JPS6358442B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） この発明は車輌用暖房装置、詳しくはブロワ及
びヒータを備え、前記ブロワの吸込側に外気取入
口及び内気取入口を備えたエアダクトを接続し、
前記外気取入口と内気取入口との間に切換ダンパ
ーを設けて、これら各取入口から取入れる外気又
は内気を前記ヒータを介して温風吹出口から車室
内に吹出すごとくした暖房装置に関する。

（従来技術） 従来この種暖房装置は、例えば実開昭54−
71351号公報に示されるごとく、エアダクトに設
ける外気取入口と内気取入口との間に、切換ダン
パーを設け、該ダンパーの切換操作により前記各
取入口から外気又は内気を選択的に取入れて、こ
れら外気又は内気をヒータで加熱して車室内を暖
房するごとくしている。

しかして前記ダンパーの切換操作により、前記
外気取入口から外気を取入れて、この外気をヒー
タで加熱して車室内を暖房するとき、所謂外気取
入モードによる暖房時には、ブロアを運転して前
記取入口から積極的に外気を取入れ、温風吹出口
からの温風吹出量を大として高能力で暖房する場
合と、前記ブロワを運転することなく、車輌走行
時の動圧により前記取入口から外気を取入れ、温
風吹出口からの温風吹出量を小として暖房する場
合との２つの暖房手段とが採用される。

ところで前記外気取入モードにより暖房を行な
う場合、外気温度が低いとき、前記ブロワを運転
させて、温風吹出口からの温風吹出量を大となす
のであるが、このとき前記ブロアを運転するにも
拘わらず、外気取入口からの外気取入量が充分で
なく、しかもヒータで外気を充分に加熱すること
ができず、車室内の効率的な暖房を行なえないこ
とがあつた。

以上のごとき問題を解決するには、前記ヒータ
及びブロワとして高能力のものを用い、外気取入
口からの外気取入量及びヒータによる加熱能力を
それぞれ増大させることにより、車室内の暖房性
能を高めることが考えられるが、期くするときに
は前記ヒータ及びブロワが高価格となつて、製作
コストが大幅に高くなるのである。

（発明の目的） 本発明は以上のごとき問題に鑑みて成したもの
で、その目的は、外気取入モードによる暖房時
で、ブロワを運転させて車室内の高能力暖房を行
なう場合、外気と共に温かい内気を一部取入れ
て、この内気で外気を加温し、かつこの内気の外
気への混入により温風吹出量を増大させて、低廉
なコストで暖房効率を著しく高めることができる
暖房装置を提供することにある。

（発明の構成） しかして本発明の構成は、前記ダンパーの内気
取入口に対する閉鎖位置において、前記ダンパー
と内気取入口との間に隙間を形成すると共に、前
記ダンパーの内気取入口側に、外気取入モードに
おいて、前記ブロアの停止により前記隙間を閉
じ、前記ブロアの運転により前記隙間を開くシー
ト状弁部材を設けたことを特徴とするもので、前
記ブロアの運転時に前記弁部材で前記隙間を開放
させて、外気と共に内気の一部を取入れるごとく
なし、また前記ブロワの非運転時に前記弁部材で
前記隙間を閉鎖して、該隙間から外気が車室側に
侵入したりするのを防止するごとくしたものであ
る。

（実施例） 以下本発明にかかる車輌用暖房装置を図面の実
施例によつて説明する。

第１図に示す暖房装置は、ブロワ１内にブロワ
フアン２を設け、このブロワ１の空気吹出側にヒ
ータ３を内装すると共に、前記ブロワ１の吸込側
にエアダクト４を接続し、該エアダクト４には車
輌外部に連通する外気取入口５と車室内部に連通
する内気取入口６とを形成している。

また前記エアダクト４の内部で、前記外気及び
内気取入口５，６の間には、切換ダンパー７を切
換自由に設けて、該ダンパー７の切換操作によ
り、前記各取入口５，６から外気又は内気を前記
ダクト４内に選択的に取入れ、この取入空気を前
記ヒータ３で加熱して、前記ブロワ１の吹出側に
形成した温風吹出口８から車室内に吹出すごとく
している。

しかして前記ダンパー７の内気取入口６に対す
る閉鎖位置において、前記ダンパー７と内気取入
口６との間に隙間ｔを形成すると共に、前記ダン
パー７の内気取入口６側に、外気取入モードにお
いて前記ブロワ１の停止により前記隙間ｔを閉
じ、前記ブロワ１の運転により前記隙間ｔを開く
シート状弁部材９を設けるのである。

具体的には、第２図に詳しく示すごとく、前記
ダクト４の一側に傾斜面を設け、該傾斜面に多数
の開口窓を形成して、この開口窓群により前記内
気取入口６を形成すると共に、この内気取入口６
と対向する前記ダクト４の下面側に前記外気取入
口５を形成する一方、前記ダクト４の内部で各取
入口５，６間に、前記ダンパー７を軸杆１０を介
して揺動自由に支持し、このダンパー７の軸杆１
０を中心とする揺動により、前記各取入口５，６
を開閉させて、何れか一方の取入口５，６から外
気又は内気を前記ダクト４内に取入れるごとくな
す。

そして前記ダンパー７における内気取入口６側
の外表面に、横方向に延びるウレタンなどから成
る棒状体１１を一体に取付け、前記ダンパー７を
内気取入口６を閉鎖すべく揺動させたとき、前記
棒状体１１により前記ダンパー７と内気取入口６
との間に所定の隙間ｔを確保するごとくなす。

また前記棒状体１１の外表面に、ビニルシート
などから成る前記弁部材９を、上下両側を自由状
態として接着保持させるのである。

斯くして前記ダンパー７により内気取入口６を
閉鎖して、外気取入口５から前記ダクト４内に外
気を取入れる外気取入モードによる暖房時で、前
記ブロワ１の停止時には、第３図に示すごとく前
記ダクト４内に流入する外気の動圧により、前記
弁部材９を内気取入口６側に押圧密着させて該取
入口６を閉鎖し、前記隙間ｔから車室内に外気が
流入するのを阻止し、また前記ブロワ１の運転時
には、第４図に示すごとく、該ブロワ１の運転に
伴ない前記ダクト４内に生じる負圧により、前記
弁部材９をダクト内部側に撓ませて、前記隙間ｔ
を開放し、前記内気取入口６から前記ダクト４内
に温かい内気を取入れ、前記外気取入口５から取
入れられる外気と共に前記ヒータ３を介し車室内
に吹出すごとくなすのである。

図の実施例では、前記ダンパー７の外気取入口
５側にウレタンシート１２を貼着している。

また第１図の実施例では、エアダクト４の外気
取入口５に車輌外部に開口する連通管１３を接続
させ、該連通管１３を介して前記ダクト４内に外
気を取入れるごとくしている。

本発明の暖戻装置は以上のごとく構成したもの
で、外気取入モード時でブロワ１の停止時には、
第３図に示すごとく、外気取入口５からエアダク
ト４内に取入れられる外気の動圧により、弁部材
９が内気取入口６側に押圧密着され、前記ダクト
４内の外気が前記内気取入口６とダンパー７との
隙間ｔから車室内に流入したりすることなく、前
記外気はヒータ３により加熱されて、温風吹出口
８から車室内に吹出され、温風吹出量小で車室内
の暖房が行なわれる。

また外気取入モード時でブロワ１の運転時に
は、第４図に示すごとく、前記ブロワ１の運転に
伴ない前記ダクト４内に生じる負圧により、弁部
材９の自由端側がダクト内方に撓み、前記隙間ｔ
が開放されて、内気取入口６から温かい内気が前
記ダクト４内に取入れられ、この内気により外気
取入口５から取入れられた外気が加温され、これ
ら内気と外気との混合空気が前記ヒータ３で加熱
されて、前記吹出口８から車室内に吹出され、温
風吹出量大で車室内の暖房が行なわれるのであ
る。

（発明の効果） 以上説明したごとく本発明の暖房装置では、ダ
ンパーの内気取入口に対する閉鎖位置において、
前記ダンパーと内気取入口との間に隙間を形成す
ると共に、前記ダンパーの内気取入口側にシート
状弁部材を設けて、外気取入モード時でブロワの
停止時に、前記隙間を閉じ、かつ前記ブロワの運
転時に前記隙間を開ぐごとくしたから、外気取入
モード時で前記ブロワの運転時に、外気と共に温
かい内気を一部取入れて、これら混合空気で車室
内の暖房を効果的に行ない、暖房効率を著しく高
め得るのであり、また外気取入モード時でブロワ
の停止時には、前記弁部材により隙間を閉鎖し
て、外気が前記隙間から車室内に流入したりする
のを確実に防止できるのである。

しかも外気取入モード時で前記ブロワの運転時
には、外気と共に温かい内気を一部取入れ、この
内気で外気を加温すると共に、これら外気と内気
とにより温風吹出量を増大させて、車室内の暖房
効率を高めるのであり、従つてブロワ及びヒータ
として高能力のものを用いて、暖房効率を高める
ものに較べ、低廉な製作コストでもつて所期の目
的を達成できるに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる暖房装置のシステム
図、第２図は同要部の一部切欠斜面図、第３及び
第４図は作動状態を示す断面図である。 １……ブロワ、３……ヒータ、４……エアダク
ト、５……外気取入口、６……内気取入口、７…
…ダンパー、８……温風吹出口、９……弁部材、
ｔ……隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブロア１及びヒータ３を備え、前記ブロア１
   の吸込側に外気取入口５及び内気取入口６を備え
   たエアダクト４を接続し、前記外気取入口５と内
   気取入口６との間に切換ダンパー７を設けて、こ
   れら取入口５又は６から取入れる外気又は内気を
   前記ヒータ３を介して温風吹出口８から車室内に
   吹出すごとくした暖房装置であつて、前記ダンパ
   ー７の内気取入口６に対する閉鎖位置において、
   前記ダンパー７と内気取入口６との間に隙間を形
   成すると共に、前記ダンパー７の内気取入口側
   に、外気取入モードにおいて、前記ブロア１の停
   止により前記隙間を閉じ、前記ブロア１の運転に
   より前記隙間を開くシート状弁部材９を設けたこ
   とを特徴とする車輛用暖房装置。