JPS6350565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液中燃焼装置に関する。

液中燃焼技術は、液体の加熱処理、例えば熱分
解、水溶液の濃縮或いは液体の加熱等に利用され
ている。従来、このような液中燃焼には可燃ガス
と空気とが供給される液中燃焼バーナを用いるの
が通常である。そして、例えば硫安の濃水溶液中
で上記バーナを使用し、その燃焼ガスで硫安アン
モニウムを熱分解して亜硫酸ガスを回収したり、
バーナを液の表層部や液中で使用してその燃焼熱
を利用して水分を蒸発させ、硫安等の水溶液を濃
縮したり、或は水中に没したバーナの燃焼熱で温
水を得たりするのに利用される。しかし、このよ
うな液中燃焼バーナを用いた従来の方式では、装
置の燃焼効率が悪いため可燃性ガスしか使用する
ことができないという問題がある。最近、燃料と
して石炭が見直されつつあり、液中燃焼において
も微粉化した石炭を用いることができれば極めて
経済的な操業を行うことができるというメリツト
があるが、従来の装置では、その燃焼効率の悪さ
から石炭などは燃料としてほとんど使用すること
ができないという問題があつた。

本考案はこのような難点に鑑み考案されたもの
で、石炭等のスラリーを使用して効率的な燃焼を
得ることができる装置を提供せんとするものであ
る。このため本考案は内側から略同心的に含酸素
ガス供給管、内管及び外管が設けられ、含酸素ガ
ス供給管と内管との間及び内管と外管との間をそ
れぞれ補助燃料供給流路及び燃料スラリー供給流
路とした液中バーナを構成するとともに、上部及
び下部に開口部を有し、液中バーナ先端部を外囲
す外管を設け、液中バーナ先端部下方の外筒内を
燃焼室として構成せしめたことをその基本的特徴
とする。

以下、本考案の一実施例を図面に示すものにつ
いて説明する。

本考案の装置は、略同心的な３重管により構成
される液中バーナ１と、該液中バーナ先端部を外
囲する外筒２から構成されている。

前記液中バーナ１は、含酸素ガス供給管３、内
管４及び外管５が内側から順に略同心的に配設さ
れている。そして、含酸素ガス供給管３と内管４
との間及び内管４と外管５との間がそれぞれ補助
燃料供給流路Ａ及び燃料スラリー供給流路Ｂを構
成している。

前記内管４の先端部は含酸素ガス供給管３を包
み込むように絞られ、この絞り部４１により、補
助燃料供給流路Ａからの補助燃料の流れを含酸素
ガス供給管３の中心に向けさせ、補助燃料と含酸
素ガスとの混合性を良好なものにしている。

また、外管５の先端部は、内管４の先端部より
もさらに突出するとともに、その先端部がラツパ
状に拡径したガイド部５１を構成し、このガイド
部５１と下記する外筒２との間で燃焼室Ｃが維持
される。

前記外筒２は前記含酸素ガス供給管３、内管４
及び外管５からなる３重管構造の液中バーナ先端
部を外囲するようにして設けられる。外筒２は、
その下部の開口２１が外筒の径に較べ小さ目に構
成され、下半部に燃焼室Ｃが形成されるようにな
つている。本実施例では、上半部の内側が上縁に
向つて縮径し、下半部の内側が半球状に構成さ
れ、その底部に開口２１が形成された筒状体で構
成され、液中バーナ先端部下方の外筒２内、より
詳細には、前記拡径したガイド部５１の下方の外
筒内が燃焼室Ｃに構成せしめられる。このように
燃焼室Ｃが形成せしめられることにより、燃料と
して石炭スラリー等を用いて高い燃焼性が得られ
る。外筒２と液中バーナ１との間には液体が流通
し得るだけの十分な間隔が設けられている。

なお、以上の構成において、外管先端部のガイ
ド部５１の長さ、外筒２の大きさ、外筒２の上部
開口２２及び下部開口２１の大きさ等は供給され
る燃料の燃焼性の大小や燃料供給量によつて決め
られる。例えば燃料が比較的難燃性の場合には、
ガイド部５１を長く、外筒２を比較的大きなもの
とする。

次に本考案装置の作用について説明すると、使
用に当たり装置全体を液中に沈ませ、含酸素ガス
供給管３から含酸素ガス（酸素ガスまたは空気
等）を供給するとともに、補助燃料供給流路Ａか
らコークス炉ガス等の補助燃料を、また燃料スラ
リー供給流路Ｂから石炭スラリー等の燃料スラリ
ーをそれぞれ供給し、燃料を液中燃焼せしめる。
この液中燃焼は、流路Ａからの補助燃料が供給さ
れた含酸素ガス中の酸素により燃焼室Ｃ内で燃焼
するとともに、燃料スラリーが残存酸素により燃
焼することによりなされる。酸素、補助燃料、及
び燃料スラリーの供給量が増大するにつれ、燃焼
室Ｃ内における燃焼ゾーンの容積が大きくなる。
燃焼ガスの大部分は外筒２の上部開口２１から排
出さ、下部の開口２２からは外筒内に液が流入
し、下部の開口２２から上部の開口２１に至る液
の循環流が形成される。また燃料スラリーとして
石炭スラリーを用いた場合、燃焼後の灰分は、溶
融凝結による大塊の発生が少なく、粉状の灰分は
外筒２を通り抜けるとともに上部の開口２２から
流出し、粒状の灰分は下部の開口２１から落下す
る。このため外筒２内には何らかの付着物の堆積
もなく、安定した燃焼性が得られる。また液は、
外筒２の下部開口２１から上部開口２２を抜けて
循環しているため、燃焼による外筒２の熱損傷や
スケールの発生が適切に防止される。

なお、流体が高圧下にあるときは含酸素ガス、
補助燃料、燃料スラリーの供給圧は、上記液体圧
に応じたものに調整される。また燃焼ガスの雰囲
気の調整は、燃料と含酸素ガスとの比率を調整す
ることによつて酸化性、還元性のいずれにするこ
とも可能である。また補助燃料としては、燃焼性
のよい通常のガス状、液状のものが適当であり、
特に燃料が燃焼性の小さい場合は、補助燃料とし
て高い燃焼性を有するものを使うことが好まし
い。

以上述べた本考案の装置によれば、内側から略
同心的に含酸素ガス供給管３、内管４及び外管５
が設けられ、含酸素ガス供給管３と内管４との間
及び内管４と外管５との間をそれぞれ補助燃料供
給流路Ａ及び燃料スラリー供給流路Ｂとした液中
バーナ１を構成するとともに、上部及び下部に開
口部２２，２１を有し液中バーナ１の先端部を外
囲する外筒２を設け、液中バーナ先端部下方の外
筒２内を燃焼室Ｃとして構成せしめたもので、微
粉化した石炭を利用した効率的な液中燃焼を行わ
しめることができ、極めて経済的な操業を行うこ
とができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は縦断面図、第２図は−線に沿う断面図であ
る。 図において、１は液中バーナ、２は外筒、３は
含酸素ガス供給管、４は内管、５は外管、Ａは補
助燃料供給流路、Ｂは燃料スラリー供給流路、Ｃ
は燃焼室を各示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内側から略同心的に含酸素ガス供給管、内管及
   び外管が設けられ、含酸素ガス供給管と内管との
   間及び内管と外管との間をそれぞれ補助燃料供給
   流路及び燃料スラリー供給流路とした液中バーナ
   を構成するとともに、上部及び下部に開口部を有
   し液中バーナ先端部を外囲する外筒を設け、液中
   バーナ先端部下方の外筒内を燃焼室として構成せ
   しめてなる液中燃焼装置。