JPS6355404B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は廻転加工工具に関する、更に詳しくは
鋼板、紙などを剪断するスリツター・ナイフもし
くはサイド・トリンマー・カツターと呼ばれる廻
転加工工具に関する。

駆動軸上に多数のスリツター・ナイフを並置さ
せて組立てられる従前のギヤング式スリツターも
しくはサイド・トリンマーでは、スリツテイング
幅を決めるために刃と刃との間にスペーサー・リ
ングを取付ける。このためスペーサーの種類及び
数量が多大となり製作及び管理に多額の経費を必
要とする。また剪断面の性質を向上させるために
スリツター・ナイフ自体の精度を所定範囲に厳格
に保持する必要がある。またスペーサーにも同様
に高い精度を必要とし各種の寸法は勿論のこと仕
上げられた平面の平行度を高精度に維持し刃先の
傾斜、クリアランス及び累積ピツチ誤差を最小に
する必要がある。然しながら、これらの精度管理
を完全に実施するにはかなりの困難があるのみな
らず、高精度の工具を提供しても、その機能を充
分に発揮できないのが現状である。本発明は従前
のスリツター・ナイフに起るこの種の問題の解決
に役立つものである。

本発明の目的は、廻転加工工具自体に高度の精
度を必要とすることなく、また位置ぎめのために
スペーサー部材を必要とすることなく、廻転軸上
の所望位置に取付けられるスリツター・ナイフな
どの廻転加工工具を得ることにある。

本発明によれば、円環状の高速度鋼、超硬合
金、セラミツクス等の高耐磨耗性材種製の刃先を
外周に取付け中心に駆動軸の外周に嵌込まれるボ
アを有する円環状の台金（だいがね）と、該台金
のボアの壁面に穿たれ駆動軸に同心的な所定寸法
の円筒形の凹所と駆動軸の外周との間に形成され
る所定寸法の厚肉管の形状を有する空洞内に延び
出す管状部分を備え前記台金に固着される収縮リ
ングと、台金の前記凹所の壁に対向する収縮リン
グの外周に穿たれた所定寸法のリング状溝から成
る油室と、前記台金に放射方向に穿たれ一端を前
記油室に連絡させ反対端を台金の外周に開口させ
ている１個もしくは２個以上の油路のそれぞれ嵌
込まれ油室内の油に加圧する調節自在のピストン
とを備えていることを特徴とする廻転加工工具が
得られる。

さて、本発明の装置の実施例を添付図面につい
て説明すると次の如くである。

第１及び２図は一体作りの従前のスリツター・
ナイフ１３を示すもので、中心にボア１４を有す
る高速度鋼、超硬合金、セラミツクス等の高耐磨
耗性材種製の刃先から成る円板である。第３図に
示す如く、複数枚のスリツター・ナイフ１３がス
リツターに駆動軸１５の外周に嵌込まれ、隣接す
る２枚のスリツター・ナイフ１３，１３の間には
スペーサー１６が配置せられ個々のスリツター・
ナイフ１３を廻転軸１５上に位置ぎめするように
成されている。スペーサー１６を使用する従前の
スリツター・ナイフ１３は両者の製作に高い精度
を必要とすること、多種類且つ多量のスペーサー
１６を必要とすることなどの問題を生ずること前
述の如くである。

第４図は第１の駆動軸１５に取付けられた第１
群のスリツター・ナイフ１３ａ，１３ｂ，１３
ｃ，１３ｄ……と、それぞれこれらのスリツタ
ー・ナイフに対向する位置に置かれ且つ第２の駆
動軸１５′に取付けられた第２群のスリツター・
ナイフ１３a′，１３b′，１３c′，１３d′……とか
ら成るスリツター・マシンの構成を示すものであ
る。

第５図に示す如く、本発明の装置１０は外周部
分に円環状の高速度鋼、超硬合金、セラミツクス
等の高耐磨耗性材種製の刃先（はさき）２を多数
のボルト５による取付けた台金（だいがね）１を
備えている。台金１は通例の如く中心部分にボア
１４を備えている。台金１のボア１４の部分に
は、更にボア１４の直径ｄよりも大きな直径Ｄを
有する円筒形の凹所１７が刻設されている。従つ
て台金１が駆動軸１５に嵌込まれるとき、凹所１
７の円筒形の壁と駆動軸１５の外周との間に所定
寸法の厚肉管の形状を有する空洞が形成される。
収縮リング３が前記空洞に充填される管状胴体部
分３Ｂと、台金１の右側の端面に設けられた凹所
１８に嵌込まれるフランヂ部分３Ｆとを備えてい
る。収縮リング３は複数個のボルト４により台金
１に固着される。リング状の溝もしくは凹所から
成る油室６が、前記台金１のボア部分に設けられ
た凹所１７の壁に対向する位置において、収縮リ
ング３の外周に設けられる。台金１には多数の油
路７が放射方向に穿たれ、各油路７は内端を凹所
に開口させ前記油室６に連絡させ、外端を台金１
の外周に開口させている。各油路７にはピストン
８が嵌込まれており、各ピストン８はその外端に
隣接する位置に刻設された雄ねぢ９により調節自
在にそれぞれの油路７にねぢ込まれている。油室
６と各油路７には適宜の圧油が充填されている。
各ピストン８はその外周に設けられた溝１９に
Ｏ・リング１１Ｃを取付けている。また台金１の
ボア部分に設けられた凹所１７の左端と収縮リン
グ３の左端との間、ならびに前記凹所１７の右端
の肩部分と収縮リング３の胴体部分３Ｂの付け根
との間にはそれぞれＯ・リング１１Ａ，１１Ｂが
取付けられている。

第６図は第５図の装置の変形実施例を示すもの
で、収縮リング３のフランヂ部分３Ｆが台金１の
直径と同一の外径を有するものと成され台金１の
左側端面の全面を覆うものと成され、収縮リング
３が台金１と協働して高耐磨耗性材種製の刃先２
を挾持するように成されている。収縮リング３の
胴体部分３Ｂの構成は第５図の場合と同一であ
る。

第７図は第５図の装置の更に別の変形実施例を
示すもので刃先と台金とを一体作りとした台金兼
刃先部材１２を備えている。この場合も収縮リン
グ３の胴体部分３Ｂの構成は第５図と同様であ
る。

なお、上記実施例において収縮リング３と台金
１との接触面から外界への漏洩を防止するために
両者の接触面を焼嵌め構造とし、或いは接触面の
外界に露出する縁部を溶接するなどの手段をとる
ことができる。

以上に示す如く、本発明の廻転加工工具では台
金１の各油路７にねぢ込まれたピストン８のねじ
込み加減により油室６内の油の圧力を増大させ収
縮リング３の胴体部分３Ｂを駆動軸１５の外周に
強く圧接させることにより台金１を駆動軸１５上
の所望位置に錠止することができる。従つて、ス
リツター・ナイフ１０を駆動軸１５上に位置ぎめ
するためにスペーサーは不要となる。またスリツ
ター・ナイフ１０がそれ自体により駆動軸１５に
錠止されるから、その端面及び外周の加工に特に
高精度を必要とすることもなく、製作費を節減す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従前のスリツター・ナイフを示す平面
図、第２図は第１図の線―に沿う断面図、第
３図は第１図のスリツター・ナイフの駆動軸えの
取付けを示す断面図、第４図は第１図のスリツタ
ー・ナイフを取付けたスリツター・マシンを示す
概要図、第５図は本発明の装置の実施例を示す断
面図、第６図は第５図の装置の変形実施例を示す
断面図、第７図は第５図の装置の別の実施例を示
す断面図である。 １……台金、２……刃先、３……収縮リング、
４……ボルト、５……ボルト、６……油室、７…
…油路、８……ピストン、９……ねぢ、１０……
本発明の装置、１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ……Ｏ・
リング、１２……一体作りの台金及び刃先、１３
……従前のスリツター・ナイフ、１４……ボア、
１５……駆動軸、１６……スペーサー、１７……
台金ボア部分の凹所、１８……台金端面の凹所、
１９……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円環状の高速度鋼、超硬合金、セラミツクス
   等の高耐磨耗性材種製の刃先を外周に取付け中心
   に駆動軸の外周に嵌込まれるボアを有する円環状
   の台金（だいがね）と、該台金のボアの壁面に穿
   たれ駆動軸に同心的な所定寸法の円筒形の凹所と
   駆動軸の外周との間に形成される所定寸法の厚肉
   管の形状を有する空洞内に延び出す管状部分を備
   え前記台金に固着される収縮リングと、台金の前
   記凹所の壁に対向する収縮リングの外周に穿たれ
   た所定寸法のリング状溝から成る油室と、前記台
   金に放射方向に穿たれ一端を前記油室に連絡させ
   反対端を台金の外周に開口させている１個もしく
   は２個以上の油路のそれぞれに嵌込まれ油室内の
   油に加圧する調節自在のピストンとを備えている
   ことを特徴とする廻転加工工具。 ２ 前記台金と前記高耐磨耗性材種製の刃先とが
   一体作りに製作されていることを特徴とする特許
   請求の範囲１に記載された廻転加工工具。