JPS6351080B2 - - Google Patents
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Landscapes
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Description
本発明は、家庭下水、工場廃水などの有機性廃
液からBODと同時にリンを除去するための嫌気
一好気活性汚泥法と称される生物学的脱リン技術
としての処理法の改良に関するものである。 従来嫌気−好気活性汚泥法には窒素除去をも包
含した複雑な工程構成をとる変法もあるが、基本
的技術は嫌気槽と好気槽の2反応槽および最終沈
殿池からなり、この嫌気槽はO2もNO- xも実質的
には存在せず、白金−カロメル電極で測定した酸
化還元電位が−360mV(EH値でおよそ−130m
V)以下の嫌気度にあることが必要である。この
ような条件下にある嫌気槽に被処理液と最終沈殿
池から返送する活性汚泥とを混合撹拌すると、活
性汚泥に生息する脱リン菌とも言うべきリン蓄積
性のBOD酸化菌がその細胞内に存在するボリリ
ン酸をPO3- 4(正リン酸)に加水分解し、その際に
放出されるエネルギーを利用して被処理液中の
BODの一部を非酸化的に摂取し、細胞内有機物
に転化する。このようにして生成された嫌気処理
済混合液は後続の嫌気槽に導かれ、ここで酸素含
有気体の気曝を受ける。この気曝処理によつて、
脱リン菌は残留するBODと細胞内有機物を酸化
する一方、その酸化によつて得られるエネルギー
を利用して細胞外に存在する正リン酸を細胞内に
摂取しボリリン酸を合成する。BOD酸化の点か
らはこの嫌気槽が標準活性汚泥法の曝気槽に相当
し、BOD除去が完遂されるためには、系全体に
流入するBOD量(被処理液の持込むBOD量)(F)
と好気槽に存在する活性汚泥(MLSS)量(M)
の比、すなわちF/M比が限界値以下であること
が不可欠である。この限界値は被処理液の種類、
処理液温によつても異なるが、家庭下水処理の場
合には0.5Kg−BOD/Kg−MLSS×日程度である。
このような条件下にある好気槽でBOD除去が完
遂されたPO3- 4が低減した好気処理済混合液は最
終沈殿池に導かれ、ここで処理液と返送用の濃縮
活性汚泥に分離される。 従つて嫌気−好気活性汚泥法でその処理機能、
とりわけリン除去の機能を担うのは脱リン菌(リ
ン蓄積性BOD酸化菌)である。この微生物はO2
やNO- xの存在する状態では通常の好気性菌ない
し脱窒菌と同様に酸素呼吸やNO- x呼吸(脱窒)
を行なつて有機物を酸化し、そのエネルギーで生
活するが、特異的生理として細胞内にポリリン酸
を蓄積する習性があり、O2やNO- xなど不在在の
呼吸不能状態にあつても、このポリリン酸を加水
分解してBOD摂取に必要な能動輸送エネルギー
を獲得することができる。ポリリン酸を蓄積しな
い通常の好気性菌や脱窒菌には、このような呼吸
不能状態下でBOD摂取を行なう能力はない。そ
れゆえに嫌気−好気活性汚泥法の嫌気槽は、リン
蓄積性菌のみが被処理液中のBODを独占的に摂
取でき、それ故に、この槽の存在によつて活性汚
泥中の卓越微生物種を脱リン菌とすることができ
る。換言すれば嫌気槽は脱リン菌を卓越種として
淘汰選択する淘汰槽の役割を果たす。 脱リン菌を淘汰する嫌気槽では単に動的平衡と
してO2やNO- xが不在であるばかりでなく、これ
らの物質の流入を極力制限することが好ましい。
なぜならO2やNO- xが流入すれば非リン蓄積性の
好気性菌ないし脱窒菌が酸素呼吸ないしNO- x呼
吸と共役しながら被処理液中のBODを摂取し酸
化できるので、それだけ嫌気槽の淘汰力は弱まる
からである。これら2物質のうちO2の流入は容
易に防止できる。O2は水中に生息する微生物の
呼吸基質であるので、被処理液や返送汚泥に有意
量が存在することはあり得ない。またO2は水に
容易に溶解しない気体であるので、嫌気槽に覆蓋
を設けるまでもなく、液面の乱れを少なくするだ
けで大気よりの流入を防止できる。 酸素に比べてNO- xの流入防止には難しい面が
ある。特殊な工場廃水でもない限りNO- xも被処
理液に含まれることはない。しかし返送汚泥には
往々NO- xが存在する。すなわち被処理中のNH+ 4
などの窒素化合物が好気槽で硝化を受けてNO- x
に転換され、それが最終沈殿池においても脱窒し
きれずに返送汚泥に残留する。被処理液の窒素濃
度が低い場合や硝化が不十分な場合には、最終沈
殿池を大水深の円形沈殿池にし、そこに返送用活
性汚泥を比較的長時間滞留させることによつて脱
窒を促進し、そのことによつて返送汚泥への
NO- x残留を防止することができる。しかし、被
処理液の窒素濃度が高く、硝化が十分に進んだ場
合や、大量の活性汚泥の貯留ができない横流式沈
殿池を最終沈殿池に用いた場合には、最終沈殿池
での脱窒作用だけでは返送用汚泥に含まれる
NO- xを除去しきれず、返送汚泥に随伴してNO- x
が嫌気槽に流入し、脱リン菌の選択淘汰に障害を
引き起こすことになる。 もつとも、この流入NO- x量が被処理液ととも
に流入するBOD量に対し、相対的に少量である
ならばNO- x呼吸によつてBODが消費されてもな
お脱リン菌を淘汰するだけのBOD量が残留し、
嫌気度も所要値以下に維持できる。したがつて、
返送汚泥にNO- xが残留する危惧がある場合には、
たとえば嫌気槽での酸化還元電位などの嫌気度指
標を看視して、返送汚泥量を制御すればよい。実
際、発明者らが家庭下水を被処理液として行なつ
たパイロツトプラント実験では、このような制御
を採用することによつて一度悪化したリン除去を
回復することができた。しかし、不都合なこと
に、このような制約を設けた返送汚泥量では、嫌
気槽ばかりでなく好気槽の活性汚泥(MLSS)濃
度も低下し、そこでのF/M比を限界値以下にす
ることができずそのBOD除去は二次処理として
は不十分なものになる。 本発明は嫌気槽へのNO- x流入量を制御するこ
とと好気槽の活性汚泥(MLSS)濃度を高めると
いう二操作の二律背反を解決するためになされた
もので、返送汚泥を二部に分け、その一部は嫌気
槽に、また他の一部は好気槽に導いて処理するこ
とにより前記問題点を適確に除去でき嫌気槽にお
けるNO- x障害を軽減ないし排除し、なおかつ好
気槽におけるF/M比を所要値に容易に維持して
効果的にBODとリンとを除去できる嫌気−好気
活性汚泥法を提供することにある。 本発明は、最終沈殿池からの返送汚泥の全量又
は一部を二つに分けて嫌気槽に導かれる第1返送
汚泥の返送量を嫌気槽での嫌気度(酸化還元電
位)を指標として制御し、好気槽へ導かれる第2
返送汚泥の返送量は好気槽におけるF/M比を指
標として制御することを特徴としている。 本発明をBODとリンを主たる除去対象とした
場合の活性汚泥法に適用した場合の一の実施例態
様を第1図に示し、また、窒素除去をも包含する
循環式硝化脱窒法に本発明を適用した場合の一実
施態様を第2図に示した例で説明する。 第1図例において家庭下水などのリンを含む有
機性廃液である被処理液11は、撹拌機21を必
要に応じ設けられる嫌気槽1に導かれ、ここで最
終沈殿池3より送られる第1返送汚泥15と混合
される。この嫌気槽1の施設構造としては従来の
嫌気−好気活性汚泥法で用いられてきた技術がそ
のまま利用できるが、とりわけ重要な点は嫌気槽
1を図にみるように画室化するか、もしくは流下
方向に長い槽にして、槽内混合液の混合型式を擬
似栓流となすことである。このような槽形状をと
ることによつて第1返送汚泥15に随伴して流入
してくるNO- xは嫌気槽1の前半部で完全に脱窒
され、少なくとも後半部においては、NO- x不在
で呼吸不能な酸化還元電位の低い状態が実現でき
る。この場合酸化還元電位を指標として第1返送
汚泥15を制御することが重要である。たとえ
ば、第1返送汚泥15のNO- x濃度が高く、その
ために流入するNO- x量=流量×NO- x濃度が被処
理液11とともに流下してくるBOD量に比し相
対的に多い場合には嫌気槽の酸化還元電位が上昇
し、時として脱リン菌の淘汰に必要な嫌気度(リ
ン放出が開始する酸化還元電位は白金−カロメル
電極で測定した場合およそ−360mV)が維持で
きなくなる。このような場合には第1返送汚泥1
5の流量を低減させればよい。これはマニユアル
で制御してもよいが、第1図例のごとく嫌気槽1
に設置した酸化還元電位計5から制御信号をとり
だし、電気的に第1返送汚泥15のポンプP1の
ポンプ流量を自動制御することもできる。制御目
標の酸化還元電位は酸化還元電位計5の設置点に
よつて異なる。たとえば第1図例のごとく嫌気槽
1の前半部に設置した場合には、脱窒が終了し、
リン放出が開始された証左である−360mV以下
を目標にすればよいが、嫌気槽1の末端部に設置
した場合には、リン放出が十分になされた証左で
あるおおむね−450mV以下を目標とするのがよ
い。このような制御により、たとえ第1返送汚泥
15に高濃度のNO- xが残留しようとも、嫌気槽
1の少なくとも後半部には脱リン菌淘汰の条件が
維持でき、被処理液11のBODの一部が活性汚
泥に非酸化的に摂取されるとともに活性汚泥から
PO3- 4が放出される。 このようにして生成された嫌気槽から出る嫌気
処理済混合液12は後続の散気機構20のある好
気槽2に導かれ、ここでポンプP2で送られる第
2返送汚泥16と接触混合される。好気槽2は酸
素含有気体で気曝されており、嫌気処理済混合液
12および第2返送汚泥16に含まれる活性汚泥
が嫌気槽1で摂取しきれなかつたBODを摂取し、
酸化分解すると同時に、この際に生成されるエネ
ルギーの一部を利用して細胞外に存在するPO3- 4
を細胞内に摂取し、ポリリン酸化する。好気槽2
の操作条件のうち、最も重要なのは、1日分の被
処理液がシステム全体に持込むBOD量〔Kg−
BOD/日〕と好気槽2に存在する活性汚泥量
〔Kg−MLSS〕の比、すなわちF/M比である。
PO3- 4なかんずくBODの除去を完遂せしめるため
には、このF/M比を0.5Kg−BOD/Kg−MLSS
×日以下にする必要がある。返送汚泥にNO- xが
高濃度に存在すると第1返送汚泥15の量を低減
せざるを得ず、そのために嫌気処理済混合液12
によつて持込まれる活性汚泥は少量になり、それ
単独では、好気槽2内の活性汚泥濃度を高くする
ことができず、前記F/M比の制約を遵守しよう
とするならば、好気槽2の施設規模は十分に大き
くしなければならなくなる。しかし、その活性汚
泥量の不足分をポンプP2で流量制御される第2
返送汚泥16が補填し、容易に高い活性汚泥濃度
を維持でき、それによつて小容量の好気槽2であ
つても所要のF/M比を得ることができる。 以上のような操作によつてBODと溶解性リン
が低減した好気処理済混合液13は掻寄機23の
ある最終沈殿池3に導かれここで固液分離処理を
受け、処理液14と返送用の濃縮汚泥に分けられ
る。嫌気−好気活性汚泥法での最終沈殿池3の構
造として大量の活性汚泥を貯留できない横流式沈
殿池を用いても返送汚泥にNO- xの残留が許容で
きるので可能である。なお、余剰汚泥17の排出
点は、第1図例のごとく最終沈殿池3としてもよ
く、好気処理済混合液13の一部を余剰汚泥とし
てもよい。 本発明は、窒素除去をも包含した循環式硝化脱
窒法にも適用できる。例えば嫌気−好気活性汚泥
法の原理を利用して、リン除去をも行なう循環式
硝化脱窒法は、第2図にみるごとく撹拌機21の
ある嫌気槽1と好気槽2の間に脱窒槽4が配備さ
れ、この好気槽2で生成されたNO- xを脱窒する
ために好気槽2で硝化処理(NH+ 4のNO- xへの酸
化)を受けた好気処理済混合液を循環液18とし
てポンプP3で返送している。この処法にあつて
は前記好気槽2での硝化は不可欠であり、たとえ
ば、被処理液のBOD量の不足によつて脱窒槽4
での脱窒が不調であつたりすると、返送汚泥には
高濃度のNO- xが残留する。また、好気槽2での
硝化を完遂するためには好気槽2のF/M比を、
嫌気−好気活性汚泥法で所要とされるF/M比範
囲よりもはるかに低いF/M比範囲(液温にもよ
るがおおむね0.2Kg−BOD/Kg−MLSS×日以下)
に設定しなければならず、それだけ好気槽2の活
性汚泥濃度を高くしなければならない。このこと
は返送汚泥をもつぱら嫌気槽1に返送していた従
前の技術にあつては、大量の返送汚泥を嫌気槽に
送ることになり、それだけ大量のNO- xが嫌気槽
1に混入するおそれが多くなることを意味してい
る。従つて、本発明をこの処理に適用すること
は、極めて有意義である。以下本発明をリン除去
をも含めた循環硝化脱窒法に適用した一実施態様
を第2図例に従つて簡単に説明すると、第2図例
の嫌気槽1の操作要件とそこで生起される生物反
応は第1図例のそれと基本的には同一であるが第
2図例では酸化還元電位計5を嫌気槽1の末端部
に設置しており、前述したようにこの場合には、
その酸化還元電位を−450mV以下にすべく第1
返送汚泥15の流量を制御すればよい。そして
PO3- 4が増加し、BODが低減した溶液と細胞内有
機物が増加した活性汚泥かららなる嫌気処理済混
合液12は脱窒槽4に流下し、ここで第2返送汚
泥16と循環液18と撹拌機24で混合される。
第2返送汚泥16は好気槽2にポンP2で返送し
ても良い脱窒速度を高め脱窒槽4をよりコンパク
トにできる点から脱窒槽4に返送した方が好まし
い。該脱窒槽4では活性汚泥は溶液に残留する
BODと細胞内有機物を水素供与体として、循環
液18に含まれるNO- xの少なくとも一部を脱窒
する。この脱窒反応はNO- x呼吸にほかならず、
活性汚泥はこの過程でもポリリン酸の合成を開始
して、溶解性リンの一部を細胞内に摂取する。脱
窒処理が終了し、BODと細胞内有機物さらには
PO3- 4が低減した脱窒済混合液19は好気槽2に
流下しここで散気機構20の気泡で気曝される。
この好気槽2ではBODと細胞内有機物が更に酸
化され、それと並行してPO3- 4が更に低減すると
ともにNH+ 4などの還元性窒素化合物がNO- xに酸
化される。このようなNO- xへの酸化、すなわち
硝化を完遂せしめることは硝化脱窒処理にとつて
不可欠であり、そのためには前記好気槽2のF/
M比を十分に低くして汚泥日令を長くしなければ
ならない。完全硝化のためのF/M比の上限は被
処理液組成や液温によつてもことなるが、家庭下
水を被処理液11とし液温が15℃前後の場合0.20
Kg−BOD/Kg−MLSS×日である(ここでFは
システム全体に負荷されるBOD流入量〔Kg−
BOD/日〕として、Mは好気槽2に存在する
MLSSで表示される活性汚泥量〔Kg−MLSS〕と
して計算される)。この上限値は液温の低下とと
もに縮小する傾向にあるが、いずれにしても循環
式硝化脱窒法における好気槽のF/M比制約は
BODとリンだけを主たる除去対象とした嫌気−
好気活性汚泥法のそれよりも厳しいものになり、
それだけ汚泥返送率(第1返送汚泥15と第2返
送汚泥16の流量の合計を被処理液11の流量で
除した値)を大きくする必要がある。このような
条件にあつて硝化処理を受け、BODとPO3- 4が十
分に低減した好気処理済混合液13は最終沈殿池
3に導かれ、ここで処理液14と返送用の濃縮活
性汚泥に分離させるのがよい。 本発明は嫌気槽におけるNO- x障害を軽減ない
し排除し、なおかつ好気槽におけるF/M比を所
要値に容易に維持して効果的にBODとリンとを
除去できると共に安定した運転操作が可能でリン
除去率も大巾に向上し処理設備も制約がなく能率
的で経済的な処理ができる利益がある。 次に本発明の実施例を比較例と対照させて述べ
る。 比較例 発明者らは住宅団地より排出される家庭下水を
被処理液として従前の嫌気−好気活性汚泥法を実
験的に検討してきた。この実験過程でそれまでは
円形クラリフアイヤ型沈殿池であつた最終沈殿池
を、下水処理場で多用されている横流式沈殿池に
切替えた。このときの実験施設規模を第1表に示
す。
液からBODと同時にリンを除去するための嫌気
一好気活性汚泥法と称される生物学的脱リン技術
としての処理法の改良に関するものである。 従来嫌気−好気活性汚泥法には窒素除去をも包
含した複雑な工程構成をとる変法もあるが、基本
的技術は嫌気槽と好気槽の2反応槽および最終沈
殿池からなり、この嫌気槽はO2もNO- xも実質的
には存在せず、白金−カロメル電極で測定した酸
化還元電位が−360mV(EH値でおよそ−130m
V)以下の嫌気度にあることが必要である。この
ような条件下にある嫌気槽に被処理液と最終沈殿
池から返送する活性汚泥とを混合撹拌すると、活
性汚泥に生息する脱リン菌とも言うべきリン蓄積
性のBOD酸化菌がその細胞内に存在するボリリ
ン酸をPO3- 4(正リン酸)に加水分解し、その際に
放出されるエネルギーを利用して被処理液中の
BODの一部を非酸化的に摂取し、細胞内有機物
に転化する。このようにして生成された嫌気処理
済混合液は後続の嫌気槽に導かれ、ここで酸素含
有気体の気曝を受ける。この気曝処理によつて、
脱リン菌は残留するBODと細胞内有機物を酸化
する一方、その酸化によつて得られるエネルギー
を利用して細胞外に存在する正リン酸を細胞内に
摂取しボリリン酸を合成する。BOD酸化の点か
らはこの嫌気槽が標準活性汚泥法の曝気槽に相当
し、BOD除去が完遂されるためには、系全体に
流入するBOD量(被処理液の持込むBOD量)(F)
と好気槽に存在する活性汚泥(MLSS)量(M)
の比、すなわちF/M比が限界値以下であること
が不可欠である。この限界値は被処理液の種類、
処理液温によつても異なるが、家庭下水処理の場
合には0.5Kg−BOD/Kg−MLSS×日程度である。
このような条件下にある好気槽でBOD除去が完
遂されたPO3- 4が低減した好気処理済混合液は最
終沈殿池に導かれ、ここで処理液と返送用の濃縮
活性汚泥に分離される。 従つて嫌気−好気活性汚泥法でその処理機能、
とりわけリン除去の機能を担うのは脱リン菌(リ
ン蓄積性BOD酸化菌)である。この微生物はO2
やNO- xの存在する状態では通常の好気性菌ない
し脱窒菌と同様に酸素呼吸やNO- x呼吸(脱窒)
を行なつて有機物を酸化し、そのエネルギーで生
活するが、特異的生理として細胞内にポリリン酸
を蓄積する習性があり、O2やNO- xなど不在在の
呼吸不能状態にあつても、このポリリン酸を加水
分解してBOD摂取に必要な能動輸送エネルギー
を獲得することができる。ポリリン酸を蓄積しな
い通常の好気性菌や脱窒菌には、このような呼吸
不能状態下でBOD摂取を行なう能力はない。そ
れゆえに嫌気−好気活性汚泥法の嫌気槽は、リン
蓄積性菌のみが被処理液中のBODを独占的に摂
取でき、それ故に、この槽の存在によつて活性汚
泥中の卓越微生物種を脱リン菌とすることができ
る。換言すれば嫌気槽は脱リン菌を卓越種として
淘汰選択する淘汰槽の役割を果たす。 脱リン菌を淘汰する嫌気槽では単に動的平衡と
してO2やNO- xが不在であるばかりでなく、これ
らの物質の流入を極力制限することが好ましい。
なぜならO2やNO- xが流入すれば非リン蓄積性の
好気性菌ないし脱窒菌が酸素呼吸ないしNO- x呼
吸と共役しながら被処理液中のBODを摂取し酸
化できるので、それだけ嫌気槽の淘汰力は弱まる
からである。これら2物質のうちO2の流入は容
易に防止できる。O2は水中に生息する微生物の
呼吸基質であるので、被処理液や返送汚泥に有意
量が存在することはあり得ない。またO2は水に
容易に溶解しない気体であるので、嫌気槽に覆蓋
を設けるまでもなく、液面の乱れを少なくするだ
けで大気よりの流入を防止できる。 酸素に比べてNO- xの流入防止には難しい面が
ある。特殊な工場廃水でもない限りNO- xも被処
理液に含まれることはない。しかし返送汚泥には
往々NO- xが存在する。すなわち被処理中のNH+ 4
などの窒素化合物が好気槽で硝化を受けてNO- x
に転換され、それが最終沈殿池においても脱窒し
きれずに返送汚泥に残留する。被処理液の窒素濃
度が低い場合や硝化が不十分な場合には、最終沈
殿池を大水深の円形沈殿池にし、そこに返送用活
性汚泥を比較的長時間滞留させることによつて脱
窒を促進し、そのことによつて返送汚泥への
NO- x残留を防止することができる。しかし、被
処理液の窒素濃度が高く、硝化が十分に進んだ場
合や、大量の活性汚泥の貯留ができない横流式沈
殿池を最終沈殿池に用いた場合には、最終沈殿池
での脱窒作用だけでは返送用汚泥に含まれる
NO- xを除去しきれず、返送汚泥に随伴してNO- x
が嫌気槽に流入し、脱リン菌の選択淘汰に障害を
引き起こすことになる。 もつとも、この流入NO- x量が被処理液ととも
に流入するBOD量に対し、相対的に少量である
ならばNO- x呼吸によつてBODが消費されてもな
お脱リン菌を淘汰するだけのBOD量が残留し、
嫌気度も所要値以下に維持できる。したがつて、
返送汚泥にNO- xが残留する危惧がある場合には、
たとえば嫌気槽での酸化還元電位などの嫌気度指
標を看視して、返送汚泥量を制御すればよい。実
際、発明者らが家庭下水を被処理液として行なつ
たパイロツトプラント実験では、このような制御
を採用することによつて一度悪化したリン除去を
回復することができた。しかし、不都合なこと
に、このような制約を設けた返送汚泥量では、嫌
気槽ばかりでなく好気槽の活性汚泥(MLSS)濃
度も低下し、そこでのF/M比を限界値以下にす
ることができずそのBOD除去は二次処理として
は不十分なものになる。 本発明は嫌気槽へのNO- x流入量を制御するこ
とと好気槽の活性汚泥(MLSS)濃度を高めると
いう二操作の二律背反を解決するためになされた
もので、返送汚泥を二部に分け、その一部は嫌気
槽に、また他の一部は好気槽に導いて処理するこ
とにより前記問題点を適確に除去でき嫌気槽にお
けるNO- x障害を軽減ないし排除し、なおかつ好
気槽におけるF/M比を所要値に容易に維持して
効果的にBODとリンとを除去できる嫌気−好気
活性汚泥法を提供することにある。 本発明は、最終沈殿池からの返送汚泥の全量又
は一部を二つに分けて嫌気槽に導かれる第1返送
汚泥の返送量を嫌気槽での嫌気度(酸化還元電
位)を指標として制御し、好気槽へ導かれる第2
返送汚泥の返送量は好気槽におけるF/M比を指
標として制御することを特徴としている。 本発明をBODとリンを主たる除去対象とした
場合の活性汚泥法に適用した場合の一の実施例態
様を第1図に示し、また、窒素除去をも包含する
循環式硝化脱窒法に本発明を適用した場合の一実
施態様を第2図に示した例で説明する。 第1図例において家庭下水などのリンを含む有
機性廃液である被処理液11は、撹拌機21を必
要に応じ設けられる嫌気槽1に導かれ、ここで最
終沈殿池3より送られる第1返送汚泥15と混合
される。この嫌気槽1の施設構造としては従来の
嫌気−好気活性汚泥法で用いられてきた技術がそ
のまま利用できるが、とりわけ重要な点は嫌気槽
1を図にみるように画室化するか、もしくは流下
方向に長い槽にして、槽内混合液の混合型式を擬
似栓流となすことである。このような槽形状をと
ることによつて第1返送汚泥15に随伴して流入
してくるNO- xは嫌気槽1の前半部で完全に脱窒
され、少なくとも後半部においては、NO- x不在
で呼吸不能な酸化還元電位の低い状態が実現でき
る。この場合酸化還元電位を指標として第1返送
汚泥15を制御することが重要である。たとえ
ば、第1返送汚泥15のNO- x濃度が高く、その
ために流入するNO- x量=流量×NO- x濃度が被処
理液11とともに流下してくるBOD量に比し相
対的に多い場合には嫌気槽の酸化還元電位が上昇
し、時として脱リン菌の淘汰に必要な嫌気度(リ
ン放出が開始する酸化還元電位は白金−カロメル
電極で測定した場合およそ−360mV)が維持で
きなくなる。このような場合には第1返送汚泥1
5の流量を低減させればよい。これはマニユアル
で制御してもよいが、第1図例のごとく嫌気槽1
に設置した酸化還元電位計5から制御信号をとり
だし、電気的に第1返送汚泥15のポンプP1の
ポンプ流量を自動制御することもできる。制御目
標の酸化還元電位は酸化還元電位計5の設置点に
よつて異なる。たとえば第1図例のごとく嫌気槽
1の前半部に設置した場合には、脱窒が終了し、
リン放出が開始された証左である−360mV以下
を目標にすればよいが、嫌気槽1の末端部に設置
した場合には、リン放出が十分になされた証左で
あるおおむね−450mV以下を目標とするのがよ
い。このような制御により、たとえ第1返送汚泥
15に高濃度のNO- xが残留しようとも、嫌気槽
1の少なくとも後半部には脱リン菌淘汰の条件が
維持でき、被処理液11のBODの一部が活性汚
泥に非酸化的に摂取されるとともに活性汚泥から
PO3- 4が放出される。 このようにして生成された嫌気槽から出る嫌気
処理済混合液12は後続の散気機構20のある好
気槽2に導かれ、ここでポンプP2で送られる第
2返送汚泥16と接触混合される。好気槽2は酸
素含有気体で気曝されており、嫌気処理済混合液
12および第2返送汚泥16に含まれる活性汚泥
が嫌気槽1で摂取しきれなかつたBODを摂取し、
酸化分解すると同時に、この際に生成されるエネ
ルギーの一部を利用して細胞外に存在するPO3- 4
を細胞内に摂取し、ポリリン酸化する。好気槽2
の操作条件のうち、最も重要なのは、1日分の被
処理液がシステム全体に持込むBOD量〔Kg−
BOD/日〕と好気槽2に存在する活性汚泥量
〔Kg−MLSS〕の比、すなわちF/M比である。
PO3- 4なかんずくBODの除去を完遂せしめるため
には、このF/M比を0.5Kg−BOD/Kg−MLSS
×日以下にする必要がある。返送汚泥にNO- xが
高濃度に存在すると第1返送汚泥15の量を低減
せざるを得ず、そのために嫌気処理済混合液12
によつて持込まれる活性汚泥は少量になり、それ
単独では、好気槽2内の活性汚泥濃度を高くする
ことができず、前記F/M比の制約を遵守しよう
とするならば、好気槽2の施設規模は十分に大き
くしなければならなくなる。しかし、その活性汚
泥量の不足分をポンプP2で流量制御される第2
返送汚泥16が補填し、容易に高い活性汚泥濃度
を維持でき、それによつて小容量の好気槽2であ
つても所要のF/M比を得ることができる。 以上のような操作によつてBODと溶解性リン
が低減した好気処理済混合液13は掻寄機23の
ある最終沈殿池3に導かれここで固液分離処理を
受け、処理液14と返送用の濃縮汚泥に分けられ
る。嫌気−好気活性汚泥法での最終沈殿池3の構
造として大量の活性汚泥を貯留できない横流式沈
殿池を用いても返送汚泥にNO- xの残留が許容で
きるので可能である。なお、余剰汚泥17の排出
点は、第1図例のごとく最終沈殿池3としてもよ
く、好気処理済混合液13の一部を余剰汚泥とし
てもよい。 本発明は、窒素除去をも包含した循環式硝化脱
窒法にも適用できる。例えば嫌気−好気活性汚泥
法の原理を利用して、リン除去をも行なう循環式
硝化脱窒法は、第2図にみるごとく撹拌機21の
ある嫌気槽1と好気槽2の間に脱窒槽4が配備さ
れ、この好気槽2で生成されたNO- xを脱窒する
ために好気槽2で硝化処理(NH+ 4のNO- xへの酸
化)を受けた好気処理済混合液を循環液18とし
てポンプP3で返送している。この処法にあつて
は前記好気槽2での硝化は不可欠であり、たとえ
ば、被処理液のBOD量の不足によつて脱窒槽4
での脱窒が不調であつたりすると、返送汚泥には
高濃度のNO- xが残留する。また、好気槽2での
硝化を完遂するためには好気槽2のF/M比を、
嫌気−好気活性汚泥法で所要とされるF/M比範
囲よりもはるかに低いF/M比範囲(液温にもよ
るがおおむね0.2Kg−BOD/Kg−MLSS×日以下)
に設定しなければならず、それだけ好気槽2の活
性汚泥濃度を高くしなければならない。このこと
は返送汚泥をもつぱら嫌気槽1に返送していた従
前の技術にあつては、大量の返送汚泥を嫌気槽に
送ることになり、それだけ大量のNO- xが嫌気槽
1に混入するおそれが多くなることを意味してい
る。従つて、本発明をこの処理に適用すること
は、極めて有意義である。以下本発明をリン除去
をも含めた循環硝化脱窒法に適用した一実施態様
を第2図例に従つて簡単に説明すると、第2図例
の嫌気槽1の操作要件とそこで生起される生物反
応は第1図例のそれと基本的には同一であるが第
2図例では酸化還元電位計5を嫌気槽1の末端部
に設置しており、前述したようにこの場合には、
その酸化還元電位を−450mV以下にすべく第1
返送汚泥15の流量を制御すればよい。そして
PO3- 4が増加し、BODが低減した溶液と細胞内有
機物が増加した活性汚泥かららなる嫌気処理済混
合液12は脱窒槽4に流下し、ここで第2返送汚
泥16と循環液18と撹拌機24で混合される。
第2返送汚泥16は好気槽2にポンP2で返送し
ても良い脱窒速度を高め脱窒槽4をよりコンパク
トにできる点から脱窒槽4に返送した方が好まし
い。該脱窒槽4では活性汚泥は溶液に残留する
BODと細胞内有機物を水素供与体として、循環
液18に含まれるNO- xの少なくとも一部を脱窒
する。この脱窒反応はNO- x呼吸にほかならず、
活性汚泥はこの過程でもポリリン酸の合成を開始
して、溶解性リンの一部を細胞内に摂取する。脱
窒処理が終了し、BODと細胞内有機物さらには
PO3- 4が低減した脱窒済混合液19は好気槽2に
流下しここで散気機構20の気泡で気曝される。
この好気槽2ではBODと細胞内有機物が更に酸
化され、それと並行してPO3- 4が更に低減すると
ともにNH+ 4などの還元性窒素化合物がNO- xに酸
化される。このようなNO- xへの酸化、すなわち
硝化を完遂せしめることは硝化脱窒処理にとつて
不可欠であり、そのためには前記好気槽2のF/
M比を十分に低くして汚泥日令を長くしなければ
ならない。完全硝化のためのF/M比の上限は被
処理液組成や液温によつてもことなるが、家庭下
水を被処理液11とし液温が15℃前後の場合0.20
Kg−BOD/Kg−MLSS×日である(ここでFは
システム全体に負荷されるBOD流入量〔Kg−
BOD/日〕として、Mは好気槽2に存在する
MLSSで表示される活性汚泥量〔Kg−MLSS〕と
して計算される)。この上限値は液温の低下とと
もに縮小する傾向にあるが、いずれにしても循環
式硝化脱窒法における好気槽のF/M比制約は
BODとリンだけを主たる除去対象とした嫌気−
好気活性汚泥法のそれよりも厳しいものになり、
それだけ汚泥返送率(第1返送汚泥15と第2返
送汚泥16の流量の合計を被処理液11の流量で
除した値)を大きくする必要がある。このような
条件にあつて硝化処理を受け、BODとPO3- 4が十
分に低減した好気処理済混合液13は最終沈殿池
3に導かれ、ここで処理液14と返送用の濃縮活
性汚泥に分離させるのがよい。 本発明は嫌気槽におけるNO- x障害を軽減ない
し排除し、なおかつ好気槽におけるF/M比を所
要値に容易に維持して効果的にBODとリンとを
除去できると共に安定した運転操作が可能でリン
除去率も大巾に向上し処理設備も制約がなく能率
的で経済的な処理ができる利益がある。 次に本発明の実施例を比較例と対照させて述べ
る。 比較例 発明者らは住宅団地より排出される家庭下水を
被処理液として従前の嫌気−好気活性汚泥法を実
験的に検討してきた。この実験過程でそれまでは
円形クラリフアイヤ型沈殿池であつた最終沈殿池
を、下水処理場で多用されている横流式沈殿池に
切替えた。このときの実験施設規模を第1表に示
す。
【表】
被処理液量は5.33m3/日で、返送汚泥流量は槽
内MLSS濃度が2700mg/(これは好気槽F/M
比0.4Kg−BOD/Kg−MLSS前後に相当する)に
なるように調整した。円形クラリフアイヤを最終
沈殿池とした際には、返送汚泥濃度は35000mg/
にも達し、そのため返送汚泥流量は0.43m3/日
で済んだ。この時には嫌気槽末端に取付けた酸化
還元電位計は−470〜−490mVを指示し、BOD、
リンはそれぞれ88%、83%の割合で除去された。 しかし、最終沈殿池を横流式沈殿池に切替えて
からは、返送汚泥濃度が12000mg/後にまで低
減し、このためにF/M比を0.4Kg−BOD/Kg−
MLSS×日にするには、返送汚泥流量は1.50m3/
日まで上昇させなければならなかつた。その結
果、嫌気槽端末の酸化還元電位計は−200〜−270
mVを指示するようになり、嫌気槽でのリン放出
量が低下するとともにリン除去率も30%に低下し
た。この時、返送汚泥に含まれるNO- x−Nを測
定したところ、変動はあるが2〜7mg/含まれ
ていた。 このような、リン除去成積の悪化にかんがみ、
返送汚泥流量を旧状にもどし、0.50m3/日とし
た。その結果、酸化還元電位は−450〜−49mV
にまで低下し、リン除去率も82%まで回復した。
しかし槽内MLSS濃度は1250mg/前後になり、
好気槽のF/M比は0.85Kg−BOD/Kg−MLSS×
日にまで増加した。そのため、BOD除去率は75
%前後にとどまつた。 実施例 1 第1図例に示すように、嫌気槽への返送汚泥
(第1返送汚泥)はそのままにし、新たに好気槽
への返送汚泥(第2返送汚泥)系統を設け、その
流量を1.45m3/日とした。その結果、好気槽の
MLSS濃度は2800mg/前後になり、F/M比も
0.4Kg−BOD/Kg−MLSS×日以下にすることが
でき、第2表にみるようにBOD、リンとも良好
な処理成績を得た。
内MLSS濃度が2700mg/(これは好気槽F/M
比0.4Kg−BOD/Kg−MLSS前後に相当する)に
なるように調整した。円形クラリフアイヤを最終
沈殿池とした際には、返送汚泥濃度は35000mg/
にも達し、そのため返送汚泥流量は0.43m3/日
で済んだ。この時には嫌気槽末端に取付けた酸化
還元電位計は−470〜−490mVを指示し、BOD、
リンはそれぞれ88%、83%の割合で除去された。 しかし、最終沈殿池を横流式沈殿池に切替えて
からは、返送汚泥濃度が12000mg/後にまで低
減し、このためにF/M比を0.4Kg−BOD/Kg−
MLSS×日にするには、返送汚泥流量は1.50m3/
日まで上昇させなければならなかつた。その結
果、嫌気槽端末の酸化還元電位計は−200〜−270
mVを指示するようになり、嫌気槽でのリン放出
量が低下するとともにリン除去率も30%に低下し
た。この時、返送汚泥に含まれるNO- x−Nを測
定したところ、変動はあるが2〜7mg/含まれ
ていた。 このような、リン除去成積の悪化にかんがみ、
返送汚泥流量を旧状にもどし、0.50m3/日とし
た。その結果、酸化還元電位は−450〜−49mV
にまで低下し、リン除去率も82%まで回復した。
しかし槽内MLSS濃度は1250mg/前後になり、
好気槽のF/M比は0.85Kg−BOD/Kg−MLSS×
日にまで増加した。そのため、BOD除去率は75
%前後にとどまつた。 実施例 1 第1図例に示すように、嫌気槽への返送汚泥
(第1返送汚泥)はそのままにし、新たに好気槽
への返送汚泥(第2返送汚泥)系統を設け、その
流量を1.45m3/日とした。その結果、好気槽の
MLSS濃度は2800mg/前後になり、F/M比も
0.4Kg−BOD/Kg−MLSS×日以下にすることが
でき、第2表にみるようにBOD、リンとも良好
な処理成績を得た。
【表】
実施例 2
生し尿およびし尿消化脱離液が混入する都市下
水を被処理液として第2図例に相当する処理試験
を行なつた。この試験施設の規模と流量条件を第
3表に示す。
水を被処理液として第2図例に相当する処理試験
を行なつた。この試験施設の規模と流量条件を第
3表に示す。
【表】
この試験施設の嫌気槽を構成する2基の円筒撹
拌喪には、それぞれ酸化還元電位計が設置され、
このうち被処理液流入側に設置された酸化還元電
位計を第1返送汚泥の流量制御に利用した。すな
わち、第1返送汚泥を送るポンプとしては常時稼
動のポンプ(0.60m3/日)と第1酸化還元電位計
によつてON−OFF制御されるポンプ(最大0.60
m3/日)の2台を用いた。そしてこの制御目標電
位としては−360mV以下を選定した。その結果
昼間時にはほとんどON状態となつたが被処理液
のBOD濃度が低下する早朝時(午前3時〜7時)
にはOFF状態になつた。返送汚泥には常時2な
いし3mg/のNO- x−Nが含まれており、早朝
時の流入BOD量に対しては1.20m3/日の第1返
送汚泥が持込むNO- xをただちに脱窒できなかつ
たと推定される。また、このような制御状態では
第2酸化還元電位計の指示値は−450〜−500mV
の範囲にあつたが、制御機構に故障が生じ通日
1.20m3/日の流量で第1返送汚泥が流れた日の早
朝時には、第1酸化還元電位計の指示値が−150
mV、第2酸化還元電位計のそれは−250mVま
で上昇し、その日の嫌気槽における汚泥からのリ
ン放出は不十分であつた。 なお、このようなON−OFF制御により嫌気槽
のMLSS濃度は2200〜3400mg/の範囲で変動し
たが脱窒槽、好気槽のMLSS濃度は5700〜5900
mg/と安定しており、好気槽のF/M比は0.12
Kg−BOD/Kg−MLSS×日で液温が13℃に低下
した冬期でも十分な硝化が行なえた。本処理試験
の平均的成績を第4表に示す。
拌喪には、それぞれ酸化還元電位計が設置され、
このうち被処理液流入側に設置された酸化還元電
位計を第1返送汚泥の流量制御に利用した。すな
わち、第1返送汚泥を送るポンプとしては常時稼
動のポンプ(0.60m3/日)と第1酸化還元電位計
によつてON−OFF制御されるポンプ(最大0.60
m3/日)の2台を用いた。そしてこの制御目標電
位としては−360mV以下を選定した。その結果
昼間時にはほとんどON状態となつたが被処理液
のBOD濃度が低下する早朝時(午前3時〜7時)
にはOFF状態になつた。返送汚泥には常時2な
いし3mg/のNO- x−Nが含まれており、早朝
時の流入BOD量に対しては1.20m3/日の第1返
送汚泥が持込むNO- xをただちに脱窒できなかつ
たと推定される。また、このような制御状態では
第2酸化還元電位計の指示値は−450〜−500mV
の範囲にあつたが、制御機構に故障が生じ通日
1.20m3/日の流量で第1返送汚泥が流れた日の早
朝時には、第1酸化還元電位計の指示値が−150
mV、第2酸化還元電位計のそれは−250mVま
で上昇し、その日の嫌気槽における汚泥からのリ
ン放出は不十分であつた。 なお、このようなON−OFF制御により嫌気槽
のMLSS濃度は2200〜3400mg/の範囲で変動し
たが脱窒槽、好気槽のMLSS濃度は5700〜5900
mg/と安定しており、好気槽のF/M比は0.12
Kg−BOD/Kg−MLSS×日で液温が13℃に低下
した冬期でも十分な硝化が行なえた。本処理試験
の平均的成績を第4表に示す。
図面は本発明の実施例を示し第1図はフローシ
ート、第2図は他の実施例のフローシートであ
る。 1……嫌気槽、2……好気槽、3……最終沈殿
池、4……脱窒槽、5……酸化還元電位計、11
……被処理液、12……嫌気処理済混合液、13
……好気処理済混合液、14……処理液、15…
…第1返送汚泥、16……第2返送汚泥、17…
…余剰汚泥、18……循環液、19……脱窒済混
合液、20……散気機構、21……撹拌機、23
……掻寄機、24……撹拌機、P1,P2,P3……
ポンプ。
ート、第2図は他の実施例のフローシートであ
る。 1……嫌気槽、2……好気槽、3……最終沈殿
池、4……脱窒槽、5……酸化還元電位計、11
……被処理液、12……嫌気処理済混合液、13
……好気処理済混合液、14……処理液、15…
…第1返送汚泥、16……第2返送汚泥、17…
…余剰汚泥、18……循環液、19……脱窒済混
合液、20……散気機構、21……撹拌機、23
……掻寄機、24……撹拌機、P1,P2,P3……
ポンプ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 最終沈殿池からの返送汚泥を2部に分けて、
第1返送汚泥と第2返送汚泥とし、この第1返送
汚泥と被処理液を嫌気槽で混合撹拌して嫌気処理
を行ない、そこで得られた嫌気処理済液を好気槽
もしくは脱窒槽と好気槽から構成される後続槽に
導き、ここで第2返送汚泥と混合し、気曝処理も
しくはこれと脱窒処理との処理を行ないそこで得
られた気曝処理済混合液を最終沈殿池に導き、そ
こで処理液と返送用の濃縮活性汚泥に分離するこ
とを特徴とする有機物とリン、もしくは有機物と
リンと窒素を除去する有機性廃液の処理法。 2 前記第1返送汚泥の返送流量を前記嫌気槽の
酸化還元電位を制御指標として制御して処理する
特許請求の範囲第1項記載の処理法。 3 前記被処理液が持込む日当りBOD量(F)と好
気槽のMLSS量(M)の比、すなわちF/M比が
0.50Kg−BOD/Kg−MLSS×日以下になるよう第
2返送汚泥流量を調整して処理する特許請求の範
囲第1項または第2項記載の処理法。 4 前記F/M比が、0.20Kg−BOD/Kg−MLSS
×日以下になるよう第2返送汚泥流量を調整して
処理する特許請求の範囲第3項記載の処理法。 5 前記嫌気処理が、嫌気槽内で槽内混合液を擬
似栓流として処理するものである特許請求の範囲
第3項又は第4項記載の処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1981582A JPS58139791A (ja) | 1982-02-12 | 1982-02-12 | 有機性廃液の処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1981582A JPS58139791A (ja) | 1982-02-12 | 1982-02-12 | 有機性廃液の処理法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58139791A JPS58139791A (ja) | 1983-08-19 |
JPS6351080B2 true JPS6351080B2 (ja) | 1988-10-12 |
Family
ID=12009815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1981582A Granted JPS58139791A (ja) | 1982-02-12 | 1982-02-12 | 有機性廃液の処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58139791A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5980398A (ja) * | 1982-10-29 | 1984-05-09 | Japan Organo Co Ltd | 生物学的廃水処理方法 |
JPS5980397A (ja) * | 1982-10-29 | 1984-05-09 | Japan Organo Co Ltd | 生物学的廃水処理方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5573398A (en) * | 1978-11-30 | 1980-06-03 | Ebara Infilco Co Ltd | Biological denitrification and dephosphorization of waste water |
US4271026A (en) * | 1979-10-09 | 1981-06-02 | Air Products And Chemicals, Inc. | Control of activated sludge wastewater treating process for enhanced phosphorous removal |
JPS6312680A (ja) * | 1986-07-03 | 1988-01-20 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 接着テ−プ |
-
1982
- 1982-02-12 JP JP1981582A patent/JPS58139791A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5573398A (en) * | 1978-11-30 | 1980-06-03 | Ebara Infilco Co Ltd | Biological denitrification and dephosphorization of waste water |
US4271026A (en) * | 1979-10-09 | 1981-06-02 | Air Products And Chemicals, Inc. | Control of activated sludge wastewater treating process for enhanced phosphorous removal |
JPS6312680A (ja) * | 1986-07-03 | 1988-01-20 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 接着テ−プ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58139791A (ja) | 1983-08-19 |
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