JPS6350961B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、玉葱、馬鈴薯、タバコ等の苗を人為
的に移植する移植機に関する。

従来、根葉、球根、葉菜等の作物においては、
現行の機械移植にはなじまない作物が多数あり、
それらの作物は、作溝、覆土及び鎮圧を機械で行
ない、植付けを人為的に行つており、各作業工程
は別々に行なわれている。この種の移植機におい
ては、作溝作業と覆土作業との間に作業員による
人為的な移植作業が入るため、全作業機器をまと
めて構成することが困難であり、各作業機をトラ
クタに別個に装着して作業するため、１畝を植付
け完了するまで２〜３行程必要としており、移植
作業を煩雑且つ非能率的なものにしている。

本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ト
ラクタに装着した耕耘機から後方突出した支持枠
に枠体を着脱自在に連結し、この枠体に作溝器、
苗箱台及び覆土器をひとまとめに構成すると共
に、座席を設けて作溝器の後方で移植作業ができ
るように構成することにより、作溝作業から覆土
作業まで１行程で連続して行うことのできる移植
機を提供することを目的とする。

この目的を達成するための本考案の特徴とする
ところは、トラクタ１の後部に装着された耕耘機
３及び平畝成形器４の後方に配置される移植機に
おいて、前記耕耘機３から平畝成形器４の後上方
に突出した支持枠５に平面視略四角形の枠体１０
の前部を着脱自在に連結し、この枠体１０の後部
に座席１６を設けると共に前下部に座席１６と対
応した足載せ台４０を設け、且つ枠体１０の後部
に重量を支持するゲージ輪１７と覆土器１４及び
鎮圧輪１５とを配置し、枠体１０の前下部に作溝
器１２を配置すると共に前上部に育苗台１３を設
けた点にある。

以上、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図乃至第８図において、１は農用トラクタ
で、その後部に３点リンク機構２を介してロータ
リ耕耘機３を牽引しており、ロータリ耕耘機３の
後部には平畝成形器４が設けられ、ロータリ耕耘
機３の機枠から後方突出状に設けられた支持枠５
に移植機６が連結されている。前記平畝成形器４
は公知のもので、支持枠５又は移植機６に取付け
ても良い。

移植機６は左右対称に形成されていて２人乗り
の２畝移植用であり、大別して、平面視四角形の
枠体１０と、この枠体１０の前部に装着された連
結具１１、作溝器１２及び苗箱台１３と、枠体１
０の後部に装着された覆土器１４、鎮圧輪１５、
座席１６及びゲージ輪１７とを有する。

枠体１０は角パイプ製の前枠１９及び後枠２０
並びに左右側枠２１とから成り、各側枠２１は第
３図に示すように、前端に取付具２２の一端を枢
支し、この取付具２２を当板２３を介して前枠１
９にボルト固定しており、取付具２２の他端と側
枠２１の中途部にはターンバツクル２４が設けら
れており、側枠２１の後部を上下位置調整自在に
している。側枠２１の後端には嵌合具２５が設け
られ、この嵌合具２５が後枠２０に嵌合してボル
ト固定されている。

前記左右側枠２１はその前後のボルトを緩める
ことによつて前後枠１９，２０に対して摺動自在
となり、間隔を調整できる。

前記各側枠２１の嵌合具２５にはホルダ２６が
溶着されていて、ゲージ輪１７を上下位置調整自
在に支持している。２７，２８はゲージ輪１７の
上下位置決め用ストツパである。

各側枠２１はその中途部で前後２分割可能に形
成されており、その前部はロータリ耕耘機３に連
結して他の作業機、例えば施肥機、播種機又は荷
車等を装着するのに利用できる。

連結具１１は第４図に示すように、前枠１９の
中央に上方突出状に固着されており、その上部前
面にコ字形ヒツチ３０が溶着されていて、支持枠
５にピンを介して着脱自在に連結されている。こ
の連結具１１と前枠１９と一体になつているもの
は、ロータリ耕耘機３の後方に施肥機又は播種機
等を装着するのに兼用できる。

苗箱台１３は前枠１９上に左右位置調整自在に
固定された支柱３１とその上端の台枠３２とから
成りり、台枠３２は苗を収納した苗箱（図示せ
ず）を載置可能であり、後方に座る作業員が苗を
取出し易いように後方下向き傾斜している。

作溝器１２は第６図及び第８図に示されてお
り、前枠１９に左右位置調整自在に固定された支
持部材３３の下端の一側にオープナ３４が固定さ
れ、他側に溝切りデイスク３５の傾斜支軸３６が
突設されている。

作溝器１２は１畝に対して左右１対設けられて
いて２条の溝を形成するものであり、左右１対の
オープナ３４は外側に、デイスク３５は内側に
夫々配置されている。

３７は支持部材３３に２本のボルト３８，３９
で固定されたオープナ用スクレーパであり、この
スクレーパ３７が設けられている側の反対側の支
持部材３３の側面には作業員用の足載せ台４０が
設けれている。この足載せ台４０は帯板４１の一
端部に丸棒４２を直角に溶着したものであり、丸
棒４２が足載せ部分となつており、帯板４１の他
端部には２つのボルト孔４３が形成されている。
足載せ台４０は作業員の背丈に応じて座席１６か
ら丸棒４２までの距離を３段階に調整できるよう
になつており、ボルト３８を上部ボルト孔４３に
貫通して帯板４１をボルト３９の頭に当接した状
態で、第６図又は第８図に示す最近位置又は最遠
位置に配置することができ、２本のボルト３８，
３９を上下２つのボルト孔４３に貫通して帯板４
１を支持部材３３と平行にした状態で中間位置に
配置することができる。ボルト３８はスクレーパ
３７と足載せ台４０とを共締している。

第７図において、覆土器１４、鎮圧輪１５及び
座席１６は１つのユニツトになつており、後枠２
０と側枠２１で支持されている。４６は角パイプ
製取付バーで、側枠２１の中途部下面に固着の嵌
合具４５に挿入してボルト止めされて支持されて
おり、その両端上面には座席１６を取付けるＬ形
アングル材製の取付部材４７が固着されており、
その下面の両端及び中途位置にはブラケツト４８
が溶着されていて支軸４９を支持している。

この支軸４９には４組の作溝器１２に対応した
アーム５０の前端が枢支されており、このアーム
５０は支軸４９に対して摺動自在であり、同じく
支軸４９に嵌合された円筒形ストツパ５１をボル
トで支軸４９に固定することにより、アーム５０
の左右方向位置を規制するように構成されてい
る。

アーム５０の中途部にはホルダ５２が固着され
ており、下端に覆土デイスク５３を支持した支柱
５４がホルダ５２に上下位置調整自在に挿入固定
されている。５５は覆土デイスク５３用のスクレ
ーパである。これらによつて覆土器１４が構成さ
れている。

前記アーム５０の後端には鎮圧輪１５及びスク
レーパ５６が支持されており、この鎮圧輪１５は
弾圧手段５８によつて畝の凹凸に対して追従する
ように構成されている。

弾圧手段５８は支持金具５９、ロツド６０及び
スプリング６１を有しており、支持具５９は後枠
２０に左右位置調整自在に装着されており、嵌合
具６２に上下２枚の板材６３，６４を溶着して成
り、上板材６３にはロツド６０が貫通する孔が、
下板材６４にはロツド６０と係合してその前後移
動を許容する切欠きが夫々形成されている。

ロツド６０はその下端がアーム５０に枢支され
ており、スプリングストツパ６５と抜止めストツ
パ６６とが設けられていて、スプリングストツパ
６５と下板材６４との間にスプリング６１が嵌装
されている。前記スプリングストツパ６５の高さ
を調整することによつて、弾圧手段５８の圧力を
調整できる。

次に、本発明移植機を使つての移植作業を説明
する。

圃場をロータリ耕耘機３で耕耘した後、その後
方の平畝成形器４で２条の平畝Ａを形成する（第
９図イ参照）。各平畝Ａに作溝器１２で２条のＶ
字形の溝Ｂを形成する。デイスク３５は平畝Ａの
上面に対して傾斜した溝面B₁を形成し、オープ
ナ３４は平畝Ａ上面に対して略直角の溝面B₂を
形成する（第９図ロ参照）。

座席１６に着座している作業員Ｃは苗箱台１３
上の苗箱から苗Ｄを取出して、人為的に溝Ｂ内に
挿入していく。この苗Ｄは溝Ｂの一面が傾斜溝面
B₁となつているので、この傾斜溝面B₁に沿うよ
うに倒れ、１条の平畝Ａの２条の苗Ｄは互いに内
方向へ倒れて苗先が近ずくように植えられる（第
９図ハ参照）。

次に、覆土器１４で溝Ｂの外側の土を内側へ移
動して溝Ｂを埋め、鎮圧輸１５で鎮圧する（第９
図ニ参照）。

以上詳述した本発明によれば、移植機６は移植
に必要な機器及び作業員の搭乗に必要な部材を全
て機体１０に組付けておくことができ、且つ枠体
１０は耕耘機３から突出した支持枠５に着脱する
ことができ、これらによつて、移植機６を組立キ
ツト化することができると共に、１台のトラクタ
装着耕耘機に専用的に装着されるのではなく、あ
らゆる耕耘機に装着可能となり、また、機械移植
になじまない根葉、球根、葉菜等の作物を、作業
員が枠体１０上に搭載して移植することができ、
しかも、作業員は前方に足載せ台４０及び育苗台
１３があり、両脚間で作業することになるので、
姿勢及び作業が楽で、作業効率を向上でき、且つ
移植機６及び作業員の重量を枠体１０の後部のゲ
ージ輪１７で支持でき、走行安定性が良好になつ
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第８図は本発明の実施例を示してお
り、第１図は全体側面図、第２図は全体平面図、
第３図は側枠の側面図、第４図は連結具の側面
図、第５図は苗箱台の側面図、第６図は作溝器の
側面図、第７図は覆土器及び鎮圧輪の側面図、第
８図は作溝器の斜視図、第９図イ〜ニは移植作業
を説明するための説明図である。 ３……ロータリ耕耘機、４……平畝成形器、６
……移植機、１０……枠体、１２……作溝器、１
３……苗箱台、１４……覆土器、１５……鎮圧
輪、１６……座席。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ トラクタ１の後部に装着された耕耘機３及び
   平畝成形器４の後方に配置される移植機におい
   て、 前記耕耘機３から平畝成形器４の後上方に突出
   した支持枠５に平面視略四角形の枠体１０の前部
   を着脱自在に連結し、この枠体１０の後部に座席
   １６を設けると共に前下部に座席１６と対応した
   足載せ台４０を設け、且つ枠体１０の後部に重量
   を支持するゲージ輪１７と覆土器１４及び鎮圧輪
   １５とを配置し、枠体１０の前下部に作溝器１２
   を配置すると共に前上部に育苗台１３を設けたこ
   とを特徴とする移植機。