル上に固定さ
    れた巻枠と、前記回転テ−ブルを同心状に包囲し前記回
    転テ−ブルと同一平面内に固定したテ−ブル面を有する
    固定台とを備えてなることを特徴とする超電導パンケ−
    キコイルの巻線装置。
  6. 【請求項6】巻枠および固定台がクランプ部を備え、固
    定台側のクランプ部が超電導ケ−ブルの長さ方向の任意
    の位置を固定できるよう取付位置が可変に形成されてな
    ることを特徴とする請求項5記載の超電導パンケ−キコ
    イルの巻線装置。
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