JPS635936B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は限定された地域内に親局から各聴取
者がもつ子局に音声を放送しこの音声と同時に子
局に割当てられた個有の選択信号を時分割で送出
し、多数の子局は自局が選択されている時間内に
応答することにより親局側で、全子局別の応答情
報を一括配列表示するようにした応答放送システ
ムに関する。

従来より無線によつて親局からの放送は子局を
もつている者に一方的に情報を音声により伝達す
るだけで子局には応答する機能は全くなかつた。
従つて伝達する放送内容も応答皆無の想定の下に
組まれている。強いて内容について応答するとす
れば親局への応答は最寄りの電話等を利用するよ
りほかに途はなかつた。又たとえ親局に応答の電
話があつても同時に多数の受信は不可能であつ
た。

この発明はこのような点を考慮してなされたも
ので、音声の外に別な信号系を併用し、この信号
を媒介として子局より親局に応答を逆送する機能
を持たせたものであり、多数の子局に時分割的に
信号を送り、且つ子局でスイツチのオン、オフ等
により直接応答し得、且つこの応答状態を親局で
全ての子局を一括して表示させることができ応答
状態を迅速、確実に把握することができる応答放
送システムを提供するものである。

以下図面を参照してこの発明の一実施例を信号
系を中心として説明する。第１図に示すようにこ
の応答放送システムは親局１と子局２とに分れて
おりこの親局１と子局２との間の伝送部３はたと
えばループアンテナを用いた誘導無線を利用する
音声放送の場合、先づ親局１には子局選択信号発
生部４があつて、ここから時分割の信号が発生
し、親局送受信部５から伝送部３のたとえばルー
プアンテナ（後述）に供給される。一方子局２で
は伝送部３のループアンテナから輻射された信号
を子局送受信部６で音声と同時に子局選択信号を
受信しこの信号を子局選択の子局選択信号判定部
７に導き、ここで当該する子局のアドレスに対応
する信号であるかどうかを判別し当該のものであ
るとき応答部８に送られる。この時操作者が応答
操作たとえば応答スイツチをオンすることによつ
て子局送受信部６から応答信号が発射される。こ
の信号は伝送部３を介して親局送受信部５で受信
され、親局選択信号判定部９で、どの子局からの
信号であるかを判別し表示装置１０に導かれ応答
の有無が表示される。このようにして親局１から
時分割的に送られた情報に応じて子局２でもその
対応する時間内に応答することによつて親局１で
受信してその応答状態を表示装置１０により表示
板等に一括して配列表示することができる。

次にさらに具体的に説明すると、第２図に示す
ように子局選択信号発生部４ではクロツクパルス
発生器１１で第５図ａに示すような定時間隔のク
ロツクパルスを発生させ、このクロツクパルスを
カウンター１２でカウントして各クロツクパルス
の周期に対応した各子局に割当てられた第５図ｂ
に示すようなアドレス信号を作成し、このアドレ
ス信号をレジスタ１３に記憶させる。このレジス
タ１３の記憶内容を読み出して前記アドレス信号
に対応したクロツクパルスの周期内で例えばパル
スの数が異なるパルス信号を得る。このパルス信
号をパルスモジユレータ１４で音声信号全帯域の
うち周波数の高い帯域の部分に変調してなる各子
局に割当てられた固有の子局選択信号を時分割で
発生し、この子局選択信号を親局送受信部５の送
信機１５に導き送信する。この信号は伝送部３の
二重構成とされたループアンテナ１６を介して誘
導無線により輻射される。この送信機１５の搬送
波周波数はたとえば100〜250KHz帯域を用い、ル
ープアンテナ１６から輻射された信号は子局２に
おいて子局送受信部６でアンテナ１７を介し受信
機１８に受信される。この受信された音声の部分
はイヤホーン１８ａで聴取され信号の部分は子局
選択信号判定部７のデモジユレータ１９で直列パ
ルス信号に変換され、ゲート回路２０およびコン
パレータ２１に導かれる。このコンパレータ２１
ではこの直列パルス信号と、この子局２の特定ア
ドレス信号を記憶しているアドレスレジスタ２２
からの信号と比較し一致したときにYES（この子
局に対応する信号であると判別した結果）の信号
を出し、記憶レジスタ２３に記憶され、またラン
プ２４を点灯させ呼出しがあつたことを表示す
る。同時にゲート回路２０が開かれこのゲート回
路２０の出力がモジユレータ２６で音声帯域の高
域周波数帯に変調され、送信機２７に導かれる。
しかし送信機２７と電源回路２８との間に設けら
れた応答スイツチ２５がオフであれば応答信号は
発射されない。ここで応答スイツチ２５をオンに
すると送信機２７が動作したとえば搬送波25MHz
の微少電力で前記応答信号がアンテナ２９を介し
て発射される。この信号はループアンテナ１６に
接続されている無線受信機３０にアンテナ３１を
介して受信され、さらに結合器３２を介してルー
プアンテナ１６の伝送路に結合され集収器３３を
介して親局送受信部５の受信機３４に取り出され
る。この受信機３４で検波して取り出された信号
は選択信号判定部９のデモジユレータ３５で復調
され、この復調パルス信号はレジスタ３６に記憶
され、さらにコンパレータ３７に導かれる。この
コンパレータ３７ではレジスタ３６に記憶された
信号と子局選択信号発生部４のレジスタ１３の記
憶信号とを比較し一致すればコンパレータ３７か
ら一致信号が発生する。この時レジスタ１３の内
容をデコードする表示装置１０のデコーダ３８に
より指定されるラインたとえば３９とコンパレー
タ３７の一致信号が流れる一致信号ライン４０と
が一致すればゲート回路４１を介してホールドレ
ジスタ４２をホールドし、その出力でランプ４３
を点灯させる。このランプ４３は表示板（図示せ
ず）上に子局の数だけ設けられており、各子局の
点灯状態が一目で分るようになる。この時もし子
局２で応答スイツチ２５がオンに操作されなけれ
ばレジスタ３６に転送されるデータは零となりレ
ジスタ１３のデータと一致せずコンパレータ３７
で不一致と判別され、不一致信号ライン４４に信
号が流れゲート回路４５がオンとなりホールドレ
ジスタ４２はリセツトされランプ４３は点灯しな
くなる。

前記ループアンテナ１６部分の集収器３３は、
第３図に示すように３個のコイル３３Ａ，３３
Ｂ，３３Ｃからなり、コイルＡ，Ｂは並行に設け
られるループアンテナ単体１６Ａ，１６Ｂとの間
に介在接続され、この両コイル３３Ａ，３３Ｂと
結合するコイル３３Ｃに受信機３４が接続される
ようにする。この構成によりループアンテナ単体
１６Ａ，１６Ｂに乗せる送信機１５からの送信信
号と、受信機３４に送られる受信信号とが分離さ
れるようになる。

また結合器３２は第４図に示すように結合する
一対のコイル３２Ａ，３２Ｂよりなり、一方のコ
イル３２Ａはループアンテナ単体１６Ａ，１６Ｂ
相互間に介挿接続され、他方のコイル３２Ｂに受
信機３０が接続される。この構成により受信機３
０からの出力信号がループアンテナ１６にバラン
スよく乗るようになる。

上記のようにして、この発明による応答放送シ
ステムでは親局１から多数の子局２に対してそれ
ぞれ時分割的に信号を送り、子局２では自局への
アドレスであることを判別し、自局が捕促されて
いる割当時間内に応答スイツチ２５をオンにする
ことによつて信号が親局１に送られ、親局１では
どの子局２からの応答であるかを判別し、それに
対応した表示を行うように動作する。このように
親局１からの放送に対して多数の受信者（子局
２）から迅速に情報（応答）を受けることができ
る。又、応答の結果は表示装置１０によつて一括
して視覚的に配列表示されるので、一目で確実に
情報分析を行うことができ、電話等では多数同時
に迅速な情報（応答）を得ることが不可能であつ
たものを可能にするものであり、利用性が極めて
高いものとなる。さらにこの表示は各子局２がも
つているアドレスに応じて行われるので、多数の
子局があつても混乱することはない。

次に本発明の機能的特異性を述べると、先づ電
波的には親局からの子局割当信号と子局アドレス
信号とが一致した極めて短時間のみに子局の送信
電波が発射されることになるので多数の電波周波
数の小偏差による受信側の障害はなく安定した受
信ができることと、この親局、子局の電波はいづ
れも数10W（親局）あるいは数10mW（子局）程度
の微弱電波であるため、届出又は許可制の範囲で
実施も容易である。又、地域内に架設されるルー
プアンテナを含めた二線式並行導線の伝送部も簡
単な施設であり、その並行導線の架線も立体方式
をとれば伝送チヤンネルを容易に増すことができ
る。親局１の搬送波を増すことによつても同一伝
送系で多数チヤンネルを運用できる。応答部の応
答スイツチは１対１のものを使用する場合に限ら
ず多数極スイツチを使用すれば、応答内容を累加
することもできる。伝送部に近接して設けられた
逆送用受信機の電源は親局側から供給することが
でき運用上も便利である。親局子局が空間で結ば
れた場合を述べたが実回線のある有線の場合も利
用され効用は大である。表示装置もランプに限ら
ず、発光ダイオード、ブラウン管表示、プラスマ
デイスプレイなどを使用するともできるし、この
表示装置を電算機と結び付ければその効果も拡大
される。この実施例では選択信号は直列パルスに
よつたが並列パルスを利用する場合も本請求の範
囲に属する。以上本発明の性能の一例を述べたが
その効果も各方面に拡大されるものと考えられ
る。

以上述べたようにこの発明によれば、親局から
時分割で選択信号を送出し子局をそれぞれ呼出し
て、応答があれば親局においてどの子局からの応
答であるかを判別して表示装置により応答結果を
一括列表示するようにした双方向性で、応答を迅
速にし、且つ応答結果を一目で分るようにした応
答放送システムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による応答放送シ
ステムを示すブロツクダイグラム。第２図は第１
図に示した応答放送システムの具体的回路構成
図。第３図は第２図中の集収器部を詳細に示す結
線図。第４図は第２図中の結合器部分を詳細に示
す結線図。第５図は第２図のレジスタに記憶され
るアドレス信号の１例を示す波形図である。 １……親局、２……子局、３……伝送部、４…
…子局選択信号発生部、５……親局送受部、６…
…子局送受信部、７……子局選択信号判定部、８
……応答部、９……親局選択信号判定部、１０…
…表示装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クロツクパルス発生器から発生された定時間
   隔のクロツクパルスをカウンタでカウントして各
   クロツクパルスの周期に対応した各子局に割当て
   られたアドレス信号を作成し、このアドレス信号
   をレジスタに記憶し、このレジスタの記憶内容を
   読み出して前記アドレス信号に対応したクロツク
   パルスの周期内でパルス信号を作成し、このパル
   ス信号を音声信号全帯域のうち周波数の高い部分
   に変調してなる各子局に割当てられた固有の子局
   選択信号を時分割で発生する親局の子局選択信号
   発生部と、 この子局選択信号発生部で発生した子局選択信
   号を音声信号と混合して伝送部より送信する親局
   送受信部の送信機と、 この送信機から送られてきた音声信号及び子局
   選択信号を受信する子局送受信部の受信機と、 この受信機で受信された子局選択信号が復調さ
   れその復調信号が子局のアドレスに対応する信号
   であるとき自局が選択されていると判別する子局
   選択信号判定部と、 自局が選択されている時間内に応答操作を行な
   う子局の応答部と、 この応答部の応答操作によつて応答信号を発射
   する子局送受信部の送信機と、 この送信機から送られてきた応答信号を伝送部
   を介して受信する親局送受信部の受信機と、 この受信機で受信された応答信号が何れの子局
   からの信号であるかを判別する親局選択信号判定
   部と、 この親局選択信号判定部で判別された応答状態
   を配列表示する親局の表示装置とを具備すること
   を特徴とする応答放送システム。 ２ 前記伝送部としてループアンテナを用い誘導
   無線により音声と同時に信号伝送を行うようにし
   た特許請求の範囲第１項記載の応答放送システ
   ム。 ３ ループアンテナに１本以上の線条をこのルー
   プアンテナと並行して設けこの２線条によつて二
   線式平行伝送路を構成させこれに音声及び信号の
   逆送用伝送路の役目を持たせた特許請求の範囲第
   １項または第２項記載の応答放送システム。 ４ 全子局に対応した多数の発光素子を配列し応
   答結果を一括配列表示し得る表示装置を有する特
   許請求の範囲第１項記載の応答放送システム。 ５ ブラウン管を用いて構成した表示装置を有す
   る特許請求の範囲第１項記載の応答放送システ
   ム。