JPS6360373B2 - - Google Patents

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JPS6360373B2
JPS6360373B2 JP50323184A JP50323184A JPS6360373B2 JP S6360373 B2 JPS6360373 B2 JP S6360373B2 JP 50323184 A JP50323184 A JP 50323184A JP 50323184 A JP50323184 A JP 50323184A JP S6360373 B2 JPS6360373 B2 JP S6360373B2
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photopolymerizable
solution
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polyethyleneimine
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Description

請求の範囲 1 エチレン性不飽和単量体、染料増感剤及び分
枝鎖状ポリエチレンイミンを含む光重合性組成
物。 2 該分枝鎖状ポリエチレンイミン中の窒素の少
なくとも20%が3級窒素である請求の範囲1に規
定されたとおりの光重合性組成物。 3 該染料増感剤がメチレンブルーである請求の
範囲1に規定されたとおりの光重合性組成物。 4 該エチレン性不飽和単量体がアクリル酸の一
価の塩である請求の範囲1に規定されたとおりの
光重合性組成物。 5 該エチレン性不飽和単量体がリチウムアクリ
レートである請求の範囲4に規定されたとおりの
光重合性組成物。 6 ポリ−N−ビニルピロリドンを更に含有する
請求の範囲5に規定されたとおりの光重合性組成
物。 7 リチウムアクリレート、分枝鎖状ポリエチレ
ンイミン、染料増感剤及びポリ−N−ビニルピロ
リドンを含む層を担持する支持体を含む光重合性
要素。 8 該分枝鎖状ポリエチレンイミン中の窒素の少
なくとも20%が3級窒素である請求の範囲7に規
定されたとおりの光重合性要素。 9 該染料増感剤がメチレンブルーである請求の
範囲7に規定されたとおりの光重合性要素。 10 該メチレンブルーの感光性範囲を拡大する
のに有効なもう一つの染料増感剤を含有する請求
の範囲9に規定されたとおりの光重合性要素。 11 リチウムアクリレート、染料増感剤、分枝
鎖状ポリエチレンイミン及びポリ−N−ビニルピ
ロリドンを含有する層で支持体を被覆し、この層
を乾燥させ、そしてこの被覆した支持体を低湿度
環境中で貯蔵して、かくしてこのリチウムアクリ
レート層を実質的に非−光重合性に維持すること
を含む方法。 12 該リチウムアクリレート層に給湿して、そ
れを感光性にする工程を含む請求の範囲11の方
法。 13 該染料増感剤がメチレンブルーである請求
の範囲11の方法。 14 該分枝鎖状ポリエチレンイミン中の窒素の
少なくとも20%が3級窒素である請求の範囲11
の方法。 15 該分枝鎖状ポリエチレンイミンが約60000
の分子量を有する請求の範囲14の方法。 16 該分枝鎖状ポリエチレンイミンがヒドロキ
シエチル化ポリエチレンイミンである請求の範囲
14の方法。 17 該染料増感剤がエリスロシンである請求の
範囲11の方法。 18 該染料増感剤がエオシンYである請求の範
囲11の方法。 19 該染料増感剤がナトリウムリボフラビン−
5−ホスフエートである請求の範囲11の方法。 20 給湿したリチウムアクリレート層を、光重
合を開始させ、そしてこの層中に光重合体像を形
成するのに有効な照射に露光する工程を含む請求
の範囲12の方法。 21 該リチウムアクリレートを分枝鎖状ポリエ
チレンイミン中の総窒素に基づいて化学量論的過
剰に存在させる請求の範囲11の方法。 22 エチレン性不飽和単量体、染料増感剤及び
分枝鎖状ポリエチレンイミンを含む光重合性組成
物を該染料増感剤により吸収される光に像様に露
光し、これにより該単量体の像様の光重合を行わ
せることを含む光重合体像の形成方法。 23 該分枝鎖状ポリエチレンイミン中の窒素の
少なくとも20%が3級窒素である請求の範囲22
の方法。 24 該染料増感剤がメチレンブルーである請求
の範囲22の方法。 25 該染料増感剤がナトリウムリボフラビン−
5−ホスフエートである請求の範囲22の方法。 26 該エチレン性不飽和単量体がアクリル酸の
一価の塩である請求の範囲22の方法。 27 該エチレン性不飽和単量体がリチウムアク
リレートである請求の範囲26の方法。 28 該光重合性組成物がポリ−N−ビニルピロ
リドンを含有する請求の範囲27の方法。 29 該光重合性組成物が支持体上の被覆層であ
る請求の範囲28の方法。 30 該露光をレーザーにより行う請求の範囲2
9の方法。 31 該光重合体像がホログラムである請求の範
囲30の方法。 32 該像様露光に次いで該光重合性組成物を均
一に露光する工程を含む請求の範囲22の方法。 33 該リチウムアクリレートが該分枝鎖状ポリ
エチレンイミン中の総窒素に基づき化学量論的過
剰で存在する請求の範囲27の方法。 34 該光重合体像をジルコニウム化合物の溶液
で処理する工程を含む請求の範囲22の方法。 35 該ジルコニウム化合物が酢酸ジルコニウム
である請求の範囲34の方法。 36 該ジルコニウム処理した光重合体像を脂肪
酸の溶液で処理する工程を含む請求の範囲34の
方法。 37 該脂肪酸がステアリン酸である請求の範囲
36の方法。 明細書 本発明は写真、更に特に新規な光重合性材料に
関する。本発明によつて提供される光重合性材料
はホログラム形成に使用するのに特に適してい
る。 発明の背景 光重合は、単量体系分子から重合体の生成を導
く一方法である。多くの光重合性材料が当業界で
既知であり、レジスト及びその他の形の像の形成
に使用されている。 光重合方法の良好な説明はイメージング シス
テムス(Imaging Systems)の第X章、ジエコ
ブソン アンド ジエコブソン、ジヨーン ウイ
リー アンド サンズ、N.Y.、N.Y.(Jacobson
and Jacobson、John Wiley & Sons.N.Y.、
N.Y.)第181〜222ページに見られる。染料増感
光重合系はかなり詳細に検討されている;例え
ば、第184ページ、第195〜197ページ及び第214〜
216ページ参照。広範な種々のエチレン性不飽和
単量体がこのような系で有用であるとして認めら
れている。重合開始剤としてのp−トルエンスル
フイン酸ナトリウムと組み合わせて染料増感剤と
してのメチレンブルーの使用は、バリウムジアク
リレート及びアクリルアミドとともに用いる場合
に、特に有用な光重合開始系として認められてお
り、このような光重合性組成物は、またホログラ
フイ記録用材料として有用なものと認められてい
る。マージエルム(Margerum)らに対して1972
年9月26日付で発行された米国特許第3694218号
は、例えばバリウムジアクリレート、鉛ジアクリ
レート、アクリルアミド、メチレンブルー、p−
トルエンスルフイン酸ナトリウム塩及び4−ニト
ロフエニル酢酸ナトリウム塩を含む類似の光重合
系を使用するホログラムの形成を記載している。 前記米国特許第3694218号に記載されているそ
の他の重合開始剤はトリオルガノホスフイン化合
物、トリオルガノアルシン化合物及びその他の有
機スルフイン系化合物を包含する。重合開始剤の
同様の記載が、両方共にラスト(Rust)の名前
で、1971年4月6日付で発行された米国特許第
3573922号及び1972年3月14日付で発行された同
第3649495号に見られる。 前記マージエルム及びラストの特許に記載され
ているタイプの光重合系は液状であり、間隔をあ
けて離れているガラススライド間に配置して薄い
セルを形成させることによつて使用される。粘度
を増加させるために、又はフイルムを形成させる
ためにフイルム形成性増粘剤を添加することはラ
ストに対して1971年8月3日付で発行された米国
特許第3594204号で提案されている;提案されて
いる重合体系増粘剤の例はゼラチン、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン及びセルロー
ス系化合物を包含している。同様の記載がラスト
に対して1970年9月29日付で発行された米国特許
第3531281号に見られ、ここではポリビニルピロ
リドンの添加が溶液に粘度を付与する目的にあ
り、かくしてガラス上に更に満足なフイルムが形
成されると述べられている。ホウ(Haugh)に
対して1972年4月25日付で発行された米国特許第
3658526号は種々の重合体を添加して、100℃以上
の沸点を有する単量体を用いる光重合性フイルム
を形成することを記載している。 メチレンブルー及びp−トルエンスルフイン酸
と組み合わせてバリウムジアクリレートを用いる
光重合による相ホログラム(phase holograms)
の形成は文献「ホログラフイツク レコーデイン
グ ウイズ ホトポリマース」(Holographic
Recording with Photopolymers)、ジヤーナル
オプテイカル ソサイエテイ オブ アメリカ
(Journal Optical Society of AmeriCa)、第60
巻第1155〜1161ページ、1970年9月にゼニイ
(Jenney)により若干検討されている。 マージエルムらは論文「スターデイス オン
ザ メカニズム オブ ダイ−センシタイズド
フオトポリメリゼージ イニシエーシヨン」
(Studies on the Mechanism of Dye−
sensitized Photopolymerization Initiation)、
ポリマー プレプリンツ ホア ザ ワンハンド
レツドシツクステイス アメリカン ケミカル
ソサイエテイ ミーテイング(Polymer
Preprints for the 160th American Chemical
Society Meeting)シカゴ.イリノイ.1970年9
月15日、第634〜644ページに、メチレンブルー及
びアクリルアミドを組み合わせて使用する多くの
「触媒」又は重合開始剤を報告している。若干の
場合に、アクリルアミドとバリウムジアクリレー
トとの混合物が使用されている。マージエルムら
はスルフイン酸イオンがトリエタノールアミン及
びエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のよ
うなその他の触媒よりもはるかに優れていたと結
論している。スガワラ(Sugawara)ら〔アプラ
イド オプテイツス(Applied Optics、第14巻、
1975年2月;第378〜382ページ)〕はアクリルア
ミド及びメチレンブルーとともに開始剤としてア
セチルアセトン及びトリエタノールアミンを使用
することを報告している。 このような光重合系は一般に、単量体及び光触
媒系が個別には長い貯蔵寿命を有していても、限
定された貯蔵寿命……ある場合には数時間だけ…
…を有するものと認識されている;ジエニイの前
記文献第1155ページ及びスガワラらの前記文献第
378及び第382ページ参照。この理由で、この技術
は構成成分を使用の直前に混合し、塗布すべきも
のと教示している。確かに、ブラウルト
(Brault)らに対して1977年7月19日付で発行さ
れた米国特許第4036647号は光重合性組成物の一
部分を支持体上に塗布するとともに、残りの成分
は破裂性容器又はポツド(pod)中に貯蔵されて
いる液体中に含有させる構造を提案している。ポ
ツドが破裂し、液体が塗布されている支持体と第
2の要素との間に配分されると、光重合性組成物
が使用の直前にその場で形成される。 タナカ(Tanaka)らの名前で1979年11月6日
付で発行された米国特許第4173474号は担体重合
体、例えばゼラチン中の単量体、例えばバリウム
ジアクリレートを光重合させ、次いでイソプロパ
ノールのような溶剤の1種又は2種以上中に浸漬
することによるホログラムの形成を記載してい
る。タナカらは担体重合体として使用するのに適
する別の重合体の長いリストの中でポリエチレン
イミン及びポリビニルピロリドンを挙げている;
第3欄第67行〜第4欄第19行参照。担体重合体は
光重合後に溶剤と接触したときのその膨潤性に基
づいて選択される;第2欄第23〜25行参照。レー
ザー露光した被覆物を固定するための白色光露光
は記載されていない。この特許は分枝鎖状ポリエ
チレンイミンがエチレン性不飽和単量体の染料増
感光重合における活性協働体であるという本発明
者の発見を教示又は示唆していない。更にまた、
タナカらは光重合性単量体としてのリチウムアク
リレートの使用又は特別の性質を教示も示唆もし
ていない。 発明の要旨 本発明に従い、重合開始剤として分枝鎖状ポリ
エチレンイミンを用いる新規な染料増感した光重
合性組成物が、提供される。 本発明の好適態様では、光重合性単量体がリチ
ウムアクリレートであり、そして光重合性組成物
を支持体上に塗布して、延長された貯蔵寿命を示
す過光性要素が提供される。
【発明の詳細な説明】
分枝鎖状ポリエチレンイミンが染料増感した光
重合の高度に効果的な開始剤であることが見いだ
された。本明細書で使用する限り、「分枝鎖状ポ
リエチレンイミン」は3級窒素原子(3級アミン
基)を有するポリエチレンイミンを指すものをす
る。このような分枝鎖状ポリエチレンイミンの例
には次式を有するものである:
【式】 〔式中、Rは、
【式】である〕。 このような分枝鎖状ポリエチレンイミンは、
CASNo.9002−98−6を有し、コードバケミカル
(Cordova Chemical)社、ミシガン、ノース
マスケゴン、ミシガン(Michigan、North
Muskegon、Michigan)から「コーキヤツト」
(Corcat)の商品名で市場で入手できる。重合中
の分枝形成は、大体、1級アミン30%、2級アミ
ン40%及び3級アミン30%を導くものと報告され
ている。 3級窒素を含有する誘導体化されたポリエチレ
ンイミン類もまた適当であり、例えばダウ ケミ
カル(Dow Chemical)社、ミツドランド、ミシ
ガン(Midland、Michigan)から“PEI600E”
の商品名で市場で入手できるようなヒドロエキシ
エチル化ポリエチレンイミンがあり、これは次式
を有する: その他の有用な分枝鎖状ポリエチレンイミンは
線状、又は分枝鎖状ポリエチレンイミンを誘導体
化することにより調製できる。 しかしながら、ダウケミカル社によつて販売さ
れているような、ポリエチルオキサゾリンを加水
分解することにより生成される線状ポリエチレン
イミンは光重合開始剤として不活性であることが
見いだされた。 本発明者はいずれかの理論によつて束縛される
ことを望まないが、染料増感剤による光吸収がこ
れを励起したトリプレツト段階に変え、このよう
に励起された染料増感剤が分枝鎖状ポリエチレン
イミンの3級窒素に隣接している炭素原子からプ
ロトンを抽出して、活性重合開始剤である遊離基
を形成するものと信じられる。 分枝鎖状ポリエチレンイミンにより提供される
3級窒素の濃度は臨界的ではないが、所望の重合
速度が得られるのに十分である。一般に、窒素の
少なくとも20%が3級であるのが好ましい。指定
の系についての適当な濃度の決定には日常の実験
が使用できる。 広範な種々のエチレン性不飽和単量体を、分枝
鎖状ポリエチレンイミン重合開始剤を用いる染料
増感した光重合系に使用できる。特定の単量体は
所望の像のタイプ及び像の性質に従つて選択す
る。アクリル酸一価塩のようなアニオン系単量体
が好適であり、これは重合によつて生成されるポ
リアニオンが、分枝鎖状ポリエチレンイミンポリ
カチオンと複合できるためである。 リチウムアクリレートは好適な重合性単量体で
あり、確かに、分枝鎖状ポリエチレンイミンと組
み合わせて使用した場合に、ナトリウムアクリレ
ートと比較しても、特異な結果(下記で詳細に検
討されるように)を生じることが見いだされた。 本発明の実施において用いられる重合性エチレ
ン性不飽和単量体は、重合が望まれる前の自発的
な熱的に誘発される重合を防止するために、少量
の重合抑止剤を含有でき、通常含有する(特に商
業的に得られるものの場合)。好適な抑止剤はp
−メトキシフエノールであるが、当技術でよく知
られているその他のものも使用できる。少量のこ
のような抑止剤の存在は本発明の実施において問
題ではない。 染料又は光増感剤は記録に望まれる波長又は波
長範囲に相応して選択する。ホログラムが目的製
品である場合に、光増感剤はホログラフイ露光を
記録するに用いられるレーザーに基づいて選ばれ
る。一般に、像は所望の波長(又は波長範囲)で
吸収性の染料増感剤を使用することにより、全可
視波長範囲にわたり並びに紫外及び赤外範囲で記
録できる。(紫外及び赤外で吸収する染料増感剤
はあつたとしても少しの可視吸収を示すことがで
きるだけであり、したがつて、無色であると見な
すことができる。『染料増感剤』なる用語はこの
ような無色の光吸収剤並びに着色しているものを
包含するものとする。) 分枝鎖状ポリエチレンイミンと組み合わせて使
用するのに特に有用な染料増感剤はメチレンブル
ーである。その他の有用な染料増感剤は、エリス
ロシン、エオシンY及びリボフラビン−5−ホス
フエートを包合する。染料増感剤の組合せも使用
でき、特にメチレンブルーにより効果的に吸収さ
れない照射線を吸収するが、この吸収性照射でメ
チレンブルーにより吸収される波長の照射線を出
し、これによりメチレンブルーを活性化する染料
が使用できる。メチレンブルーと分枝鎖状ポリエ
チレンイミンとの組合せが好適であり、これはこ
の組合せがより短時間の露光を可能にする増大し
た光感光度を与えることが見いだされたからであ
る。その他の有用な染料増感剤はこの目的につい
て文献で既知の種々の化合物の中から日常の実験
によつて特定することができる。染料増感剤濃度
は、特定の重合系構成成分及び特定の用途に望ま
れる重合速度の関数として日常の試験により決定
できる。 本発明により提供される重合性組成物は、間隔
をあけて離れているガラススライド間に配置され
ている溶液、又は流体の形で使用できる。このよ
うな技術は当業界でよく知られており、例えばラ
スト、マージエルム及びジエニイの名前で前記特
許及び文献に記載されている。重合性単量体又は
単量体混合物は染料増感剤及び分枝鎖状ポリエチ
レンイミンとともに透明な溶液を提供するように
選択される。これは透明な組成物が更に高い解像
力を付与するからである。しかしながら単量又は
他の成分が、完全には溶解されていないでも、そ
の結果できた生成物の光の散乱による解像力の損
失が意図する用途に許容されるならば、その組合
せは使用できるということは理解されるであろ
う。透明な溶液又は「流体」を提供するある種の
組合せが塗布されてフイルムを形成すると、沈殿
又はその他の種類の相変化による曇つたフイルム
を生成することがある;高い解像力が望まれる場
合には、このような光重合性組成物は流体形で使
用すると好ましい。 前記したように、本発明の好適態様は、リチウ
ムアクリレート、染料増感剤及び分枝状ポリエチ
レンイミンの組合せ、及び特にポリ−N−ビニル
ピロリドンと一緒に組み合わされているこのよう
な組合せを包含する。一般に、リチウムアクリレ
ートは分枝鎖状ポリエチレンイミンの総窒素に基
づき化学量論的過剰に存在させる。好適態様で
は、リチウムアクリレートは被覆フイルムの約50
重量%を構成する。リチウムアクリレートを一水
和物として生成させる場合に、これは被覆する流
体を形成させる前に無水の形に変えて、その中の
水の量を最少にすると有利である。 リチウムアクリレートを用いる前記の好適態様
は、長い貯蔵寿命を有する乾燥した透明なフイル
ムの形成を可能にすることが見いだされた。生成
するフイルムは光重合性材料として高度に感光性
であり、透過率及び反射率の両方で非常に高い解
像力の体積相ホログラムを生成する。 前記したように、分枝鎖状ポリエチレンイミン
と組み合わせて、リチウムアクリレートを使用す
ると、特にポリ−N−ビニルピロリドンをまた更
に存在させた場合に、乾燥した透明なフイルムが
生成されることが見いだされた。これに対して、
リチウムアクリレートの代わりに、例えばナトリ
ウムアクリレート、カリウムアクリレート又はア
ンモニウムアクリレートを使用すると、相当する
光重合性溶液が透明であるにもかかわらず、曇つ
た又は混濁したフイルムで、時には粘着性のフイ
ルムが生成されることが見いだされた。 露光時間は当業界でよく知られているように、
日常の試験により容易に決定でき、露光照射の強
度、被写体から光重合性要素までの距離及び類似
の因子に従つて変わる。これらの因子は一定の重
合性組成物及び用途についての露光時間と光強度
との最適の組合せが得られるように、露光時間を
更に短かく、又は更に長くのいずれにも変えるの
に必要なように変えることができる。露光が体積
相ホログラムを形成するためにレーザに対して行
われる場合に、続いての白色光に対する非像様、
又は投光露光が光重合性層の固定に有用である。 光重合性組成物の厚さは特に臨界的ではなく、
当業界でよく知られているように、意図する用途
に従つて選択できる。一般に、被覆フイルムの乾
燥厚さは約2〜10ミクロンであるが、被覆物はあ
る種の用途に対しては25〜30ミクロンほどの厚さ
であることもできる。支持体は硬質、例えばガラ
ス、又は可撓性、例えばポリエステルフイルムベ
ースであることができ、好ましくは透明である。
更にまた、支持体は平坦又は彎曲していてもよ
い。 被覆は回転塗布、スロツト塗布又は流し塗りに
よつて行うことができる。低い複屈折率を有する
可撓性支持体、例えば表面加水分解したセルロー
ストリアセテートフイルムベースを使用しようと
する場合には、このような被覆フイルムは最外層
に光重合性被覆物を有するガラス板に積層するこ
とができる。このような構造は連続被覆技術の利
点、露光中の剛性、並びに、特にこのような溶剤
がフイルムベースの平坦性又は寸法安定性に不利
に作用することがある場合に、種々の処理溶液に
使用される溶剤にフイルムベースを露出すること
を回避させる利点を提供する。 滑らかで、均一の被覆を得やすくすることが望
まれる場合には、被覆組成物は塗布を助けるのに
適した溶剤又は湿潤剤を含有できる。特定の添加
剤は塗布条件及び塗布される支持体によつて変え
ることができる。ある用途では、2−プロパノー
ルのような低級アルコールが有用である。アルコ
ール含有量を最少にすることが望まれる場合に、
被覆材リチウムアクリレート光重合性組成物で有
用であることが見いだされた湿潤剤の例として
は、フルオラド(Fluorad)120及びコーフアツ
クス(Corfax)712のような表面活性剤を挙げる
ことができる。〔フルオラド120は3M社、セント
パウル ミネソタ(St.Paul.Minnesota)から
入手できる。コーフアツクス712は長鎖状炭化水
素に結合した低分子量ポリエテンイミンに基づく
表面活性剤であつて、ミシガン、ノース マスケ
ゴン、ミシガンのコードバケミカル社から市場で
入手できる;これは486の分子量を有するといわ
れている。〕 これらが「湿つている」場合にだけに感光性で
あつて、「乾燥している」場合には、これらは長
期間にわたり貯蔵でき、短時間給湿することによ
り再び単純に感光性にすることができることは、
本発明の好適態様の光重合性リチウムアクリレー
ト組成物の特異な特徴である。したがつて、新た
に塗布した光重合性組成物は通気乾燥させて、存
在する水分及び低沸点有機溶剤、例えば2−プロ
パノールを除去し、使用前は、密封した包装内部
の湿度の変化を防止するために水分障壁を有する
形式の密封、好ましくは遮光包装内に、又は乾燥
剤上で貯蔵する。使用する少し前に、乾燥光重合
性要素は平衡状態まで給湿室(好ましくは約51%
R.H.)におくことにより活性化させることがで
きる。分枝鎖状ポリエチレンイミンは吸湿性であ
り、水分を迅速に吸収する。給湿した光重合性組
成物は被覆フイルムのままであるが、光重合用の
「半流体」媒質を提供するのに十分な水分を含有
している。この特性は、重合が像露光中に生起す
る露光領域に隣接する非露光領域から被覆物中の
単量体が横方向に拡散することを容易し、かくし
て非露光領域よりも露光領域に高い濃度の「単量
体」単位がもたらされる。光重合は屈折率の増加
を与えるので、この横方向拡散、又は移動及びこ
れによる濃度変化が露光領域と非露光領域との間
の屈折率におけるデルタ値を増加させるに有効で
ある。 像露光及び投光露光の後に、像形成した要素は
2−イソプロパノールで処理することにより強化
させることができる。乾燥した像形成済要素は次
いで顕微鏡ガラス板のような透明で実質的に水分
不透過性のカバーにシールすることができる。適
当な接着剤は「イーストマン(Eastman)910」
〔イーストマン コダツク(Eastman Kodak)
社、ロチエスター(Rochester)、N.Y.〕のよう
なアルフア−シアノエチルアクリレート型接着剤
である。好適態様では、像形成済要素をジルコニ
ウム化合物、例えば酢酸ジルコニウム、硝酸ジル
コニウム又はジルコニルクロリドのアルコール性
溶液で処理する。得られる架橋結合した像形成済
み要素は高度に耐湿性であり、したがつて多くの
場合に、水分不透過性カバーに像形成済要素をシ
ールする必要がない。 本発明の好適態様、特に体積ホログラム形成に
関する態様では、少量の不活性で、相容性の重合
体をまた存在させて、被覆用の低粘度で高固体含
有量の溶液を得る。ポリ−N−ビニルピロリドン
はこの使用に好適である。 光重合性組成物は染料増感剤により吸収される
波長の光の不存在下に、例えば安全灯条件下に、
調製し、被覆し、そして使用前の取扱いを行うこ
とが理解されるであろう。 以下の例は説明の目的で示すものであつて、制
限しようとするものではない。 例 1 感光性要素を次のとおりにして調製した:水中
にコーキヤツトp−600分枝鎖状ポリエチレンイ
ミン(分子量40〜60000)、2−プロパノール及び
p−メトキシフエノールを含むポリエチレンイミ
ンのプレミツクス水溶液を調製した。この溶液を
ポリ−N−ビニルピロリドン〔固体含有量30%;
プラスドン(Plasdone)、C−15、GAF社〕、2
−プロパノール及び水中のメチレンビスアクリル
アミドの溶液、メチレンブルー水溶液、少量のp
−メトキシフエノール重合抑止剤を含有するアク
リル酸、リチウムアクリレート及び水と混合し
て、下記の組成(重量%)を有する被覆溶液を調
製した: アクリル酸 1.48 p−メトキシフエノール 0.0048 リチウム アクリレート 18.8 水 64.46 2−プロパノール 1.56 コーキヤツト600 5.06 メチレン ビスアクリルアミド 0.135 ポリ−N−ビニル ピロリドン 8.45 メチレン ブルー 0.0426 前記被覆溶液を2インチ平方のガラススライド
カバー上に約5ミクロンの乾燥厚さに回転塗布し
た。被覆したガラススライドを通気乾燥させ、ド
ライヤーライト(Drierite)上に貯蔵した。 例 2 例1に記載のようにして調製した被覆ガラスス
ライドを51%R.H.で25分間インキユベートして
使用に備えた。乾燥箱から取り出すと被覆ガラス
スライドはわずかに曇るが、給湿インキユベーシ
ヨン後は透明であつた。ホログラフイレンズとし
て使用するのに適する透過ホログラム
(transmission hologram)を露光面の前にレン
ズを有する標準レーザーホログラフイ組立体で作
り、かくして物体光波(露光面の後の焦点に集ま
る)及び参照光波(放射状に散開する)がそれぞ
れ露光面で直径4.0mmの円を作り、これら二つの
円が重複しており、同じ領域を覆つているように
した。物体光波及び参照光波のそれぞれの露光面
における1次強度が光波間の角度が52゜であるよ
うにして0.6mw/cm2であるように、可変性光波
スプリツターを調節した。He:Neレーザー
(633nm)をそれぞれ用いる4秒及び8秒の2回
のレーザー露光を、それぞれガラスを通して相対
する角から被覆ガラススライド上に与えた。露光
したスライドを露光面から離すことなく、それに
反射体を据え付けた60w球によつて2分間投与露
光する。得られた板は屈折率の変化として記録さ
れた情報を有する光学的に透明なものであつた。
このようにして得られたホログラムを用いて参照
光波により像を再構成すると、オリジナル光波か
らのものと密接に一致する良好な品質の像が得ら
れた。非常に良好な品質のエアリイデイスク
(Airy disk)(多くのより弱い環により取り囲ま
れている明るい中心デイスクよりなる回折パター
ン)が10×接眼レンズ及び20×対物レンズを有す
る水平に据え付けた顕微鏡を用いて観察された。
スライドを次いで室温において2−プロパノール
中で洗浄し、次いでスライドを回転させ、その上
にろ過した圧縮空気を吹き付けることにより乾燥
させた。 例 3 例2に記載した処理を1回の8秒間レーザー露
光を用いて繰り返した。2−プロパノール洗浄の
後に、スライドを沸騰している2−プロパノール
上に1分間保持することによつて2−プロパノー
ル蒸気で処理した。像は2−プロパノール洗浄後
に幾分明るくなり、2−プロパノール蒸気処理後
に更に明るくなつた。この像の上に重いカバーガ
ラスをα−シアノエチルアクリレートブルーを用
いて張り付けた。このホログラムの回折効率は47
%であることが見いだされた。 例 4 下記の組成を有する例1に記載のものと類似の
被覆用混合物を調製した: アクリル酸 0.099g リチウム アクリレート 1.250g 水 0.900g ポリ−N−ビニル ピロリドン(固体含有量30
%) 1.875g メチレン ブルー溶液(メチレンブルー6.40gを
水中で1000mlにする) 0.684g メチレン ビスアクリルアミド溶液(メチレンビ
スアクリルアミド0.040g、2−プロパノール
0.400g及び水0.560g) 0.245g コーキヤツト p−600溶液(水4.26g、コーキ
ヤツトp−600分枝鎖状ポリエチレンイミン0.943
g、p−メトキシフエノール0.0078g及び2−プ
ロパノール0.039g) 1.875g この被覆用混合物をガラススライド上に約5ミ
クロンの乾燥厚さで回転塗布して一連の被覆スラ
イドを作り、これらを例2のとおりにしてHe:
Neレーザー(総強度10mw/cm2)にそれぞれ1、
2、3、5、7及び10秒間露光した。レーザー露
光後に、露光したスライドをそれぞれ投光露光に
よつて固定し、次いで5%酢酸ジルコニウムのア
ルコール性溶液中で約48℃で1分間洗浄した。ス
ライドを次いで38℃、2−プロパノールのビーカ
ー中ですすぎ、次いで室温2−プロパノールのス
クイーズ−ボトルを用いるすすぎを適用し、その
後これを2分間沸騰している2−プロパノール上
に保持した。再構成された物体光波データは下記
のとおりであつた。露光時間(秒) 回折効率 1 46% 2 60% 3 60% 5 60% 7 64% 10 58% 1、2、3及び10秒露光で得られたエアリイデ
イスクは非常に良好な品質であつた。 前記したように、分枝鎖状ポリエチレンイミン
は光重合性溶液又は流体を間隔をあけて離れてい
るガラススライド間に含む光重合系で有効であ
る。以下の例はこの使用を例示するものである。 例 5 ガラススライド間のアクリル酸、コーキヤツト
p−600分枝鎖状ポリエチレンイミン、ナトリウ
ムリボフラビン−5−フオスフエート及びテトラ
エチレングリコールジメタアクリレートの溶液を
アルゴンイオンレーザー(488nm)を用いる二
つの重複レーザー光線に露光した。得られた格子
状像(grating imaage)は2500本/mmの解像力
を有していた。 例 6 ガラススライド間のリチウムアクリレート、コ
ーキヤツトP−600分枝鎖状ポリエチレンイミン、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド及びメチ
レンブルーの溶液をHe:Neレーザー(633nm)
を用いて二つの重複するレーザー光線に露光し
て、ホログラフイ格子状像を作つた。 前記したように、誘導体化したポリエチレンイ
ミンは分枝鎖状ポリエチレンイミンと同様に使用
できる。ダウPEI600Eヒドロキシエチル化ポリエ
チレンイミン(エチレンオキシドと分枝鎖状ポリ
エチレンイミン)との反応によつて調製はコーキ
ヤツトP−600より効果が少なく、曇つた被覆物
を生じる傾向があつた。コーキヤツトP−600分
枝鎖状ポリエチレンイミンの低分子量変性物、例
えばコーキヤツトP−100分子量10〜20000、コー
キヤツトP−18分子量1800及びコーキヤツトP−
12分子量1200はすべて有効であつたが、コーキヤ
ツトP−600ほどには有効ではなかつた。これに
対し、より高分子量のコーキヤツトP−2500分子
量250000は被覆が困難な望ましくない粘性の混合
物を生成させた。 トリエタノールアミンをコーキヤツトP−600
分枝鎖状ポリエチレンイミンの代わりにリチウム
アクリレートとともに使用した場合に、得られる
被覆物は弱い感度を有し、処理した被覆物は非常
に白かつた。弱い感度はまたトリエタノールアミ
ンをリチウムアクリレート含有溶液中で使用した
場合にも見られた。 下記の実験は光重合開始剤として、線状ポリエ
チレンイミンを分枝鎖状ポリエチレンイミンと比
較するものである: 比較例 A ポリ−(2−エチル−2−オキサゾリン)を59
%加水分解して、窒素の41%が
【式】(アミド基)によつて置換さ れている線状ポリエチレンイミンを生成させた。
(この重合体を以後「59%加水分解PEO」と称す
る)。前記59%加水分解PEOの27.6%水溶液3.42
g、水2.34g及び2−プロパノール中の2−メト
キシフエノールの2%溶液0.05gを混合すること
によりプレミツクス水溶液を調製し、次いでこの
溶液のPHを16.7%NaOH水溶液15滴の添加により
約10に調整した。このプレミツクス溶液0.544g
をアクリル酸0.25g、リチウムアクリレート
0.279g、メチレンビスアクリルアミド溶液(メ
チレンビスアクリルアミド0.04g、2−プロパノ
ール0.4g及び水0.56g)0.05g、トリフエニルス
ルホニウムクロリドの50%水溶液0.15g及びメチ
レンブルー溶液(メチレンブルー3.2gを水で
1000mlにする)0.1gと混合した。得られた被覆
用溶液は流動性で、非常に透明であつた。この被
覆用溶液数滴をガラススライド間に配置して、サ
ンドイツチを形成させた。このサンドイツチをポ
ラロイドスライド映写機からの赤色−フイルター
処理光を用いてアイテツク(Itek)試験ターゲツ
トに90秒間露光したが可視像は得られなかつた;
次いで3分間白色光に投光露光すると被覆物は濁
り、濁つた被覆物中に弱いぼんやりした像が得ら
れた。He:Neレーザー(633nm)からの6mmス
ポツトに8、16、32、60及び90秒間、レーザー露
光すると、像の兆候も得られなかつた。これらの
露光のいずれにおいても、メチレンブルー染料の
脱色は見られなかつた。この処理方法を残りの第
1の被覆用流体に、その容量の約半分の量の59%
加水分解PEOプレミツクスを加えて、線状ポリ
エチレンイミン含有量を増加させて形成した第2
の被覆用流体を用いて繰り返えした。この第2の
被覆用流体をガラス板間に配置したサンドイツチ
をスライド映写機からの赤色−フイルター処理光
に90秒間露光した場合に、検知できる効果はなか
つた。この試験のどちらにおいても、メチレンブ
ルー染料の脱色は見られなかつた。 比較例 B ポリ−(2−エチル−2−オキサゾリン)を93
%加水分解して、窒素の7%が
【式】(アミド基)で置換されてい る線状ポリエチレンイミンを生成させた。(この
重合体を以後、「93%加水分解PEO」と称する)。
前記93%加水分解PEOの38%水溶液3.42g、水
1.50g及び2−プロパノール中のp−メトキシフ
エノールの2%溶液0.05gを混合することによ
り、プレミツクス水溶液を調製し、この溶液のPH
を16.7%水酸化ナトリウム水溶液の添加により、
8.0〜8.5に調整した。この溶液を一夜にわたりか
きまぜて、透明なオレンジ色に近い色の溶液を生
成させた。このプレミツクス溶液0.75gをアクリ
ル酸0.25g、リチウムアクリレート0.28g、メチ
レンビスアクリルアミド溶液(メチレンビスアク
リルアミド0.04g、2−プロパノール0.4g及び
水0.56g)0.05g、トリフエニルスルホニウムク
ロリドの50%水溶液0.15g及びメチレンブルー溶
液(メチレンブルー3.2gを水に加えて1000mlに
する)0.1gと混合した。ガラス板間にサンドイ
ツチ状にしたこの流体をレーザー露光すると、
He:Neレーザーからの6分間スポツトに8、
16、32及び60秒露光した後に像の兆候は見られな
かつた。次いでポラロイドスライド映写機を用い
て3分間白色光露光すると、被覆物は像を伴うこ
となくわずかに濁つた。 前記比較例A及びBの試験被覆物がアルカリ性
であつたという観点から、線状ポリエチレンイミ
ンをまた酸性条件下に試験した。 比較例 C アクリル酸2.0g、テトラエチレングリコール
ジメタアクリレート0.10g、0.4%水溶液リボフ
ラビン−5−ホスフエート0.05g及び59%加水分
解PEOの27.6%水溶液1.79gを混合することによ
つて試験試料Aを調製した。59%加水分解PEO
の27.6%水溶液2.50gを加える以外は同じ方法で
試験試料Bを調製した。93%加水分解PEOの38
%ペースト1.72gを代用する以外は同じ方法で試
験試料Cを調製した;このペーストは溶解しなか
つた。コーキヤツトP−600分枝鎖状ポリエチレ
ンイミンの33%水溶液1.50gを使用して同じ方法
で対照試料Dを調製した。これらの試験試料のそ
れぞれを熱電対付きの試験管に入れ、室温でポラ
ロイドスライド映写機からの白色光に露光した。
露光の時間の関数としての各試験試料の温度上昇
を下記のとおりに測定した:
【表】 枝鎖状
(試験試料A、B及びCで見られた非常にわずか
な温度上昇は映写光の加温作用を反映するもので
あり、したがつて△T゜は0であると考えられ
た。)線状ポリエチレンイミン試験試料A、B及
びCの場合の温度上昇の欠落は光重合が生起しな
かつたことを示しており、これに対して分枝鎖状
ポリエチレンイミンの場合は温度上昇があつた。 前記比較例から、線状ポリエチレンイミンは光
重合開始剤として有効でないと考えられ、他方分
枝鎖状ポリエチレンイミンは高度に有効である。 例4で調製した種類の被覆物は非常に良好な貯
蔵寿命を有することが見いだされた。3℃で乾所
に貯蔵し、使用前に給湿した場合に、このような
被覆物は9か月以上の乾所貯蔵後にHe:Neレー
ザー像形成に対して、及び3か月の乾所貯蔵後に
He:Cdレーザー像形成に対し、有用であること
が見いだされた。このような被覆物は非常に高い
解像力の像を生成することが見いだされた;
He:Neレーザー露光を用いて作られた反射ホロ
グラムは約4700本/mmの解像力を有して形成さ
れ、他方He:Cdレーザー像形成により形成され
た格子図柄は3200本/mm以上の解像力を示した。 本発明の好適態様を用いて形成されたホログラ
ムはHe:Neアルゴンイオン及びHe:Cdレーザ
ーを用いて形成された回折格子、He:Neレーザ
ーを用いる反射ホログラム及びHe:Neレーザー
を用いるにじ形ホログラムを包含する。 前記したように、例4に例示されているような
分枝鎖状ポリエチレンイミン、リチウムアクリレ
ート及びメチレンブルーの組合せは高度に感光性
であることが見いだされ、5〜10mj/cm2ほどの
短かい露光が高い回折効率の伝送ホログラムを得
るに十分である。30mj/cm2の露光が明るい反射
ホログラムを与えた。このようなフイルムが酸素
に対して非常に小さい感受性を示し、したがつて
これらが大気中酸素の存在下に使用できることは
特に重要なことである。このようなフイルムで
0.03の屈折率変化が得られた。 例4に例示されている種類の被覆光重合性要素
の給湿は1.5〜2分ほどの短い時間でありうるが、
例えば2時間までの更に長い時間も許容されう
る。一般に、乾燥被覆物の給湿用の相対湿度は約
47〜51%RHであると好ましいが、更に幾分高い
か又は更に低い相対湿度でも活性被覆物を得るこ
とができる。非常に低い相対湿度、例えば33%及
び非常に高い相対湿度、例えば79%はフイルムを
活性化しない。光重合性要素は給湿処理により活
性化した後にできるだけすぐに露光すべきであ
る。活性化された被覆物の水分含有量は像形成及
び投与露光中、実質的に変化しないままであるこ
とが望ましい。 ジルコニウム化合物を用いた光重合体像の前記
処理は物理的変化、すなわち、膨潤又は収縮に対
して像を安定にするのに非常に有効であることが
見いだされた。ジルコニウム化合物で安定化され
たホログラフイ像は延長された日数又は週数の間
非常に高い相対湿度、例えば約85%又はそれ以上
にさらさない限り、回折効率を有意に減少しない
ことを示すことが見いだされた。酢酸ジルコニウ
ム処理を行うのに特に有用な技法は像形成した要
素を酢酸ジルコニウム、酢酸、メタノール及び水
の浴中に約1分間、室温でかきまぜながら浸漬す
る技法である。酢酸ジルコニウム濃度は約5〜20
%であることができる。一般に好適な濃度は酢酸
ジルコニウム10%、酢酸4%、水20%及びメタノ
ール66%である。メタノール:水の比率は光重合
体像の膨潤又は収縮を所望されるように制御する
ために変えることができ、水の全部をメタノール
で置き換えることもできる。酢酸は酢酸ジルコニ
ウムの加水分解を防止するために存在させる。酢
酸ジルコニウム処理した像は室温で2−プロパノ
ールによりすすぐ。すすいだ像の乾燥は熱によ
り、例えばヒートガンを用いて、又は熱い2−プ
ロパノール蒸気中に約30〜120秒間保持すること
により行い、2−プロパノールを除去したときの
水分の吸収を回避するのが好ましい。 高湿度により誘発される変化に対する追加の耐
性が望まれる場合には、ジルコニウム化合物処理
した材料を脂肪酸で処理して、ジルコニウムとの
反応生成物を生成させることができる。 脂肪酸はジルコニウムと反応して、文献でジル
コニウムセツケンと称される種類の生成物を生成
するものと考えられる。 使用する特定の酸は臨界的あるように見えない
が、有益な効果が代表的脂肪酸、例えばステアリ
ン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸
及びオレイン酸により得られた。3個及び4個の
炭素のような短鎖の一価カルボン酸が水不溶性ジ
ルコニウム化合物を生成するものと報告されてい
る。このような短鎖状酸がこの使用目的に対する
脂肪酸であると考えることができるが、これはこ
れらの酸が疎水性ジルコニウム塩を生成するから
であり、極大の疎水性を得るためには、更に長い
アルキル鎖、例えば少なくとも8個の炭素鎖を有
するアルキル鎖を有する酸を使用するのが好まし
い。脂肪酸は有機溶剤、例えばイソプロパノール
又はキシレン中の溶液として使用するのが好まし
い。 ホログラムに配合するジルコニウム及び脂肪酸
の量はホログラムの湿度に対する安定性を増加さ
せるのに有効であるに十分である限り臨界的では
ない。 以下の例はこの安定化方法を例示するものであ
る: 例 7 前記例4に使用したものと同様の光重合性組成
物を2インチ平方のガラススライドカバー上に約
5ミクロンの乾燥厚さに回転塗布した。このスラ
イドを約51%R.H.でインキユベートして活性化
し、その後He:Neレーザーで像形成して、透過
ホログラフイ格子図柄を形成させた。レーザー露
光したスライドに白色光投光露光を与え、次いで
酢酸ジルコニウム10%、酢酸4%、水20%及びメ
タノール66%の溶液中に約1分間浸し、2−プロ
パノール中ですすぎ、次いで5%酢酸を含有する
イソプロパノール中に5分間浸した。イソプロパ
ノールで洗浄し、次いでイソプロパノール蒸気上
で乾燥させた後は、このホログラムは極めて改善
された水耐性を示し、水に浸漬した場合でもさえ
もその像を保留した。処理されたこのホログラム
はまた改善された磨耗耐性を有した。ホログラム
の光学的性質における変化は見られなかつた。 例 8 一連の透過ホログラフイ格子図柄を例7に記載
のとおりにして、酢酸ジルコニウムによる処理及
びすすぎ工程により製造した。このように処理さ
れたスライドを脂肪酸の5%キシレン溶液中に室
温で20分間浸し、イソプロパノール中で洗浄し、
次いでイソプロパノール蒸気上で乾燥させた。各
スライドの回折効率を脂肪酸の処理前及び処理後
に測定し、脂肪酸処理したスライドを95%R.H.
で室温において保持した後の24時間及び48時間に
また測定した。酢酸ジルコニウム処理するが脂肪
酸処理をしない対照スライドを作つた。下記の結
果が得られた:
【表】 例 9 もう1組の透過ホログラフイ格子図柄を例8に
記載のようにして調製した。これらのホログラム
を脂肪酸の沸騰している5%キシレン溶液中で10
分間処理し、次いでこの脂肪酸溶液中で10分間冷
却させておいた。同形式のインキユベーシヨン研
究で下記の結果が得られた:
【表】 フアツクス
712
例 10 一連の反射ホログラムを例2に記載の方法によ
り製造し、次いでオレイン酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、パルミチン酸及びミリスチン酸の5%
キシレン溶液中に室温で20分間浸した。処理した
ホログラム及び未処理対照反射ホログラムを95%
R.H.で24時間インキユベートした。透過スペク
トルは最低透過率が24時間後に青色領域に移動す
るが、時間の経過によるこれ以上の移動はないこ
とを示した。処理されたホログラムの回折効率は
各スペクトルの最低値における透過%から推定し
て、インキユベーシヨン後も実質的に変化しなか
つた。他方、対照ホログラムはほとんど完全に破
壊された。 前記したように、本発明の新規な光重合性組成
物は種々のホログラフイ要素の形成に有用であ
る。確かに、リチウムアクリレート及び分枝鎖状
ポリエチレンイミンを含有する染料増感した光重
合性被覆フイルムはホログラフイツクマルチプレ
キサー/デマルチプレキサー(holographic
muliplexer/demultiplexer)、例えばホーナー
(Horner)らに対して1982年11月16日付で発行さ
れた米国特許第4359259号に記載されているタイ
プのもの、の形成に非常に有用であることが見い
だされた。このホログラフイ要素はレーザー防護
光学素子及び視線平行(head up)表示光学素子
における狭域帯フイルターとして使用できる。 本発明を詳細に、その特別の態様について記載
したが、種々の変更及び修正を本発明の精神及び
範囲から逸脱することなくこれによつてなしうる
ことは当業者にとつて明白であろう。
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