JPS636052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブリスタパツキングケースに関するも
のである。

本考案の目的は、ペンチ等の二股の握り柄を有
する工具の頭部を収納するブリスタパツキングケ
ースを提供するものである。

商品の包装手段としてブリスタパツケージが知
られている。このブリスタパツケージは、熱可塑
性プラスチツクフイルム又はシートによる包装方
法の一種で、包装しようとする商品の形状に略合
せた輪郭のふくらみに真空形成した透明なプラス
チツクカバーフイルム又はシートのふくらんだ部
分に商品を入れたのち、台紙にそのフイルム又は
シートの平らな部分のみをヒートシールあるいは
接着する方法であり、日用品、雑貨、錠剤薬品な
どの包装に広く実用されている。

このブリスタパツケージをペンチ、プライヤ等
の工具に採用するについて、従来は工具全体をす
つぽりと被つてしまう包装形態をとつていたが、
これでは包装コストが高くなるばかりでなく、包
装全体が大きくなる為に輸送運搬等にかかるコス
トも高くつく。

また、剪定バサミ等のようにかかる包装形態が
不備な工具もある。

このような工具にあつては実際のところ工具全
体を被包する必要はなく、刃部や頭部を保護する
包装で充分な場合が多いが単に刃部や頭部をブリ
スタパツケージしたのでは、この被包が容易に脱
落してしまつて包装の役目を果たさなくなつてし
まうことが往々にしてある。特に店頭等の陳列で
は吊り下げが一般的になつているが、この吊り下
げ時に工具が包装体より脱落してしまう危険性が
高い。さらに、陳列されている工具を包装体より
容易に取り出して品質その他を確認できるように
なつていることも必要なことでさる。

そこで、本考案は、ペンチ、プライヤ、剪定バ
サミのような二股の握り柄を有する工具を前記要
望に答えた包装を可能にしたブリスタパツキング
ケースを案出したものである。以下その実施例に
ついて図面により説明する。

１はブリスタパツキングケース本体を構成する
熱可塑性プラスチツクシートであり、このシート
１の表面に、ペンチ等の二股の握り柄７を有する
工具の頭部６と、この頭部６に連なる二股の握り
柄７の基部３との輪郭と略同形の凹部２を真空成
形若しくは加熱プレス等により成形する。尚、４
は二股の握り柄７の基部３が開かないように拘束
する凹部２の側壁面である。

加えて、前記シート１の下端中央部にはシート
１の表面を覆う蓋板９が連結帯１０を介して折り
曲げ展開自在に連設されている。従つて、連結帯
１０の左右には切欠開口部１４が形成される。そ
して、前記凹部２又は蓋板９の何れか一方に、工
具の握り柄７の二股分岐部８の空間に介入する凸
起５，５ａを突設したものである。この凸起５乃
至５ａと連結帯１０間には図示Ｈで表わされる間
隙が存在しており、また、連結帯１０の長さは前
記凸起５乃至５ａの高さより若干（素材の厚み分
程度）長めとなつていることが好ましい。加えて
シート１と蓋板９とには、蓋板９をシート１の表
面に対接して覆つた状態で合致する吊下げ穴１３
が開設され、さらに蓋板９を閉じたときに展開し
ないように蓋板９に係合突起１１を突設し、シー
ト１には前記係合突起１１と対応する位置に係合
穴１２が設けられる。尚蓋板９の係止手段はホツ
チキスやラベル接着テープ等であつてもよい。

本考案は上記の通りの構造であるから、蓋板９
の半展開状態で工具の握り柄７を切欠開口部１４
に差し通してシート１の表面の凹部２内に工具の
頭部６と握り柄７の基部３とを収納する。この凹
部２に収納された工具は凸起５が凹部２に突設さ
れている場合、収納によつて握り柄７の二股分岐
部８の空間に凸起５が介入され、また、蓋板９に
凸起５ａが設けられている場合は、蓋板９をシー
ト１の表面に対接して閉じたときに凸起５ａが握
り柄７の二股分岐部８の空間に介入される。その
際、凸起５，５ａを図示のように中空の凸起と
し、比較的薄肉に構成すれば、中空凸起部分の変
形によつて握り柄７の太さのバラツキをある程度
吸収できるので収納可能な工具の巾が広がるもの
である。

そして、凸起５乃至５ａと連結帯１０間には図
示Ｈで表わされる間隙を設けたから、工具の握り
柄７を切欠開口部１４に差し通す際も挿入が容易
に行なえ、また、連結帯１０の長さが凸起５乃至
５ａの高さと略等しくなつているからシート１と
蓋板９をぴつたりと合わせることが出来て工具の
保護性が高まると共に折曲部分に過度の弾性が作
用して蓋板９が展開してしまうことを防いでいる
ものである。

以上のように本考案によると、二股の握り柄を
有するペンチ等の工具の頭部と、この頭部に連な
る二股の握り柄の基部との輪郭と略同形の凹部を
形成したシートと、このシートの表面を覆う蓋板
をシートの下端中央部に連結帯を介して折り曲げ
展開自在に連設し、前記連結帯の左右に前記工具
の握り柄が挿通される切欠開口部を形成した構成
により、吊り下げ陳列時に蓋板が開いたとして
も、また工具を手にとつて見るために蓋板を開い
たときに凹部に形成されている凸起から二股握り
柄が外れても連結帯に二股握り柄が引つかかつて
工具がパツケージからの脱落を防止する。

また、連結帯の長さを凸起の高さと略等しくし
ているため、蓋板の係止手段が外れても蓋板の下
端は連結帯によつて開放を阻止し、蓋板が閉じら
れた状態を保持して吊り下げ陳列される。

【図面の簡単な説明】

第１図は蓋板を展開した状態の本考案の表面
図、第２図は第１図矢視側面図、第３図は蓋板
を閉じた状態の第１図−線に相当する断面図
である。 １……シート、２……凹部、５，５ａ……凸
起、６……工具の頭部、７……工具の二股の握り
柄、８……工具の握り柄の二股分岐部、９……蓋
板、１０……連結帯、１４……切欠開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペンチ等の二股の握り柄を有する工具の頭部
   と、この頭部に連る二股の握り柄の基部との輪郭
   と略同形の凹部をシートに形成し、前記シートの
   表面を覆う蓋板をシートの下端中央部に連結帯を
   介して折り曲げ展開自在に連設し、前記連結帯の
   左右に前記工具の握り柄が挿通される切欠開口部
   を形成すると共に、前記工具の握り柄の二股分岐
   部空間に介入する凸起を前記凹部又は蓋板の何れ
   か一方に突設し、前記連結帯の長さを前記凸起の
   高さと略等しくしたことを特徴とするブリスタパ
   ツキングケース。