JPS6354046B2 - - Google Patents
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- JPS6354046B2 JPS6354046B2 JP19207384A JP19207384A JPS6354046B2 JP S6354046 B2 JPS6354046 B2 JP S6354046B2 JP 19207384 A JP19207384 A JP 19207384A JP 19207384 A JP19207384 A JP 19207384A JP S6354046 B2 JPS6354046 B2 JP S6354046B2
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- cooling
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
この発明は金属管の冷却特に熱処理のための冷
却の方法に関する。該熱処理用冷却にはオンライ
ンあるいはオフライン熱処理さらには焼入れに限
らず各種の制御冷却熱処理を含む。 (従来の技術) 従来、主として鋼管の焼入れを対象に各種の冷
却方法やその装置が多数提案されている。 それらは何づれも、焼入れむら、曲がりや真円
度の崩れを防止あるいは改善する所に技術的な狙
いがある。例えば、特公昭57―44735号公報では、
鋼管を回転させながら浸漬冷却することにより冷
却の均一化を図つている。これらの既存の提案は
鋼管を回転するとか冷却水の噴出方法や条件さら
には冷却水の撹拌等の改良を付加して鋼管の冷却
の均一化を図る点で共通している。換言するなら
ば、従来の提案は、主として、冷却装置の改良で
鋼管の冷却の均一化を図ることに力点が置かれて
いた。これらの提案は、それなりの効果はあるが
完全に目的を達したとは云えないのが実情であ
る。 その他、例えば特開昭57―98628号公報に開示
されているように、加熱時の炉内雰囲気の酸素濃
度を0.2〜2%に制御することより、冷却時の変
形の減少を図る方法等が提案されている。しか
し、該方法でも完全に解決することは出来ないこ
とを当業者は知つている。 本発明者の研究によれば、焼入れむら、変形等
の問題の基本的要因は伝熱面の物理的、化学的諸
性質が冷却曲線を金属管の部位や場所により変動
させるためであることをつきとめた。それ故、冷
却曲線が場所的にも時間的にも安定化する伝熱面
を作ることが、基本的かつ本質的な解決策である
ことが分つた。 ところで、これまでの冷却技術では、どのよう
な伝熱面が冷却に際して最適かを検討していない
し、また、開示もされていない。 本発明者は全く異なる新しい観点から、高温金
属管の均一冷却方法について技術的に検討した。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は焼入れむらに基づく材質のバラツキお
よび冷却の不均一による形状不良(曲がり、真円
度の崩れ等)を防止する方法を見出すことが第1
の狙いである。第2に、オンラインあるいはオフ
ライン制御冷却における冷却終了温度の安定化、
材質の安定化および残留応力を含めて形状不良の
解消を図ることである。 これらの実用的な問題を解決するには、金属管
表面の伝熱面の改善が必要である。換言するなら
ば、冷却曲線が場所的にも時間的にも最も安定化
する伝熱面を作ることが根本的な解決策になると
いうことである。 その理由は、高温の金属管を冷却する時には、
通常冷媒として沸騰現象を伴う工業用水を用いる
ので、膜沸騰の終了温度(最小膜沸騰温度とも云
う)が伝熱面の物理的あるいは化学的諸性質によ
つて変動するからである。 この膜沸騰の終了温度を安定化させる方法につ
いては、従来何等の知見が開示されていない。本
発明者は、伝熱面に比較的規則正しい密な凹凸状
突起をつけることにより、伝熱面上の振動する蒸
気膜を突き破つて冷媒液体と直接液体と直接接触
させることが、この膜沸騰の終了温度の安定化に
つながり冷却曲線ひいては冷却終了温度が狭い範
囲に安定することを見出した。この発見に基づい
て、広範な金属管製造プロセスにおける高温金属
管の冷却の均一化方法を開発したものである。 (問題点を解決するための手段) この発明の要旨とするところは、金属管を高温
から冷却するに際して、冷却前にミルスケールの
ない状態またはミルスケールを除去した後、金属
管表面を2μm以上の平均粗さの均一な粗面を形成
せしめて冷却することを特徴とする高温金属管の
均一冷却方法である。 以下に、この発明を鋼管の場合を例に詳細に説
明する。 冷却しようとする鋼管表面のミルスケールは、
一般に場所によりその厚さや組成がばらついてお
り、その上、表面凹凸は短周期的には比較的滑ら
かである。また、ミルスケールが付いた鋼管を再
加熱した時、スケールの表面凹凸や厚さの相対的
な関係は、大体遺伝する。このような高温鋼管を
水で冷却すると冷却むらが生ずることは避けられ
ない。 なお、第2図にミルスケールのみを除去した表
面状況を示すが、好ましくない伝熱表面状況であ
り、ミルスケールのついた表面も多少粗くなるが
大略同様な表面粗さ状況であり、好ましい伝熱表
面状況ではない。 そこで、シヨツトブラスト法でグリツドの材
質、サイズおよび吹付け条件を広範に変化させ
て、ミルスケールを除去し、さらに表面粗さの異
なる鋼管を製作した。これらの鋼管を930℃に再
加熱して外面冷却装置で目標冷却終了温度500℃
の条件で冷却したところ、平均表面粗さ(中心線
平均粗さRa)が2μm以上の時、さらに好ましく
は3μm以上の時、円周方向および長手方向の冷却
終了温度のばらつきは極めて小さくなることが判
明した。 この理由を伝熱工学的に考察すれば以下のよう
である。 冷却水の温度が20〜30℃前後の時、蒸気膜の厚
さは、大略、数μmから10数μm程度であり、さら
に蒸気膜上の冷却水面は振動や脈動をしている。
したがつて、伝熱面上に本発明で特定した条件の
比較的規則正しい密な凹凸状突起があれば蒸気膜
層を突き破つて突起が冷却水膜に突入し、突起は
固体―液体接触やフイン効果で、局部的に表面温
度が低下し、蒸気膜崩壊の核となる。 即ち、2μm以上の凹凸状突起が比較的規則正し
く密にあれば、蒸気膜崩壊の核が沢山できると共
に全面ほぼ同時に均一に蒸気膜が崩壊し、遷移沸
騰に移行し、冷却終了温度が極めて狭い範囲に安
定することになる。第1図に均一冷却に望ましい
伝熱面表面状況を模式図で示す。 このような機構で、伝熱面のミルスケールを除
去し、表面に規則的でかつ適度な表面粗さを与え
ることが冷却の均一化を図る手段として有効であ
ると理解される。 なお、表面粗さを特徴づけるために、上述のよ
うに平均表面粗さを用いたが、更に単位長さ当り
の凹凸の数を加味すると冷却特性をより効果的に
決定づけられる。 単位長さ当りの凹凸の数は、通常1インチ当り
の長さの中に山の数がいくら含まれているか、す
なわちPPI(Peaks Per Inch)で表示されること
が多い。 本発明者等の研究によれば冷却の促進、安定化
に対してPPIは50〜500程度が好ましいことを究
明している。50以下のPPIでは冷却の安定化に対
して余り顕著な効果がない。500以上のPPIでは、
凹凸が余り密になり過ぎ、粗度の効果がはつきり
しなくなるし、冷却が抑制される。また、PPI>
500の粗面を形成するには、大幅なコストの上昇
を招き、経済的に不利となる。 但し、ここでいう山の数は平均粗さの25%以上
の山の数を意味している。 オフライン熱処理冷却の場合には、焼入れであ
れ各種の制御冷却熱処理冷却であれシヨツトブラ
スト法の改良で対処できるが、オンライン加工熱
処理の場合にはシヨツトブラスト法の適用は困難
である。そこで、熱間圧延後制御冷却を行う場合
(オンライン加工熱処理)の例として、ストレツ
チレデユーサー(SR)の最終スタンドにダル仕
上げしたロールを組込み、そのロールで圧延して
2μm以上の平均粗さの均一な粗面を形成し、引続
いて目標冷却終了温度500℃で外面冷却を行つた。
その結果、冷却終了温度のばらつきが飛躍的に小
さくなつた。熱間圧延で新生面が形成されるの
で、冷却直前でスケールの除去の必要はなく鋼管
表面に比較的規則正しい密な凹凸状突起をつける
と高温からの冷却が極めて安定することが確認さ
れた。 尚、ロール表面のダル化には、シヨツトブラス
ト法の他に放電加工法によるロール表面の粗面化
等が適用できる。 (実施例) 1) オフライン熱処理冷却の場合 鋼管の表面粗度はシヨツトブラスト法で、グ
リツドの材質、サイズおよび吹付け条件を変化
させて調整した。第1表のデータを得るために
供試した鋼管はラインパイプ(X―65)材で、
その寸法は177.8mm〓×12.7mmt×12mlである。加
熱条件は930℃×30分(保定)で、冷却水温は
30℃で行つた。
却の方法に関する。該熱処理用冷却にはオンライ
ンあるいはオフライン熱処理さらには焼入れに限
らず各種の制御冷却熱処理を含む。 (従来の技術) 従来、主として鋼管の焼入れを対象に各種の冷
却方法やその装置が多数提案されている。 それらは何づれも、焼入れむら、曲がりや真円
度の崩れを防止あるいは改善する所に技術的な狙
いがある。例えば、特公昭57―44735号公報では、
鋼管を回転させながら浸漬冷却することにより冷
却の均一化を図つている。これらの既存の提案は
鋼管を回転するとか冷却水の噴出方法や条件さら
には冷却水の撹拌等の改良を付加して鋼管の冷却
の均一化を図る点で共通している。換言するなら
ば、従来の提案は、主として、冷却装置の改良で
鋼管の冷却の均一化を図ることに力点が置かれて
いた。これらの提案は、それなりの効果はあるが
完全に目的を達したとは云えないのが実情であ
る。 その他、例えば特開昭57―98628号公報に開示
されているように、加熱時の炉内雰囲気の酸素濃
度を0.2〜2%に制御することより、冷却時の変
形の減少を図る方法等が提案されている。しか
し、該方法でも完全に解決することは出来ないこ
とを当業者は知つている。 本発明者の研究によれば、焼入れむら、変形等
の問題の基本的要因は伝熱面の物理的、化学的諸
性質が冷却曲線を金属管の部位や場所により変動
させるためであることをつきとめた。それ故、冷
却曲線が場所的にも時間的にも安定化する伝熱面
を作ることが、基本的かつ本質的な解決策である
ことが分つた。 ところで、これまでの冷却技術では、どのよう
な伝熱面が冷却に際して最適かを検討していない
し、また、開示もされていない。 本発明者は全く異なる新しい観点から、高温金
属管の均一冷却方法について技術的に検討した。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は焼入れむらに基づく材質のバラツキお
よび冷却の不均一による形状不良(曲がり、真円
度の崩れ等)を防止する方法を見出すことが第1
の狙いである。第2に、オンラインあるいはオフ
ライン制御冷却における冷却終了温度の安定化、
材質の安定化および残留応力を含めて形状不良の
解消を図ることである。 これらの実用的な問題を解決するには、金属管
表面の伝熱面の改善が必要である。換言するなら
ば、冷却曲線が場所的にも時間的にも最も安定化
する伝熱面を作ることが根本的な解決策になると
いうことである。 その理由は、高温の金属管を冷却する時には、
通常冷媒として沸騰現象を伴う工業用水を用いる
ので、膜沸騰の終了温度(最小膜沸騰温度とも云
う)が伝熱面の物理的あるいは化学的諸性質によ
つて変動するからである。 この膜沸騰の終了温度を安定化させる方法につ
いては、従来何等の知見が開示されていない。本
発明者は、伝熱面に比較的規則正しい密な凹凸状
突起をつけることにより、伝熱面上の振動する蒸
気膜を突き破つて冷媒液体と直接液体と直接接触
させることが、この膜沸騰の終了温度の安定化に
つながり冷却曲線ひいては冷却終了温度が狭い範
囲に安定することを見出した。この発見に基づい
て、広範な金属管製造プロセスにおける高温金属
管の冷却の均一化方法を開発したものである。 (問題点を解決するための手段) この発明の要旨とするところは、金属管を高温
から冷却するに際して、冷却前にミルスケールの
ない状態またはミルスケールを除去した後、金属
管表面を2μm以上の平均粗さの均一な粗面を形成
せしめて冷却することを特徴とする高温金属管の
均一冷却方法である。 以下に、この発明を鋼管の場合を例に詳細に説
明する。 冷却しようとする鋼管表面のミルスケールは、
一般に場所によりその厚さや組成がばらついてお
り、その上、表面凹凸は短周期的には比較的滑ら
かである。また、ミルスケールが付いた鋼管を再
加熱した時、スケールの表面凹凸や厚さの相対的
な関係は、大体遺伝する。このような高温鋼管を
水で冷却すると冷却むらが生ずることは避けられ
ない。 なお、第2図にミルスケールのみを除去した表
面状況を示すが、好ましくない伝熱表面状況であ
り、ミルスケールのついた表面も多少粗くなるが
大略同様な表面粗さ状況であり、好ましい伝熱表
面状況ではない。 そこで、シヨツトブラスト法でグリツドの材
質、サイズおよび吹付け条件を広範に変化させ
て、ミルスケールを除去し、さらに表面粗さの異
なる鋼管を製作した。これらの鋼管を930℃に再
加熱して外面冷却装置で目標冷却終了温度500℃
の条件で冷却したところ、平均表面粗さ(中心線
平均粗さRa)が2μm以上の時、さらに好ましく
は3μm以上の時、円周方向および長手方向の冷却
終了温度のばらつきは極めて小さくなることが判
明した。 この理由を伝熱工学的に考察すれば以下のよう
である。 冷却水の温度が20〜30℃前後の時、蒸気膜の厚
さは、大略、数μmから10数μm程度であり、さら
に蒸気膜上の冷却水面は振動や脈動をしている。
したがつて、伝熱面上に本発明で特定した条件の
比較的規則正しい密な凹凸状突起があれば蒸気膜
層を突き破つて突起が冷却水膜に突入し、突起は
固体―液体接触やフイン効果で、局部的に表面温
度が低下し、蒸気膜崩壊の核となる。 即ち、2μm以上の凹凸状突起が比較的規則正し
く密にあれば、蒸気膜崩壊の核が沢山できると共
に全面ほぼ同時に均一に蒸気膜が崩壊し、遷移沸
騰に移行し、冷却終了温度が極めて狭い範囲に安
定することになる。第1図に均一冷却に望ましい
伝熱面表面状況を模式図で示す。 このような機構で、伝熱面のミルスケールを除
去し、表面に規則的でかつ適度な表面粗さを与え
ることが冷却の均一化を図る手段として有効であ
ると理解される。 なお、表面粗さを特徴づけるために、上述のよ
うに平均表面粗さを用いたが、更に単位長さ当り
の凹凸の数を加味すると冷却特性をより効果的に
決定づけられる。 単位長さ当りの凹凸の数は、通常1インチ当り
の長さの中に山の数がいくら含まれているか、す
なわちPPI(Peaks Per Inch)で表示されること
が多い。 本発明者等の研究によれば冷却の促進、安定化
に対してPPIは50〜500程度が好ましいことを究
明している。50以下のPPIでは冷却の安定化に対
して余り顕著な効果がない。500以上のPPIでは、
凹凸が余り密になり過ぎ、粗度の効果がはつきり
しなくなるし、冷却が抑制される。また、PPI>
500の粗面を形成するには、大幅なコストの上昇
を招き、経済的に不利となる。 但し、ここでいう山の数は平均粗さの25%以上
の山の数を意味している。 オフライン熱処理冷却の場合には、焼入れであ
れ各種の制御冷却熱処理冷却であれシヨツトブラ
スト法の改良で対処できるが、オンライン加工熱
処理の場合にはシヨツトブラスト法の適用は困難
である。そこで、熱間圧延後制御冷却を行う場合
(オンライン加工熱処理)の例として、ストレツ
チレデユーサー(SR)の最終スタンドにダル仕
上げしたロールを組込み、そのロールで圧延して
2μm以上の平均粗さの均一な粗面を形成し、引続
いて目標冷却終了温度500℃で外面冷却を行つた。
その結果、冷却終了温度のばらつきが飛躍的に小
さくなつた。熱間圧延で新生面が形成されるの
で、冷却直前でスケールの除去の必要はなく鋼管
表面に比較的規則正しい密な凹凸状突起をつける
と高温からの冷却が極めて安定することが確認さ
れた。 尚、ロール表面のダル化には、シヨツトブラス
ト法の他に放電加工法によるロール表面の粗面化
等が適用できる。 (実施例) 1) オフライン熱処理冷却の場合 鋼管の表面粗度はシヨツトブラスト法で、グ
リツドの材質、サイズおよび吹付け条件を変化
させて調整した。第1表のデータを得るために
供試した鋼管はラインパイプ(X―65)材で、
その寸法は177.8mm〓×12.7mmt×12mlである。加
熱条件は930℃×30分(保定)で、冷却水温は
30℃で行つた。
【表】
* くぼみの部分は除く
** 熱電対測温 16個所(8個所/円周
方向×2個所/長手方向)(内面)
No.1、2、3は比較例を示す。
同一の鋼管を第1表のNo.1とNo.5の表面条件
で焼入れ―焼戻し熱処理後の機械的性質のばら
つきを第2表に示した。
** 熱電対測温 16個所(8個所/円周
方向×2個所/長手方向)(内面)
No.1、2、3は比較例を示す。
同一の鋼管を第1表のNo.1とNo.5の表面条件
で焼入れ―焼戻し熱処理後の機械的性質のばら
つきを第2表に示した。
【表】
第1表および第2表より、冷却前の表面を比
較的規則正しく粗面化することによつて冷却の
均一化が図られ、熱処理材の機械的性質のばら
つきが、ほぼ半減することが確認された。 2) オンライン熱処理冷却の場合 実験用ストレツチレデユーサーの最終スタン
ドのロール表面をシヨツトブラストで粗面化し
た梨地肌(ダル状)にした。該ストレツチレデ
ユーサーの後方に外面冷却装置を設置し、圧延
後直ちに冷却した。目標冷却終了温度は500℃
であつた。供試鋼管の寸法は、外径42.7mm、肉
厚2.8mm、長さ4mで、材質はSTK30である。実
験結果を第3表に示す。
較的規則正しく粗面化することによつて冷却の
均一化が図られ、熱処理材の機械的性質のばら
つきが、ほぼ半減することが確認された。 2) オンライン熱処理冷却の場合 実験用ストレツチレデユーサーの最終スタン
ドのロール表面をシヨツトブラストで粗面化し
た梨地肌(ダル状)にした。該ストレツチレデ
ユーサーの後方に外面冷却装置を設置し、圧延
後直ちに冷却した。目標冷却終了温度は500℃
であつた。供試鋼管の寸法は、外径42.7mm、肉
厚2.8mm、長さ4mで、材質はSTK30である。実
験結果を第3表に示す。
【表】
No.1、2は比較例を示す。
第3表のデータから冷却の際の伝熱面表面に
比較的規則正しい凹凸状突起を形成すると温度
むらがなく均一に冷却されることが示されてい
る。したがつて、ストレツチレデユーサーの後
面で、各種の制御冷却熱処理を施して材質の向
上を図る加工熱処理プロセスの実用化に際し
て、ストレツチレデユーサーの後段スタンドの
ロール表面を均一な粗面化して鋼管を圧延する
ことにより、鋼管の表面が粗面化し、より均一
な冷却が可能になる。 3) PPIの効果 鋼管のPPIはシヨツトブラスト法で、グリツ
ドの材質、サイズ、形状および吹付条件並びに
吹付回数等を変化させて広範に調整した。 供試鋼管はAPI5LB相当材で、その寸法は
177.8mm〓×12.7mmt×4mlであつた。加熱条件は
930℃×30分(保定)で、冷却水温は28℃であ
つた。
第3表のデータから冷却の際の伝熱面表面に
比較的規則正しい凹凸状突起を形成すると温度
むらがなく均一に冷却されることが示されてい
る。したがつて、ストレツチレデユーサーの後
面で、各種の制御冷却熱処理を施して材質の向
上を図る加工熱処理プロセスの実用化に際し
て、ストレツチレデユーサーの後段スタンドの
ロール表面を均一な粗面化して鋼管を圧延する
ことにより、鋼管の表面が粗面化し、より均一
な冷却が可能になる。 3) PPIの効果 鋼管のPPIはシヨツトブラスト法で、グリツ
ドの材質、サイズ、形状および吹付条件並びに
吹付回数等を変化させて広範に調整した。 供試鋼管はAPI5LB相当材で、その寸法は
177.8mm〓×12.7mmt×4mlであつた。加熱条件は
930℃×30分(保定)で、冷却水温は28℃であ
つた。
【表】
【表】
第4表よりPPI値が50以下あるいは400〜500
以上になると、冷却終了温度のばらつきが大き
くなることが確認された。 (発明の効果) 先に、材質のばらつきや形状不良の主要因は、
焼き入れむら等の冷却の不均一であることを述べ
た。伝熱面の表面条件を2μm以上好ましくは3μm
以上の平均粗さを持ち、かつ比較的規則的な凹凸
状突起を与えることにより冷却が安定するので、
冷却むらに起因する材質のばらつきや形状不良は
殆んど解消する。本発明者の実験結果によれば、
本発明方法を実施することによりラインパイプの
降伏強度や降伏比のばらつきは約50%減少した。
また、曲がりおよび真円度不良も約60%軽減し
た。 本発明の方法を、各種オンライン加工熱処理プ
ロセス、オフライン制御冷却熱処理プロセスに通
用すれば、冷却終了温度が極めて安定し、機械的
性質、形状が飛躍的に向上する。 その他、従来、焼き入れむら防止のために焼入
性向上元素を多量に添加していたが、その量の削
減が可能になる。また、金属管の表面肌が美麗に
なる等実用的効果は大きい。 尚、本発明の方法は金属管に限らず、厚板およ
びホツトストリツプ等のオンラインおよびオフラ
イン熱処理プロセスでも同様の効果が得られる。
以上になると、冷却終了温度のばらつきが大き
くなることが確認された。 (発明の効果) 先に、材質のばらつきや形状不良の主要因は、
焼き入れむら等の冷却の不均一であることを述べ
た。伝熱面の表面条件を2μm以上好ましくは3μm
以上の平均粗さを持ち、かつ比較的規則的な凹凸
状突起を与えることにより冷却が安定するので、
冷却むらに起因する材質のばらつきや形状不良は
殆んど解消する。本発明者の実験結果によれば、
本発明方法を実施することによりラインパイプの
降伏強度や降伏比のばらつきは約50%減少した。
また、曲がりおよび真円度不良も約60%軽減し
た。 本発明の方法を、各種オンライン加工熱処理プ
ロセス、オフライン制御冷却熱処理プロセスに通
用すれば、冷却終了温度が極めて安定し、機械的
性質、形状が飛躍的に向上する。 その他、従来、焼き入れむら防止のために焼入
性向上元素を多量に添加していたが、その量の削
減が可能になる。また、金属管の表面肌が美麗に
なる等実用的効果は大きい。 尚、本発明の方法は金属管に限らず、厚板およ
びホツトストリツプ等のオンラインおよびオフラ
イン熱処理プロセスでも同様の効果が得られる。
第1図は冷却の安定化に望ましい伝熱面表面粗
さの模式図、第2図はミルスケールのみ除去した
表面状態の模式図である。
さの模式図、第2図はミルスケールのみ除去した
表面状態の模式図である。
Claims (1)
- 1 金属管を高温から冷却するに際して、冷却前
にミルスケールのない状態またはミルスケールを
除去した後、金属管表面を2μm以上の平均粗さ
で、かつPPI値が50乃至500の均一な粗面を形成
せしめて冷却することを特徴とする高温金属管の
均一冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19207384A JPS6187824A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 高温金属管の均一冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19207384A JPS6187824A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 高温金属管の均一冷却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6187824A JPS6187824A (ja) | 1986-05-06 |
JPS6354046B2 true JPS6354046B2 (ja) | 1988-10-26 |
Family
ID=16285179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19207384A Granted JPS6187824A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 高温金属管の均一冷却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6187824A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6465229A (en) * | 1987-09-04 | 1989-03-10 | Nippon Steel Corp | Method for cooling metallic material during heat treatment |
JPH01242717A (ja) * | 1988-03-25 | 1989-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱処理時の平面歪みの少ない鋼帯とその製法 |
JPH01242716A (ja) * | 1988-03-25 | 1989-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱処理時の平面歪みの少ない鋼帯とその製法 |
JPH1017986A (ja) | 1996-06-28 | 1998-01-20 | Nippon Steel Corp | パイプラインの耐外面scc特性に優れた鋼 |
JP4411874B2 (ja) * | 2003-06-20 | 2010-02-10 | Jfeスチール株式会社 | 均熱装置での鋼管温度制御方法 |
JP6720686B2 (ja) * | 2016-05-16 | 2020-07-08 | 日本製鉄株式会社 | 継目無鋼管の製造方法 |
-
1984
- 1984-09-13 JP JP19207384A patent/JPS6187824A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6187824A (ja) | 1986-05-06 |
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