JPH0240196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は融雪装置に関し、更に詳述すれば、水
蒸気を細孔より噴出せしめ、融雪するようにした
装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来より、雪国においては家屋に積もつた雪を
人力によつて除雪して雪による被害を防いでい
た。

ところが、近年雪国においては若年者は都会に
出向し、冬期になると老人や女子、子供だけとな
り、人力による除雪を困難で、除雪は大きな社会
問題となつている。

このため、家屋の屋上に散水ノズルを配列した
水道管を設け、散水ノズルからの散水により除雪
する方法が多く行なわれているが、この方法にも
多くの問題点を有している。

即ち、散水ノズルより水を散水して融雪する方
法では、常時水道管から水を散水することが必要
で、水の無駄が著しく、経済的でない。この場
合、雪が或る程度積もつた後に散水を行なう様に
しても雪は水の届く範囲だけしか融せず、大部分
の雪はブリツジ状となつて融けずに屋上に残つた
ままとなる。また、水を供給するには上水道設備
を利用する必要があるが、農村部においては上水
道設備は必ずしも普及しておらず。このため井戸
よりポンプを用いて地下水を汲上げて散水するよ
うにしている。しかしながら、常時地下水を汲上
げるために地下水が枯渇すると共に、地盤の沈下
が生ずるとい問題も有している。

本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、地
下水等を多量に使用することなく、極めて容易に
融雪することができる融雪装置を提供することを
目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するため、複数本の水
蒸気分配管を互に所定間隔離間して並設し、これ
ら分配管の一端をそれぞれ水蒸気供給管と連結す
ると共に分配管の多端をそれぞれドレン口と連結
し、前記水蒸気分配管の上壁に周方向に沿つて互
に所定間隔離間する複数個の水蒸気噴出細孔を穿
設すると共に、これらの噴出細孔を一組として分
配管の長手方向に複数組の水蒸気噴出細孔を所定
間隔離間して設け、かつ前記供給管を高圧水蒸気
発生供給装置と連結して前記高圧水蒸気発生供給
装置で発生した高圧水蒸気がそれ自身の噴出力で
前記供給管を通つて分配管に分配されると共に、
噴出細孔から圧で噴出されるように構成したもの
である。

作 用 本考案融雪装置は上述した融雪用水蒸気細孔を
配したものであり、このようにシステムを採用し
たことにより、高圧水蒸気が噴出細孔より噴出し
て屋上に積もつた雪を融かすものである。このよ
うに水蒸気の有する潜熱、顕熱が十分に融雪に使
われると共に、水蒸気が自身の有する噴出力で細
孔よりスムーズに噴出し、極めて迅速に雪を融か
す。このため、ボイラーを停止した後、長時間雪
が降つて積雪量が大きくなり、屋根への荷重が大
となり建物等の倒壊の恐れが生じ、緊急に除雪を
必要とする場合でも、ボイラーに火入れすること
により、発生した水蒸気が直ちに細孔より外部に
噴出するので、積もつた雪はブリツジを生ずるこ
となく崩壊し、急速に融けて除雪が完了する。

次に、実施例を示し、本考案を具体的に説明す
るが、本考案は下記の実施例に限定されるもので
はない。

実施例 第１図は本考案の一実施例を示すもので、図中
１はバーナーを備え、供給された水を加熱して水
蒸気を発生させ、かつ自動給水システムを備えた
ボイラー（水蒸気発生供給装置）であり、これは
給水バルブ２より水を補給し、ボイラー内の湯量
は湯量計３により、またボイラー圧力は圧力計４
により監視する。この場合、水蒸気発生供給装置
としてのボイラー１は融雪用の水蒸気を発生でき
るものであれば特に種類を限定するものではな
く、高圧型から低圧型まで種々の型式のものを使
用することができる。５は融雪用配管システム
で、このシステム５は複数本の水蒸気分配管６を
互に所定間隔離間て並設し、これら分配管の一端
をそれぞれ水蒸気供給管７と連結すると共に、分
配管の他端をそれぞれドレン口８と連結し、前記
水蒸気分配管６の上壁に周方向に沿つて互に所定
間隔離間する複数個の水蒸気噴出細孔９を穿設す
ると共に、これらの噴出細孔９を一組として分配
管の長手方向に複数組の水蒸気噴出細孔９を所所
定間隔離間して設けてなるものである。前記水蒸
気供給管７は誘導管１０を介してボイラー１に連
結しており、発生した高圧水蒸気はそれ自身の噴
出力で水蒸気誘導管１０に導入される。この高圧
水蒸気は水蒸気誘導管１０内に介在する調整バル
ブ１１により流量が調整され、水蒸気供給管７を
経て各水蒸気分配管６に入り、高圧で噴出細孔９
より外部に勢いよく噴出する。各水蒸気分配管６
内に生じたドレンはドレン集合管１２に集めら
れ、ドレン口８より系外に排出され、高圧水蒸気
がスムーズに流れるようにしている。なお、ボイ
ラーには排気口１３を設けボイラーの操業が円滑
に行なえるようにしている。

第２図は本考案の他の実施例を示すもので、水
蒸気分配管６の末端にそれぞれドレン集合管１２
を設置せずに水蒸気分配管の末端にそれぞれドレ
ン口８を設置したもので、水蒸気分配管６の一本
乃至数本を別棟の屋上等に設置して融雪を行なう
合に有効である。

また、本考案において、水蒸気供給管７に連結
されている水蒸気分配管６の数、長さ等は屋根の
広さ等に応じて適宜な数、寸法を採用して差支え
なく、また各水蒸気分配管６の長さはそれぞれ異
なつてもよい。

水蒸気分配管６の管径は特に制限はないが、通
常は10〜20mm径のものが好適に使用される。また
屋根の形状等に応じて直管以外に適宜なカーブを
持つように曲げて屋根に設置することもできる。

第３図は水蒸気噴出細孔９の一例を示す断面図
で、水蒸気分配管６の上壁に周方向に沿つて複数
個穿設したものである。この場合、細孔径は0.5
〜0.7mm、特に0.6mmが好ましい。細孔径が0.5mmよ
り小さいと水蒸気の噴出量が少なく融雪が十分に
行なえない場合があり、孔径が0.7mmより大きい
と水蒸気が必要以上に噴出し、経済的でない場合
がある。また複数個穿設した水蒸気噴出細孔の個
数は分配管の径にもよるが、１〜５個特に３個が
好ましい。

第４図は水蒸気噴出細孔９として水蒸気分配管
６に直接細孔を穿設する代りに、細孔ノズル９ａ
を水蒸気分配管６に螺着した例を示す断面図で、
細孔ノズル９ａは必要により水蒸気分配管６より
取り外して清掃したり、保管したりすることがで
きる。この場合、孔径は第３図の場合と同様に
0.5〜0.7mm、特に0.6mmが好ましい。

考案の効果 以上説明したように、本考案の融雪装置におい
ては、複数本の水蒸気分配管に設けられた水蒸気
噴出細孔より高圧水蒸気が自噴することにより、
ポンプ等の機器を用いずに迅速に雪を融かすよう
にしたものである。本融雪装置は融雪開始時機が
制限されることなく、例えば積雪が１ｍ〜２ｍに
達した後に融雪作業を開始しても差支えなく、積
もつた雪はブリツジングを起こすことなく速やか
にしかも確実に溶解、除去されるものである。従
つて、人手がなく積雪量の多い地方においても、
簡単な水蒸気配管、蒸気発生装置等を設置するこ
とより容易に融雪が行なわれて建物の倒壊等が防
止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は融雪装置の一実施例を示す概略図、第
２図は他の実施例を示す一部省略概略図、第３図
及び第４図は水蒸気噴出細孔の断面図を示す。 １……ボイラー、６……水蒸気分配管、８……
ドレン口、９……水蒸気噴出細孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複数本の水蒸気分配管を互に所定間隔離間し
   て並設し、これら分配管の一端をそれぞれ水蒸
   気供給管と連結すると共に、分配管の他端をそ
   れぞれドレン口と連結し、前記水蒸気分配管の
   上壁に周方向に沿つて互に所定間隔離間する複
   数個の水蒸気噴出細孔を穿設すると共に、これ
   らの噴出細孔を一組として分配管の長手方向に
   複数組の水蒸気噴出細孔を所定間隔離間して設
   け、かつ前記供給管を高圧水蒸気発生供給装置
   と連結して、前記高圧水蒸気発生供給装置で発
   生した高圧水蒸気がそれ自身の噴出力で前記供
   給管を通つて分配管に分配されると共に、噴出
   細孔から高圧で噴出されるようにしたことを特
   徴とする融雪装置。 ２ 水蒸気噴出細孔の孔径が0.5〜0.7mmである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の融雪装置。