JPS6354357B2 - - Google Patents

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JPS6354357B2
JPS6354357B2 JP61192998A JP19299886A JPS6354357B2 JP S6354357 B2 JPS6354357 B2 JP S6354357B2 JP 61192998 A JP61192998 A JP 61192998A JP 19299886 A JP19299886 A JP 19299886A JP S6354357 B2 JPS6354357 B2 JP S6354357B2
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smoking article
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aerosol
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JP61192998A
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Kumaru Banerujee Chandora
Girubaato Fuariaa Aanesuto
Ruusaa Harisu Jeimuzu
Benson Nooman Aran
Rii Rese Jeimuzu
Hyuuzu Renoruzu Za Fuoosu Jon
Tomasu Raideingusu Henrii
Jakuson Sensaboo Junia Ma Andoruu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RJ Reynolds Tobacco Co
Original Assignee
RJ Reynolds Tobacco Co
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Publication date
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Publication of JPS6354357B2 publication Critical patent/JPS6354357B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、タバコ煙に類似したエアゾールを発
生する、好ましくは紙巻タバコの形としたもので
あつて、通常の紙巻タバコより不完全燃焼および
熱分解生成物の含有量を相当に少くされる喫煙物
品に関する。
発明の背景 特にここ20〜30年来、いろいろな喫煙物品が提
案されているが、いずれも、商業的に成功を収め
るには至つていない。
何十年にも亘つて関心をもたれ、研究されてい
るにも拘らず、慣用の紙巻タバコにみられるよう
な相当な量の不完全燃焼および熱分解生成物の発
生を伴うことなく、しかも、慣用の紙巻タバコの
喫煙によつて得られるのと同じような味わいを提
供する喫煙物品は、今もつて市場に出されていな
い。
発明の概要 本発明は、1種類またはそれ以上のエアゾール
発生剤を含有した別個のエアゾール発生手段と連
携して小さな高密度可燃燃料素子を用いる、好ま
しくは紙巻タバコの形とした喫煙物品を堤供す
る。このエアゾール発生手段は、燃料素子と伝導
熱交換関係とすること、および、または、放射に
よる熱損失を少くするために燃料素子の少くとも
一部分を弾性の断熱ジヤケツトによつて囲繞する
ことが好ましい。燃料素子は、点火されると、熱
を発生し、その熱よりエアゾール発生手段内のエ
アゾール発生剤を揮発させる。この揮発物質は、
慣用の紙巻タバコの煙と同様に、喫煙者の吸込作
用の際に喫煙物品の吸口端に向つて吸引され、喫
煙者の口に吸込まれる。
本発明の喫煙物品は、その有効寿命中最初から
終りまで相当な量のエアゾールを発生することが
でき、使用者に紙巻タバコの喫煙と同様な感じを
与えることができる。このエアゾール発生手段に
よつて創生されるエアゾールは、熱による劣化を
ほとんど受けることなく創生され、しかも、慣用
の紙巻タバコの場合より不完全燃焼および熱分解
生成物の発生量が相当に少い。
本発明に使用される小さい燃料素子は、長さ約
30mm以下、好ましくは約20mm以下であり、例えば
水銀押のけ量で測定して、少くとも約0.5g/c.c.、
好ましくは少くとも約0.7g/c.c.の密度を有する。
燃料素子は、破砕タバコ葉または再構成されたタ
バコ葉、および、またはタバコ葉の代用品から金
型成形または押出成形することができ、可燃炭素
を包含したものとすることが好ましい。また、燃
料素子には、燃焼する燃料素子からエアゾール発
生手段内のエアゾール発生剤への発生剤への熱伝
達を制御するために、1つまたはそれ以上の通路
を設けることが好ましく、5つないし9つ、また
はそれ以上の通路を設けることが更に好ましい。
エアゾール発生手段は、1種類またはそれ以上
のエアゾール発生剤を担持する、好ましくは熱安
定性材料でできた支持体即ちキヤリアを有するの
が有利である。燃料素子とエアゾール発生手段と
の間の伝導熱交換は、燃料素子とエアゾール発生
手段の両者に接触し、燃焼中の燃料素子からエア
ゾール発生手段へ効果的に熱を伝導する金属製伝
導体のような熱伝導部材を設けることによつて行
うことが好ましい。この熱伝導部材は、燃料素子
およびエアゾール発生手段の外周面の少くとも一
部分を取巻いて接触させることが好ましく、燃料
素子の点火および燃焼の妨害を回避するために、
そして熱伝導部材の突出を回避するために、熱伝
導部材を好ましくは少くとも約3mm、更に好まし
くは少くとも約5mm燃料素子から離隔させる、即
ち引込めることが好ましい。更に好ましくは、熱
伝導部材がエアゾール発生剤の支持体の少くとも
一部分を囲包するようにする。あるいは別法とし
て、エアゾール発生剤を囲包するための別個の熱
伝導性容器またはカプセルを設けてもよい。
更に、燃料素子の少くとも一部分に、例えば断
熱繊維製のジヤケツトのような周囲断熱部材を被
せることが好ましい。ジヤケツトは、少くとも
0.5mm厚の弾性の不燃材であることが好ましい。
この断熱部材は、放射による熱損失を減少し、燃
料素子からの熱を保持してエアゾール発生手段の
方へ差向けるのを助成し、燃料の火炎発性特性を
抑制する働きをする。この断熱部材は、燃料素子
の少くとも一部分を囲繞し、エアゾール発生手段
の少くとも一部分を囲繞し、慣用の紙巻タバコの
感じに似せるようにすることが好まし。燃料素子
のための断熱材と、エアゾール発生手段のための
断熱材とは、同じ材料であつてもよく、異る材料
であつてもよい。
燃料素子は、比較的短いので、その燃料する円
錐状の火塊は、終始エアゾール発生手段に近接し
ており、従つて、エアゾール発生手段への熱伝達
を最大限にし、特に多通路付燃料素子、熱伝導部
材、および、または断熱部材を備えた実施例では
エアゾールの生成を最大限にする。小さな燃料素
子が、慣用の紙巻タバコの燃焼時間とほぼ同じ時
間燃焼し、かつ、所要量のエアゾールを発生する
のに十分な熱エネルギーを提供するように比較的
高密度の燃料材が使用される。エアゾール発生手
段は、燃料素子とは物理的に別体であるから、燃
焼する円錐状火塊内におけるより相当に低い温度
に露呈されるので、エアゾール発生剤の熱劣化の
おそれを最少限にする。
本発明の喫煙物品には、通常、エアゾール発生
手段によつて創生される揮発物質を使用者へ送給
するための長手方向の通路のような手段を含む吸
口端片を設ける。吸口端片は、慣用の紙巻タバコ
の感触に似せるために酢酸セルロースのトウから
成る環状体のような弾性の外側部材を含むものと
することが好ましい。この喫煙物品は、慣用の紙
巻タバコと同じ全体寸法を有するのが有利であ
り、従つて、吸口端片とエアゾール送給手段と
で、通常、喫煙物品の全長の約1/2またはそれ以
上の長さとなる。あるいは別法として、吸口端片
またはエアゾール送給手段を組込まずに、燃料素
子とエアゾール発生手段だけから成る喫煙物品を
作り、それを別個の使い捨ての、または再使用可
能な吸口端片と組合わせて使用するようにしても
よい。
本発明の喫煙物品には、また、エアゾールにタ
バコ風味を添加するために用いることができるタ
バコ葉装入体を付加することもできる。タバコ葉
装入体は、エアゾール発生手段と吸口端との間に
挿入することができる。好ましくは、タバコ葉の
環状体をエアゾール発生手段の外周面に嵌着させ
る。その場合、タバコ葉環状体は断熱材としても
機能し、慣用の紙巻タバコの香気と感じに似せる
のに役立つ。タバコ装入体は、エアゾール発生剤
と混合してもよく、あるいはエアゾール発生剤の
ための支持体として用いてもよい。エアゾールに
風味を与え、あるいはエアゾールに何らかの改変
を与えるために、この喫煙物品に調味剤のような
他の物質を組入れることもできる。
本発明の喫煙物品が所要のエアゾールを発生す
るのに使用する燃料は、通常、慣用の紙巻タバコ
に比べて、容積ベースで、好ましくは重量ベース
で相当に少い。また、使用者の口中へ吸込まれる
エアゾールは不完全燃焼および熱分解生成物の含
有量が少い。なぜなら、エアゾール発生手段から
創生されたエアゾールは熱劣化されることがな
く、また、短い、高密度の燃料素子特に、複数の
長手方向の通路を備えた燃料素子から生じる熱分
解生成物および、または不完全燃焼の生成物の量
は、たとえその燃料素子がタバコ葉またはその他
のセルロース物質から成るものであつたとして
も、慣用の紙巻タバコに比べて相当に少い。
ここで用いられる「エアゾール」とは、燃焼す
る燃料素子からの熱がエアゾール発生手段または
当該喫煙物品中の他の部位に存在する物質に作用
することによつて創生される蒸気、ガス、粒子等
(可視、不可視を問わず)、特に、煙のようにみえ
る成分を含む。また、ここでいう「エアゾール発
生剤」(エアゾール発生物質とも称する)は、発
生するエアゾールが可視であるか否かを問わず、
揮発性風味剤及び、又は薬理学的に活性の(即ち
薬理効果を有する)、又は生理学的に活性の(即
ち生理学的に気分を爽快にするなどの効果を有す
る)薬剤を含む。
「伝導熱交換関係」とは、熱が燃料素子の燃焼
中終始燃料素子からのエアゾール発生手段へ伝導
によつて伝えられるように配置されたエアゾール
発生手段と燃料素子との物理的構成をいう。伝導
熱交換関係は、エアゾール発生手段を燃料素子に
接触させて、燃料素子の燃焼部分に近接するよう
に配置することによつて、および、または、燃焼
する燃料素子からエアゾール発生手段へ熱を伝え
るための伝導部材を用いることによつて設定する
ことができる。伝導による熱伝達を行う上記2つ
の方法を併用することが好ましい。
ここでいう「断熱部材」は、主として断熱の機
能を果すあらゆる材料を含む。それらは、使用中
燃焼しないものであることが好ましいが、緩燃性
炭素等、および、特に、低温品種のガラス繊維の
ような、使用中溶融する物質であつてもよい。断
熱材は、g―cal/(sec)(cm2)(℃/cm)単位で
約0.05以下、好ましくは約0.02以下、最も好まし
くは約0.005以下の熱伝導性を有することが好ま
しい。(「ハツクの化学辞典」34,1969年第4版お
よび「ラングの化学ハンドブツク」10,272―
274,1973年第11版参照) 実施例の説明 第1図に示された本発明の一実施例の喫煙物品
は、好ましくは慣用の紙巻タバコと同じ全体寸法
を有するものであり、長さ約20mmの短い可燃燃料
素子10と、それに衝接したエアゾール発生手段
12と、この物品の吸口端15を構成するフオイ
ル張り紙筒14とから成つている。この実施例で
は、燃料素子10は、破砕タバコ葉または再構成
タバコ葉および、またはタバコ葉代用品、および
少量の可燃炭素を含有した混合物から押出または
金型成形されたものであり、5つの長手方向の穴
16(第1A図)を有している。燃料素子10の
点火端は、点火を容易にするために先細にする
か、あるいは径を小さくすることができる。
エアゾール発生手段12は、1つまたはそれ以
上の通路17を有し、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリンまたはそれら
の混合物のような1種類またはそれ以上のエアゾ
ール発生剤を含浸させた多孔性炭素体13を備え
ている。
吸口端片15を構成するフオイル張り紙筒14
は、燃料素子10の点火端から約15mm離隔するよ
うにしつエアゾール発生手段12および燃料素子
の後方非点火端を囲包している。筒14は、ま
た、エアゾール発生手段12と吸口端15の間に
エアゾール送給手段18を構成する。燃料素子1
0の非点火端をエアゾール発生手段12に連結す
るフオイル張り紙筒14の存在によりエアゾール
発生手段への伝熱量が増加される。紙筒14の内
張りフオイルは、また、燃料素子の円錐状の火塊
を消火する働きをする。未燃焼燃料が極く少量し
か残つていない量は、フオイルを通しての熱損失
がヒートシンク(放熱)の役割を果し、従つて、
円錐状火塊を消化する働きをする。この物品に使
用されるフオイルは、通常、厚さ0.35ミル
(0.0089mm)のアルミフオイルであるが、使用す
る伝導体の厚さおよび種類を変更することにより
実際上任意所望の度合の伝熱量を得ることができ
る。
第1図に例示された物品は、エアゾールに風味
を添えるために随意選択のものとしてタバコ葉プ
ラグ即ち、装入体20を包含している。このタバ
コ葉装入体20は、第1図に示されるように炭素
体13の吸込端のところに配設してもよく、ある
いはエアゾール発生手段12から離れたところで
通路18内に配置してもよい。体裁を良くするた
めに、所望ならば、吸口端15のところに低効率
の酢酸セルロース製フイルタプラグ22を挿入す
ることができる。
第2図に示された実施例の喫煙物品は、長さ約
20mmの短い可燃燃料素子24と、熱伝導ロツド2
6およびフオイル張り紙筒14によつて燃料素子
24ゆ連結されたエアゾール発生手段12を有し
ている。エアゾール発生手段12は、多孔性炭素
のプラグのような熱安定性の炭素質の支持体即ち
キヤリア28と、該支持体に含浸させた1種類ま
たはそれ以上のエアゾール発生剤とから成る。こ
の実施例では、燃料素子24と支持体28との間
に空間30が設けられており、この空間を囲繞す
るフオイル張り紙筒14の部分の周壁には、適当
な圧力降下をもたらすように十分な空気を空間3
0内へ流入させるための複数の穴32が穿設され
ている。
第2および2A図に示されているように、この
実施例では熱伝導手段は、いずれも燃料素子の点
火端から離隔した伝導ロツド26とフオイル張り
紙筒14とから成つている。ロツド26は、点火
端から約5mm、筒14は約15mm離れている。ロツ
ド26は、アルミニウムで形成するのが好まし
く、支持体28を通して空気を貫流させることが
できるように少くとも1つ、好ましくは2つない
し5つの周溝34を有している。第2図の実施例
の物品は、空間30内へ導入される空気が、燃焼
中の燃料素子を通してではなく、外気から直接吸
引されたものであるから酸化生成物の含有量が少
いという利点を有する。
第3図に示された実施例の物品は、単一の軸方
向の穴16を有する長さ約10mmの燃料素子10を
備えている。この燃料素子の点火端も、やはり点
火を容易にするために先細にするか、あるいは径
を小さくすることができる。エアゾール発生手段
の支持体38は、熱安定性の粒状炭素またはアル
ミニウムであり、それにエアゾール発生剤を含浸
させてある。タバコ葉装入体20は支持体38の
直ぐ後に配置されている。この実施例では、フオ
イル張り紙筒に代えて酢酸セルロース製の筒40
が設けられている。筒40は、随意選択のプラス
チツク筒44(ポリプロピレン、ノメツクス、マ
イラー等で作られたもの)を囲繞する弾性酢酸セ
ルロースのトウから成る環状部材42を有してい
る。吸口端15にも、低効率の酢酸セルロース製
フイルタプラグ45が設けられている。
この物品は、全長に亘つて紙巻タバコ用の巻紙
46で包被することができる。慣用の紙巻タバコ
の吸口端に似せるためにこの物品の吸口端15に
コルクまたはホワイトインキのコーテイング48
を施すことができる。また、この物品の燃料端近
くにおいて巻紙46の内側にフオイル帯片50が
設けられる。このフオイル帯片は、燃料素子10
の後端2〜3mm程度を囲包してタバコ葉装入体2
0の吸込端にまで延長させることが好ましく、巻
紙46と一体にしてもよく、あるいは巻紙を巻装
する前に別途に支持体38に巻きつけるようにし
てもよい。
第4図の実施例は、第3図のものに類似してい
る。この実施例では、燃料素子10は、長さ約15
mmでありエアゾール発生手段12は、エアゾール
発生剤を含浸させた粒状支持体、または図示のよ
うに粒状支持体54とタバコ葉56の混合物を充
填したアルミニウムカプセル52によつて構成さ
れている。カプセル52は、内部の粒状物質(エ
アゾール発生物質)を囲み、保持するようにその
両端がクリンプ(縁曲げ)されている。物品の燃
料端即ち燃料素子10に近接する側のカプセルの
クリンプ端58は、伝導による熱伝達を行わせる
ために燃料素子10の後端に衝接させることが好
ましい。
クリンプ端58によつて画定される空間62
は、また、エアゾール発生物質が燃料素子の側へ
流出するのを防止する働きをする。エアゾール発
生物質にはそれを通して空気を貫流させるために
長手方向の通路59,61が設けられている。カ
プセル52と燃料素子10とは、図に示された慣
用のタバコ用巻紙47によつて、あるいは有孔セ
ラミツク紙または金属帯片または金属筒によつて
結合することができる。タバコ用巻紙が使用され
る場合は、燃料素子の後端近くに位置する巻紙帯
片64に、巻紙への着火を防止する珪酸ナトリウ
ムまたはその他の周知の物質による処理を施こす
べきである。金属フオイルが用いられる場合は、
該フオイルを燃料素子の点火端から約8〜12mm離
隔させることが好ましい。この物品は、その全長
に亘つて慣用のタバコ巻紙46によつて包被する
ことができる。
第5図に示された実施例は、燃料素子10内の
大きな空洞68内に、1種類またはそれ以上のエ
アゾール発生剤を含浸させた支持体66を埋設し
た例を示す。この実施例では、支持体66は、通
常、比較的剛性の多孔性物質である。この物品
は、その全長に亘つて慣用のタバコ巻紙46によ
つて包被することができる。また、燃料素子10
を酢酸セルロース製の筒40に連結し、かつ、燃
料素子の火の燃え移りを防止するための手段とし
てフオイル帯片70を設けることができる。この
帯片は、点火端から約5〜10mm離隔させて配置す
る。
第6〜8図に示された各実施例は、燃料素子の
熱を遮断し、熱を燃料素子内に集中させるために
燃料素子を囲繞する弾性の断熱ジヤケツトを備え
たものである。これらの実施例も、やはり、燃焼
する円錐状火塊の他の部位への燃え移りを防止
し、かつ、慣用の紙巻タバコの感じに似せること
を企図したものである。
第6図の実施例では、燃料素子10は、複数の
穴16を有し、厚さ約0.5mmの弾性ジヤケツト7
2(第6A図)によつて囲繞されている。このジ
ヤケツトは、例えばセラミツク(例えばガラス)
繊維または不燃性炭素またはグラフアイト繊維の
ような断熱繊維で形成されている。エアゾール発
生手段12は、単一の軸方向の穴17を有する多
孔性炭素体13から成つている。
第7図の実施例では、弾性のガラス繊維製断熱
ジヤケツト72は、燃料素子10およびエアゾー
ル発生手段12の両方の外周面を囲繞しており、
好ましくは使用中に溶融する低温物質である。こ
のジヤケツトは、例えばキンバリ・クラーク社か
ら販売されているP878―5のような非孔質の紙
73によつて包被されている。燃料素子は、長さ
約15〜20mmであり、空気の流れを良くするために
3つまたはそれ以上の穴16を有していることが
好ましい。3つの好適な穴配列態様が、第7A,
7Bおよび7C図に例示されている。
エアゾール発生手段12は、粒状支持体38お
よび、または圧縮タバコ葉76を囲包する金属容
器74を有し、支持体38およびタバコ葉76の
いずれか一方または両方にエアゾール発生剤を含
浸させてある。図示のように、容器74の開放端
75は、燃料素子10の後端部分3〜5mmを囲包
している。あるいは別法として、開放端75を燃
料素子の後端に衝接させてもよい。容器74の反
対端は端壁78を形成するようにクリンプされて
いる。端壁78は、ガス、タバコ風味および、ま
たはエアゾール発生剤をエアゾール送給通路18
へ通すための複数の穴80を有している。
プラスチツク筒44は、金属容器74の端壁7
8に衝接、または好ましくは端壁78を囲包して
おり、弾性の高密度酢酸セルロースのトウ42か
ら成る環状部材によつて囲繞されている。トウ4
2を密封し、それを通しての空気の流れを阻止す
るために接着剤82またはその他の物質の層をト
ウ42の燃料側の端部に施すことができる。吸口
端に低効率のフイルタプラグ45を挿入し、フイ
ルタプラグとトウ42を慣用のプラグ包被紙85
で包被することが好ましい。更に、断熱ジヤケツ
ト72の後端部分とトウ・フイルタ部分を結合す
るためにタバコ巻紙86を用いることができる。
第7図の実施例の変型として、酢酸セルロース
のトウ42の代りに断熱ジヤケツトを用いること
もできる。その場合、断熱ジヤケツトは、点火端
からフイルタプラグ45にまで延長させる。そし
て、好ましくは、接着剤の層は、フイルタプラグ
45の、断熱ジヤケツトの端部に衝接する環状端
面に施すか、あるいは、断熱ジヤケツトとフイル
タプラグの対向する端面に接着剤を塗布し、該ジ
ヤケツトとフイルタプラグの間にトウから成る短
い環状部材を介設する。
第8図は、長さ10〜15mmの燃料素子10をガラ
ス繊維の断熱ジヤケツト72で包被し、エアゾー
ル発生手段をタバコ葉のジヤケツト88で包被し
た実施例を示す。この実施例で用いられるガラス
繊維は、使用中に溶融するように、例えば米国オ
ハオオ州トレドのオーエンス・コーニング社製の
実験繊維6432および6437のような、軟化
温度約650℃以下のものであることが好ましい。
ガラス繊維ジヤケツト72およびタバコ葉ジヤケ
ツト88は、各々、エクスタ646のようなプラ
グ包被紙85によつて包被され、キンバリ・クラ
ーク社製の780―63―5またはP878―16―2のよ
うなタバコ巻紙89によつて結合されている。エ
アゾール発生手段は、第7図の実施例の場合と同
様に粒状支持体及び、又は圧縮タバコ材と、それ
を囲包する金属カプセル90と、該支持体及びタ
バコ材のいずれか一方又は両方に含浸又は何らか
の態様で担持させたエアゾール発生剤とで構成す
ることができる。この実施例では、金属カプセル
90が、点火端から約6〜12mm離れるようにして
燃料素子10の後端3〜4mmを包被している。カ
プセル90の後部分は、第8B図に示されるよう
にローブの形にクリンプされている。カプセルの
吸込端の中心部に通路91が形成されている。カ
プセルのクリンプされた部分とクリンプされてい
ない部分との間の遷移部に4つの追加の通路92
が穿設されている。別法としてカプセル90の後
部分は、ローブの形(断面でみて例えばクローバ
の葉のような形)にではなく、断面長方形または
正方形としてもよく、あるいは周囲通路92を有
する、または有さない。そしてクリンプされた吸
込端を有する単純な筒状カプセルを用いることも
できる。
タバコ葉ジヤケツト88の吸込端には、酢酸セ
ルローストウ42の環状体と、プラスチツク筒4
4と、低効率のフイルタプラグ45と、巻紙8
5,89とを含む吸口端片40が付設されてい
る。この吸口端片40は、吸口紙86から成る外
被層によつてジヤケツト付きの燃料素子・カプセ
ル(エアゾール発生手段)組立体に結合されてい
る。図示のように、プラスチツク筒44のカプセ
ル側の端部はカプセル90から離隔している。従
つて、通路92を通つて流出した熱い蒸気(エア
ゾール)は、タバコ葉ジヤケツト88を通り、そ
れによつて該ジヤケツト内でそのタバコ葉中の揮
発性成分を気化、または抽出し、それらのエアゾ
ールは、タバコ葉ジヤケツト88と酢酸セルロー
ストウ42とが衝接している部位において通路1
8内へ流入する。
低密度の燃料遮蔽ジヤケツト72を有するこの
型式の実施例においては、若干の空気およびガス
がジヤケツト72を通つてタバコ葉ジヤケツト8
8内へ流入する。従つて、タバコ葉ジヤケツト8
8からタバコ風味を抽出するのにカプセル90に
周囲通路92を必ずしも設けなくてもよい。
第9図の実施例では、ジヤケツト94は、タバ
コ葉、またはタバコ葉とガラス繊維のような断熱
繊維の混合物から成つている。図示の例では、タ
バコ葉ジヤケツト94は、金属容器96の吸込端
を僅かに越えたところまで延長しているが、喫煙
物品の全長に亘つて吸口端のフイルタプラグにま
で延長させてもよい。この実施例では、容器96
の外周面に1つまたはそれ以上の長手方向のスロ
ツト99(好ましくは、180゜離隔させた2つのス
ロツト)を設けることが好ましく、それによつ
て、エアゾール発生手段からの蒸気(エアゾー
ル)が、該発生手段を取巻くタバコ葉の環状部分
を貫流し、タバコ風味を抽出した後通路18に流
入する。
図示のように、ジヤケツト94の、燃料素子側
の端部のタバコ葉は圧縮されているので、タバコ
葉を通しての空気の流通を減少させ、従つてタバ
コ葉の燃焼を防止する。更に、容器96は、放熱
子として機能することによりタバコ葉を消火する
役割を果す。この放熱効果は、カプセル即ち容器
96を囲繞するタバコ葉の燃焼を消火する働きを
するとともに、カプセル即ちエアゾール発生手段
を囲繞するタバコ葉に均一に熱を分配し、それに
よつてタバコ風味成分の放出を助成する。更に、
タバコ葉の消火を助成するためにタバコ巻紙8
5,89の、燃料素子の後端に近い部分を珪酸ナ
トリウムのような物質で処理し、タバコ葉が燃料
素子10の露出端を越えて実質的に燃焼しないよ
うにすることが望ましい。あるいは別法として、
エアゾール発生手段を取巻くタバコ葉の燃焼を防
止するためにタバコ葉自体を燃焼性改変剤で処理
してもよい。エアゾール発生手段は、第7図及び
第8図の実施例の場合と同様に、粒状支持体及
び、又は圧縮タバコ材と、それを囲包する金属容
器96と、該支持体及びタバコ材のいずれか一方
又は両方に含浸又は何らかの態様で担持させたエ
アゾール発生剤とで構成することができる。
上述した各実施例のいずれの場合も、燃料素子
が、点火されると燃焼し、エアゾール発生手段内
に存在するエアゾール発生剤を揮発させるための
熱を発生する。揮発した物質、即ちここでいうエ
アゾールは、特に使用者が吸込んだとき吸口端へ
向つて吸引され、慣用の紙巻タバコの煙と同じよ
うにして使用者の口の中へ吸込まれる。
燃料素子が比較的短いので、高温の燃焼する円
錐状火塊は、終始、エアゾール発生手段に近接し
ているので、好ましい熱伝導部材を使用した場合
特にエアゾール発生手段および随意選択として配
設されるタバコ葉装入体への熱伝達を最大限に
し、それによつてエアゾールおよびタバコ風味の
発生量を最大限にする。また、燃料素子が短いの
で、従来の熱式エアゾール物品における放熱子と
して機能する長い未燃焼燃料部分が存在しない。
この短い燃料素子は、また、該燃料素子が炭素を
包含し、および、または多通路を有する実施例の
場合は特に、不完全燃焼生成物または熱分解生成
物の発生量を抑制する効果がある。燃料素子に設
けられた穴または通路は、特に使用者の吸入動作
の際に熱い空気をエアゾール発生手段へ通すこと
により熱電達を、従つてエアゾールの送給量を増
大させる効果をも有する。熱伝達は、熱伝導部材
によつても増大される。熱伝導部材は、燃料素子
の点火および燃焼を妨害しないように、また、、
使用後も見苦しく突出することがないように燃料
素子の点火端から後方へ離隔させて、即ち、引込
めてある。更に、上述した断熱部材は、熱を閉じ
込め、物品の中心芯体に向けて差向け集中させる
働きをし、それによつてエアゾール発生物質へ伝
達される熱を増大させる。
エアゾール発生物質は、燃料素子とは物理的に
別体であるから、燃焼する円錐状火塊内にある場
合に比べて相当に低い温度に露呈される。従つ
て、エアゾール発生物質の熱劣化およびそれに伴
う風味劣化の可能性を最少限にする。また、この
構成は、使用者が吸入したときエアゾールを発生
させるが、吸入しないとき(即ち、燃料の「くす
ぶり」中)はエアゾールの発生を最少限にする。
本発明の好ましい実施例においては、引込めら
れた熱伝導部材、断熱部材、および、または燃料
素子に設けられた通路が、エアゾール発生手段と
協同して、使用者の吸入動作のたびに相当な量の
エアゾールおよび随意選択の風味を発生すること
ができるシステム(物品)を構成する。点火後
2,3服吸入すると円錐状火塊がエアゾール発生
手段に近接することと、熱伝導部材、断熱部材、
および、または燃料素子に設けられた多通路との
協同により、使用者の吸入動作中も、および吸入
と吸入の間の比較的長い休止(くすぶり)時間に
おいても十分な熱伝達を行うことができる。
本発明のエアゾール発生手段は、吸入と吸入の
間の休止時間中にも比較的高い温度に維持され、
吸入動作中燃料素子に設けられた好ましい通路に
よつて相当に増大される熱が主としてエアゾール
発生剤を蒸発させるのに用いられる。この増大さ
れる熱伝達により燃料エネルギーの利用をより有
効にし、燃料所要量を少くし、エアゾールの早期
送給を可能にする。
更に、燃料素子の組成、燃料素子の通路の数、
サイズ、形状および配置、断熱ジヤケツト、巻
紙、および、または熱伝導手段を適宜に選択する
ことによつて燃料素子の燃焼特性を実質的に制御
することが可能であり、それによつて、エアゾー
ル発生手段へ伝達される熱を制御し、それによ
り、使用者の吸入回数および、または使用者の口
中へ送給されるエアゾールの量を変更することが
できる。
一般に、本発明の実施において使用することが
できる燃料素子の長さは約30mm以下であり、好ま
しくは約20mm以下とし、更に好ましくは約15mm以
下とする。燃料素子の直径は、約8mm以下とする
のが有利であり、好ましくは約3〜7mm、更に好
ましくは4〜6mmとする。本発明で使用すること
ができる燃料素子の密度は、例えば水銀押のけ量
で測定して約0.5g/c.c.から約1.5g/c.c.の範囲で
あり、好ましくは0.7g/c.c.以上、更に好ましく
は0.8g/c.c.以上である。大抵の場合、高密度の
方が、燃料素子の燃焼時間を慣用の紙巻タバコの
それを同様にする上で、また、所要量のエアゾー
ルを発生するのに十分な熱エネルギーを提供する
という点で望ましい。
本発明で使用される燃料素子は、破砕タバコ
葉、再構成タバコ葉、またはタバコ葉代用品(改
変セルロール、低次化された、または予備熱分解
されたタバコ葉等)から金型成形または押出成形
するのが有利である。好適な材料としては、米国
特許第4347855号、第3931824号、第885574号およ
び第4008723号、およびノイス・データ・コーポ
レーシヨン発行のシテイツグ著「タバコ葉代用
品」(1976年)に記載されたものがある。慣用の
紙巻タバコの燃焼時間と同様な時間燃焼すること
ができ、エアゾール発生手段から所要量のエアゾ
ールを発生させるのに十分な熱を提供することが
できるものである限り、他の可燃材料を用いるこ
ともできる。
通常、燃料素子は、木材、レーヨン、タバコ
葉、ココナツツ、紙等のセルロース質材を熱分解
または炭化させることによつて得られるような炭
素物質を包含するものであることが好ましい。大
抵の場合、可燃炭素は、熱発生容量が大きく、不
完成燃焼生成物の発生量が少いという点で望まし
い。燃料素子の炭素分は、約20〜40重量%または
それ以上であることが好ましい。
本発明の実施に使用しうる最も好ましい燃料素
子は、それぞれ1984年9月14日付出願および1985
年8月26日付出願の本出願人の米国特許願第
650604号および第769532号に記載されているよう
な炭質燃料素子(即ち、主として炭素から成る燃
料素子)である。炭質燃料素子は、熱分解および
不完全燃焼生成物が少く、可視側流煙がほとん
ど、あるいは全く無く、灰の生成が少く、熱容量
が大きいという点で特に有利である。もちろん、
使用者の口中へ送給されるエアゾールは、例えば
エイムズ式試験で測定して突然変異作用を有さな
いものとすべきである(エームズ他の「ミユテー
シヨン・リサーチ(Mut.Res.)」31:347―364
(1976年)およびネーガス他の「ミユテーシヨ
ン・リサーチ」42:335(1977年)参照)。
燃料素子には、その燃焼および赤熱発光特性を
適正にするために燃焼添加剤または燃焼改変剤を
添加することもできる。また、所望ならば、珪藻
土のような充填剤や、ナトリウムカルボキシメチ
ルセルロース(SCMC)のような結合剤を燃料素
子に加えることもできる。更に、エアゾールにタ
バコまたはその他の風味を与えるためにタバコエ
キスのような風味料を燃料素子に添加することも
できる。
燃料素子には、1つまたはそれ以上の長手方向
の通路を形成することが好ましい。これらの通路
は、燃料素子からエアゾール発生手段への熱伝達
を制御する役割を果す。この熱伝達の制御は、十
分なエアゾールを発生させるのに十分な熱を伝達
するという点においても、また、エアゾール発生
剤を低次化(分解)させるほど多量の熱の伝達を
回避するという点においても重要である。一般
に、これらの通路は、燃料素子に多孔性を付与
し、エアゾール発生手段の支持体に到達する熱ガ
スの量を増大させることによつて支持体への初期
熱伝達量を増大させる。また、それらの通路は、
燃料の燃焼速度を増大させる役割をも果す。
一般に、第1A,7A,9A図に示されるよう
に多数の、例えば約5つないし9つ、またはそれ
以上の通路を、特にそれらの通路間の間隔を比較
的広くして設けた場合、高い伝導熱伝達量が得ら
れ、その結果、高いエアゾール送給量が得られ
る。また、多数の通路を設けると、燃料素子への
点火が容易になる。
高伝導熱伝達量は、エアゾールの主流に含有さ
れるCOの量を高くする傾向がある。COのレベル
(発生量)を減少させるには、通路を少くするか、
燃料素子の密度を高くすればよいが、その場合、
一般に、燃料素子が点火しにくくなり、伝導によ
る熱伝達を減少させ、従つて、エアゾールの送給
速度および量を低下させる。しかしながら、第7
B図に示されるように間隔を密にして通路を配置
した場合、それらの通路が、少くとも点火端のと
ころにおいては燃焼により1つの通路に合体して
しまうので、間隔の広い同じ通路配置の場合に比
べて燃焼生成物に含まれるCOの量が少いことが
判明している。
燃料素子の通路の最適な配置、形状および数
は、安定して十分な量のエアゾールを供給し、点
火を容易にし、CO発生量を少くすることを考慮
して決められる。本発明の各実施例に用いられる
炭質燃料素子の通路の配置、形状および、または
数に関していろいろな組合せが検査された。その
結果、燃焼して1つの大きな通路に合体するよう
に比較的密な間隔で配置された約5つないし9つ
の通路を有する燃料素子が、本発明に使用するた
めの好ましい燃料素子、特に好ましい炭質燃料素
子の要件を最もよく充足することが判明した。こ
のことは、本発明の実施に用いることができるい
ろいろな非炭質燃料素子にも当てはまると考えら
れる。
燃料素子の通路が燃焼して1つに合体する速度
に影響する可変要因としては、燃料素子の密度お
よび組成、通路のサイズ・形状および数、通路間
の間隔および通路の配置パターンなどがある。例
えば、約0.5mm径の7つの通路を有する密度0.85
g/c.c.の炭質燃料素子の場合、それらの通路は、
燃焼したとき1つの通路に合体するようにするた
めには、コア直径、即ち、それらの通路の外縁に
外接する最小円の直径内、即ち約1.6mm〜2.5mmの
範囲内に配置すべきである。それらの7つの通路
の各々の径を約0.6mmにまで大きくすれば、燃焼
によつて合体する上記コア直径は約2.1mm〜約3.0
mmに増大する。
本発明の実施に使用しうる別の好ましい燃料素
子の通路配構は、第9B図に示されている。この
通路配構は、CO発生量を少くし、点火を容易に
するのに特に有利であることが判明している。こ
の好ましい配構においては、燃料素子の点火端に
おける短い部分に複数の、好ましくは約5つない
し9つの通路16が形成され、それらの通路が合
流して大きな空洞97となり、燃料素子の吸込端
にまで延長している。点火端側の複数の通路は、
点火を容易にし、エアゾールの早期送給を行うの
に望ましい大きな表面積を提供する。燃料素子の
全長の約30〜95%、好ましくは50%以上に亘つて
延長した空洞97は、エアゾール発生手段への均
一な熱伝達を保証し、エアゾールの主流へのCO
送給量を減少させる役割を果す。
本発明の実施に用いられるエアゾール発生手段
は、燃料素子とは物理的に別体にされている。
「物理的に別体である」とは、エアゾール発生剤
を収容した支持体、容器または室が、燃焼する燃
料素子またはその一部分と混ざらないことを意味
する。先に述べたように、この構成は、エアゾー
ル発生剤の熱劣化および側流煙の存在を抑制また
は排除する役割を果す。エアゾール発生手段は、
燃料の一部ではないが、燃料素子と伝導熱交換関
係とすることが好ましく、燃料素子に衝接または
近接させることが好ましい。この伝導による熱交
換関係は、金属筒や金属フオイルのような熱伝導
材によつて設定するのが好ましく、熱伝導部材は
燃料素子の点火端から離隔させ、引込めて配置す
ることが好ましい。
エアゾール発生手段は、1種またはそれ以上の
エアゾール発生物質を担持した1つまたはそれ以
上の熱的に安定した物質を含むものとすることが
好ましい。ここでいう、熱的に安定した物質と
は、燃料素子の近傍に生じる、例えば400℃〜600
℃の高温に分解または燃焼することなく耐えるこ
とができるものである。熱により破裂されるマイ
クロカプセルや固形のエアゾール発生物質などの
他のエアゾール発生手段も、必ずしも好ましくは
ないが、タバコ煙に類似した十分なエアゾール発
生蒸気を放出することができるものである限り本
発明の範囲内である。
エアゾール発生物質のための支持体またはキヤ
リアとして使用することができる熱的に安定した
物質は、当業者には周知である。好適な支持体は
多性であり、不使用中エアゾール発生物質を保持
することができ、燃料素子によつて加熱されると
エアゾール発生蒸気を放出することができるもの
でなければならない。支持体は、特にそれが粒状
物質である場合は、好ましくは伝導材で形成され
た容器内に収容することができる。
好適な熱安定物質としては、多孔質炭素、グラ
フアイト、活性または不活性炭素等の熱安定性炭
素がある。その他、セラミツク、ガラス、アルミ
ナ、ひる石、ベントナイトのようなクレー等の無
機固形物も適している。支持体として好ましい炭
素材は、ユニオン・カーバイド社製のPC―25お
よびPG―60、およびカルゴン社製のSGL炭素等
の多孔性炭素である。また、支持体として好まし
いアルミナは、W.R.グレース・アンド・カンパ
ニーのダビツトソン・ケミカル・デイビジヨンか
ら販売されているSMR―14―1896である。この
アルミナは、例えば約1000℃以上の高温下で焼結
され、洗浄され、乾燥されたものである。
また、好適な粒状支持体が、日本のフジ・パウ
ダル(株)製で「マルメライザ」という商品名で販売
されている機械を用いて炭素、タバコ葉または炭
素とタバコ葉の混合物から単一工程で圧縮粒子の
形に形成することができることが判明している。
この機械は、ドイツ特許第1294351号、米国特許
第3277520号(特許第27214号として再発行されて
いる)および特公昭42―8684号に記載されてい
る。
本発明に使用されるエアゾール発生手段は、燃
料素子の点火端から40mm程度好ましくは30mm程
度、最も好ましくは20mm程度離隔させる。エアゾ
ール発生手段の長さは、約2mm〜約60mm、好まし
くは約5mm〜40mm、最も好ましくは約20mm〜35mm
の範囲とすることができる。エアゾール発生手段
の直径は、約2mm〜約8mm、好ましくは約3mm〜
6mmの間とすることができる。粒状でない支持体
が用いられる場合は、支持体の表面積を増大さ
せ、かつ、空気流および熱伝達を増大させるため
に支持体に1つまたはそれ以上の穴を設けること
ができる。
本発明に使用されるエアゾール発生物質は、燃
焼する燃料素子によつて加熱されたときエアゾー
ル発生手段内に生じる温度でエアゾールを発生す
ることができるものでなければならない。エアゾ
ール発生物質は、炭素と、水素と、酸素で組成さ
れるものが好ましいが他の成分を含んでいてもよ
い。また、エアゾール発生物質は、固形、半固
形、または液体の形とすることができる。エアゾ
ール発生物質および、または複数種のエアゾール
発生物質の混合物の沸点は、最高約500℃までで
あつてよい。このような特性を有する物質として
は、グリセリンやプロピレングリコールのような
多価アルコール、およびステアリン酸メチル、ド
デカジ酸ジメチル、ドデカジ酸ジメチル等のモ
ノ、ジ、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル
がある。
好ましいエアゾール発生物質は、多価アルコー
ル、または多価アルコール類の混合物であり、特
に好ましいのは、グリセリン、プロピレングリコ
ール、トリエチレングリコールまたはそれらの混
合物である。
エアゾール発生物質は、支持体、キヤリアまた
は容器に浸透または被覆するのに十分な濃度でエ
アゾール発生手段の周り、またはその内部に分散
させることができる。例えば、エアゾール発生物
質は、稀釈せずに、あるいは稀釈した溶液の形で
浸漬、スプレー、蒸着等の技法によつて支持体に
付与することができる。固形のエアゾール発生成
分は、支持体と混ぜ合わせて、エアゾール発生手
段内に均一に分配することができる。
エアゾール発生物質の装入量は、キヤリアの種
類によつて、あるいはエアゾール発生物質の種類
によつて異るが、液体のエアゾール発生物質の場
合、その量は、一般に、約20mg〜約120mg、好ま
しくは約35mg〜約85mg、最も好ましくは約45mg〜
65mgの範囲とすることができる。エアゾール発生
手段に担持されたエアゾール発生物質の可能な限
り多くがWTPMとして使用者に送給されるよう
にすべきである。エアゾール発生手段に担持され
たエアゾール発生物質の好ましくは約2重量%以
上、更に好ましくは約15重量%、最も好ましくは
約20重量%がWTPMとして使用者へ送給される
ようにする。
エアゾール発生手段には、また、メントール、
人工コーヒ、タバコエキス、ニコチン、カフエイ
ン、リカー、およびエアゾールに風味を付与する
その他の薬剤等の1種またはそれ以上の風味剤を
含有させることができ、更に、他の任意の望まし
い揮発性の固形または液状物質を含有させること
もできる。別法として、これらの随意選択の薬剤
は、エアゾール発生手段と吸口端の間に、例えば
エアゾール発生手段から吸口端に通じる通路内に
設けた別個の支持体または室に、あるいは随意選
托として設けられる前述のタバコ装入体内に装入
することもできる。所望ならば、これらの揮発性
薬剤は、エアゾール発生物質の一部または全部の
代りに用いることができ、その場合、非エアゾー
ルの風味等が使用者に送給される。
特に好ましい実施例において、エアゾール発生
手段は、アルミナ製の支持体(キヤリア)と、該
支持体に含有させた、噴霧乾燥させたタバコエキ
ス、レブリン酸のようなタバコ風味改変剤、1種
またはそれ以上の風味料、およびグリセリンのよ
うなエアゾール発生物質とで構成される。この支
持体は、例えば「マルメライザ」で製造された圧
縮タバコ粒子と混ぜ合わせてもよく、それらのタ
バコ粒子にもエアゾール発生物質を含浸させるこ
とができる。
ここに開示した喫煙物品は、エアゾール発生剤
(エアゾール発生物質)としてエフエドリン、メ
タプロテレノール、タービユタリン等の揮発性
の、薬理学的に、または生理学的に活性の物質を
送給するための医薬送給物品として使用すること
もでき、あるいは医薬送給物品として使用しうる
ように改変することができる。
図示の各実施例に示されるように、本発明の喫
煙物品には燃料素子より下流側に、エアゾールに
タバコ風味を付加するためのタバコ葉装入体また
はプラグ、またはタバコ葉包含物質を配設するこ
とができる。その場合、高温蒸気がタバコ葉内を
通つて吸引され、その際タバコ葉内の揮発成分を
燃焼または実質的に熱分解させることなく、抽出
し気化させる。タバコ装入体を配設するための1
つの好ましい場所は、エアゾール発生物質とタバ
コ葉ジヤケツトの間に熱伝導部材または熱伝導性
容器を設ける実施例においては特に、第8および
9図に示されるようにタバコ葉への熱伝達を増大
させるエアゾール発生手段の外周の周りである。
これらの実施例においては、タバコ葉は、エアゾ
ール発生物質のための遮蔽部材としての役割をも
果し、慣用の紙巻タバコの感じおよび香気に似せ
る作用をする。タバコ葉を配設するためのもう1
つの好ましい場所は、エアゾール発生手段の中で
ある。その場合、タバコ葉は、エアゾール発生物
質のための支持体と混合させてもよく、支持体の
代りに使用してもよい。上記タバコ包含物質は、
例えばバーレータバコ、熱風乾燥タバコ、トルコ
タバコ、再構成タバコ、押出または圧縮タバコ混
合物、タバコ包含シートなどの入手可能ら任意の
タバコ葉を包含したものとすることができる。い
ろいろな風味を与えるためにタバコブレンドを用
いるのが有利である。タバコ包含物質は、また、
充填材などの慣用のタバコ添加剤、ケーシング、
ガラス繊維等の補強材、保湿材等を加えることも
できる。タバコ葉に風味料および風味改変剤を加
えることもできる。
本発明の実施に用いられる好ましい熱伝導部材
は、通常、厚さ約0.01mm以下から約0.2mmまたは
それ以上の金属(例えばアルミニウム)の筒、帯
片またはフオイルである。伝導性材料の種類、厚
さ、および、または形状を変えることによつて実
質的に任意所望の度合の熱伝達を達成することが
できる。例えばアルミニウム以外の金属またはユ
ニオン・カーバイド社製のグラフオイルを用いる
こともできる。一般に、熱伝導部材は、燃料素子
の点火端に干渉しないように十分に引込めて配置
すべきであるが、使用者の初期および中間まで吸
込作用においても伝導による熱伝達を行うことが
できるように点火端に近接していなければならな
い。
ここに例示した各実施例に示されるように、熱
伝導部材は、燃料素子の後方部分と、エアゾール
発生手段の少くとも一部分に接触またはオーバー
ラツプさせることが好ましく、燃料素子の点火端
から少くとも約3mm、好ましくは約5mmまたはそ
れ引上引込める。熱伝導部材は、燃料素子の全長
の多くとも半分程度に亘つて延長させることが好
ましく、更に好ましくは、燃料素子の後端部分の
多くとも約5mmの長さに亘つてオーバーラツプま
たは何らかの形で接触させる。このように、熱伝
導部材は、点火端から引込めてあるので、燃料素
子の点火または燃焼を防害することがなく、ま
た、放熱子として機能することにより燃料素子が
熱伝導部材との接触点にまで燃焼したときその燃
焼を消火する働きをする。また、熱伝導部材は、
燃料が消費された後も、燃料素子より前方に突出
しない。
熱伝導部材は、エアゾール発生物質を囲包する
熱伝導性容器を構成するようにすることが好まし
い。あるいは別法として、特に粒状支持体または
半液状エアゾール発生物質を用いる実施例におい
ては、別個の伝導性容器を設けてもよい。伝導性
容器は、エアゾール発生物質のための容器として
機能するだけでなく、エアゾール発生物質および
好ましい実施例として設けられる周囲タバコ葉ジ
ヤケツトへの熱分配を促進するとともに、エアゾ
ール発生物質の、該喫煙物品の他の部分への拡散
または移行を防止する役割を果す。この容器は、
また、エアゾールを吸口端へ向けて送給するため
の通路の数、サイズ、および、または位置を変え
ることによつて該喫煙物品を通しての圧力降下を
制御するための手段を提供する。更に、エアゾー
ル発生手段の外周の周りにタバコ葉ジヤケツトを
配設した実施例においては、蒸気の流れをタバコ
葉に通し、かつ、その流れを制御するために容器
の周壁に通路またはスロツトを設けることができ
る。容器を使用することは、また、所要部材数お
よび、または所要製造工程数を少くすることによ
り喫煙物品の製造を簡略にする効果もある。
本発明の実施に使用することができる断熱部材
は、1層またはそれは以上の断熱材層から弾性ジ
ヤケツトの形に形成することが好ましい。このジ
ヤケツトは、少くとも0.5mmの厚さ、好ましくは
少くとも約1mm、更に好ましくは約1.5〜約2mm
の厚さとする。また、このジヤケツトは、燃料素
子の全長の半分以上に亘つて延長させるのが好ま
しく、更に好ましくは燃料素子の全外周面と、エ
アゾール発生手段を全部または一部分を被うよう
にする。第8図の実施例に示されるように、喫煙
物品のこれらの2つの部材(燃料素子とエアゾー
ル発生手段)を熱的に遮断するためにそれぞれ異
る材料を用いることもできる。
本発明に用いることができる断熱部材は、一般
に、例えばガラス、アルミナ、シリカ、ガラス質
材、ミネラルウール、炭素、シリコン、硼素、有
機ポリマー、セルロース系材料等、およびそれら
の混合物から得られた無機または有機繊維によつ
て形成されたものである。マツト、帯片またはそ
の他の形に形成されたシリカエーロゲル、パーラ
イト、ガラス等の非繊維質材料を使用することも
できる。断熱部材は、弾性を有し、慣用の紙巻タ
バコの感じに似せる効果をもつものであることが
好ましく、使用中溶融するように約650〜700℃以
下の軟化温度を有し、かつ、使用中燃焼しないも
のであることが好ましい。ただし、緩燃性の炭素
およびそれに類する材料は用いることができる。
これらの材料は、主として断熱ジヤケツトとして
機能し、燃料素子によつて創生される熱の相当多
くの部分を保持し、エアゾール発生手段へ差向け
る。断熱ジヤケツトは、燃焼する燃焼素子に近接
したところで熱くなるので、ある程度熱をエアゾ
ール発生手段の方へ伝導する。
燃料素子のための好ましい断熱材料としては、
ガラス繊維等のセラミツク繊維がある。米国マン
ニング・ペーパ・カンパニ社からマニグラス1000
およびマニグラス1200といる商品名で販売されて
いるガラス繊維は好適である。本発明のためのガ
ラス繊維材は、ASTM試験法C338―73で測定し
て約650℃以下の低い軟化点を有することが好ま
しい。また、米国オーエンス・コーニング社から
商品番号6432および6437で販売されているガラス
繊維も、本発明に用いるのに好ましい。このガラ
ス繊維は、約640℃の軟化点を有し、本発明に適
用した場合、使用中に溶融する。
構造的な一体性を維持する役割を果す結合剤
(例えばPVA)によつて結合された無機繊維とし
て数種類のものが市販されている。加熱されたと
き不快な香気を発するような結合剤は、例えば、
使用前に約650℃の空気を最高約15分間導入する
ことによつて除去すべきである。所望ならば、不
快な香気を発することなく断熱ジヤケツトに機械
的強度を与えるために約3重量%のペクチンを繊
維に添加することもできる。
別法として、断熱材の一部または全部を弛く、
または密に圧縮されたタバコ葉に代えてもよい。
断熱材の一部または全部の代用としてタバコ葉を
使用することは、断熱材として機能の他に、主流
エアゾールにタバコ風味を付加し、タバコ香気の
側流を発生するという追加の機能を提供する。エ
アゾール発生手段をタバコ葉ジヤケツトによつて
包むようにした好ましい実施例においては、該ジ
ヤケツトは、非燃焼断熱材として機能するととも
に、主流エアゾールにタバコ風味を与える機能を
も果す。燃料素子をタバコ葉によつて包むように
した実施例において、タバコ葉は、せいぜい燃料
素子が消費される部位にまで、即ち、燃料素子と
エアゾール発生手段との間の接触点にまで消費さ
れるようにすることが好ましい。そのような構成
は、第9図の実施例におけるように、タバコ葉を
燃料素子の周りに圧縮すること、および、または
伝導放熱子を用いることによつて達成することが
できる。あるいはまた、そのような構成は、該タ
バコ葉がエアゾール発生手段にオーバーラツプし
ている部位でタバコ葉を消火する作用を有する物
質で紙巻タバコ用巻紙から成る外被および、また
は上記タバコ葉を処理することによつてえられ
る。
断熱部材がタバコ葉以外の繊維質材料で構成さ
れている場合、断熱部材と該喫煙物品の吸口端と
の間に遮蔽手段を設けることができる。そのよう
な遮断手段は、例えば、高密度の酢酸セルロース
のトウから成る環状体によつて構成することがで
きる。そのような環状体を繊維質の断熱部材に衝
接し、両端を例えば接着材で密封し、該トウを通
しての空気の流れを阻止するようにする。
本発明の大抵の実施例において、燃料―エアゾ
ール発生手段組立体は、添付図に示されたフオイ
ル張り紙筒や、酢酸セルロースの筒や、プラスチ
ツク筒のような吸口端片に取付けられるが、吸口
端片は、例えば紙巻タバコのホルダの形に別個に
設けてもよい。吸口端片は、気化したエアゾール
発生剤を使用者の口へ通す通路を構成する。吸口
端片は、適当な長さを有しているので(好ましく
は約35〜50mmまたはそれ以上)、熱い円錐状火塊
を使用者の口および指から遠ざける役割を果し、
熱いエアゾールが使用者の口に達するまでに冷却
するのに十分な時間を与える。
吸口端片は、エアゾール発生物質に対して不活
性であることが好ましく、耐水性内側層を有する
ものとすることができ、凝縮または過によるエ
アゾールの損失を最少限にし、該喫煙物品の他の
部材との境界面における高温に耐えることができ
るものとすべきである。吸口端片として好ましい
のは、ここに例示した実施例の多くに用いられて
いる酢酸セルロースの筒である。この筒は、弾性
の外側部材として機能し、慣用の紙巻タバコの吸
口端の感じに似せる効果を有する。その他の好適
な吸口端片も、当業者には容易に考えられるであ
ろう。
本発明の物品の吸口端片として、慣用のフイル
タ付紙巻タバコの外観に似せるためにフイルタ・
チツプを使用することができる。そのようなフイ
ルタとしては、低効率の酢酸セルロースフイルタ
や、ポリプロピレン等のプラスチツク製の中空ま
たはじやま板付フイルタなどがある。これらのフ
イルタは、エアゾールの送給をほとんど妨害しな
い。
本発明の物品の外側面を全長または任意の一部
分に亘つてタバコ巻紙で包被することができる。
その場合、燃料端側の巻紙は、燃料素子の燃焼中
燃え上るものであつてはならない。また、巻紙
は、一定のくすぶり特性を有し、灰色の、紙巻タ
バコに似た灰となるものであることが好ましい。
燃料素子の周りに断熱ジヤケツトが設けられ、
巻紙が燃焼して該ジヤケツトから剥がれるように
した実施例においては、燃料素子への空気流が制
限されないので、最大限の熱伝達が達成される。
しかしながら、巻紙は、燃料素子からの熱に露呈
されても、全部または一部が破壊されないままに
残るように設計することもできる。その場合、巻
紙は、燃焼する燃料素子への空気流を制限し、そ
れによつて、燃料素子の燃焼温度およびエアゾー
ル発生手段への熱伝達を制御する役割を果す。
燃料素子の燃焼速度および温度を減少させ、そ
れによつてCO/CO2比を低くするために、僅か
に多孔性となるように処理された非多孔質の紙、
例えば複数の穴を穿設した不燃性の雲母紙を外被
層として用いることができる。そのような紙は、
特に中間時点の吸込動作(即ち、4服目ないし6
服目の吸込動作)における熱送給量を制御する。
エアゾールが外部から半径方向内方へ浸透して
くる外気によつて稀釈されるのを防止することに
よりエアゾール送給量を最大限にするために、エ
アゾール発生手段から吸口端までの部分を非多孔
質の紙で包被することができる。
これらの紙は紙巻タバコの分野において周知で
あり、いろいろな作用を得るためにそれらの紙を
組合せて使用することができる。本発明の物品に
使用するのに好ましい紙としては、米国エクスタ
社製のプラグ包被紙エクスタ01788および666、キ
ンバリークラーク社製のKC―63―5,P878―
5,P878―16―2および780―63―5などがあ
る。
本発明の好ましい実施例による喫煙物品は、
FTC喫煙条件のもとで喫煙した場合最初の3服
の吸込動作で、粒状物の総湿量(WTPM)とし
て少くとも0.6mgのエアゾールを送給することが
できる。(FTC喫煙条件とは、58秒間のくすぶり
(休止)期間をはさんで2秒間の吸込動作(総容
積35ml)を行うことである。)本発明のより好ま
しい実施例による喫煙物品は、最初の3服の吸込
動作で1.5mgまたはそれ以上のエアゾールを送給
することができる。最も好ましい実施例では、
FTC喫煙条件で喫煙して最初の3服で3mgまた
はそれ以上のエアゾールを送給することができ
る。また、好ましい実施例では、少くとも約6
服、好ましくは10服の吸込動作において1服当り
平均少くとも約0.8mg(WTPM)のエアゾールを
送給する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜9図は、本発明のそれぞれの実施例の
喫煙物品の縦断面図である。 第1A図は第1図の線1A―1Aに沿つてみた断
面図、第2A図は第2図の線2A―2Aに沿つて
みた断面図、第6A図は第6図の線6A―6Aに
沿つてみた断面図、第7A,7B,7Cおよび9
A図は、それぞれの実施例に使用するのに適した
燃料素子の通路配構を示す端面図、第8A図は、
第8図の実施例に用いられた燃料素子の端面図、
第8B図は第8図の実施例に用いられた金属容器
の拡大端面図、第9B図は好ましい燃料素子の通
路配構の縦断面図である。 10:燃料素子、12:エアゾール発生手段、
14:フオイル張紙筒(熱伝導手段)、16:穴
または通路、20:タバコ葉装入体、22:フイ
ルタプラグ、26:熱伝導ロツド、28:支持体
(キヤリヤ)、52:カプセル、72:断熱ジヤケ
ツト、94:断熱ジヤケツト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 紙巻タバコ型喫煙物品であつて、 可燃燃料素子と、 該燃料素子とは物理的に別体とされて、前記燃
    料素子と該喫煙物品の吸口端の間に配置され、該
    燃料素子から熱を受取るようになされており、エ
    アゾール発生剤を包含したエアゾール発生手段
    と、 前記燃料素子及びエアゾール発生手段とは物理
    的に別体とされ、エアゾール発生手段の少なくと
    も一部分を囲繞したタバコ材包含物体とから成る
    喫煙物品。 2 前記燃料素子から前記エアゾール発生手段へ
    熱を伝導するための熱伝導部材を備えた特許請求
    の範囲第1項記載の喫煙物品。 3 前記熱伝導部材は、前記エアゾール発生手段
    を囲繞し、前記タバコ材包含物体は、該熱伝導部
    材を囲包している特許請求の範囲第2項記載の喫
    18品。 4 前記熱伝導部材は、前記燃料素子の点火端か
    ら離隔して設けられている特許請求の範囲第2項
    又は3項記載の喫煙物品。 5 前記熱伝導部材は、前記燃料素子の点火端か
    ら少くとも約5mm離隔している特許請求の範囲第
    2又は3項記載の喫煙物品。 6 前記熱伝導部材は、前記燃料素子の一部分と
    前記エアゾール発生手段の少くとも一部分を囲繞
    している特許請求の範囲第5項記載の喫煙物品。 7 前記熱伝導部材は前記燃料素子内に配設され
    ている特許請求の範囲第5項記載の喫煙物品。 8 前記熱伝導部材は、前記燃料素子にその全長
    の約半分以下の長さに亘つて接触している特許請
    求の範囲第5項項記載の喫煙物品。 9 前記燃料素子は長さ約30mm未満である特許請
    求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の喫煙物
    品。 10 前記燃料素子は少くとも約0.5g/c.c.の密
    度を有する特許請求の範囲第9項記載の喫煙物
    品。 11 前記燃料素子は、炭素から成るものである
    特許請求の範囲第10項記載の喫煙物品。 12 前記燃料素子は複数の長手方向の通路を備
    えている特許請求の範囲第11項記載の喫煙物
    品。 13 前記燃料素子は長さ約20mm未満であり、少
    くとも約0.7g/c.c.の密度を有する特許請求の範
    囲第1〜7項のいずれかに記載の喫煙物品。 14 前記燃料素子は炭素から成り、複数の長手
    方向の通路を備えている特許請求の範囲第13項
    記載の喫煙物品。 15 前記燃料素子の少くとも一部分を囲繞する
    断熱部材が配設されている特許請求の範囲第1〜
    7項のいずれかに記載の喫煙物品。 16 前記断熱部材は、厚さ少くとも0.5mmの弾
    性不燃部材である特許請求の範囲第15項記載の
    喫煙物品。 17 前記断熱部材は使用中溶融するものである
    特許請求の範囲第15項記載の喫煙物品。 18 前記エアゾール発生手段の少くとも一部分
    を囲繞する弾性断熱部材が配設されている特許請
    求の範囲第16項又は17項記載の喫煙物品。 19 前記熱伝導部材は前記エアゾール発生手段
    を囲繞している特許請求の範囲第1〜7項のいず
    れかに記載の喫煙物品。 20 前記燃料素子の外周の少くとも一部分を囲
    繞する、厚さ少くとも0.5mmの弾性不燃断熱部材
    が配設されている特許請求の範囲第19記載の喫
    煙物品。 21 前記エアゾール発生手段の少くとも一部分
    を囲繞する弾性断熱部材が配設されている特許請
    求の範囲第20項記載の喫煙物品。 22 前記燃料素子は、少くとも0.5g/c.c.の密
    度を有し、長さ約30mm未満であり、前記燃料素子
    の少くとも一部分は厚さ約0.5mmの弾性断熱部材
    によつて囲繞されている特許請求の範囲第1〜7
    項のいずれかに記載の喫煙物品。 23 前記弾性断熱部材は約650℃以下の軟化温
    度を有するものである特許請求の範囲第22項記
    載の喫煙物品。 24 前記弾性断熱部材は厚さ約1mmであり、使
    用中溶融するものである特許請求の範囲第22項
    又は23項記載の喫煙物品。 25 前記エアゾール発生手段の少くとも一部分
    を囲繞する弾性断熱部材が配設されている特許請
    求の範囲第22項記載の喫煙物品。 26 前記エアゾール発生剤は熱伝導性の容器内
    に収容されており、該容器の少くとも一部分は弾
    性断熱部材によつて囲繞されている特許請求の範
    囲第22項記載の喫煙物品。 27 前記熱伝導部材は、前記燃料素子の全長の
    約半分未満に沿つて延長している特許請求の範囲
    第22〜25項のいずれかに記載の喫煙物品。 28 前記燃料素子は、炭素から成り、約0.7
    g/c.c.以上の密度を有するものである特許請求の
    範囲第22〜25項のいずれかに記載の喫煙物
    品。 29 前記燃料素子は長さ約20mm未満であり、複
    数の長手方向の通路を備えている特許請求の範囲
    第22〜25項のいずれかに記載の喫煙物品。 30 前記熱伝導部材は、前記燃料素子の点火端
    から少くとも約5mm離隔している特許請求の範囲
    第22〜25項のいずれかに記載の喫煙物品。 31 前記燃料素子は少くとも約0.5g/c.c.の密
    度を有し、長さ約30mm未満であつて、前記熱伝導
    部材は該燃料素子の点火端から少くとも5mm離隔
    して該燃料素子の一部分を囲繞し、かつ、前記エ
    アゾール発生手段を囲包しており、該燃料素子の
    少くとも一部分を囲繞する少くとも厚さ0.5mmの
    弾性断熱部材と、エアゾール発生手段を囲包した
    前記熱伝導部材の少くとも一部分を囲繞する弾性
    断熱部材が設けられている特許請求の範囲第1〜
    4項のいずれかに記載の喫煙物品。 32 前記熱伝導部材は前記燃料素子の全長の約
    半分未満に沿つて延長している特許請求の範囲第
    31項記載の喫煙物品。 33 前記燃料素子を囲繞している前記断熱部材
    は厚さ約1mmであり、使用中溶融するものである
    特許請求の範囲第31項記載の喫煙物品。 34 前記燃料素子を囲繞する前記断熱部材は、
    約650℃以下の軟化温度を有する繊維材である特
    許請求の範囲第31〜33項のいずれかに記載の
    喫煙物品。 35 前記燃料素子は炭素から成り、0.7g/c.c.
    以上の密度を有するものである特許請求の範囲第
    31〜33項のいずれかに記載の喫煙物品。 36 前記燃料素子は長さ約20mm未満である特許
    請求の範囲第31〜33項のいずれかに記載の喫
    煙物品。 37 前記燃料素子は複数の長手方向の通路を備
    えている特許請求の範囲第31〜33項のいずれ
    かに記載の喫煙物品。 38 FTC喫煙条件下で測定して最初の3服の
    吸込みで合計少くとも約0.6mgの湿量の粒状物質
    を送給するようになされた特許請求の範囲第1,
    2,3,4,7又は22項に記載の喫煙物品。 39 FTC喫煙条件下で測定して少くとも6服
    の吸込みについて1服当り平均少くとも約0.8mg
    の湿量の粒状物質を送給するようになされた特許
    請求の範囲第1,2,3,4,7又は22項記載
    の喫煙物品。 40 少くとも0.5g/c.c.の密度を有する可燃燃
    料素子と、 該燃料素子とは物理的に別体とされ、該燃料素
    子から熱を受取るように該燃料素子に接触又は近
    接して配置されており、加熱されるとエアゾール
    を発生するエアゾール発生剤を包含したエアゾー
    ル発生手段と、 前記燃料素子の少くとも一部分を囲繞する断熱
    部材と、 前記エアゾール発生手段の少なくとも一部分を
    囲繞したタバコ材包含物体とから成る紙巻タバコ
    型喫煙物品。 41 前記断熱部材は、厚さ少くとも0.5mmの弾
    性部材である特許請求の範囲第40項記載の喫煙
    物品。 42 前記断熱部材は使用中溶融するものである
    特許請求の範囲第41項記載の喫煙物品。 43 前記断熱部材は使用中燃焼しないものであ
    る特許請求の範囲第40項記載の喫煙物品。 44 前記断熱部材は、厚さ少くとも1mmの弾性
    不燃部材である特許請求の範囲第40項記載の喫
    煙物品。 45 前記断熱部材はセラミツク繊維又はガラス
    繊維から成るものである特許請求の範囲第40〜
    44項のいずれかに記載の喫煙物品。 46 前記繊維は約650℃以下の軟化温度を有す
    るものである特許請求の範囲第45項記載の喫煙
    物品。 47 前記エアゾール発生手段の少くとも一部分
    を囲繞する弾性断熱部材が配設されている特許請
    求の範囲第40〜44項のいずれかに記載の喫煙
    物品。 48 前記断熱部材はセラミツク繊維又はガラス
    繊維から成るものである特許請求の範囲第47項
    記載の喫煙物品。 49 前記燃料素子は長さ約30mm未満である特許
    請求の範囲第40〜44項のいずれかに記載の喫
    煙物品。 50 前記燃料素子は複数の長手方向の通路を備
    えている特許請求の範囲第49項記載の喫煙物
    品。 51 前記燃料素子は炭素から成るものである特
    許請求の範囲第49項記載の喫煙物品。 52 前記エアゾール発生剤は熱伝導性の容器内
    に囲包されている特許請求の範囲第40項記載の
    喫煙物品。 53 前記熱伝導性容器の少くとも一部分を囲繞
    する弾性断熱部材が配設されている特許請求の範
    囲第52項記載の喫煙物品。 54 燃料素子を囲繞する前記断熱部材は使用中
    溶融するものである特許請求の範囲第53項記載
    の喫煙物品。 55 前記容器は前記燃料素子に接触するように
    して配置されている特許請求の範囲第53項記載
    の喫煙物品。 56 前記燃料素子は長さ30mm未満であり、該燃
    料素子を囲繞する前記断熱部材は厚さ少くとも
    0.5mmの弾性材である特許請求の範囲第52〜5
    4項のいずれかに記載の喫煙物品。 57 前記燃料素子は、炭素から成り、約0.7
    g/c.c.以上の密度を有するものである特許請求の
    範囲第56項記載の喫煙物品。 58 前記燃料素子は複数の長手方向の通路を備
    えている特許請求の範囲第57項記載の喫煙物
    品。 59 FTC喫煙条件下で測定して最初の3服の
    吸込みで合計少くとも約0.6mgの湿量の粒状物質
    を送給するようになされた特許請求の範囲第40
    又は52項に記載の喫煙物品。 60 FTC喫煙条件下で測定して少くとも6服
    の吸込みについて1服当り平均少くとも約0.8mg
    の湿量の粒状物質を送給するようになされた特許
    請求の範囲第40又は52項記載の喫煙物品。
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