JPS6362078B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印字用紙に帯電する静電気を効率よく
除去する静電気除去装置に関するものである。

印字装置におけるブラシ状自己放電式除電器に
よる除電法としては、印字部と紙送り手段との間
の用紙搬送路付近に配置する。あるいは用紙排出
部付近の用紙搬送路付近に除電器を配置する等の
方法が採用されている。しかし前者は印字部より
発生する静電気は除去できるが、紙送り手段部に
新たに発生して用紙に帯電される静電気を除去で
きない。また後者は印字部、紙送り手段部におい
て発生する静電気が帯電された状態で用紙を送る
ため、用紙搬送路に用紙が貼り付く用紙走行不良
あるいは用紙に帯電した高電位の静電が用紙搬送
路上に放電し筐体に一時的に大きな電流を流すこ
とによる電気的な障害を引き起こす等の不都合が
あつた。

またブラシ状自己放電式除電器は、用紙等の被
帯電体に接触させて除電するのが一般的である
が、印字装置に採用するとなると以下に述べる問
題があつた。すなわち、印字装置において用紙は
間欠的に送られ、この間欠送り時に用紙がその搬
送方向平面に対して直角の方向すなわち用紙紙面
に対して上下方向に大きく振動するので、前記除
電器のブラシが用紙の振動を受け、折れや曲げあ
るいは摩耗を生じ、ブラシと用紙との関係位置が
ずれて除電能力が低下する恐れがあるということ
である。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、この種の印字装置の静電気除去を効果的に
行い、静電気障害を未然に防ぐことである。

本発明は、前記ブラシの損傷はブラシが用紙に
接触し、かつ用紙紙面に垂直に対向していること
に起因すること及び紙送り手段部を通過してから
の距離が大になるに従い、用紙がその搬送方向平
面と直角の方向すなわち用紙紙面に対して上下方
向に振動する量が大となることに着目し、紙送り
手段から所定距離内の用紙搬送路上であつて用紙
に接触しない位置にブラシ状自己放電式除電器を
設置すると共に該ブラシを用紙搬送路に沿つて延
ばし、用紙と対向するブラシの面積を大きくして
除電効果が上がるように工夫したことを特徴とす
るものである。

以下実施例図面を参照して本発明を説明する。
両側に送り孔２を有する印字用紙１は、印字ハン
マ３、インクリボン４、活字ベルト５及びプラテ
ン６等から構成される印字部において印字され、
その後該印字部の後方に設けられた本発明紙送り
手段を構成するスプロケツト７により該スプロケ
ツト７と押え板８との間を通つて矢印Ａ方向に送
られて印字装置外へ排出される。スプロケツト７
の後方のガイドプレート９上にブラシ状自己放電
式除電器２０が設置されている。該除電器２０
は、用紙１の幅方向に沿つて延びた金属性ホルダ
２２及び該ホルダ２２に第３図に示す如く例えば
埋設等の手段によつて保持され、用紙１の搬送方
向に沿つて延びたブラシ２１から構成され、固定
ネジ２３によつて前記ガイドプレート９上に取付
けられる。該ガイドプレート９は図示しない接地
手段によつて接地されているので、用紙１上に帯
電した静電気は除電器２０及びガイドプート９を
介して大地に放電される。

前記除電器２０は、用紙１がスプロケツト７を
離れる位置すなわちスプロケツト７の出口であつ
て押え板８の後端から所定距離Ｂの範囲内に設置
される。すなわち、用紙１がその搬送方向と直角
の方向に振動する量は、スプロケツト７を離れる
直後が最も小さく、スプロケツト７から離れる程
大きくなるので、その振動量が除電器２０の除電
できる距離以下となる位置に除電器２０を設置す
れば、用紙１上の帯電静電気は静電気障害を発生
しない電位まで確実に除電される。前記距離Ｂ
は、実験によれば、０＝Ｂ≦14cmに設定すればよ
いことが判明した。なお該距離Ｂは、用紙１がス
プロケツト７を離れる位置からブラシ２１がホル
ダ２２を離れる位置までの距離とする。

以上のように本発明によれば、用紙の振動量が
小さい紙送り手段の後方所定距離の範囲内に除電
器を設置したので、用紙と除電器間の距離の変化
が小さくなり用紙に帯電した静電気を効果的に除
去できるようになる。また除電器のブラシを用紙
と無接触とし、かつ用紙搬送路に沿つて延ばした
ので、ブラシ先端が用紙に対向するものと比べ、
用紙との対向面積を大きくとれ、除電効果が向上
すると共にブラシが用紙の振動によつて折れ、曲
げあるいは摩耗等を受けることがなく、除電能力
が低下する恐れがなくなる等の効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明静電気除去装置の一実施例を示
す側面断面図、第２図はその斜視図、第３図は除
電器と用紙との関係を拡大側面断面図である。図
において、１は印字用紙、３は印字ハンマ、５は
活字ベルト、６はプラテン、７はスプロケツト、
８は押え板、９はガイドプレート、２０は除電
器、２１はブラシ、２２はホルダ、２３は固定ネ
ジである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも印字部の後方に１個の紙送り手段
   を設け、該紙送り手段により用紙を間欠的に給送
   するようにした印字装置において、 用紙搬送路に沿つて延びたブラシ及び該ブラシ
   を保持するホルダからなるブラシ状自己放電式除
   電器を、前記用紙が紙送り手段を離れる位置から
   所定距離以内であつて、用紙の下方に設置したこ
   とを特徴とする印字装置の静電気除去装置。