JPS6357939A - ビスカスダンパ - Google Patents

ビスカスダンパ

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Publication number
JPS6357939A
JPS6357939A JP19835686A JP19835686A JPS6357939A JP S6357939 A JPS6357939 A JP S6357939A JP 19835686 A JP19835686 A JP 19835686A JP 19835686 A JP19835686 A JP 19835686A JP S6357939 A JPS6357939 A JP S6357939A
Authority
JP
Japan
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damper
viscous
crankshaft
vibration
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19835686A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Okamura
宏 岡村
Susumu Numajiri
沼尻 進
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP19835686A priority Critical patent/JPS6357939A/ja
Publication of JPS6357939A publication Critical patent/JPS6357939A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/16Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using a fluid or pasty material
    • F16F15/167Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using a fluid or pasty material having an inertia member, e.g. ring
    • F16F15/173Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using a fluid or pasty material having an inertia member, e.g. ring provided within a closed housing

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関のクランク軸に生ずる捩り゛  振
動の制振に用いられるビスカスダンパに関する。
(従来の技術) 気筒数が多く、長尺のクランク軸を有する内燃機関では
各気筒毎の駆動トルクの変動等により、クランク軸に捩
り振動が生じ、この捩り振動によるクランク軸の固有振
動数が起振トルクに一致すると、共振作用によって捩り
振動の振幅が増大し、クランク軸の捩り破損やエンジン
騒音の原因となる。
そこで、この捩り振動によるクランク軸の破損や、捩り
振動に起因するエンジン騒音を防止するため、捩り振動
を吸振し、抑制する種々のダンパ装置が創案されている
第14図に示すように、これらダンパ装置105は。
内燃機関101のクランク軸103軸端部(フライホイ
ール102が装着されている時はその反対側の軸端)に
直接あるいはプーリ104等のクランク軸付属品を介し
て取付けられ、クランク軸103の捩り振動の振幅の共
振ピークを分割あるいは減衰してその共振レベルを下げ
、且つ、クランク軸103の捩り振動と振幅とをそれぞ
れ吸収するように作用する。
従来、このダンパ装置の一般的な例としては、第15図
に示すような、クランク軸に直接あるいはプーリー等の
付属品を介して取付けられるダンパプレート107の外
周フランジ部108に沿ってラバー等の弾性部材109
を介して環状の金属製慣性体110を連結した構造のラ
バータイプのダンパ装置(以下、ラバーダンパと称す)
106や、第16図に示すような、クランク軸に取付け
られるダンパプレート112の外周に沿って環箱型のケ
ーシング113を一体的に形成し、ケーシング113内
部にケーシング113の内壁と所定の間隙を隔てて環状
の金属性慣性体114を収容し、且つ、慣性体114と
ケーシング113内壁との間の隙間115にシリコン油
等の粘性液を充填したビスカスダンパ111が知られて
いる。これら2種類の代表的なダンパ装置の内。
ラバーダンパ106は粘弾性ダンパの一種であり、クラ
ンク軸に生じる捩り振動を弾性体のせん断歪による粘弾
性を利用して捩り振動の振幅の共振ピークを分割し、且
つ、捩り振動のエネルギーを熱エネルギーに変えて放散
して減衰し、捩り振動を制振している。これに対して従
来より知られているビスカスダンパ111は、粘性ダン
パであってシリコン油等の粘性液の粘性抵抗によってク
ランク軸に生ずる捩り振動のエネルギーを熱エネルギー
に変えて放散し、振動のエネルギーを減衰(粘性減衰)
して捩り振動を制振している。
(発明が解決しようとする問題点) 近年、内燃機関の低熱費、低公害、高出力化等の要求が
高まり、特に車両用のディーゼルエンジンの過給化の傾
向が強くなっており、更に、インタークーラの採用等に
よる高過給化へと進んでいる。この傾向は、大型車両用
エンジンから中小型車両用エンジンへも拡がってきてい
る。
ところが直列多気筒エンジンなどのクランク軸が長い等
の要因で捩り振動が生じ、この捩り振動に対して前記捩
り振動の制振用のダンパを必要とするエンジンにおいて
は、高過給化はクランク軸に加わる加振トルクを大きく
し、ダンパの制振能力への負担を増大させる。ところが
、前記、ラバーダンパでは、弾性部材の弾性に限界があ
るため捩り振動の制振能力に限界である。また、弾性部
材の歪の増大や、発熱による弾性部・材の変形、劣化、
破損等の問題があり、振動の大きな捩り振動には適用で
きない。これに対してビスカスダンパでは粘性液にシリ
コン油等の耐熱性のものが使用できるため高温に対する
耐久性があり、劣化等の問題は少なく、また、慣性体の
慣性モーメントを大きくすることにより制振能力の向上
が計れる。
ところが、この従来のビスカスダンパでは。粘性液の粘
性抵抗による減衰効果によって捩り振動を制振している
ため、制振能力の向上には慣性体の慣性モーメントを°
大きくしなければならず、ダンパ重量の増大によるクラ
ンク軸の重量負担が大きくなり、クランク軸のたわみ、
折損等の原因となりやすく、また、重量増大によりダン
パが大型化するため取付はスペース等の問題が生じる。
(間頂点を解決するための手段) 本発明は、前記従来技術によるダンパ装置の問題点を解
決することを目的とし、以下に示す手段を設ける。
クランク軸に取付けられクランク軸と一体回動する環箱
型のケーシングと、該ケーシング内のケーシング内壁と
所定の間隙を隔てて収容される環状の慣性体とによって
形成され、且つ、上記ケーシングと上記慣性体との間の
間隙に粘性液を充填して成るビスカスダンパにおいて、
上記粘性液に粘弾性を有する高粘度粘性液を用い、且つ
、上記クランク軸系固有振動数feに対する上記ビスカ
スダンパ系の固有振動数fdの比(fd/fe)を0.
75≦fd/fe≦1.0 とする。
(作  用) 本発明によるビスカスダンパでは、上記高粘度粘性液を
用いることにより捩り振動に対して粘弾性ダンパ的に作
用し、固有振動数比fd/feを0.75≦fd/fe
≦1.0とすることができる。
(実施例) 以下、図面に基づいて本発明を説明する。
第1図に本発明が適用されるビスカスダンパ形状の一実
施例を示す。
同図において、ビスカスダンパ1は、クランク軸(回示
せず)の捩り振動による捩り振幅の大きいクランク軸軸
端部に、直接あるいはプーリ等のクランク軸付属部品を
介して取付けられるダンパプレート部6と、ダンパプレ
ート部6の外周に沿ってダンパプレート部6と一体的に
形成される断面方形の環箱型のケーシング2と、ケーシ
ング2の内部にケーシング2の内壁と所定の間隙hs、
 ha等を隔てて収容される断面方形の環状慣性体3と
によって構成され、ケーシング2と慣性体3との間の隙
間には粘弾性を有する高粘度粘性液4が充填される。ま
た、慣性体3の内周側にはケーシング2内での慣性体3
の位置決め用であり、且つ。
ケーシング2と慣性体3との直接接触を防止するための
円環状スペーサ5がフローティング状態で挿入しである
。また、慣性体3内周側スペーサ5挿入部とケーシング
2内壁との間の平均間隙は外周側間VXhoよりも狭く
してあり慣性体3外周側とケーシング2との接触を防止
している。
上記、ダンパプレート部6及びケーシング2は熱放散性
が比較的良く、衡機強度も強い鉄系金属の鋳造あるいは
切削加工等によって形成される。
なお、熱放散性の向上やケーシング2の慣性モーメント
の影響を小さくするにはアルミ軽合金等の使用も考えら
れるが強度の点で問題がある。慣性体3は慣性モーメン
トを大きくするため重量の大きな材料を使用することが
好ましいが、鉛では強度、剛性が弱く使用に耐えられな
い。このため比較的重層が大きく、強度も強い、鉄ある
いは鉄系合金を用いて鋳造もしくは切削加工等によって
形成する。
本発明によるビスカスダンパの特性に重要な要素となる
粘性液には、粘度20万CSヒ以上で粘弾性的性質を有
し、且つ、耐熱性であり、熱による粘度変化も小さい高
粘度シリコン油等を使用する。
また、スペーサ5材料としては、低115!擦係数のフ
ッ素系樹脂などを用いる。
ところで、従来のビスカスダンパでは粘性液として比較
的低粘度の粘性液が用いられていた。このため粘性液の
弾性的効果はほとんど得られず。
粘性液の粘性抵抗による粘性減衰効果によって捩す振動
を制振していたが1本発明では上述したように、高粘度
状態で粘弾性を有する高粘度シリコン油等を用いるため
、減衰効果と弾性による振動制振効果(動的吸振)とが
作用し、特性的には、ラバー等の弾性体の粘弾性効果を
利用するラバーダンパ等と同様に、粘弾性ダンパ的な制
振特性が得られる。
以下、簡単な振動モデルを用いて本発明によるビスカス
ダンパの制振特性について説明する。
第2図に一般的に知られている多気筒エンジン(図では
6気筒)クランク軸系に対する多自由度等価振動モデル
を示す。同図においてIdはダンパ系7の慣性モーメン
トを示し、11はプーリ等10の慣性モーメント、I2
〜Iりは各気筒8の慣性モーメント、そして工8はフラ
イホイール9の慣性モーメントを示す。また、同図Kd
はダンパ系7のバネ定数、Cdはダンパ系7の減衰係数
を示し、K1−に1はクランク軸系各間のバネ定数、0
1〜C7はクランク軸系各間の減衰係数を示す。ダンパ
系7の振動特性が把握されていれば、この多自由度系振
動モデルによるシュミレーション結果は実測と良く一致
することが知られており、予測計算も十分な精度を持っ
て活用できる。
前述したように、本発明によるビスカスダンパはラバー
ダンパと同様に粘弾性を利用している。
この粘弾性特性は、温度、振幅、周波数等の使用条件及
び材質によって変化するため、ビスカスダンパの設計に
はその特性の把握が重要である。
一般に、常用エンジン回転域での主要なりランク軸回転
次数による加振トルク周波数に対して、クランク軸捩り
振動共振モードのうち2次モード以上の固有振動数は高
く、また、捩り振幅は小さいため、1次モードのみを考
慮すればよい。すなわち、クランク軸系はダンパも含め
て第3図のような2自由度系の等価振動モデルで表わす
ことができる。同図において1dはダンパ系11慣性モ
ーメント、Kdはバネ定数、 Cdは減衰係数を示す。
また、クランク軸系12の慣性モーメントエeはダンパ
系11を除いたクランク軸系全体の合成慣性モーメント
を示す。また、Ke、Ceはクランク軸系の剛性や、軸
受部等の摩擦によるクランク軸系のバネ定数、減衰係数
を示す。
第3図に示す2自由度系等価振動モデルの運動方程式は
一般的に、 Id’Xd+Cd’(Xd−Xe) ” O”・(1)
IeMe+Cd’(Xe−Xd)+CeXe+KeXe
=F=Fo CoSωt °”(2)と表わせる。
ここで、複素表示を用いて表わすと、 加振力Fは F =Foa””            =・(3)
クランク軸系、ダンパ系の応答振幅Xe、 Xdは、X
e=χ(5jwt           ・・・(4a
)Xd=、1lda’″′t            
      ・・・(4b)また複素減衰係数Cdは Cd=Cd−j・(Kd /ω)     ・・・(5
)となる。ここでCdはダンパの減衰係数、Kdはダン
パのバネ定数、ωは加振角速度を表わす。
次に、(D 、 (2)式を無次限化すると、−λ2 
θd+(λd” +j・2ζdλ)(θd−θC)=0
    ・・・(6)−λ” oe+ttcλd2+j
・2ζdλ)(θe−θd)+(1+ゴ・2ζeλ) 
θe=o       ・・・(力となる。ここで、 μ= Id/Ie  :慣性モーメント比  ・・・(
8)ωd= 57苅7:ダンパ系固有角振動数・・・(
9a)ωe=亦ilロ:クランク軸系固有角振動数・・
・(9b)λd=ωd/ωC:固有振動数比    ・
・・(10)λ=ω/ωe :加振周波数比    ・
・・(11)ζd=cd/ (2Idωa) :ダンパ
系の減衰係数比・・・(12a)ζ6=(6/ (2I
e (11e) :クランク軸系減衰係数比・(12b
)、1Th=Fo/We   :静的角変化     
・−・(13)θd=χd/Xo  :ダンパ系応答振
幅比   ・・・(14a)θe =Xe /Xo  
:クランク軸系応答振幅比 ・・・(14a)である。
本発明によるビスカスダンパでは高粘度シリコン油を用
いるので、粘弾性ダンパとして扱えるため、ダンパの複
素減衰係数Cdを示す(5)式において、ダンパ系のバ
ネ定数はKdキ0である。したがって、第4図に示すよ
うに、クランク軸系の捩り共振13のピークPoはダン
パ系によって1節14及び■節15の2つの共振ピーフ
レこ分割される。
同図において、■節、■節の共振ピーク頂点A(A41
 A2) + B (Bl 、 Bz)の位置は、ダン
パのバネ定数Kd及び減衰係数Cdをパラメータとして
グラフ上を移動する。ここで、広い周波数領域で捩り振
幅を低いレベルに制振するために、点A、Bの共振ピー
ク振幅を等しく且つ、最も低い場合を最適(optim
um)とする。この場合の1.n節共振ピーク頂点は第
4図における点Aoρし、、Boptとなる。
ところで、従来のビスカスダンパでは粘性液に比較的低
粘度のシリコン油等を用いていたため、ダンパの複素減
衰係数CI(*を示す(5)式において、ダンパのバネ
定数にd=oであり、第5図に示すように、クランク軸
系の共振ピークはダンパを装着しても1つである。すな
わち、従来のビスカスダンパでは弾性による動的吸振効
果がほとんど無いため、粘性抵抗による粘性減衰によっ
てのみ振動を吸収している。このため、ダンパの減衰係
数Cd=0の点がPaであり、ダンパの無い場合のクラ
ンク軸系の共振ピークと一致する。また、従来のビスカ
スダンパでは、ダンパの減衰係数Cdが大きくなると共
振ピーク頂点Paは低下し、最小振幅となる点Popt
を越えると再び振幅が増加し−Cd→ωになると点Qに
到る。すなわち、点Qでは第3図に示した振動モデルの
クランク軸系12とダンパ系11とが一体化して振動し
ている状態となる。
ここで、第4図、第5図における制振の最適条件、状態
をまとめて下表に示す。なお、最適時のダンパの減衰係
数Cdに比較して、クランク軸系の減衰係数Ceは相対
的に十分小さいと、考えられるので、式の展開を簡略化
するためCe=0とする。また、下表μは前記(8)式
に示した慣性モーメント比μ= Id / Ieである
第6図は、本発明によるビスカスダンパの粘弾性特性と
共振ピーク頂点における振’t[Q、周波数比λの関係
を示す図で、ダンパのバネ定数にdと減衰係数Cdをパ
ラメータとして、1,1節の共振ピーク頂点(にd=o
の時は共振ピークは1つ)の共振周波数λ及び振幅θの
関係を示す。ここでダンパ系とクランク軸系の慣性モー
メントμ=Id/Isは一定である。同図において■、
■節振動の共振ピーク頂点の位置は、121区(λ亀は
第5図に示した点Qにおける共振周波数を示す)を境界
線として左右に分離される。従来のビスカスダンパすな
わち粘性ダンパ(Kd=O)の場合には、共振ピークは
その頂点がλ≧λ化の領域にあり、本発明によるビスカ
スダンパの場合、すなわち、粘弾性ダンパ(Kd# O
)の■節共振ピークの特殊例と見なすことができる。ま
た、粘性ダンパの最適時を示す共振ピーク頂点Popt
の振幅に対して、粘弾性ダンパの最適時の1.■節共振
ピーク頂点Aopt、 。
Boptの振幅は、前夫に示したように、1/4ρ1+
(Σ/U)の割合で低い。
すなわち、粘性ダンパの制振は、クランク軸系とダンパ
系の慣性モーメント(又は慣性質量)間の相対せん断速
度振幅の2乗に比例した振動エネルギーを熱として消費
することによる。従って、 7ダンパの減衰係数Cdが
増大し、ダンパ系とクランク軸系との相対振幅が制振さ
れるとそれ以上の振動エネルギーを消費することができ
なくなり、最大消費点、すなわちPoptで共振ピーク
の振幅は極小値を持ち、更にCd値を大きくしても振幅
は増大してしまう。一方、本発明のビスカスダンパのよ
うに、粘弾性ダンパでは、ダンパ系の有する粘弾性によ
るバネ効果により系全体の振動エネルギーの一部をバネ
系に分担させ、クランク軸系の振動エネルギーが減少す
るように、ダンパの特性を最適化し、捩り振動を分割し
て、その共振ピークを下げ、且つ、減衰係数Cd項によ
り、熱として振動エネルギーを消費させる効果を適当に
組合わせることにより、大きな制振効果が得られる。
以上のように、本発明による粘弾性ダンパとしてのビス
カスダンパは、従来の粘性ダンパとしてのビスカスダン
パと比較して、効率の良い制振能力を有している。この
ことは第6図に示す粘弾性ダンパの最適時における共振
ピーク点Aopt、 Boptでの振幅と粘性ダンパの
最適時における共振ピーク点Poptでの振幅との比較
でも明らかなように。
同一慣性モーメント比での粘弾性ダンパの制振能力は倍
増している。
以上、説明したように2本発明によるビスカスダンパは
、粘性液に粘弾性を有する高粘度シリコン油等を用いる
ことにより粘弾性ダンパとして取扱うことができ、従来
の粘性ダンパとしてのビスカスダンパと比較上で捩り振
動に対する制振能力の向上を計ることができる。
次に、本発明のビスカスダンパの制振特性を与える複素
減衰係数Cd’について述べる。
この複素減衰係数Cd’はダンパの形状を表わすダンパ
定数Aとシリコン油の動特性とによって算出することが
できる。第1図に示した形状のビスカスダンパを用いて
ダンパ定数を求めるととなる。ここで、Yiは慣性体3
の内周側の平均半径を表わし、Y′oは外周半径を表わ
す、また、 hsは慣性体3両側部とケーシング2との
間の平均間隙(クリアランス)、hiは慣性体3内周側
の平均クリアランスを表わす。このダンパ定数Aを用い
て複素減衰係数Cd’を表わすと。
Cd’ = Aμm            ・・・(
16)となる。ここで、μ6は複素粘性係数を示し。
G′ μ =μ′−j−・・・(17) ω となる。μ′、G″は粘性液の動特性を表わす係数で、
μ′は動的粘性係数、G′は動的せん断弾性係数であり
、ダンパの減衰効果1弾性効果を決定する重要な要素と
なる。第7図、第8図に測定温度、周波数を一定とした
時のシリコン油粘度とG′。
μ′の関係を示す。
なお、温度30℃、周波数1001(z、シリコン油粘
度10XIO’ C5tの時の動的せん断弾性係数G′
は80〜90X10−” Kg/am’ 、動的粘性係
数μ′は4 X 10−’ KgS/am”である。
また、粘弾性ダンパとしての特性に重要な要素となるバ
ネ定数Kd、及び減衰係数Cdと、上記Q j。
μ′との関係を求めると(5)式を用いて、Kd=A−
G″ ・・・(18)、   Cd=A・μ′ ・・・
(19)となり、それぞれ、動的せん断弾性係数G″、
動的粘性係数μ′に比例する。
第9図、第10図は、それぞれ、バネ定数Kd及び減衰
係数Cdとシリコン油粘度との関係を、直列6気筒エン
ジンにビスカスダンパを装着して温度−永、周波数一定
として実開したデータをもとに作成した図である。
上記、2つの特性曲線は、それぞれ第7図、第8図に示
した。・動的せん断弾性係数G′、及び動的粘性係数μ
″とシリコン油粘度との関係を表わす特性曲線と同様の
特性を示す。第9図に示すように、ビスカスダンパのバ
ネ定数Kdは50万C5t以下で急激に低下し、粘弾性
ダンパとしての制振能力が50万0Sシ以下では低下す
ることが判る。このように、粘弾性ダンパとしてのビス
カスダンパでは5075C3t程度の粘度を有する高粘
度シリコン油を用いることが望ましい。
第11図に、ビスカスダンパを装着した直列6気筒エン
ジにおいて、ビスカスダンパのシリコン油粘度を変化さ
せた場合のクランク軸捩り振動の回転6次成分実測値を
比較した結果を示す。また最高エンジン回転数に対する
エンジン回転数比を表わす横軸をクランク軸回転6次相
当の加振周波数の軸と想定して算出した、第5図におけ
る粘性ダンパ(Kd=O)の理論上の最適時の共振ピー
ク頂点Popt、を合わせて図示しである。第11図に
おいて。
漣− ピークAの一点鎖線はシリコン粘度20万CSシ、ピー
クBの実線は50万CSシ、ピークCの二点鎖線は10
0万CSt、、Dの破線は従来の粘性ダンパ(にd=0
)の場合を示す。
同図より明らかなように、シリコン油粘度20万C3j
では従来の粘性ダンパと比較して効果的差異はほとんど
見られないが、粘度を20万CStから50万O5しに
すると、共振ピークの捩り振幅は大幅に低下し、また、
共振周波数も大きく変化している。
また、シリコン油粘度を100万CStにした場合は5
0万CSシの時と較べて捩り振幅の差はほとんど無いが
共振周波数は変化している。
このように、シリコン油粘度を50万CSシ以上とした
ビスカスダンパは、第6図に示した共振ピーク頂点の振
幅−周波数比特性の線図上で考察すると、粘弾性ダンパ
として有効に作用していると考えられ、従来の粘性ダン
パとしてのビスカスダンパの最適点Poptより低い振
動レベルに十分制振可能である。
次に、本発明による粘弾性ダンパとしてのビスカスダン
パの最適設計条件を定める、なお、シリコン油粘度は前
述したように、50万CSt程度とすると粘弾性特性が
安定する。前に、ダンパの動特性と捩り共振ピークの振
幅−周波数比関係を、ダンパのバネ定数Kd及び減衰係
数Cdをパラメータとして第6図に示したが、ここでは
、クランク軸系固有振動数feに対するダンパ系固有振
動数fdの比fd/feと、ダンパの減衰係数比ζdを
パラメータとし、温度、慣性モーメント比一定、クラン
ク軸固有振動数feを約200Hzとして実開した結果
に基づいて求めた捩り振幅−周波数比の関係を第12図
に示す。
なお、ダンパ系の固有振動数fdは、(9a)式でωd
=2πfdとして、 となり、またクランク軸系固有振動数feも同様に(9
b)式より である。また、ダンパの減衰係数比ζdは(12,l)
よりd ζd=□       ・・・(22)2Id・2zf
e である。
また、第12図でfd=oの線はにd=oの粘性ダンパ
としての従来のビスカスダンパの特性を表わし、Pop
eがその最適値である。
さて、本発明によるビスカスダンパの粘弾性ダンパとし
ての制振能力を維持し、且つ、設計上の自由度を大きく
する最適設計条件としては、同図より明らかなように固
有振動数比fd/feが0.75≦fd/fe≦1.0 の時である。
すなわち、固有振動数比が上記範囲内になるようにダン
パを設計することにより、粘弾性ダンパとしての制振効
果を得られる。
ところで、ビスカスダンパの制振効果をより確実なもの
とするし;は、減衰係数比ζdを0.2≦ζd≦0.4
5と限定した方が、より制振効果を大きくすることがで
きる。
ところで、前述したように、ダンパのバネ定数Kdは高
粘度粘性液の動的せん断弾性係数G′、及びダンパ定数
Aに比例する。また、ダンパの固有ダンパのバネ定数に
d及びダンパの慣性モーメント1dとによって決まる。
そこで、(18)式Kd=A−G’を用いると となる。
また、前述したようにダンパ定数Aはダンパ形状によっ
て決まり、第1図に示した形状例のビスカスダンパでは である。
以上のことから1本発明によるビスカスダンパでは、固
有振動数比fd/fcが0.75≦fd/fe≦1.0
となるように、ダンパの慣性モーメントId及びダンパ
定数A、そして高粘度粘性液の動的せん断弾性係数G′
を決める。
ところで、前述したように、シリコン油等の粘度は50
万CSシ程度と大きくすることが望ましく、また、第1
1図に示したように50万CSt〜100万CStの間
では、その制振効果に差異は見られない。このため、シ
リコン油粘度を高粘度側で比較的自由に選ぶことができ
る。すなわち、(23)式中の動的せん断弾性係数G′
 を比較的自由に選択することができるため、同一固有
振動数比におけるビスカスダンパの設計上の自由度の幅
が広がる。このため、ダンパ形状を適宜に定めることに
より、ダンパの放熱性の向上を計ることができる。
第13図は1本発明による粘弾性ダンパとしてのビスカ
スダンパAと、同じく粘弾性ダンパ的性質を有する従来
のラバーダンパB(第15図)の雰囲気温度に対する影
響を実測した例である。同図より明らかなように、同じ
粘弾性ダンパであっても、ラバーダンパBの方が温度に
対して制振能力の低下が著しく、これに対して本発明に
よるビスカスダンパAは、はとんど温度の影響を受けな
い。これは、両ダンパの減衰仕事を受けもつ、ラバ一部
とシリコン油部の材質の違いによる温度特性の差ととも
に、当該部の減衰仕事による発熱に対する放熱特性に差
があるためである。すなわち、ラバーダンパではラバ一
部の材質によって、バネ定数、減衰係数が一義的に決ま
ってしまうため、設計の自由度が狭く、放熱性の向上を
計りにくいが、ビスカスダンパでは、前述したように、
シリコン油の粘度調整によって設計の自由度を広くする
ことができるため放熱性の向上が計り易い。また、シリ
コン油等の液体では、その対流効果による伝熱性も作用
するため、有利である。
(発明の効果) 以上、説明したように、本発明によるビスカスダンパで
は粘性液として高粘度シリコン油等の高粘度粘性液を用
いることにより、粘弾性ダンパとしての制振特性を有す
ることができ、従来の粘性ダンパとしてのビスカスダン
パと比較して、優れた制振効果を得ることができ、且つ
ダンパの小型化を図れる。また、本発明によるビスカス
ダンパでは、粘弾性ダンパとしての弾性効果により、ダ
ンパの固有振動数比を0.75≦fd/fe≦1.0の
範囲に定めることができ、且つ、減衰係数比ζdを0.
2≦ζd≦0.45とすることにより制振効果をより大
きくすることができる。また粘性液の粘度の選択幅が比
較的広く取れるため、ダンパ形状及び構造の設計の自由
度が大きく、ダンパの放熱性の向上を計ることができ、
ダンパの耐久性を向上することができる。また、シリコ
ン油を用いる場合、その耐熱性により、高#囲気中での
制振効果も計れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるビスカスダンパの−形状例を示す
要部断面図、第2図は多気筒エンジンのクランク軸系多
自由度等価振動モデルの説明図、第3図は、クランク軸
系を2自由度の等価振動モデルに置き換えた振動モデル
の説明図、第4図、第5図及び第6図は、ダンパ装置の
振動特性図。 第7図及び第8図は、動的せん所外性係数及び動的粘性
係数とシリコン油粘度との関係を示す図。 第9図及び第1θ図は、ダンパのバネ定数及び減衰係数
とシリコン油粘度との関係を示す図、第11図はビスカ
スダンパのシリコン油粘度をパラメータとしたときのエ
ンジン回転数比と捩り振幅との関係を示す図、第12図
は固有振動数比と減衰係数比とをパラメータとした時の
捩り振動と周波数比との関係を示す図、第13図は、本
発明によるビスカスダンパと、ラバーダンパの雰囲気温
度と捩り振幅との関係を示す図、第14図はダンパ装置
を取付けた内燃機関の側面図、第15図は従来のラバー
ダンパの要部断面図、第16図は従来のビスカスダンパ
の要部断面図である。 1・・・・ビスカスダンパ、2・・・・ケーシング、3
・・・・慣性体、4・・・・粘性液。 7I5L収上乙入 周沃扶rヒ戊 晃6図 Q(こよ:oo) 第 デ 回 シリコン8φ木V度(C5仁) 月74 (2) エシシ゛ニー回1友す欠jj   (勾Q(’:1=o
−3) 周1憂えr乙入 第43  図 20  40  60  80  10Ot回気漫茂(
°C) 扇74 図 晃75図     加/C田

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 クランク軸に取付けられクランク軸と一体回動する環箱
    型のケーシングと、該ケーシング内にケーシング内壁と
    所定の間隙を隔てて収容される環状の慣性体とによって
    形成され、且つ、上記ケーシングと上記慣性体との間の
    間隙に粘性液を充填して成るビスカスダンパにおいて、
    上記粘性液が粘弾性を有する高粘度粘性液であると共に
    、上記クランク軸系固有振動数feに対する上記ビスカ
    スダンパ系の固有振動数fd比(fd/fe)が、0.
    75≦fd/fe≦1.0 であることを特徴とするビスカスダンパ。
JP19835686A 1986-08-25 1986-08-25 ビスカスダンパ Pending JPS6357939A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5950245A (ja) * 1982-09-13 1984-03-23 Shoichi Iwamoto 捩り振動防止ダンパ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5950245A (ja) * 1982-09-13 1984-03-23 Shoichi Iwamoto 捩り振動防止ダンパ

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