JPS6349917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ビデオデイスクとコンパクトデイ
スクのいずれをも再生することのできるビデオデ
イスク・コンパクトデイスク兼用プレーヤのスピ
ンドルモータ切換装置に関するものである。

従来技術 ビデオデイスク・コンパクトデイスク兼用プレ
ーヤにあつては、ビデオデイスクとコンパクトデ
イスクの直径や回転数等が異なるため、ビデオデ
イスクを再生する場合とコンパクトデイスクを再
生する場合とでは、それぞれのデイスクを回転さ
せるスピンドルモータの切り換えを行なわなけれ
ばならない。従前、この切り換えを行なうには、
第４図乃至第７図に示した切換装置１が用いられ
ていた。

図中２がビデオデイスク用スピンドルモータ
で、３がコンパクトデイスク用スピンドルモータ
である。これらのスピンドルモータ２，３のそれ
ぞれの出力軸にビデオデイスク用デイスクテーブ
ル４とコンパクトデイスク用デイスクテーブル５
とを嵌着してある。図中６はスピンドルモータ
２，３の切換板で、断面略扇形形状をし、その中
心部を回動軸７で支持して回動自在としてある。
この回動軸７の軸方向は、ビデオデイスク８ａま
たはコンパクトデイスク８ｂ（以下、単に「デイ
スク」、場合によつては「デイスク８ａ，８ｂ」
と略記する。）を再生するためのピツクアツプ９
の移動方向（第６図上矢標Ｐ方向）と平行な方向
である。そして、上記切換板６の適宜位置にビデ
オデイスク用スピンドルモータ２とコンパクトデ
イスク用スピンドルモータ３とを取り付けてあ
る。

この切換装置１によるスピンドルモータ２，３
の切り換えは、上記切換板６を回動させることに
より行なわれる。第４図に示すようにビデオデイ
スク用デイスクテーブル４が真上を向いていると
きには、ビデオデイスク８ａを再生することがで
きる。切換板６を第４図に示す位置から時計回り
方向に回動させて、第５図に示すようにコンパク
トデイスク用デイスクテーブル５が真上を向くと
コンパクトデイスク８ｂを再生することができ
る。

この切換装置１は上述のように切換板６の回動
によりスピンドルモータ２，３の切り換えを行な
うものであるが、これには次のような問題があつ
た。

ビデオデイスク用スピンドルモータ２には、ビ
デオデイスク８ａがコンパクトデイスク８ｂより
も直径が大きく回転数が高いため、コンパクトデ
イスク用スピンドルモータ３よりもトルクの大き
いモータが必要となる。したがつて、スピンドル
モータ２，３の大きさを比較すると、ビデオデイ
スク用スピンドルモータ２の方が大きくなる。一
方、再生のためには、コンパクトデイスク８ｂの
方が小さいため、ピツクアツプ９はコンパクトデ
イスク８ｂを再生する場合の方がよりデイスクの
回転中心に近づかなければならない。ビデオデイ
スク８ａを再生する場合には、第４図に示すよう
にピツクアツプ９の移動域には何も障害となるも
のがないから、何ら支障なく再生を行なうことが
できる。ところが、コンパクトデイスク８ｂを再
生する場合には、大きさの大きいビデオデイスク
用スピンドルモータ２の一部が第５図及び第６図
に示すようにピツクアツプ９の移動域内に位置し
てしまうため、ピツクアツプ９がコンパクトデイ
スク８ｂの回転中心に充分近づくことができず、
コンパクトデイスク８ｂの全面を再生することが
できないのである。

このため、第７図に示すように、コンパクトデ
イスク８ｂを再生する場合にビデオデイスク用ス
ピンドルモータ２がピツクアツプ９の移動の支障
とならない位置にまで、回動軸７を７′で示す位
置から７で示す位置まで下げておかなければなら
ない。こうすれば、コンパクトデイスク８ｂを再
生する場合にビデオデイスク用スピンドルモータ
２をピツクアツプ９の移動域から退避させておく
ことができ、該ピツクアツプ９の移動が阻害され
ずに、コンパクトデイスク８ｂの全面を再生する
ことができる。

考案が解決しようとする問題点 上述した従前の切換装置１では、デイスク８
ａ，８ｂの最適な再生を行なうために、切換板６
の回動軸７をコンパクトデイスク８ｂの再生時に
合わせて低く位置させておかなければならないか
ら、切換装置１の高さが高くなつてしまい、ビデ
オデイスク・コンパクトデイスク兼用プレーヤの
薄型化を行なうにあたつて支障となつていた。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記の問題点に鑑み、ビデオデイ
スク・コンパクトデイスク兼用プレーヤの薄型化
を行なうことができるように、高さの高くないス
ピンドルモータ切換装置を提供することを目的と
して完成されたものである。

そして、この目的のためこの考案に係るスピン
ドルモータ切換装置は、ケースの底部に対して斜
め上方に傾斜させた回動軸を前記底部上に軸線回
りに回動自在に装着し、板面が前記底部に対して
傾斜し且つ前記回動軸と垂直なモータ支持板を前
記回動軸に設け、該モータ支持板を回転駆動させ
る駆動手段を設け、前記モータ支持板周縁部の互
いに離れた位置にビデオデイスク用スピンドルモ
ータとコンパクトデイスク用スピンドルモータを
前記板面に対して傾斜させてそれぞれ取り付ける
と共に、前記各スピンドルモータが前記モータ支
持板の回動により最上部に位置させられたとき
に、各スピンドルモータの軸線が鋭直方向を向く
様に、前記各スピンドルモータの前記板面に対す
る傾斜角度が設定されていることを特徴としてい
る。

作 用 上記モータ支持板の回動によつて、ビデオデイ
スク用スピンドルモータとコンパクトデイスク用
スピンドルモータとのいずれをも任意にデイスク
の再生位置に位置させることができる。

実施例 以下、第１図乃至第３図に示した好ましい実施
例に基いて、この考案に係るスピンドルモータ切
換装置を具体的に説明する。

図中１０はケースの底部、１０ａは底部１０上
に装着された取付台、１１は底部１０の上方に配
設されたモータ支持板、１２はビデオデイスク用
スピンドルモータ、１３はコンパクトデイスク用
スピンドルモータ、１４はＱで示した水平方向に
移動可能なケース内に設けられたピツクアツプで
ある。このピツクアツプ１４は、Ｑ方向に移動し
てスピンドルモータ１３又は１４により回転駆動
されるビデオデイスク１５ａまたはコンパクトデ
イスク１５ｂの再生を行う。

取付台１０ａの一端部には、ケースの底部１０
ａに対して斜め上方に傾斜させた回動軸１６が軸
線回りに回動自在に装着されている。この回動軸
１６には、板面が底部１０に対して傾斜し且つ回
動軸１６と垂直に配置したモータ支持板１１の中
央が一体に固着されている。また、モータ支持板
１１周縁部の回動軸１６を挟む互いに反対側の位
置（互いに離れた位置）には、ビデオデイスク用
スピンドルモータ１３とコンパクトデイスク用ス
ピンドルモータ１４が板面に対し傾斜した状態で
それぞれ取り付けられている。しかも、各スピン
ドルモータ１３，１４のモータ支持板１１の板面
に対する傾斜角度は、各スピンドルモータ１３，
１４がモータ支持板１１の回動により最上部に位
置させられたときに、各スピンドルモータ１３，
１４の軸線が鉛直方向を向く様に設定されてい
る。従つて、このモータ支持板１１に取り付けた
ビデオデイスク用スピンドルモータ１２またはコ
ンパクトデイスク用スピンドルモータ１３が、該
モータ支持板１１の回動により上位（最上部）に
位置した場合には、スピンドルモータ１２，１３
のそれぞれのデイスクテーブル１２ａ，１３ａが
真上に向かうように、これらのスピンドルモータ
１２，１３が取り付けてある。また、図示省略し
たが、スピンドルモータ１２，１３が上位に位置
してそのデイスクテーブル１２ａ，１３ａが真上
に向かつたときのモータ支持板１１の位置を保持
しておくことのできる、モータ支持板１１の位置
保持手段を設けておくことが望ましい。

上記モータ支持板１１の回動は、取付台１０ａ
の他端部上に装着したモータ１７、減速歯車列１
８及び該モータ支持板１１に接触している摩擦車
１９により構成される駆動手段２０によつて行な
われる。すなわち、モータ１７の回動が減速歯車
列１８を介して摩擦車１９に伝達され、該摩擦車
１９と接触しているモータ支持板１１が回動する
のである。なお、駆動手段２０は、本実施例のよ
うな構成によらず、例えばモータの出力軸にモー
タ支持板１１の回動軸１６を嵌合させて該モータ
によつて直接モータ支持板１１を回動させるよう
なものであつても構わない。

以上により構成される本実施例に係るスピンド
ルモータ切換装置の動作を、以下に説明する。

第１図に示した状態はコンパクトデイスク用ス
ピンドルモータ１３のデイスクテーブル１３ａが
真上に向いており、この状態においてコンパクト
デイスク１５ｂを再生する。しかも、同図上二点
鎖線で示したピツクアツプ１４の移動域内にはそ
の移動の障害となるものは何もないから、コンパ
クトデイスク１５ｂを全面にわたつて再生するこ
とができる。

ビデオデイスク１５ａを再生する場合には、図
示しないスイツチ釦を操作すれば、モータ１７が
回動しモータ支持板１１が回動して、第３図に示
すようにビデオデイスク用スピンドルモータ１２
のデイスクテーブル１２ａが真上に向いた状態と
なるので、この状態にてビデオデイスク１５ａを
再生することできる。また、この状態において
も、第３図に示したように、ピツクアツプ１４の
移動域内にはその移動を阻止するものは何もな
い。

効 果 叙上の如くこの考案に係るビデオデイスク・コ
ンパクトデイスク兼用プレーヤのスピンドルモー
タ切換装置は、ケースの底部に対して斜め上方に
傾斜させた回動軸を前記底部上に軸線回りに回動
自体に装着し、板面が前記底部に対して傾斜し且
つ前記回動軸と垂直なモータ支持板を前記回動軸
に設け、該モータ支持板を回転駆動させる駆動手
段を設け、前記モータ支持板周縁部の互いに離れ
た位置にビデオデイスク用スピンドルモータとコ
ンパクトデイスク用スピンドルモータを前記板面
に対して傾斜させてそれぞれ取り付けると共に、
前記各スピンドルモータが前記モータ支持板の回
動により最上部に位置させられたときに、各スピ
ンドルモータの軸線が鉛直方向を向く様に、前記
各スピンドルモータの前記板面に対する傾斜角度
が設定されている構成としたから、以下に述べる
効果を有する。

上記モータ支持板の回動軸の軸方向とピツクア
ツプの移動方向とがなす角度を直角に近づけるに
したがつて、モータ支持板の回動によるそれぞれ
のスピンドルモータの移動高さを小さくすること
ができるので、スピンドルモータ切換装置に要す
る高さを低くすることができ、これによりビデオ
デイスク・コンパクトデイスク兼用プレーヤの薄
型化を促進することができる。また、構造が簡単
であるから、確実な作動を行なえると共に、安価
に提供でき、このためビデオデイスク・コンパク
トデイスク兼用プレーヤの実用性を高めた効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案に係るスピンドル
モータ切換装置の好ましい実施例を示してあり、
第１図はコンパクトデイスク再生時の正面図で一
部を切断して示してあり、第２図は同じく平面
図、第３図はビデオデイスク再生時の正面図であ
る。第４図乃至第７図は従前のスピンドルモータ
切換装置を示すもので、第４図はビデオデイスク
再生時の正面図、第５図はコンパクトデイスク再
生時の正面図、第６図は同じくコンパクトデイス
ク再生時の平面図である。第７図は従前の他の実
施例を示すもので、コンパクトデイスク再生時の
正面図である。 １０……プレーヤのケース、１１……モータ支
持板、１２……ビデオデイスク用スピンドルモー
タ、１３……コンパクトデイスク用スピンドルモ
ータ、１２ａ，１３ａ……デイスクテーブル、１
４……ピツクアツプ、１５ａ……ビデオデイス
ク、１５ｂ……コンパクトデイスク、１６……回
動軸、２０……駆動手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースの底部に対して斜め上方に傾斜させた回
   動軸を前記底部上に軸線回りに回動自在に装着
   し、板面が前記底部に対して傾斜し且つ前記回動
   軸と垂直なモータ支持板を前記回動軸に設け、該
   モータ支持板を回転駆動させる駆動手段を設け、
   前記モータ支持板周縁部の互いに離れた位置にビ
   デオデイスク用スピンドルモータとコンパクトデ
   イスク用スピンドルモータを前記板面に対して傾
   斜させてそれぞれ取り付けると共に、前記各スピ
   ンドルモータが前記モータ支持板の回動により最
   上部に位置させられたときに、各スピンドルモー
   タの軸線が鋭直方向を向く様に、前記各スピンド
   ルモータの前記板面に対する傾斜角度が設定され
   ていることを特徴とするビデオデイスク・コンパ
   クトデイスク兼用プレーヤのスピンドルモータ切
   換装置。