JPS635789Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は送水管に対して適宜間隔毎に複数個
固定せしめ、散水により融雪する方式の融雪ノズ
ルの改良に関するものである。

従来、車道や歩道、陸橋等の降雪や積雪等を散
水によつて解かすには、道路等の任意箇所に敷設
された送水管自体に散水孔を設けたもの、あるい
は、送水管を地下に埋設し、前記送水管に連通さ
れた融雪ノズルを地表面に露出させたものが使用
されている。

ところが、前者は送水管自体に散水孔を穿設し
ただけで、送水源に近い所では水圧が高い為多量
の水が噴出するが、送水源から離れた所では水圧
が低くなつて少量の水しか噴出されず、従つて、
融雪効果にむらが発生するばかりか、散水孔は錆
やゴミの為目詰まりしやすく、その掃除が困難で
あつた。

又、後者は散水量の調整、散水方向の変更及び
目詰まりした際の散水孔の掃除が困難であるばか
りか、送水管の埋設工事を必要とする等の欠点が
あつた。

この考案は地表面に敷設された送水管の上面に
適宜間隔毎に適数取りつけられ、散水量の調整は
勿論のこち、散水方向や散水の届く位置をも容易
に変えることができ、又、散水孔が目詰まりした
際には送水管の通水状態で容易に散水孔の掃除が
でき、しかも、散水量調整作業の際作業者に散水
がかからず、上方から見下ろした状態で楽に作業
ができ、構造が簡単で製作容易であり、安価に提
供しえる融雪ノズルを提供するものである。

以下、この考案の一実施例を図面につき詳述す
ると、１は融雪ノズルで、送水管２の上面に立設
されたエルボ３に回動自在に取りつけられる。

前記融雪ノズル１は第３図に示す如くノズル本
体４とジヨイント５、止水ボルト６及び散水調整
ボルト７とから構成される。

前記ノズル本体４は断面多角形、例えば、四角
形や六角形等の棒材８の中心部に幅方向の通水孔
９を貫通せしめ、前記通水孔の左方に、該通水孔
９より径が大きく、しかも、内壁に雌ネジ１１を
有する横孔１０を、右方に前記横孔と同径で、や
や深さが大きく、内壁の半分程度に雌ネジ１３を
有する散水室１２をそれぞれ設け、更に、前記棒
材８のやや左方寄りの通水孔９の略中央部に縦孔
１４を設けると共に、該縦孔１４に雌ネジ１５を
刻設し、更に又、縦孔１４の入口には通水孔９の
軸方向を示す位置決め溝１６を設ける。

図中１７……は棒材８の外壁部正面から散水室
１２に向けて水平方向に穿設せしめた適数の散水
孔である。

又、ジヨイント５はパイプ状を呈し、その外壁
の左右には雄ネジ１８，１９が設けられている。

勿論、前記雄ネジ１８はノズル本体４の雌ネジ
１１に適合し、雄ネジ１９はエルボ３の雌ネジに
適合することは言うまでもない。

更に、止水ボルト６はノズル本体４の雌ネジ１
３に適合する雄ネジ２０を外壁に有し、右端部に
は工具による回動部２１が設けられている。

更に又、散水量調整ボルト７はノズル本体４の
縦孔１４に設けた雌ネジ１５に適合する雄ネジ２
２を外壁に形成し、略中央部幅方向には前記通水
孔９と合致する透孔として形成された通水部２４
が設けられている。

図中２５は前記通水部２４の透孔の軸方向を示
す位置決め溝である。

前述のノズル本体４、ジヨイント５、止水ボル
ト６及び散水量調整ボルト７を組立結合して融雪
ノズル１を構成させるには、先ず、ノズル本体４
の縦孔１４に散水量調整ボルト７を螺合する。

その際、散水量調整ボルト７に設けた透孔状の
通水部２４がノズル本体４の通水孔９と合致する
よう位置決め溝１６と２５を合わせる。

次にノズル本体４の左方に設けられた横孔１０
の雌ネジ１１にジヨイント５の右方の雄ネジ１８
を螺合し、又、ノズル本体４の右方に設けた散水
室１２の雌ネジ１３に止水ボルト６の雄ネジ２０
を螺合させる。

このようにして構成した融雪ノズル１は第４図
及び第５図に示す如く道路等の任意箇所に敷設さ
れた送水管２の上面に適宜間隔毎に多数取りつけ
られる。

その際、図示の如く送水管２にネジ孔２６を穿
設し、前記ネジ孔２６にジヨイント２７を介して
エルボ３を取りつけ、前記エルボ３にこの考案の
融雪ノズル１を螺合するものである。

図中２８は緩み止めナツトを示す。

この考案の融雪ノズル１は上述の如きもので、、
今、送水管２に通水すれば水はエルボ３及びジヨ
イント５から通水孔９を通つて散水室１２に供給
され、散水孔１７……から噴出する。

ところが、送水源に近い融雪ノズルからは多量
の散水が行われ、又、送水源から離れた箇所の融
雪ノズルからは少量の散水しか行われないので、
第６図及び第７図に示す如く散水量調整ボルト７
を回動させて各融雪ノズルから平均して散水する
よう調整する。

その際、第６図の如くノズル本体４の位置決め
溝１６に散水量調整ボルト７の位置決め溝２５を
合致させれば、通水孔９と透孔状の通水部２４が
一致し、通水孔９から通水部２４に多量の水が供
給され、多量の水が散水孔１７……から噴出する
ようになる。

又、第７図に示す如く散水量調整ボルト７を図
の下方向に若干回動させると、通水孔９の一部を
散水量調整ボルト７の外壁部が塞ぎ、通水孔９と
透孔状の通水部２４が完全に合致せず、通水孔９
から通水部２４に少量の水しか供給されず、散水
孔１７……からは少量の水しか噴出しない。

従つて、送水源から離れた箇所の融雪ノズルは
第６図の状態に、又、送水源に近い箇所の融雪ノ
ズルは第７図の如く各々調整するものである。

この考案の融雪ノズルは上述の如く散水量の調
整が容易にでき、その為、各融雪ノズルから平均
して散水させられ、融雪効果にむらが生じないば
かりか、緩み止めナツト２８を緩めると融雪ノズ
ル１は第２図の矢印方向に自由に回動するし、ノ
ズル本体４を回動すれば散水孔１７……は上下方
向に自由に調整できるので、散水方向は勿論のこ
と散水の届く位置をも簡単に変えることができる
効果がある。

更に、散水孔１７……が目詰まりした際には、
散水量調整ボルト７を回動させて散水室１２への
通水を止め、この状態で止水ボルト６を外し、ブ
ラシ等で散水室１２内や散水孔１７……の掃除が
できる効果がある。

更に又、ノズル本体４は外形の断面を多角形と
したから、縦孔１４や散水孔１７……をドリルで
あけやすい効果と散水孔１７……の上下方向の調
整がスパナ等で容易にできる効果がある。

又、ノズル本体４に設けた散水孔１７……は、
棒材８の正面から水平方向に散水室１２と連通す
るよう穿設されており、散水は水平方向にのみ噴
出し、上方向には噴出しないので、送水管２に通
水した状態で散水量調整ボルト７を操作すると
き、作業者に散水がかかることがないばかりか、
上方から見下ろした状態で楽に作業できる効果
と、構造が簡単であるから容易に製作でき、安価
に提供できると共に故障が生じない実用的な効果
もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の融雪ノズルの取りつけ状態
を示す正面図、第２図は同平面図、第３図は融雪
ノズルを分解状態とした説明図、第４図は融雪ノ
ズルの取りつけ状態における要部の縦断面図、第
５図は同横断面図、第６図ａ，ｂは最大通水時、
第７図ａ，ｂは通水がやや弱められた時の通水孔
と通水部及び両位置決め溝の関係を示す説明図で
ある。 １……融雪ノズル、３……エルボ、４……ノズ
ル本体、５……ジヨイント、６……止水ボルト、
７……散水量調整ボルト、８……断面多角形の棒
材、９……通水孔、１０……横孔、１１……横孔
の雌ネジ、１２……散水室、１３……散水室の雌
ネジ、１４……縦孔、１５……縦孔の雌ネジ、１
６，２５……位置決め溝、１７……散水孔、１
８，１９……ジヨイントの雄ネジ、２０……止水
ボルトの雄ネジ、２１，２３……回動部、２２…
…散水量調整ボルトの雄ネジ、２４……通水部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面多角形の棒材８に通水孔９を貫設し、該通
   水孔の左方に雌ネジ１１を有する横孔１０、右方
   に雌ネジ１３を有する散水室１２を各々設け、前
   記棒材８の正面から散水室１２に達する適数の散
   水孔１７……を水平方向に穿設し、又、通水孔９
   の略中央部位に縦孔１４を設けてその内壁に雄ネ
   ジ１５を刻設し、前記縦孔の入口に位置決め溝１
   ６を設けたノズル本体４と、雄ネジ１８，１９を
   左右の外壁に形成したパイプ状のジヨイント５
   と、雄ネジ２０と回動部２１を有する止水ボルト
   ６及び外壁に雄ネジ２２、上端に回動部２３、略
   中央部幅方向に透孔としての通水部２４を各形成
   し、更に、位置決め溝２５を上端に有する散水量
   調整ボルト７とからなり、ノズル本体４の縦孔１
   ４に散水量調整ボルト７を螺合し、又、横孔１０
   にジヨイント５の右方を、散水室１２に止水ボル
   ト６を各々螺合させ、更に又、前記ジヨイント５
   の左方をエルボ３に螺合して構成したことを特徴
   とする融雪ノズル。