JPS6355661B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電気化学センサに関するものであ
り、そして特に、センサが応答するようにされた
物質に応答するか否かおよび電気回路が完全であ
るか否かを決めるためセンサを迅速かつ確実に検
査する方法および装置に関するものである。

電気化学センサは流体の成分特にガスを検出し
監視する工業分野において広く用いられる。例え
ばそのようなセンサは、呼吸する大気中の危険で
有毒なガス、例えば塩素、二酸化塩素、二酸化窒
素やオゾンを検出し監視するために使用される。
これらのセンサはまたプロセスガス流中において
も用いられる。検出すべき物質によつて生じた電
解液中の変化に応じて電流の流れる電極と接触す
る電解液と検出すべき物質を反応させる原理に基
いた種々の型式の電気化学センサが知られてい
る。

電気化学装置は流動または静止試薬型式のもの
であり得る。静止試薬センサにおいては試薬すな
わち電解液は電極に対して静止しており、また流
動試薬センサでは試薬すなわち電解液は電極の表
面上を絶えず流れている。あるセンサでは、検出
すべき物質のない場合には電極回路に電流が流れ
ないように電極間には全く電位は加えられない。
別のセンサでは電解液の分解電位より小さい持続
電位例えば0.6Vが電極間に加えられ、それで検
出すべき物質がなくても電極回路に小さな電流が
流れるようにされ、この型式のセンサは英国特許
明細書第1552620号に記載されている。いずれの
場合も、検出すべき物質によつて電解液中に変化
を生じさせ、それにより電極回路に増大した小さ
くて測定可能な電流が流れる。

使用する電気化学センサの型式に関係なく、検
出装置をしばしば定常的に検査して検出すべき物
質に応答できるかどうかを確かめるのが賢明であ
る。これには、電気回路が正しく動作しているこ
とおよびセンサが検出すべき物質に迅速かつ正確
に応答できることを検査することを包含する。電
気化学センサは、種々の事由、特に例えばセンサ
の乾燥によつてまたは流動試薬装置の場合には試
薬供給装置の故障によつて生じ得るような電極と
電解液との接触不良のため感応しなくなつたり適
当に応答しなくなる傾向があることがよく知られ
ている。

今日まで、検出装置のこのような検査はセンサ
を巡回して検出すべき物質のセンサを直接検査す
ることで行なわれてきた。例えば大気中の塩素を
検出する塩素ガスセンサの場合には、検査はセン
サの設置場所へ行き、通常必要に応じて次亜塩素
酸塩と塩化水素酸との混合物から発生した希塩素
ガス流のセンサを検査することで行なわれてき
た。この検査方法は、熟練した計測技術者を使用
する必要がある長い作業があり、恐らく例えば大
きな区域にわたつて分布した多位置方式で多数の
センサが設置されている場合には相当な距離を
（しばしばか酷な天候状態のもとで）巡回する必
要があつたり、近より難い場所に設置されたセン
サにガスを挿入する必要があつたり、さらには試
験を行なうため有毒なガスの発生および放出と共
に作業者に危険である小さな電位を発生する必要
があるなど明らかな種々の欠点がある。

この発明は、上記の全ての欠点を解消した検出
装置の応答を確かめる検査方法に関する。

この発明によれば、電気化学センサを使用した
検出装置の応答性を検査する方法が提供され、こ
の方法は電気化学センサの電極間にセンサの電解
液を成す塩溶液の分解電位より大きな電位を瞬時
的に加えて電解液中に変化を起させ、そして電解
液中に生じた変化に対する検出装置の応答を観察
することから成る。電位パルスの印加の結果とし
て電極間に流れる電流はセンサにおいて検出すべ
き物質によつて誘起された持続（定常）電流と同
方向であり得るか、または好ましくは逆方向であ
つてもよい。

検出装置が電解液中に生じた変化に応答しない
場合かまたは応答がほとんど認められない場合に
は検出装置は故障していることになる。故障は電
気回路においてかまたは一層可能性として電気化
学センサにおいてであり、故障を確認して修理す
る必要がある。しかしながら、検出装置が電解液
中に生じた変化に正常に応答する場合には検出装
置は適当に作用し、予定した機能をはたすものと
認めることができる。

用語“電解液の分解電位”は、センサの電極間
に印加したとき電解液塩の電解を生じさせそして
電解液中に変化特に酸化種の放出を生じさせその
結果感知電極に還元させるような電位を意味す
る。従つて例えば電解液がヨウ化塩または臭化塩
の水溶液である場合、分解電位はセンサの電極間
に加えられたとき電解液中にヨウ素または臭素を
それぞれ遊離させその結果電極間にサージ電流を
流れさせることになる電位である。

センサの電極間に瞬時的に印加される電位は直
流電位であつても交流電位であつてもよい。交流
電位の場合には好ましくは低周波数である。しか
しながら、検出装置の応答性を測定し確認する便
宜のためには直流電位を用いた方がより好まし
い。検出装置および特に電気化学センサが正しく
作用するかどうかの簡単な検査は、センサの電極
間に予定の電荷の一つの大きなパルスまたは一連
の小さなパルスを加えることによつて行なうこと
ができる。

電極間に加えられるパルスの印加頻度に関連し
て、検査は装置の必要に応じた不規則的な検査で
あるかまたは装置の不変的な検査であり得る。従
つて例えば作業者の選択に応じて検出装置を迅速
に検査するため作業者による押ボタンのようなス
イツチの作動に応じて一つの大きなパルスかまた
は短かい一連の小さなパルスを加えることができ
る。二者選一的に小さな一連のパルスは検出装置
の機能に関して不変的検査を利用できるように例
えば１秒または数秒の予定の時間間隔で自動的に
加えられ得る。後者の場合検出回路における計器
の指針はほぼ一定にまたは少なくとも規則的に動
いて作業者に装置が正しく機能していることを表
示することができる。

センサの電極間に加えられる電位パルスは任意
の公知の方法で発生され得る。従つて、例えば、
直流電位パルスはコンデンサの放電かまたは単安
定リレーや遅延装置を用いて発生することができ
る。パルス印加回路は、検出装置が(a)パルスおよ
び(b)検出すべき物質によつて生じたセンサの電解
液中の変化だけに応答するようにするため検出回
路から分離されることが認められる。

以下この発明を単に例として、臭化カルシウム
の水溶液である電解液と接触した二つのプラチナ
電極から成る静止試薬型の電気化学センサを使用
した電流検出装置の電気回路を示す添付図面を参
照して説明する。上記センサは例えば英国特許明
細書第1552620号に記載されたようなものであつ
てもよい。

図面を参照すると、検出装置の電気回路は線Ａ
―A′の右側に示され、またパルス発生用の電気
回路は線Ａ―A′の左側に示されている。検出回
路においてセンサ１（概略的に示す）は臭化カル
シウムの水溶液から成る電解液４と接触したプラ
チナ電極２，３から成つている。電極２は定電位
源である増幅器５に接続され、また電極３は、セ
ンサ電流を電圧信号に変換する増幅器８および抵
抗９を介して警報装置６および電流計７に接続さ
れている。動作において、電極２に加えられる電
位は600mV程度であり、そして増幅器８および
抵抗９は１〜5Vの出力信号を発生し、警報装置
６および電流計７に供給する。

パルス発生回路は遅延装置１０を使用し、この
遅延装置１０は押ボタン１１の押圧に応じて直流
電位パルスを発生する。押ボタン１１の押圧によ
り、トランジスタ１２は遅延装置１０から抵抗１
３を介して供給された電流によつて導通する。こ
のトランジスタ１２はセンサ１の電極２に加えら
れる電位を増大させ、電流におけるサージは電流
計７および警報装置６によつて検出される。可変
抵抗１４およびコンデンサ１５で決まる予定の時
間間隔の後、トランジスタ１２は非導通となる。
従つて、押ボタン１１を押すことによつて一つの
電位パルスが発生され、このパルスは電極２，３
間の小さな持続電位と同方向にこれらの電極を横
切つて加えられる。

容易に認められるように、押ボタン１１で電極
２，３に加えられる単一パルスを発生する代り
に、例えば１秒または数秒の予定の時間間隔で小
さなパルスを発生する自動パルス発生装置を設け
てもよい。各パルスの持続時間は検出装置におい
て小さいが顕著な応答をもたらすように例えば数
ミリ秒に選択され得る。通常のパルス発生の場合
には、電流計の指針は電流計の目盛の低い領域で
はほぼ一定にふれ、従つて作業者に検出装置の正
しい作用についての本質的に不変のチエツクを与
える。

必要ならば、小さなパルスの規則的な自動発生
手段と大きなパルスの手動（押ボタン）発生手段
との両方をパルス発生回路に設けてもよい。

電極を横切つて小さな持続電位と同方向に増大
した電位を加える代りに、増大した電位を逆方向
に加えてもよい。

添付図面の第２図には適当な回路を概略的に示
し、第１図に示すものと同様な要素は同じ参照番
号で示す。この回路はアナログスイツチ１６を有
し、パルス発生装置は第１図に示す0Vと−15V
との間の代りに＋15Vと−15Vとの間に接続され
る。

図面において、アナログスイツチ１６は“通
常”の状態にあり、この状態においてセンサは物
質の有無を検出するのに用いられる。押ボタンス
イツチ１１を押すことによつて上述のように電位
パルスが発生され、そして検出装置とセンサとを
しや断するようにアナログスイツチ１６を設定
し、そして本質的に同時にセンサの電極２，３を
横切つて電位パルスを加える。適当な時間例えば
数ミリ秒間パルスを加えた後、アナログスイツチ
１６は通常の状態に戻り、そして検出装置はセン
サの電解液中におけるパルスによつて生じた変化
を記録する。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は臭化カルシウムの水溶液である電
解液と接触した二つのプラチナ電極から成る静止
試薬型の電気化学センサを使用した電流検出装置
の電気回路を示す。 図中、１：センサ、２，３：電極、４：電解
液、５：増幅器、６：警報装置、７：電流計、
８：増幅器、９：抵抗、１０：遅延装置、１１：
押ボタン、１２：トランジスタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気化学センサを使用した検出装置の応答性
   を検査する方法において、電気化学センサの電極
   を横切つてセンサの電解液を成す塩溶液の分解電
   位より大きな電位を瞬時的に加えて電解液中に変
   化を起させ、そして電解液中に生じた変化に対す
   る検出装置の応答を観察することを特徴とする検
   査方法。 ２ 電気化学センサの電極間に一つのまたは一連
   の電位パルスを加える特許請求の範囲第１項に記
   載の方法。 ３ スイツチの動作に応じて電極間に一つまたは
   一連のパルスを加える特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の方法。 ４ 予定の時間間隔で電極間に一つまたは一連の
   パルスを自動的に加える特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項に記載の方法。 ５ 電極間に加えた一つまたは一連のパルスが検
   出装置に直流電流を流れさせる特許請求の範囲第
   １〜４項のいずれかに記載の方法。 ６ 電気化学センサを使用して流体の成分の有無
   を検出する装置において、電気化学センサの電極
   間に、センサの電解液を成す塩溶液の分解電位よ
   り大きい電位を瞬時的に加えて電解液中に変化を
   起させる装置と、電解液中に生じた変化に対する
   検出装置の応答を観察する装置とを有することを
   特徴とする装置。 ７ 電気化学センサの電極間に電位を瞬時的に加
   える装置がスイツチの手動動作に応じて電極間に
   一つまたは一連の電位パルスを加える装置から成
   る特許請求の範囲第６項に記載の装置。 ８ 電気化学センサの電極間に電位を瞬時的に加
   える装置が予定の時間間隔で電極間に一つまたは
   一連の電位パルスを加える自動装置から成る特許
   請求の範囲第６項に記載の装置。