JPS6213961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブリスタパツキングケースに関するも
のである。

本考案の目的は、ペンチ等の二股の握り柄を有
する工具の頭部を収納するブリスタパツキングケ
ースを提供するものである。

商品の包装手段としてブリスタパツケージが知
られている。このブリスタパツケージは、熱可塑
性プラスチツクフイルム又はシートによる包装方
法の一種で、包装しようとする商品の形状に略合
せた輪郭のふくらみに真空成形した透明なプラス
チツクカバーフイルム又はシートのふくらんだ部
分に商品を入れたのち、台紙にそのフイルム又は
シートの平らな部分のみをヒートシールあるいは
接着する方法であり、日用品、雑貨、錠剤薬品な
どの包装に広く実用されている。

このブリスタパツケージをペンチ、ブライヤ等
の工具に採用するについて、従来は工具全体をす
つぽりと被つてしまう包装形態をとつていたが、
これでは包装コストが高くなるばかりでなく、包
装自体が大きくなる為に輸送運搬等にかかるコス
トも高くつく。

また、剪定バサミ等のようにかかる包装形態が
不備な工具もある。

このような工具にあつては実際のところ工具全
体を被包する必要はなく、刃部や頭部を保護する
包装で充分な場合が多いが単に刃部や頭部をブリ
スタパツケージしたのでは、この被包が容易に脱
落してしまつて包装の役目を果たさなくなつてし
まうことが往々にしてある。特に店頭等の陳列で
は吊り下げが一般的になつているが、この吊り下
げ時に工具が包装体より脱落してしまう危険性が
高い。さらに、陳列されている工具を包装体より
容易に取り出して品質その他を確認できるように
なつていることも必要なことである。

そこで、本考案は、ペンチ、ブライヤ、剪定バ
サミのような二股の握り柄を有する工具を前記要
望に答えた包装を可能にしたブリスタパツキング
ケースを案出したものである。以下その実施例に
ついて図面により説明する。

１はブリスタパツキングケース本体を構成する
熱可塑性プラスチツクシートであり、このシート
１の表面に、ペンチ等の二股の握り柄７を有する
工具の頭部６と、この頭部６に連なる二股の握り
柄７の基部３との輪郭と略同形の凹部２を真空成
形若しくは加熱プレス等により成形する。尚、４
は二股の握り柄７の基部３が開かないように拘束
する凹部２の側壁面である。

加えて、前記シート１の端部（上端ないし側端
部、図においては上端部）にはシート１の表面を
覆う蓋板９が折曲部１０より折り曲げ展開自在に
連設されている。そして、前記凹部２又は蓋板９
の何れか一方に、工具の握り柄７の二股分岐部８
の空間に介入し、しかも蓋板９を折り曲げた際に
対接面に近接する厚みのある。凸起５，５ａを突
設したものである。またシート１と蓋板９とに
は、蓋板９をシート１の表面に対接して覆つた状
態で合致する吊下げ穴１３が開設され、さらに蓋
板９を閉じたときに展開しないように蓋板９に係
合突起１１を突設し、シート１には前記係合突起
１１と対応する位置に係合穴１２が前記凸起５，
５ａの近傍に設けられている。尚蓋板９の係止手
段はホツチキスやラベル接着テープ等であつても
よいが、やはりかかる係止手段は凸起５，５ａの
近傍に設けられる。

本考案は上記の通りの構造であるから、蓋板９
の展開状態でシート１の表面の凹部２内に工具の
頭部６と握り柄７の基部３とを収納する。この凹
部２に収納された工具は凸起５が凹部２に突設さ
れている場合、収納によつて握り柄７の二股分岐
部８の空間に凸起５が介入され、また、蓋板９に
凸起５ａが設けられている場合は、蓋板９をシー
ト１の表面に対接して閉じたときに凸起５ａが握
り柄７の二股分岐部８の空間に介入される。その
際、凸起５，５ａを図示のように中空の凸起と
し、比較的薄肉に構成すれば中空凸起部分の緩衝
作用によりケースが傷むのを防止できる。加え
て、中空凸起部分の変形によつて握り柄７の太さ
のバラツキをある程度吸収できるので収納可能な
工具の巾が広がるものである。

また上記したごとく凸起５，５ａは凹部２又は
蓋板９の何れか一方で、しかも折り曲げた際に対
接面に近接するような厚みのある凸起となつてい
るから、凸起５，５ａと対接面が離隔することに
よつて生じる工具の脱落を防止しており、かかる
効果は係止手段を凸起５，５ａの近傍に設けるこ
とによつて、凸起５，５ａと係止手段の間のシー
ト１に生じる外圧による歪み変形に伴なつた前記
対接面の離隔を防止できるので、より確実とな
る。

従つて、本考案によると、二股の握り柄を有す
るペンチ等の工具の頭部近傍のみをブリスタパツ
ケージによつて包装し、且つ保護すると共に、蓋
板を閉じた状態においては、凸起によつて工具頭
部がパツキングケースから抜けることがなく、吊
下げ状態の陳列時においても工具の落下が確実に
防止される。また、蓋板を展開することにより、
凹部に収納されている工具は容易に取り出すこと
ができ、品質等の確認がパツキングケースを破る
ことなく行うことができ、再びもと通りに収納す
ることができる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は蓋板を展開した状態の本考案の表面
図、第２図は同側面図、第３図は第１図−線
断面図である。 １……シート、２……凹部、５，５ａ……凸
起、６……工具の頭部、７……工具の二股の握り
柄、８……工具の握り柄の二股分岐部、９……蓋
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペンチ等の二股の握り柄を有する工具の頭部
   と、この頭部に連る二股の握り柄の基部との輪郭
   と略同形の凹部をシート面に形成し、シート面の
   表面を覆う蓋板をシート面の端部に折り曲げ展開
   自在に連設すると共に、前記工具の握り柄の二股
   分岐部空間に介入し、しかも前記蓋板を折り曲げ
   た際に対接面に近接する厚みのある凸起を前記凹
   部又は蓋板の何れか一方に突設し、かつこの凸起
   の近傍に前記蓋板とシート面との係止手段を備え
   たことを特徴とするブリスタパツキングケース。