JPS6359452B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、管変形を検知して管内圧力を測定す
る場合などに用いる中空体の変形量測定のための
変換器であつて、例えば２つに分割できる構成に
なつているひとつのハウジングを備えており、該
ハウジングが該中空体上に取り外しできるように
捲着されるもので、各分割部分ごとに可撓性をも
つた測定素子を少なくとも１個備えており、該測
定素子が測定信号取り出し端子を備え、変換器が
該中空体に捲着されるときに該測定素子が直接も
しくは間接的に該中空体表面に当接する構造にな
つているものに係わる。

（従来技術） 例えばオーストリア特許第353507号明細書（特
開昭54―109487号に対応）で公知になつた上記型
式の変換器では、変換器を管に取付ける時に可撓
性のある測定素子と管を巻回する剛性ケースとの
間に保持材が介在する。該保持材は前記測定素子
を管の表面にほぼ直角に弾性的に押し付けるよう
になつている。それによつて、管内圧力に対応す
る管外表面の変形が摩擦を介して該測定素子に伝
達され、測定したい内圧に対応する測定信号を出
力する。

上記公知の変換器では、その弾性保持材の押付
け力は測定素子に対し管のほぼ半径方向に作用す
るにすぎないから、特に泥や油で汚れた管に取付
ける場合などは管表面と測定素子との間に接線方
向の滑りが生じて測定精度を劣化させることにな
る。

さらに、上記の構成では、直径が比較的小さな
管でなければ測定できないことも欠点のひとつで
ある。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2831939号明
細書（特開昭54―25778号）では別の変換器が開
示されており、これは管に取り付けられるときに
測定素子である１枚の圧電膜がバネで管の周囲に
展張されるものである。このバネは両外側表面で
管の半周より若干余分に覆うように構成されてい
て、前記圧電素子の管の約半周に亘つて展張して
いる。この構成には、第１に、変換器が管に対し
て動くと測定信号にノイズが入るので管をしつか
りと把持するようにするために、第２に、変換器
を管に取付けるのに十分大きく開口できるように
するために、バネに高い寸法精度が要求されると
いう欠点がある。さらにまた、上記変換器の構成
では圧電膜が管の片側にしか接触しないから、管
の機械的振動によつて生じる疑似信号は補償する
ことが出来ないのである。

中空体に装着して変換量を測定する型式の変換
器がさらにふたつアメリカ合衆国特許第4090404
号に開示されている。第１の実施例では、抵抗線
ひずみゲージを備えた紐で管が支持材に押し付け
られる。支持材の両側に紐を緊着することにより
紐に張力を与える。この場合に、前記バネ式の例
と同じく検出要素が管の片側に接触するだけなの
で管の曲げ振動を拾つて測定信号が乱れる点、ま
た抵抗線ひずみゲージを備えた紐を支持材に螺着
しなければならないから変換器の取扱いが面倒で
ある点に欠点がある。上記特許の第２の実施例で
は、弾性部材によつて管に圧着されたＵ字形固体
に、検出要素である抵抗線ひずみゲージが固定さ
れて、展張されている。この実施例における欠点
は、該Ｕ字形担体が管と一緒に振動して疑似信号
を発生することと、Ｕ字形担体が弾性部材の間で
振動して測定信号を乱すため管の曲げ振動を正確
に補償することが不可能であることにある。

（発明が解決すべき課題） 本願発明は、上記型式の変換器を改良して、泥
や油で汚れた管に用いても正しい測定ができるよ
うに、また管径がかなり異なつても測定ができる
ように、かつ中空体が強い機械振動をしている場
合にも振動する質量や曲げ振動で測定信号が乱さ
れないようにしようとするものである。

（課題を解決する手段） 本願発明によれば、ハウジング上２個以上の結
合点間に無緊張で張り渡される１個もしくは２個
以上の検出要素を、変換器が当接するときに管の
表面に展張するように配設することによつて、上
記目的が達成される。すなわち、変換器の装着時
には、検出要素はハウジングに締着された点の中
間でその少なくと一部が該中空体表面に接触する
ようになつており、かつ該検出要素は前記の点の
間に渡されて該中空体の表面上を拘束されない状
態で展張されるようになつている。

（作用効果） 検出要素のハウジング結合点間の長さを適当に
すれば、検出器の装着時に検出要素が被測定中空
体にしつかり圧接して、中空体への接圧と検出要
素の予備展張が確保できるから満足な測定ができ
る。この方法では、管径がかなり大きく変わる場
合でも、接圧や予備展張力の差は極めて小さく、
測定においては通常無視ができるのである。摩擦
力によらずに中空体表面と検出要素とを結合する
ので被測定中空体表面が泥や油で汚れているよう
なときにも確実に測定でき、また泥や油で汚れた
被測定中空体表面と検出要素の間に接線方向の滑
りが生じても測定信号に与える影響が少ない。

検出要素がその端でハウジングに直接接合され
ており、そのハウジング自身が中空体に対し相対
的に振動しないように中空体に装着されて測定す
るようになつているから、振動を検出要素に伝え
ることがなく測定信号の外乱が防げるのである。

本願発明の別の実施例によれば、変換器のハウ
ジングはふたつに割れるようになつている。その
それぞれが１個以上の検出要素を支持するように
なつている。さらに、変換器が装着された状態
で、該検出要素の少なくとも２箇所の感知部分が
ハウジング上その主軸に対してほぼ対称になるよ
うに配設されている。感知部分を上記のように配
設することによつて、被測定管の曲げ振動と検出
要素の慣性力による外乱を容易に補償することが
できる。感知部分あるいは検出要素の感度がそれ
ぞれ異なる場合において、それら感知部分もしく
は検出要素自身の寸法、個数、形状、配置を配慮
することによつて平衡することができる。

製作の簡略化と変換器使用の容易化のために
は、検出要素の少なくともひとつをハウジングと
一体化することが可である。特に検出要素が何層
かになつている場合には、少なくともその１層が
ハウジングと一体化されるのが好ましい。本願発
明のさらに別の実施例は、ハウジングと一体化さ
れた検出要素の感知部分が検出すべき表面変形に
対して局部的な感度を持つているものである。上
記により、少なくとも１個の検出要素部分が一体
となつた変換器のハウジングが、その部分に検出
要素が形成されて感度を持つようにつくられた適
当な樹脂体でなり、変換器の形に成型された上
で、被測定中空体の表面に自由に展張されるよう
になる。抵抗線ひずみゲージを用いる場合は、ハ
ウジングと一体に形成された層の上にそれぞれ独
立して検出が可能な抵抗線格子をつくるようにす
ることができる。

上述の実施例における変換器は、特に丈夫で製
作および組立が極めて容易である。

本願発明の別の好適実施例では、ハウジングに
は検出要素がひとつだけ設けられていて変換器装
着時には中空体の周囲をほぼ巻回するようにされ
る。こうすると、変換器の装着時に検出要素が中
空体表面に展張する部分がかなり増大し、製作お
よび組立がさらに容易になる。

本願発明のさらに別な実施例では、検出要素が
圧電性の帯でできており、少なくとも変換器が被
測定中空体に装着される時には該帯の反対表面が
電極面に結線されるようになつている。圧電素子
の帯は、それが極めて柔軟であることとその測定
信号が展張力と関係しないという特性を持つてい
ることから、本願発明の目的に特に適している。
圧電性帯の局所から電荷を取り出すように電極を
設置して、検出要素が当接する部分にのみ感度を
もつようにできるから、該当接部分の配置、個
数、寸法、形状を適当にすることによつて外乱信
号を最適補償することが可能になる。

本願発明の別の実施例は、検出要素の少なくと
も片面が保護層に覆われたものであつて、これに
よつて被測定中空体や他の周囲物体から機械的な
損傷を受けることが顕著に少なくなる。

本願のさらに進んだ形態においては、検出要素
が中空体表面の変形に感応する検知部分とハウジ
ングにしつかりと固定される締付け部材とを備え
ている。こうすることによつて、管径が大きいと
きに展張力が過大になつて普通かなり脆弱である
検出要素が損傷する危険が減少し、検出要素がそ
の少なくとも片側に機械的損傷を受けることを防
ぐことができる。

（実施例） 以下、図面を用い、いくつかの実施態様に基づ
いて本願発明をさらに詳細に説明する。第１図は
本願発明の変換器を示す図で、第２図の―線
に沿つた一部断面とともに示したものである。第
２図は第１図の―線に沿つた断面図である。
変換器のハウジング１はふたつの部品２と３から
なり、その一端でボルト４によつて蝶着されてお
り、ボルトと反対端には図示しない締付け具が付
いていて管５に変換器を固定するようになつてい
る。ハウジングの部品２と３の内側は、変換器の
装着時に外側端部６と７だけが管５の外周に接触
するように成型されており、管５表面の端面６と
７に当たる部分の間に自由空間８，９が形成され
ている。該端部は、管５の軸方向からみてＶ字形
をしており、管５の径が大幅に異なる場合にもハ
ウジング１を簡単に取り付けることができる。

帯状の検出要素１０は端部１１のところで、接
着、熔接、挾着などの手段によつて、ハウジング
部品２，３の自由空間８，９から変換器の装着時
にふたつのハウジング部品２，３の間に作られる
隙間１２へ抜ける部分で、ハウジング部品２と３
の内部に固定されている。検出要素１０の端部１
１に挾まれた中間部分はハウジング部品２，３と
は接触しないようになつている。また検出要素１
０の長さは、変換器の装着時、即ちＶ字形の端部
６，７が管５に密着して締付け力が矢印１３の方
向に働く時に、検出要素１０と管５の間に接圧、
つまり検出要素１０の予備展張力が生ずるような
長さになつている。

管内圧力の上昇などによつて管５の径が大きく
ならないと、ハウジング部品２，３と管５の間に
展張された検出要素１０の部分が伸長しないよう
にハウジング１の検出要素１０が配置されている
から、管が泥や油で汚れている場合に起こりがち
な検出要素１０と管５表面の間の接線方向の滑り
があつても測定結果に実質的な影響を与えない。
その上、検出要素が上記のように配置されている
ため、管５の外径が比較的大きく変わつても測定
結果が悪化することがない。

検出要素１０からの測定信号の取り出しは第２
図に１４として略示されている。

第３図は本願発明の他の実施例を示す図で、第
４図の―線に沿つた一部断面とともに示し
た。第４図は第３図の―線に沿つた断面図で
ある。第５図は別の実施例の一部分の拡大断面図
である。第３図および第４図に示す変換器はハウ
ジング１のハウジング部品１６，１７と一体に作
られた検出要素１５を備えるものである。ハウジ
ング部品１６と１７は、実質的に枠体をなし、そ
の片側がボルト４で蝶着されるように形成されて
いる。ハウジング部品１６と１７で管５を挾んで
閉じ、図示しない締付け具で矢印１３方向に管に
締付け固定する。ハウジングの部品１６，１７の
Ｖ字形になつた端部６′，７′が管５外表面に密着
するようになつているから、管５の径がかなり大
幅に異なつても装着できる。検出要素１５の端部
１８がハウジング１６，１７と一体になつている
ので、変換器の製作と組立および長時間使用後の
適正な動作の為に利益がある。

さらに、この実施例においては適切なハウジン
グ部品があるから検出要素１５に余分な蓋体をつ
ける必要がなく、変換器の総質量が大いに減少す
るので振動する管を測定する場合にも変換器の挙
動に大きな影響を与えることがない。

測定信号の取出し電極は第４図に前記と同じ１
４で略示されている。

第５図は本願発明の変換器のさらに別の実施例
を示す図面であつて、管５に密着した検出要素１
９の部分を詳しく示すものである。検出要素１９
は、引張りと圧縮それぞれに感応する感知部分２
０、該感知部分と管５の外表面の間におかれる保
護層２１および検出要素２０上保護層２１の反対
側に配設された締付け部材２２からなる。保護層
２１が、圧電性膜あるいは抵抗線ひずみゲージな
どでできた感知部分２０に傷が付くことを防ぐ。
ハウジング部品に固着する締付け部材２２は、普
通極めて繊細にできている感知部分２０が例えば
管径が大きすぎた場合などにも過大な展張力で破
損しないようにするものである。締付け部材２２
は、変換器のハウジングが第３図，第４図によつ
て作られる場合にも、同様に感知部分２０に傷が
付くのを防ぐように働く。

第６図は本願発明のさらに別の実施例を示す図
で、第７図の―線に沿つた部分断面によつて
示した。第７図は第６図の―線に沿つた断面
図である。当該変換器は例えば合成樹脂製物質で
一体に形成されたハウジング２３を備えている。
枠体となるハウジング部品２４と２５は、厚さが
周囲より薄くなつた部分２６で可撓的に結合され
ている。部分２６の反対側には図示しない締付け
具があつて、矢印方向１３に締付けている。当該
実施例においてはハウジング２３の外側端部６″，
７″は半円形になつていて管５がより大きな外径
を持つている場合にもハウジング部品２４，２５
を外径に密着させることができる。変換器は装着
時に管５のほぼ全周を巻回するような１枚の帯状
検出要素２７を備える。検出要素２７の端部２
６，２７がハウジング２３と、それぞれハウジン
グ部品２４，２５で繋がつている。検出要素２７
には、第６図中に点線で示されるように３個に区
切られた感知領域３０があつて、管５の軸に対し
て対称の位置に配置されている。局所的に感知す
ることは、例えば所定の領域だけに付けた抵抗線
ひずみゲージ、局所的な圧電素子、圧電素子のあ
る領域だけに適用する電荷引出し電極、その他適
当な手段によつて可能である。上記領域の寸法、
形状、個数、配置等は例えば曲げ振動などによつ
て生ずる信号雑音を最も良く補償するように選択
される。また、検出要素２７がハウジングとの結
合点２８と２９の間の全領域に亘つて感度を有す
るようにも構成することができる。この方法は検
出要素２７の内部で極く簡単に信号雑音の補償を
行うことに利点がある。さらに本実施例の変換器
はふたつのハウジング部品を蝶着する別部品を必
要としないことからその製作、組立が簡単であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本願発明の変換器の１実施例につい
てその一部を切り欠いて示した正面図、第２図
は、同実施例の側断面図、第３図は、本願発明の
変換器の別の実施例についてその一部を切り欠い
て示した正面図、第４図は、同実施例の側断面
図、第５図は、別の実施例の一部を拡大した断面
図、第６図は、本願発明の変換器のさらに別の実
施例について示した正面断面図、第７図は、同実
施例の側断面図である。 １……ハウジング、２，３，１６，１７，２
４，２５……ハウジング部品、５……中空体
（管）、１０，１５，２７……検出要素、１９……
多層になつた検出要素。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中空体の変形量測定に用いる変換器で、特に
   管状中空体の外表面の変形を検出して管内圧力分
   布を測定するのに適するものにおいて、被測定体
   に着脱可能に捲着するようになつた開口するハウ
   ジングと、該開口部品に載設される少なくとも１
   個の可撓性を有する検出要素とを備え、該検出要
   素は被測定体の少なくとも一部を巻回するときに
   直接もしくは間接的に該被測定体表面と接触する
   ようになつており、かつ測定信号を取り出す電気
   接点を有するものであり、また該検出要素はさら
   に該ハウジング上の少なくとも２点で結合されて
   いて、該結合点の間に緊張しない程度の長さを有
   しており変換器装着時に被測定中空体表面に沿つ
   て展張されるようになつているものであることを
   特徴とする変換器。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の変換器であつ
   て、該ハウジング内に配設された前記検出要素の
   感知部分が変換器装着時に中空体の主軸に関して
   対称的に位置するようにされることを特徴とする
   変換器。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の変
   換器であつて、該検出要素の少なくとも一部が該
   ハウジングと一体に形成されることを特徴とする
   変換器。 ４ 特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれ
   かに記載の変換器であつて、該検出要素が複数の
   層からなつており、少なくともその一層が該ハウ
   ジングと一体に形成されていることを特徴とする
   変換器。 ５ 特許請求の範囲第３項または第４項記載の変
   換器であつて、ハウジングと一体に形成される検
   出要素の前記感知部分が被測定表面変形に対して
   少なくとも局所的な感度を有するものであること
   を特徴とする変換器。 ６ 特許請求の範囲第１項ないし第５項のいずれ
   かに記載の変換器であつて、前記ハウジングには
   検出要素がひとつだけ設けられていて変換器装着
   時には該検出要素が被測定体の周囲をほぼ巻回す
   るようにされることを特徴とする変換器。 ７ 特許請求の範囲第１項ないし第６項のいずれ
   かに記載の変換器であつて、前記検出要素が帯状
   の圧電性物体を備えるものであり、該検出要素の
   被測定体に当接する面の反対側の面が電気導線に
   接続するようになつていることを特徴とする変換
   器。 ８ 特許請求の範囲第１項ないし第７項のいずれ
   かに記載の変換器であつて、前記検出要素の少な
   くともその片面が保護層で被覆されていることを
   特徴とする変換器。 ９ 特許請求の範囲第１項ないし第８項のいずれ
   かに記載の変換器であつて、前記検出要素が前記
   中空体の表面変形を検出する検知部分と、前記ハ
   ウジングに固定された締付け部材とを備えること
   を特徴とする変換器。