JPS6352528B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体を通過させるための原則的に同軸
に配置された通過開口部を有する１個以上の濾過
要素よりなり、該濾過要素が２個の濾過板よりな
り、この２個の濾過板がその外周エツジ近接部位
に沿つて互いに相接し、かつ２個の濾過板の互い
に相反する側で開口部に隣接する内側エツジ近接
部位に沿つて複数個の濾過要素が互いに相反する
ように形成されている濾過装置に関する。

濾過装置、とりわけ油類の濾過に使用されて深
部濾過（deep―filtering）特性を有する濾過カー
トリツジは、軸方向中央部空洞を備えたシリンダ
ー状濾過体として形成されることが多い。この濾
過体としては結合剤によつて結合せしめた天然繊
維、人工繊維および鉱物繊維のような種々の材料
が挙げられる。そのようなカートリツジにおいて
最大浸透表面を有する外側から濾過が行なわれる
場合、流体速度は中央部に向つて増大するであろ
う。その結果滞積するはずの粒子はスルース効果
（sluicing effect）を受けるので効果的な滞積が
妨げられる。すなわちその効果としては、濾過カ
ートリツジの外側層のみが粒子の濾過に利用され
ることになり、中心部周辺の濾材は無駄になる。
外側表面は最大ではあつてもむしろ小となり、そ
の結果カートリツジに深く浸透するには余りにも
大き過ぎる粒子が表面を速やかに閉塞せしめ、カ
ートリツジの深部濾過能力の有効利用を妨げるよ
うに作用する。この問題は、大粒子が扁平である
かまたは塑性を有する場合にますます悪化する。
濾過が内側から外側に向つて行なわれる場合、浸
透表面はさらに小となり、閉塞の問題はこの場合
なお大となる。その結果カートリツジ通過路にお
ける流速が低下して深部濾過能力が著しく低くな
る。

深部濾過装置を通過する濾過速度を一定に維持
しかつ同時に比較的大きな浸透表面を維持すると
いう問題は、いわゆる溝付濾過装置によつて解決
された。この溝付濾過装置というのは濾過要素の
中心部空洞の周囲に軸方向に伸びるひだがつけら
れている濾過装置である。しかしながら、この溝
付濾過装置は、濾過要素を濾過圧力に対抗しうる
ようにするためには内側においても外側において
も支持されていなければならないという欠点を有
する。その結果濾過カートリツジが消耗した場
合、濾過材料も支持手段も廃棄しなければならな
い。さらにこれに加えて、濾過圧力により個々の
ひだが平相化され、フイルターが部分的に使用不
能になるので、個々のひだの深さが制限される。
溝付濾過装置が大きな浸透表面を有すべきである
とすれば、溝付濾過装置は非常に長いか、比較的
に幅広い中心部空洞を備えていなければならな
い。上記中、前者は取付けに不便であり、後者に
は比較的大きな面積を占めるという難点がある。
さらに、溝付濾過装置は、材料がとりわけ厚い場
合には、次のような制限を受ける。即ち、ひだの
撓みの際に歪むことができないので、濾過通路を
あまり長くできないということ、およびその結果
として溝付濾過装置が撓みの際に濾過能力にかな
りの低下を来すということである。

大きな浸透表面を深部濾過能力と組合わせる課
題は、中心部空洞付き円板によつて解決されるこ
とが多い。この円板は濾液が濾過後にフイルター
から流出できるように排水路を裏側に備えている
胴体により支持されている。この方法では深部濾
過によつてのみ効率的に除去されうるような不純
物に対してかなりの面積を有する濾過円板が使用
されるが、排水要素および支持要素が比較的高価
であるにもかかわらず使い捨て濾過要素の場合、
濾過装置が消耗すればこれらは廃棄せざるを得な
い。

本発明による濾過装置は、濾過板、例えば濾過
円板がエツジ領域以外の部位で波形をなし、かつ
隣接する側の波山が個々の濾過要素間においても
個々の濾過板間においても互いに相交わる部位で
互いに相接するように平面状に形成されており、
向い合う波形が互いに交差し合うような関係に濾
過板が互いに位置し合つていることを特徴とす
る。

このようにすることにより、比較的安価に製造
し、使用することのできる濾過装置が提供され
る。この濾過装置を構成する濾過板は単に濾材と
して機能するだけでなく同時に支持板としても機
能するからである。同時にまた、波形であるため
に、比較的大きな浸透表面を有するということと
濾過板の厚さを適切に選択することにより、良好
な深部濾過能力が得られる。それぞれ外周部位お
よび開口部エツジ部位に沿つた緊密に相接する領
域は、外周部位に沿つて濾過板を互いに密閉し、
空洞近接部位において濾過要素を互いに密閉する
役をはたす。濾過された流体は濾過板を通過しな
ければ、濾過装置を速やかには通過することがで
きない。波形形状はケーキの滞積のために濾過板
間に比較的に広い空間を形成している。この濾過
装置は外側から同軸に配置された通過開口部の方
向への濾過にも、また内側から濾過装置の外周部
の方向への濾過にも使用することができる。個々
の濾過板の出口側は濾液を流出せしめるようにな
つており、濾過圧力は波山によつて吸収されるの
で、排水路が一緒に加圧されることはない。この
ようにして濾過装置は比較的大きなケーキ（表面
不純物）ならびに比較的大量の深部濾過不純物の
ための空間を形成するが、同時に濾過装置全体を
通して濾速度は実質上変化しないまゝである。

本発明のとりわけ有利な実施態様においては、
波山が入口側よりも出口側でより広くなるように
濾過円板が形成されており、従つてこれにより支
持効果は特に良好となる。

本発明の特に簡単な実施態様においては、濾過
要素の互いに相反する側の波山は開口部内側エツ
ジ領域と同一平面内に位置し、個々の濾過要素中
の向い合う濾過円板の波山は外周エツジ領域と同
一平面内に位置している。

以下本発明を添付図面を参照しながら説明す
る。

第１図は、分り易いように軸方向で切断した部
分を有する濾過装置の好ましい実施態様の一側面
図である。

第２図は２個の濾過円板を互いに引離した単一
濾過要素の断面図である。

第１図に示す濾過装置は、第２図を参照すれば
明らかなようにそれぞれ２個の濾過円板２および
３よりなる濾過要素の積層物よりなる。各濾過板
は円形であり、中央部に貫通開口部４を有する。
それぞれ個々の濾過円板の一方側に、平面領域５
が開口部４のエツジに隣接して設けられており、
中心軸に直角方向に伸びている。反対側には平面
領域６が設けられ、軸に直角方向に、円板の外周
に沿つたエツジに隣接して伸びている。本質的に
重要な点として、これらの平面領域以外の部位
に、それぞれ個々の濾過円板２，３は、濾過円板
の両面に波形７，８が形成されている。これらの
波形７，８は、一方側の波形の凹部が濾過円板の
他方の側の波山に相対して位置するように配置さ
れている。取付けに際して、それぞれの濾過要素
１においては、濾過円板２，３は円周に沿つて配
置された平面領域６が互いに接し合うように配置
され、また一方では濾過要素が内側平面領域５に
沿つて互に接し合うように配置されている。個々
の濾過要素においては、２個の濾過円板が図面か
ら明らかなようにそれらの共通軸に対してそれぞ
れ90゜旋回している点は別として、中間の放射状
平面に対して対称的に位置を占めている。第１図
に示す濾過装置は、主として外側からの流れを濾
過円板を通して、同軸に設けられた開口部４によ
つて形成される流路９中に濾過することを意図し
たものである。このようにして、個々の濾過要素
１の互いに反対方向を向いている側は濾過すべき
流体の入口側１０，１１を形成し、その反対側は
濾過要素の出口側１２，１３を形成する。

図面から明らかなように、それぞれ個々の濾過
円板の波山は、出口側１２，１３の波山が入口側
１０，１１の波山より幅広くなるように形成され
ている。さらにまた、全濾過装置中すべての第二
の濾過円板の波形が互いに平行に伸びているの
で、接し合う側の波山が濾過装置中どの部位にお
いても波形の交わる領域内で互いに相接するよう
に波形は形成されている。

図面から明らかなように、波山はまた、問題と
なる側部の平面領域、すなわち開口部４のエツジ
に隣接する平面領域５または円周に沿つて位置す
る平面領域６と同一平面内に位置するように形成
されている。

濾過円板は種々の材料から製造することができ
るが、好ましい実施態様としては、半化学処理波
形セルロース約75％、綿リンター約25％およびポ
リアミン約0.2％よりなるものが挙げられる。濾
過円板は接着剤、好ましくはポリウレタン接着剤
により、接着面５，６に沿つて接着される。

組立てた場合この濾過装置は油類のような流体
の濾過に使用され、濾過装置を通して実質上半径
方向に圧力がかけられる。この場合、流体は個々
の濾過要素間の凹部に沿つて入口側に流れ、この
位置から個々の濾過円板を通過して濾過要素の内
部、次いで濾過円板２，３の出口側に至り、この
位置から濾過装置の通過流路９に流れる。このよ
うに本濾過装置は非常に大きな入口または浸透表
面を有するので、その寸法の割には非常に大きな
能力を有する。所望によつては、この濾過装置は
逆方向濾過に使用してもよい。

以上、本発明を一つの好ましい実施態様につい
て説明した。本発明の範囲から逸脱しなければ多
くの変形が可能である。それぞれ個々の濾過板
は、例えば円形以外の形状であつてもよく、波形
は別の種々の形状であつてもよい。平面領域５，
６は所望と必要性とにより、別の形状に張りめぐ
らしたものであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る濾過装置の好ましい実施
態様の一側面図である。第２図は２個の濾過円板
を互いに引離した単一濾過要素の断面図である。 １…濾過要素、２，３…濾過板（濾過円板）、
４…開口部、５，６…平面領域（エツジ領域）、
７，８…波形。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体を通過させるための原則的に同軸に配置
   された通過開口部４を有する１個以上の濾過要素
   １よりなり、該濾過要素が２個の濾過板２，３よ
   りなり、この２個の濾過板がその外周エツジ近接
   部位に沿つて互いに相接し、かつ２個の濾過板の
   互いに相反する側で開口部４に隣接する内側エツ
   ジ近接部位に沿つて複数個の濾過要素１が互いに
   相接するように形成されている濾過装置におい
   て、前記濾過板２，３が前記エツジ領域５，６以
   外の部位で波形をなし、かつ隣接する側の波山が
   個々の濾過要素間においても個々の濾過板間にお
   いても互いに相交わる部位で互いに接し合うよう
   に平面状に形成されており、向い合う波形７，８
   が互いに交差し合うような関係に濾過板２，３が
   互いに位置し合つていることを特徴とする濾過装
   置。 ２ 濾過板２，３が、入口側１０，１１の波山よ
   り出口側１２，１３の波山がより広くなるような
   波形を有することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の濾過装置。 ３ 互いに反対側を向いている濾過要素１の波山
   が、内側開口部４のエツジ部領域５と同一平面内
   に位置していることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項または第２項記載の濾過装置。 ４ 個々の濾過要素１の向い合う濾過板の波山
   が、外周エツジ部の平面領域６と同一平面内に位
   置していることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項、第２項または第３項記載の濾過装置。