JPH05192518A - スペーサー及びスペーサーを使用したフィルター組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルター要素間に配置されてフィルター要
素を支持すると共に自由な流体の流れを可能にするスペ
ーサーと、かかるスペーサーを使用したフィルター組立
体を提供する。 【構成】 フィルター組立体（１０）は、入り口（１
３）及び出口（１４）を有するハウジング（１１）と、
該ハウジング（１１）内に段積みされた少なくとも二つ
のフィルター要素（１２）と、該フィルター要素（１
２）間に位置決めされたスペーサー（２２）とを含む。
スペーサー（２２）は、フィルター要素（１２）の少な
くとも一方のの内径より大きく且つフィルター要素（２
２）の外径の約３分の１以上の開口部（２５）を有する
本体（２３）を含む。スペーサーは、開口部（２５）内
へ伸長する一切の構造体を有しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルター組立体に関
し、より詳細にはスペーサーにより分離された段積みさ
れたフィルター要素を含むフィルター組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のフィルター組立体は、中央ハブま
たは管に沿って段積みされた二つ以上の略円盤状のフィ
ルター要素を含むことができる。各フィルターの上面及
び下面は多孔質濾材で覆われ、中央管と連通する排水構
造体が各フィルターの上下濾材間に配置される。各対の
隣接するフィルター要素間にある一定の間隙を設けて配
列された一山のフィルター要素は、ハウジング内に囲繞
される。

【０００３】流体は、高温高圧でハウジングに供給され
るのが典型的である。流体は、隣接するフィルター要素
間の間隙に進入して、次いで各フィルター要素を覆う濾
材を通過する。流体が濾材を通過する時に、粒状体、凝
結体、ゲル等の望ましくない物質が流体から除去され
る。各フィルター要素の上下濾材を通過した後の濾過さ
れた流体は、次いで排水構造体に沿って中央管に流れ
て、該管を介してハウジングから流出する。

【０００４】これらの従来のフィルター組立体は、溶融
ポリマーまたはモノマー等の流体の濾過を含めた種々の
産業上の用途において有益である。しかしながら、これ
らの流体は、粘度が比較的高い（即ち、非常に濃い）の
が典型的であることから、流体が間隙内に流入して、濾
材を通過する時に、隣接するフィルター要素の濾材表面
間の間隙内で著しい圧力降下が発生する。隣接するフィ
ルター要素間の間隙の僅かな差及び間隙内への流量と間
隙内での流量の僅かな差が、フィルター要素の対向側の
間隙内での圧力降下をもたらす。このフィルター要素の
一方の側と他方の側との圧力降下の差がフィルター要素
を横断して加えられ且つフィルター要素の変形及び破損
さえも生じる程大きな力を発生させる。従って、これら
の従来のフィルター組立体にはしばしばスペーサーが用
いられる。スペーサーは、隣接するフィルター要素間の
間隙内に配置され、内側方向にハブまたは中央管まで伸
長する。スペーサーは、隣接するフィルター要素間の間
隙を等しく維持し、且つ、万一僅かな間隔差や僅かな流
量差によりある力が発生した場合には、一つのフィルタ
ー要素が隣接するフィルター要素に向かって変形される
のを防止する機能を果たす。

【０００５】

【発明が解決しようとする問題】不運なことに、従来の
スペーサーを備えたフィルター組立体には、幾つかの不
都合な点がある。例えば、スペーサーが隣接するフィル
ター要素間で且つハブに隣接して配置されることから、
スペーサーがフィルター要素間の流体の自由な流れを阻
害する。これにより、淀んだ領域及び死点が発生して、
フィルター組立体の効率が低下する。更に、スペーサー
が加圧流体及び該加圧流体による程ではないにしてもフ
ィルター要素の重量によりフィルター要素に押圧される
ことから、スペーサーが濾材を圧縮して、その広範な領
域にわたり濾材を「盲」（即ち、流体の通過を阻止）に
する。スペーサーのフィルター要素への取り付けが永久
的なものでない場合には、フィルター要素とスペーサー
が取り外され、洗浄され、且つ再度組立られる度に、濾
材の盲領域が増えて行く。これにより、フィルター組立
体の効率が漸次低下して行く。

【０００６】従来のスペーサーにはその他の不都合な点
がある。例えば、あるスペーサーは、中央ハブまたは管
の周りに取り付けられた中央リングからフィルター要素
のほぼ外径に至るまで半径方向外側に伸長する隔置部材
と共にフィルター要素間に配置される。しかしながら、
これらの半径方向部材により提供される支持は、径が増
大するとその間の距離が増大することから低下する。別
の従来のスペーサーは、その外径及び内径がそれぞれフ
ィルター要素ハブの外径及びフィルター要素の外径に合
致する網ワッシャーを備えている。上記に述べた種々の
不都合な点に加えて、これらのスペーサーの表面が隣接
するフィルター要素間の流体の流れに対して抵抗するこ
とになり、フィルター要素間での流体の滞留時間が増大
する。

【０００７】

【問題を解決するための手段】本発明は、第１及び第２
のフィルター要素間に配置され、第１のフィルター要素
の内径より大きく且つ該第１のフィルター要素の外径の
約３分の１以上の開口部を有する本体を備え、且つ該開
口部に伸長する構造体を有しないスペーサーを提供す
る。

【０００８】本発明は、更に、第１及び第２のフィルタ
ー要素間に配置可能であり、本体と、該本体から前記第
１及び第２のフィルター要素の少なくとも一方の外周ま
で外側方向に伸長する位置決め装置とを備えることを特
徴とするスペーサーを提供する。

【０００９】本発明は、また、入り口及び出口を有する
ハウジングと、該ハウジング内に段積みされた少なくと
も第１及び第２の略円盤状のフィルター要素であって、
各々のフィルター要素は、その外側で前記入り口と連通
し且つ段積みされたフィルター要素は、その中央溝で前
記出口と連通する少なくとも第１及び第２のフィルター
要素と、前記フィルター要素間に位置決めされ、前記第
１のフィルター要素の内径より大きく且つ該第１のフィ
ルター要素の外径の約３分の１以上である開口部を有す
る本体を含み且つ該開口部内へ伸長する構造体が一切な
いスペーサーとを備えることを特徴とするフィルター組
立体を提供する。

【００１０】本発明により提供されるスペーサーと、該
スペーサーを組み込んだフィルター組立体は、従来のス
ペーサーより有利な点を数多く提供する。例えば、本発
明のスペーサーは、隣接するフィルター要素間のハブ近
傍における流体の流れに対する妨害を最小限にして、淀
んだ領域や死点を排除する一方で、フィルター要素を十
分に支持する。スペーサーは、また、該スペーサーとフ
ィルター要素との接触を最小限にして、フィルター要素
の損傷や過度の盲化を防止する。

【００１１】

【実施例】図１に示すように、本発明により提供される
フィルター組立体１０は、概ね、ハウジング１１と、該
ハウジング１１内に段積みされた二以上のフィルター要
素１２とを備える。ハウジング１１は、入り口１３及び
出口１４を含み、該入り口１３及び出口１４との間に流
体の流路を画定する。各フィルター要素１２は、中央溝
１７を囲繞する有孔収集管１６を含むことが可能であ
る。フィルター要素１２は、更に、流体から望ましくな
い物質を除去するために該フィルター要素１２の両面の
外側の回りに取り付けられた多孔質フィルター２０を含
む。各フィルター要素１２の外側は、入り口１３と連通
し、中央溝１７は、出口１４と連通する。従って、入り
口１３を介してハウジング１１内へ流入する流体は、フ
ィルター要素１２の両側にある多孔質フィルター２０を
貫通して流れ、該フィルター２０において望ましくない
物質が除去される。濾過された流体は、次いでフィルタ
ー要素１２及びハブ１５を概ね半径方向に貫通して伸長
する一以上の通路に沿って通過し、収集管１６の孔を通
って中央溝１７内へ注いで、出口１４を介してフィルタ
ー組立体１０から流出する。米国特許第４，９０２，４
２０号に開示されている、及びポール社（Ｐａｌｌ Ｃ
ｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）より市販されているものを含め
た適当なハウジング及びフィルター要素を上記フィルタ
ー組立体に使用することが可能である。

【００１２】本発明は、また、隣接するフィルター要素
１２間に位置決めされたスペーサー２２を更に備えたフ
ィルター組立体１０を提供する。スペーサーは、自身が
存在しなければフィルター要素１２を変形させてしまう
可能性のある力に対してフィルター要素１２を支持する
と共に、隣接するフィルター要素１２間での流体の流れ
が妨害されるのを最小限にし且つ該フィルター要素１２
間に淀んだ領域または死点が形成されるのを防止するよ
うにフィルター要素１２を互いに均一に隔置しておく機
能を果たす。更に、スペーサー２２は、隣接するフィル
ター要素１２の多孔質フィルター２０を損傷せずに、ま
たは、過度に盲化せずにフィルター要素１２を支持す
る。

【００１３】図２に示すように、スペーサー２２の一実
施例は、概ね、波形本体２３と、隣接するフィルター要
素１２間の所定位置に波形本体２３を維持する位置決め
装置２４とを備える。波形本体２３は、収集管１６また
はハブ１５と収集管１６の双方が貫通伸長する開口部２
５を有する。該開口部の形状は、様々であっても良い
が、そのサイズは、スペーサー２２がハブ１５または収
集管１６いずれかから隔置されて接触しないように、ハ
ブ１５の径より少なくとも１０パーセント大きくするの
が好適である。更に、開口部２５のサイズは、フィルタ
ー要素１２の内径より大きく且つその外径の３分の１以
上であるのが好適である。

【００１４】波形本体は、様々な形状にすることが可能
であり、概ね、円形または三角形で、一以上の凸凹表面
を有する板を備えることが可能である。または、波形本
体は、唯一の波形リング、または好適には、図２に示す
ように、ストラット３２により接続された複数の入れ子
式に配置された波形リング３０、３１を備えることが可
能である。その場合開口部は、概ね円形であり、そのサ
イズは、最内側のリングの内径に合致する。本発明によ
り提供されるスペーサーの本実施例の円形リングは、従
来のスペーサーの半径方向外側に指向された射線より優
れている。円形リングは、リングの全円周に沿って隣接
するフィルター要素を完全に支持する。これに対して、
半径方向の射線は、特にフィルター要素の外径部におい
てその間の距離を大きくすることができるが、該外径部
においてはフィルター要素の支持は本質的になくなる。

【００１５】波形本体は、二以上のリングを備えること
が可能であるが、図１乃至図４に例示された実施例で
は、内側リング３０及び外側リング３１の二つのリング
のみが設けられている。二つのリング３０、３１は、段
積みされたフィルター要素１２を流体及び重力により発
生した力に対して完全に支持する。リングの数を二つに
限定することで隣接するフィルター要素１２間の流体の
流れに対する妨害を著しく低減し且つ多孔質フィルター
２０が盲にされるのを低減する。

【００１６】例示の実施例では、リング３０、３１は、
同心であり、比較的細い。外側リングの外径は、フィル
ター要素１２の径よりわずかだけ小さくするのが好適で
ある。従って、外側リング３１により流体及び重力によ
り加わる力が最大の効果を発揮するフィルター要素の外
側縁で支持が提供される。外側リングが各フィルター要
素１２の外側縁を支持し、ハブ１５が中央を支持する場
合、内側リング３０の内径をフィルター要素１２の外側
縁とハブ１５との間で最大の支持がもたらされるように
選択することが可能である。例えば、内側リング３０の
内径をフィルター要素１２の内径より大きく且つフィル
ター要素の外径の３３パーセント乃至６７パーセントの
範囲またはそれ以上とすることが可能である。更に、内
側リング３０の内径をハブ１５の径より少なくとも１０
パーセント大きくすることが好適である。更に、スペー
サー２２には開口部２５内へ伸長するいかなる構造体も
ないのが好適である。スペーサー２２をハブ１５及び収
集管１６から隔置すれば、ハブ１５の近傍で流体の流れ
に対する妨害がなくなり、死点または淀んだ領域の発生
がなくなり流体が隣接するフィルター要素１２間の最深
凹所内へ自由に流入する。

【００１７】例示した実施例の各波形リング３０、３１
は、ブレースにより連結された交互になった上部パッド
３０ａ、３１ａと下部パッド３０ｂ、３１ｂを備える。
上部パッド３０ａ、３１ａと下部パッド３０ｂ、３１ｂ
は、互いに交互になっていることから、多孔質フィルタ
ー２０の表面領域と細いリング３０、３１が実際に接触
することはほとんどない。従って、多孔質フィルター２
０がスペーサー２２により盲にされるのが最小限にされ
る。加えて、パッド３０ａ、３１ａ、３０ｂ、３１ｂ及
びブレース３０ｃ、３１ｃのこの配列により数多くの開
口部が提供される。従って、リング３０、３１が流れに
対する抵抗となることはほとんどない。ここにおいて
も、死点または淀んだ領域がなく、流体はリング３０、
３１内及びそれらを通して自由に流れて、フィルター要
素１２間での流体の滞留時間を最小限にする。上部パッ
ド３０ａ、３１ａの外側表面が上部フィルター要素１２
に接触する各リング３０、３１の上部表面３０ｄ、３１
ｄを画定し、下部パッド３０ｂ、３１ｂの外側表面が下
部フィルター要素１２に接触する各リング３０、３１の
下部表面３０ｅ、３１ｅを画定する。例示した実施例の
フィルター要素１２は、略平らであることから、リング
３０、３１の下部表面３０ｅ、３１ｅのみならず上部表
面３０ｄ、３１ｄが略同一平面上になる。フィルター要
素の形状がもっと不規則な場合には、内側及び外側リン
グの上部表面及び下部表面を弯曲させたり、または、異
なる平面に横たわるようにすることが可能である。

【００１８】リング３０、３１は、図３に示すようにリ
ング３０、３１間に伸長するストラット３２により互い
にしっかりと連結される。ストラットをさまざまな形状
にすることが可能であるが、リング間に十分な開口空間
を提供するように配置されるのが好適である。例えば、
例示した実施例では、隣接するリング３０、３１の上部
表面３０ｄ、３１ｄ及び下部表面３０ｅ、３１ｅが囲繞
体を画定し、且つ、ストラット３２が図４に示すよう
に、囲繞体外側境界から隔置されたリング３０、３１間
に半径方向に伸長するのが好適である。従って、スペー
サー２２が隣接するフィルター要素１２間に挟持される
時に、ストラット３２と上部及び下部フィルター要素１
２との間に開口部ができる。これらの開口部が流体の流
れに対する抵抗のみならず多孔質フィルター２０の盲化
及びフィルター要素１２間での流体の滞留時間を最小限
にする。

【００１９】スペーサー２２の位置決め装置２４は、隣
接するフィルター要素１２間の所定位置に波形本体２３
を維持する機能を果たし、様々な形状にすることが可能
である。例えば、位置決め装置は、各フィルター要素の
外周がストッパーとして機能するように隣接するフィル
ター要素の一方または双方の外周に対向するように配置
することが可能である。フィルター要素と対向する位置
決め装置の部分をフィルター要素の外周から隔置して波
形本体２３をフィルター要素１２間で横方向に移動でき
るようにすることが可能である。しかしながら、好適な
実施例では、位置決め装置２４がフィルター要素の外周
と係合して波形本体２３の横方向の動きが阻止されるよ
うにされている。

【００２０】フィルター要素の外周に対向する位置決め
装置は、例えば、隣接するフィルター要素１２の一方ま
たは双方を超えて伸長し且つ該要素に対向する略環状の
リップとして構成することを含めて様々な方法で構成す
ることが可能である。図１乃至図４に例示した実施例で
は、位置決め装置２４は、最外側リング３１から外側方
向にフィルター要素１２を僅かに超えて伸長し且つ隣接
するフィルター要素１２の一方にのみに対向する複数の
周方向に隔置されたフィンガーを備える。フィンガー３
３は、ストラット３２の半径方向延長部として示されて
いるが、ストラット３２から周方向に位置をずらした外
側リング３１から伸長するようにすることが可能であ
る。各々のフィンガー３３は、例えば上部パッド３１ａ
等のパッドから外側方向に伸長する半径方向突起３４
と、フィルター要素１２と対向する軸方向に伸長するフ
ランジ３５とを含む。スペーサーは、フィルター要素に
積極的に取り付けられる必要はないが、フランジ３５及
び隣接するフィルター要素１２間の圧縮力により所定位
置に簡単に保持されることが可能である。これにより、
スペーサーが容易に取り外され、洗浄されて、フィルタ
ー組立体に再度組付けられることが可能となる。例え
ば、図１乃至図４の実施例では、フィンガー３３が全て
のフランジ３５がフィルター要素１２の外周に係合且つ
滑り嵌めするような寸法にされる。フランジ３５は、フ
ィルター要素の外周に引掛けられるようにすることが可
能であり、または、フィルター要素１２がどのフランジ
３５よりも上方に且つその上に移動できないように軸方
向に十分に遠くまで伸長させることも可能である。

【００２１】または、スペーサーを、例えばフィルター
要素の外周に溶接して積極的にフィルター要素に取り付
けることが可能である。図５に示すように、第２の位置
決め装置２４′が図１乃至図４に示した第１の位置決め
装置のフィンガーに類似した複数の周方向に隔置された
フィンガー３３′を備えることが可能である。しかしな
がら、第２の位置決め装置２４′のフランジ３５′は第
１の位置決め装置２４のフランジより短くすることが可
能である。第２の位置決め装置２４′のフランジ３５′
は、フィルター要素１２の外周の溶接部３６内へ伸長す
るのに十分な長さにされて、スペーサーをフィルター要
素に積極的に取り付ける。

【００２２】また図５に示す第３の位置決め装置２４″
は、第２の位置決め装置２４′に類似しているが、フィ
ンガー３３″は、フランジを含まない。代わりに、半径
方向突起３４″がフィルター要素１２の表面に沿って且
つフィルター要素１２の外周の溶接部内へ伸長して、ス
ペーサーが積極的にフィルター要素に取り付けられる。

【００２３】スペーサーは、また、更に、図５に示すよ
うに、一以上のクリップ４０を含む第４の位置決め装置
２４′″によりフィルター要素に積極的に取り付けられ
ることが可能である。第４の位置決め装置２４′″は、
複数の周方向に隔置されたフィンガー３３′″を含み、
あるフィンガーは、半径方向突起３４′″と該半径方向
突起３４′″の端部のばねクリップ４０とを含む。任意
数のフィンガーがばねクリップを含むことが可能である
が、好適な実施例では、１２０°に隔置されたたった三
つのばねクリップ４０を含んでいる。ばねクリップ４０
は、半径方向突起と一体に成形することが可能である。
しかしながら、好適な実施例では、ばねクリップ４０
は、別個の要素であり、例えば溶接により半径方向突起
３４′″の端部に固定された長い中子４１を有する。ば
ねクリップ４０は、更にフィルター要素の外周に対向し
且つ該外周に結合するクリップ部４２を有する。全ての
クリップ部４２軸方向に同一方向に伸長して、スペーサ
ーが隣接するフィルター要素の双方に結合されるのを可
能にする。

【００２４】ばねクリップ４０によりスペーサーをフィ
ルター要素１２に積極的に取り付けるに就いては幾つか
の利点がある。流体がフィルター組立体を貫通して流れ
る最中にばねクリップ４０によりスペーサーを確実に所
定位置に維持することができるが、ばねクリップ４０を
フィルター要素から容易に取り外すことができ、取り外
し、洗浄及び再取り付けが容易になる。

【００２５】スペーサーは、フィルター要素を支持する
のに十分な構造的結合性を有し、濾過中の流体に適し
た、且つ、遭遇する処理状況に耐えることのできる任意
の材料から形成することが可能である。例えば、低温度
の用途では、スペーサーは、射出成形されたプラスチッ
ク等の高分子材料から形成されることが可能であり、高
温の用途では、鋼板から打ち抜かれてダイの中で波形に
されたステンレス鋼等の金属から形成されることが可能
である。ステンレス鋼やインコネル（Ｉｎｃｏｎｅ
ｌ^TM）等の金属合金が好適な材料である。スペーサーが
ばねクリップを含む場合には、スペーサー全体または好
適にはばねクリップのみをばね鋼で仕上げることが可能
である。

【００２６】図６に示すように、本発明を具現化したス
ペーサー２２′は、一つのリング３１′のみを備える
が、その他の点では図２に示すスペーサー２２に非常に
類似している。（二つの実施例の対応する要素は同一符
号で表される。）例えば、前記した位置決め装置のいず
れかを第２のスペーサー２２′に含めることが可能であ
る。

【００２７】フィルター要素の径が小さい場合には、フ
ィルター要素１２を支持するには唯一のリング３１′で
十分である。唯一のリング３１′の外径は、フィルター
要素１２の径より小さいが、フィルター要素１２の外側
縁に沿って支持するのを可能にするのに十分な大きさで
あるのが好適である。更に、リングの数を一つに限定す
ることで、隣接するフィルター要素間の流体の流れに対
する抵抗を著しく低減し且つフィルター要素１２の盲化
を最小限にできる。

【００２８】図７に示すように、本発明を具現化する第
３のスペーサー２２″は、第２のスペーサー２２′のリ
ング３１′に類似した唯一のリング３１″等の波形本体
のみを含む。特に、第３のスペーサー２２″は、位置決
め装置を有しない。ある用途では、例えば、フィルター
組立体が機械的振動を殆ど起こさない場合、または、隣
接するフィルター要素間の圧縮力が大きい場合には、第
３のスペーサー２２″を位置決め装置なしに所定位置に
確実に維持することが可能である。これにより、更に隣
接するフィルター要素１２間の流体の流れに対する抵抗
が低減され且つフィルター要素１２の盲化が最小限にさ
れる。

【００２９】第１のスペーサーと同様に、第２及び第３
のスペーサー２２′、２２″のそれぞれんのリング３
１′、３１″の内径は、フィルター要素１２の内径より
も大きく且つ該フィルター要素の外径の約３分の１以上
にすることが可能である。更に、各リング３１′、３
１″の内径は、ハブ１５の径より少なくとも１０パーセ
ント大きくすることが好適である。従って、第２及び第
３のスペーサー２２′、２２″は、ハブ１５とスペーサ
ー２２″との間に十分な空間を提供する開口部２５′、
２５″を画定する。更に、第２及び第３のスペーサー２
２′、２２″は、開口部２５′、２５″内に伸長する一
切の構造体を有しない。従って、ハブの近傍では流体の
流れを妨害するものはなく、死点または淀んだ領域がな
く流体は、隣接するフィルター要素間の最深の凹所内へ
自由に流入する。

【００３０】本発明を幾つかの実施例に就いて説明して
きたが、本発明は、かかる実施例に限定されるものでは
ない。前記に教示したことに鑑み、と業者が依然として
本発明の範囲内である別の実施例及び修正をなすことは
可能である。従って、本書冒頭の特許請求の範囲は、該
特許請求の範囲に規定された如く本発明の精神及び範囲
内に含めることが可能である別の実施例、修正例または
同等例を網羅するようにされたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の提供するフィルター組立体を示す側面
図である。

【図２】図１のフィルター組立体のスペーサーの平面図
である。

【図３】図２のスペーサーの一部斜視図である。

【図４】図３の線IV−IVに沿ったスペーサーの断面図で
ある。

【図５】別の位置決め装置を示す段積みされたフィルタ
ー要素の一部側面図である。

【図６】本発明の提供する第２のスペーサーの平面図で
ある。

【図７】本発明の提供する第３のスペーサーの平面図で
ある。

【符号の説明】

１０ フィルター組立体、 １２ フィルター要素、２
２ スペーサー、 ２３ 本体、 ２５ 開口部

Claims (30)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１及び第２のフィルター要素間に位置
   決め可能なスペーサーにおいて、前記第１のフィルター
   要素の内径より大きく且つ該第１のフィルター要素の外
   径の約３分の１以上である開口部を有する本体を備え、
   該開口部内へ伸長する構造体が一切ないことを特徴とす
   るスペーサー。
2. 【請求項２】 前記本体が波形であることを特徴とする
   請求項１に記載のスペーサー。
3. 【請求項３】 前記本体が唯一のリングより成り、且つ
   前記リングから外側方向に伸長する構造体を一切有しな
   いことを特徴とする請求項１に記載のスペーサー。
4. 【請求項４】 前記本体が少なくとも一つのリングを含
   むことを特徴とする請求項１に記載のスペーサー。
5. 【請求項５】 前記本体が互いに連結された複数の入れ
   子式リングを含むことを特徴とする請求項１に記載のス
   ペーサー。
6. 【請求項６】 前記本体が二つ以下のリングを含むこと
   を特徴とする請求項５に記載のスペーサー。
7. 【請求項７】 最内側のリングの径が前記開口部を画定
   することを特徴とする請求項５に記載のスペーサー。
8. 【請求項８】 前記最外側のリングの外径が第１のフィ
   ルター要素の径よりほんの僅かに小さいことを特徴とす
   る請求項５に記載のスペーサー。
9. 【請求項９】 前記リングの各々が第１の表面を有し、
   該第１の表面が同一平面上にあることを特徴とする請求
   項５に記載のスペーサー。
10. 【請求項１０】 前記リングの各々が前記第１の表面に
    対向する第２の表面を有し、該第２の表面が同一平面上
    にあることを特徴とする請求項９に記載のスペーサー。
11. 【請求項１１】 前記本体が前記リング間に伸長し且つ
    該リングに接触する一以上のストラットを更に備えるこ
    とを特徴とする請求項５に記載のスペーサー。
12. 【請求項１２】 前記ストラットが前記リング間を半径
    方向に伸長することを特徴とする請求項１１に記載のス
    ペーサー。
13. 【請求項１３】 各リングが第１及び第２の対向する表
    面を有し、隣接するリングの該第１及び第２の表面が囲
    繞体を画定し、前記ストラットが前記囲繞体内の前記隣
    接するリング間に伸長し且つ前記囲繞体の外側境界から
    隔置されていることを特徴とする請求項１１に記載のス
    ペーサー。
14. 【請求項１４】 前記本体から外側方向に前記第１のフ
    ィルター要素の少なくとも一方の外周まで伸長する位置
    決め装置を更に備えることを特徴とする請求項１に記載
    のスペーサー。
15. 【請求項１５】 前記位置決め装置が複数のフィンガー
    を含むことを特徴とする請求項１４に記載のスペーサ
    ー。
16. 【請求項１６】 少なくとも一つのフィンガーが前記リ
    ングから半径方向外側に伸長する突起と、該突起から軸
    方向に伸長するフランジとを含むことを特徴とする請求
    項１５に記載のスペーサー。
17. 【請求項１７】 前記フランジが前記一方のフィルター
    要素の外周に対向するように配置されることを特徴とす
    る請求項１６に記載のスペーサー。
18. 【請求項１８】 少なくとも一方のフィンガーがばねク
    リップを含むことを特徴とする請求項１５に記載のスペ
    ーサー。
19. 【請求項１９】 各フィンガーが半径方向の突起より成
    ることを特徴とする請求項１５に記載のスペーサー。
20. 【請求項２０】 第１及び第２のフィルター要素間に配
    置可能でるスペーサーにおいて、本体と、該本体から外
    側方向に前記第１及び第２のフィルター要素の少なくと
    も一方の外周まで伸長する位置決め装置とを備えること
    を特徴とするスペーサー。
21. 【請求項２１】 入り口及び出口を有するハウジング
    と、 該ハウジング内に段積みされた少なくとも第１及び第２
    の略円盤状のフィルター要素であって、各々のフィルタ
    ー要素は、その外側で前記入り口と連通し且つ段積みさ
    れたフィルター要素は、その中央溝で前記出口と連通す
    る少なくとも第１及び第２の略円盤状のフィルター要素
    と、 前記フィルター要素間に位置決めされ、前記第１のフィ
    ルター要素の内径より大きく且つ該第１のフィルター要
    素の外径の約３分の１以上である開口部を有する本体を
    含み且つ該開口部内へ伸長する構造体が一切ないスペー
    サーとを備えることを特徴とするフィルター組立体。
22. 【請求項２２】 前記本体が波形であることを特徴とす
    る請求項２１に記載のフィルター組立体。
23. 【請求項２３】 前記本体が少なくとも一つのリングを
    備え、前記開口部が該リングの内径により画定される円
    形穴を備えることを特徴とする請求項２１に記載のフィ
    ルター組立体。
24. 【請求項２４】 前記本体が互いに連結された複数の入
    れ子式リングを備え、前記開口部が最内側のリングの内
    径により画定される円形穴を備えることを特徴とする請
    求項２１に記載のフィルター組立体。
25. 【請求項２５】 各リングが前記第１及び第２のフィル
    ター要素とそれぞれ接触する第１及び第２の表面を含
    み、前記本体が前記リング間に伸長し且つ前記第１及び
    第２の双方のフィルター要素から隔置されたストラット
    を更に含むことを特徴とする請求項２４に記載のフィル
    ター組立体。
26. 【請求項２６】 前記スペーサーが前記本体から外側方
    向に伸長する複数のフィンガーを備える位置決め装置を
    含むことを特徴とする請求項２１に記載のフィルター組
    立体。
27. 【請求項２７】 少なくとも一つのフィンガーが前記フ
    ィルター要素の少なくとも一方に積極的に取り付けられ
    ることを特徴とする請求項２６に記載のフィルター装
    置。
28. 【請求項２８】 少なくとも一つのフィンガーが前記一
    方のフィルター要素に取り外し自在に取り付け可能なば
    ねクリップを含むことを特徴とする請求項２７に記載の
    フィルター組立体。
29. 【請求項２９】 前記一つのフィンガーが前記一方のフ
    ィルター要素の外周に溶接されることを特徴とする請求
    項２７に記載のフィルター組立体。
30. 【請求項３０】 前記少なくとも一つのフィンガーが軸
    方向に伸長するフランジを含み且つ前記フィルター要素
    の少なくとも一方に対向するように配置されることを特
    徴とする請求項２１に記載のフィルター組立体。