JPS6349711B2 - - Google Patents
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- JPS6349711B2 JPS6349711B2 JP2763181A JP2763181A JPS6349711B2 JP S6349711 B2 JPS6349711 B2 JP S6349711B2 JP 2763181 A JP2763181 A JP 2763181A JP 2763181 A JP2763181 A JP 2763181A JP S6349711 B2 JPS6349711 B2 JP S6349711B2
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Description
本発明は、新規な結晶構造を有する黄色イソイ
ンドリノン顔料に関するものである。 下記の式() で表わされるビス―(4,5,6,7)―テトラ
クロロイソインドリン―1―オン―3―イリデ
ン)―フエニレンジアミン(1,4)は、既に黄
色有機顔料として公知であり(特公昭34―4488
号)、α,β―、γ及びδ―変態の結晶構造とす
ることも公知である。 即ち、α―変態の結晶構造(特開昭51―88516
号、同53―18225号)は、例えば現在市販されて
いるチバ・ガイギー社製イルガジンイエロー
3RLTN及び2RLT(イルガジンはチバ・ガイギー
社の登録商標)にみられる如く、X線回折図にお
いて、回折角度(2θ:Cu―Kα、以下「2θ」で示
す。)25.2゜に強い回折強度を有し、9.6゜,12.4゜,
21.6゜,27.4゜,31.9゜に中程度の回折強度を有し、
26.6゜,28.3゜,29.0゜,29.3゜,34.6°,38.4゜,39
.5゜,
48.6゜に弱い回折強度を有することを特徴として
いる。 β―変態の結晶構造(特開昭51―88516号、特
開昭53―18225号)は、X線回析図に於て、回析
角度(2θ)9.8゜,10.2゜,26.0゜,26.5゜に強い回析
強
度を有し、22.7゜,28.3゜に中程度の回折強度を有
することを特徴とする。 γ―変態の結晶構造(特開昭53―97020号)は、
X線回折図に於て回折角度(2θ)9.7゜,25.2゜に強
い回折強度を有し、26.2゜,27.1゜,30.1゜に中程度
の回折強度を有することを特徴とする。 δ―変態の結晶構造(特開昭55―65257号)は、
X線回折図に於て、回折角度(2θ)9.8゜,24.5゜,
25.2゜,29.7゜に強い回折強度を有することを特徴
とする。 ところで、これらの結晶構造を有する公知の顔
料は、いずれも欠点や問題点があり、満足すべき
ものがなかつた。α―変態の結晶構造を有する顔
料は、赤味黄色を呈するが、耐候性、耐熱性が若
干劣る欠点があり、β―変態の結晶構造を有する
顔料は、色相がより赤味の強い黄色で、着色力に
乏しい。 γ―変態の結晶構造を有する顔料は、色相が緑
味の黄色であり、δ―変態の結晶構造を有する顔
料は、色相において、α―変態の結晶構造を有す
る顔料と近似しているが、その製造過程で、毒性
の強いハロゲン化ベンゼン又はニトロベンゼンを
2ないし3工程にわたつて使用するので、その都
度メタノール等の溶剤で顔料を洗浄する必要が生
ずるため、製造工程も長く、毒性、コスト面で製
造上問題が多い。 本発明者等は、前記イソインドリノン顔料の氷
年にわたる研究の結果、新規な結晶構造を有する
有用な黄色イソインドリノン顔料を見出だし、本
発明を完成した。 即ち本発明は、X線回折図に於て回折角度
(2θ)25.3゜に強い回折強度を有し、9.6゜,12.4゜に
中程度の回折強度を有し、27.3゜,28.1゜,32.2゜,
34.2゜,39.3゜,43.8゜,47.6゜に比較的弱い回折強度
を有する新しい結晶構造の顔料を提供するもので
あり、本発明者等はこの結晶構造を有する顔料を
ε―変態と命名した。 本発明のε―変態の結晶構造を有する顔料の製
造法としては、例えばアルコール類又は芳香族有
機溶剤中で、下記 構造式() で表わされるN,N′―p―フエニレン―ビス―
(1―オキソ―3―イミノ―4,5,6,7―テ
トラクロロイソインドリン)〔日本特許第958014
号参照〕にアルカリ金属のアルコレートを作用さ
せて得られる黄色結晶を単離後、水中に分散し、
芳香族溶剤の存在下加熱する方法がある。 このようにして得られた極めて鮮明な、やや赤
味の黄色結晶を水洗し乾燥すると、非常に軟らか
い顔料粉末となる。 本発明のε―変態の結晶構造を有する顔料の特
徴は、α―変態の結晶構造を有する顔料、例えば
市販のイルガジンイエロー3RLTNに比し、色相
が若干青味で極めて鮮明であり、同時に、耐候
性、耐熱性が著しく改良されたことである。 以下、実施例及び試験例により、本発明を詳細
に説明する。 実施例 N,N′―p―フエニレン―ビス(1―オキソ
―3―イミノ―4,5,6,7―テトラクロロイ
ソインドリン)120重量部(以下単に部と記す。)
をメタノール1000部に分散し、65℃まで昇温後、
14%(重量:以下同じ)ソジウムメチレートメタ
ノール溶液160部を徐々に滴下した。同温度で6
時間撹拌すると、黄色の結晶が析出した。メタノ
ールを減圧下に留去し、残つた黄色粉末結晶を、
水1200部に十分分散させると、結晶の色相は、黄
色から橙〜赤色に変化した。この中にキシレン12
部を加え、撹拌しながら徐々に昇温し、80℃で1
時間保つと、橙〜赤色の結晶は、やや赤味の鮮明
な黄色に変化した過、水洗後、乾燥すると鮮明
なやや赤味黄色顔料110部が得られた。 日本分光工業(株)IRA―型を用い、KBr法によ
り分析したこの結晶の赤外吸収スペクトルを第5
図に示す。一方この顔料のマススペクトルを測定
した結果、分子量は642であつた。この結果、得
られた黄色顔料は、式() で表わされるビス―(4,5,6,7―テトラク
ロロイソインドリン―1―オン―3―イリデン)
―フエニレンジアミン(1,4)であることが同
定された。 この顔料のX線回折図を第1図に、α―変態の
結晶構造を有する市販のイルガジンイエロー
3RLTNのX線回折図を第2図に示す。第1図及
び第2図から判るように、ε―変態の結晶構造を
有する顔料のX線回折図は、回折角度(2θ)5゜〜
25゜の範囲でα―変態のそれと近似していること
が特徴であり、またこの点で他の変態すなわち
β,γ及びδ―変態の結晶構造を有する顔料と
は、明確にその結晶形を異にするものである。 ε―変態とα―変態のX線回折図に於ける明ら
かな相異は、回折角度(2θ)26゜〜50゜の範囲で顕
著である。 表―1に回折角度(2θ)26゜〜50゜の範囲での
ε、及びα―変態のピークの有無による特徴を示
す。
ンドリノン顔料に関するものである。 下記の式() で表わされるビス―(4,5,6,7)―テトラ
クロロイソインドリン―1―オン―3―イリデ
ン)―フエニレンジアミン(1,4)は、既に黄
色有機顔料として公知であり(特公昭34―4488
号)、α,β―、γ及びδ―変態の結晶構造とす
ることも公知である。 即ち、α―変態の結晶構造(特開昭51―88516
号、同53―18225号)は、例えば現在市販されて
いるチバ・ガイギー社製イルガジンイエロー
3RLTN及び2RLT(イルガジンはチバ・ガイギー
社の登録商標)にみられる如く、X線回折図にお
いて、回折角度(2θ:Cu―Kα、以下「2θ」で示
す。)25.2゜に強い回折強度を有し、9.6゜,12.4゜,
21.6゜,27.4゜,31.9゜に中程度の回折強度を有し、
26.6゜,28.3゜,29.0゜,29.3゜,34.6°,38.4゜,39
.5゜,
48.6゜に弱い回折強度を有することを特徴として
いる。 β―変態の結晶構造(特開昭51―88516号、特
開昭53―18225号)は、X線回析図に於て、回析
角度(2θ)9.8゜,10.2゜,26.0゜,26.5゜に強い回析
強
度を有し、22.7゜,28.3゜に中程度の回折強度を有
することを特徴とする。 γ―変態の結晶構造(特開昭53―97020号)は、
X線回折図に於て回折角度(2θ)9.7゜,25.2゜に強
い回折強度を有し、26.2゜,27.1゜,30.1゜に中程度
の回折強度を有することを特徴とする。 δ―変態の結晶構造(特開昭55―65257号)は、
X線回折図に於て、回折角度(2θ)9.8゜,24.5゜,
25.2゜,29.7゜に強い回折強度を有することを特徴
とする。 ところで、これらの結晶構造を有する公知の顔
料は、いずれも欠点や問題点があり、満足すべき
ものがなかつた。α―変態の結晶構造を有する顔
料は、赤味黄色を呈するが、耐候性、耐熱性が若
干劣る欠点があり、β―変態の結晶構造を有する
顔料は、色相がより赤味の強い黄色で、着色力に
乏しい。 γ―変態の結晶構造を有する顔料は、色相が緑
味の黄色であり、δ―変態の結晶構造を有する顔
料は、色相において、α―変態の結晶構造を有す
る顔料と近似しているが、その製造過程で、毒性
の強いハロゲン化ベンゼン又はニトロベンゼンを
2ないし3工程にわたつて使用するので、その都
度メタノール等の溶剤で顔料を洗浄する必要が生
ずるため、製造工程も長く、毒性、コスト面で製
造上問題が多い。 本発明者等は、前記イソインドリノン顔料の氷
年にわたる研究の結果、新規な結晶構造を有する
有用な黄色イソインドリノン顔料を見出だし、本
発明を完成した。 即ち本発明は、X線回折図に於て回折角度
(2θ)25.3゜に強い回折強度を有し、9.6゜,12.4゜に
中程度の回折強度を有し、27.3゜,28.1゜,32.2゜,
34.2゜,39.3゜,43.8゜,47.6゜に比較的弱い回折強度
を有する新しい結晶構造の顔料を提供するもので
あり、本発明者等はこの結晶構造を有する顔料を
ε―変態と命名した。 本発明のε―変態の結晶構造を有する顔料の製
造法としては、例えばアルコール類又は芳香族有
機溶剤中で、下記 構造式() で表わされるN,N′―p―フエニレン―ビス―
(1―オキソ―3―イミノ―4,5,6,7―テ
トラクロロイソインドリン)〔日本特許第958014
号参照〕にアルカリ金属のアルコレートを作用さ
せて得られる黄色結晶を単離後、水中に分散し、
芳香族溶剤の存在下加熱する方法がある。 このようにして得られた極めて鮮明な、やや赤
味の黄色結晶を水洗し乾燥すると、非常に軟らか
い顔料粉末となる。 本発明のε―変態の結晶構造を有する顔料の特
徴は、α―変態の結晶構造を有する顔料、例えば
市販のイルガジンイエロー3RLTNに比し、色相
が若干青味で極めて鮮明であり、同時に、耐候
性、耐熱性が著しく改良されたことである。 以下、実施例及び試験例により、本発明を詳細
に説明する。 実施例 N,N′―p―フエニレン―ビス(1―オキソ
―3―イミノ―4,5,6,7―テトラクロロイ
ソインドリン)120重量部(以下単に部と記す。)
をメタノール1000部に分散し、65℃まで昇温後、
14%(重量:以下同じ)ソジウムメチレートメタ
ノール溶液160部を徐々に滴下した。同温度で6
時間撹拌すると、黄色の結晶が析出した。メタノ
ールを減圧下に留去し、残つた黄色粉末結晶を、
水1200部に十分分散させると、結晶の色相は、黄
色から橙〜赤色に変化した。この中にキシレン12
部を加え、撹拌しながら徐々に昇温し、80℃で1
時間保つと、橙〜赤色の結晶は、やや赤味の鮮明
な黄色に変化した過、水洗後、乾燥すると鮮明
なやや赤味黄色顔料110部が得られた。 日本分光工業(株)IRA―型を用い、KBr法によ
り分析したこの結晶の赤外吸収スペクトルを第5
図に示す。一方この顔料のマススペクトルを測定
した結果、分子量は642であつた。この結果、得
られた黄色顔料は、式() で表わされるビス―(4,5,6,7―テトラク
ロロイソインドリン―1―オン―3―イリデン)
―フエニレンジアミン(1,4)であることが同
定された。 この顔料のX線回折図を第1図に、α―変態の
結晶構造を有する市販のイルガジンイエロー
3RLTNのX線回折図を第2図に示す。第1図及
び第2図から判るように、ε―変態の結晶構造を
有する顔料のX線回折図は、回折角度(2θ)5゜〜
25゜の範囲でα―変態のそれと近似していること
が特徴であり、またこの点で他の変態すなわち
β,γ及びδ―変態の結晶構造を有する顔料と
は、明確にその結晶形を異にするものである。 ε―変態とα―変態のX線回折図に於ける明ら
かな相異は、回折角度(2θ)26゜〜50゜の範囲で顕
著である。 表―1に回折角度(2θ)26゜〜50゜の範囲での
ε、及びα―変態のピークの有無による特徴を示
す。
【表】
【表】
第3図に回折角度(2θ)26゜〜35゜の範囲でのε
―変態のピークの略図を、第4図に同じくα―変
態のピークの略図を示す。 前記第1図乃至第4図は、いずれも粉末X線回
折法により、Cu―K〓線照射による回折状態を記
録した図であつて、横軸は回折角度(2θ)、縦軸
は回折線の相対強度を表わしている。 X線回折装置は、日本電子(株)JDX―8SD型を用
い、 電 圧 36KV 電 流 32mA スリツト 1.5゜のKα線照射 スリツト受光部 0.5mm スキヤンスピード 2.0゜/分 チヤートスピード 2.0cm/分 スケール 2000cps タイムコンスタント 1秒 の条件下に回折を行つた。 試験例 実施例で得られたε―変態の結晶構造を有する
本発明の顔料と市販のイルガジンイエロー
3RLTN(以下単に市販顔料と記す)について、
比較のため種々の試験を行つた。 (1) 色相 本発明の顔料と市販顔料とを同一条件でアルキ
ツド樹脂と練肉後、アミノ樹脂を加えてアミノア
ルギツド塗料とし、アート紙上に展色後、120℃
で15分焼き付けて着色塗膜を得た。この色相を、
表―2にマンセル表示(HV/C)で示す。本発
明顔料は、市販顔料に比し、色相はやや青味で、
彩度、明度とも大きいことが判る。 (2) 耐候性 上記のアミノアルギツド塗料を耐候性試験用金
属板に吹き付けた後120℃で30分焼き付けた着色
塗板を夫々濃色試料とし、一方、上記顔料1部に
対し、チタン白1部、及び顔料1部に対し、チタ
ン白9部を夫々混合して前記と同様にメラミンア
ルギツド塗料を調製後、同様に塗装板に吹き付け
た着色塗板を、それぞれ中色、淡色試料とした。
これらの試料を米国フロリダ州に於て1年間曝露
試験を行ない、その変退色度を色差(△E)で求
め、表―2に示した。測色は、塗膜にワツクスを
かけた後行なつた。 本発明顔料は、フロリダに於て1年曝露後も色
差(△E)は、1.0未満であり、ほとんど変退色
がなく、市販顔料に比しても極めて耐候性の優れ
ていることが判る。 (3) 耐熱性 本発明の顔料及び市販顔料の夫々6部を別々に
ステアリン酸亜鉛2部と混合してドライカラーに
調製し、これをポリプロピレン6000部とブレンド
し、3オンスインラインスクリユー型成型機を用
い、成型温度280℃、滞留時間0分,10分,20分
の各条件で成型し、耐熱性試験を行つた。市販顔
料の場合、20分滞留させた後得られた着色成形板
の色相は、0分のものと比較してやや赤味とな
り、濃度も小さくなつた。本発明顔料の着色成型
板の色相は、全く変化がなく、耐熱性は極めて良
好であつた。 (4) 成型収縮性 本発明の顔料及び市販顔料夫々1部を別々にス
テアリン酸亜鉛1部と混合して得たドライカラー
を高密度ポリエチレン1000部とドライブレンド
し、金型として、直径120mm、厚さ2mmの円板状
の金型を用い、3オンスインライン式射出成型機
で、成型温度220℃にて円板を成形した。その結
果、市販顔料で着色した円板状成形板は著しく反
り、異常な成型収縮が認められた。一方、本発明
顔料で着色した円板状成形板には、反り等の変形
は認められなかつた。円板の片方を軽くおさえ
て、その反対側の反りが最大になる平面からの高
さ(mm)を変形度として表―2に示した。無着色
のポリエチレンを同様に成形した変合の変形度は
0mmであつた。
―変態のピークの略図を、第4図に同じくα―変
態のピークの略図を示す。 前記第1図乃至第4図は、いずれも粉末X線回
折法により、Cu―K〓線照射による回折状態を記
録した図であつて、横軸は回折角度(2θ)、縦軸
は回折線の相対強度を表わしている。 X線回折装置は、日本電子(株)JDX―8SD型を用
い、 電 圧 36KV 電 流 32mA スリツト 1.5゜のKα線照射 スリツト受光部 0.5mm スキヤンスピード 2.0゜/分 チヤートスピード 2.0cm/分 スケール 2000cps タイムコンスタント 1秒 の条件下に回折を行つた。 試験例 実施例で得られたε―変態の結晶構造を有する
本発明の顔料と市販のイルガジンイエロー
3RLTN(以下単に市販顔料と記す)について、
比較のため種々の試験を行つた。 (1) 色相 本発明の顔料と市販顔料とを同一条件でアルキ
ツド樹脂と練肉後、アミノ樹脂を加えてアミノア
ルギツド塗料とし、アート紙上に展色後、120℃
で15分焼き付けて着色塗膜を得た。この色相を、
表―2にマンセル表示(HV/C)で示す。本発
明顔料は、市販顔料に比し、色相はやや青味で、
彩度、明度とも大きいことが判る。 (2) 耐候性 上記のアミノアルギツド塗料を耐候性試験用金
属板に吹き付けた後120℃で30分焼き付けた着色
塗板を夫々濃色試料とし、一方、上記顔料1部に
対し、チタン白1部、及び顔料1部に対し、チタ
ン白9部を夫々混合して前記と同様にメラミンア
ルギツド塗料を調製後、同様に塗装板に吹き付け
た着色塗板を、それぞれ中色、淡色試料とした。
これらの試料を米国フロリダ州に於て1年間曝露
試験を行ない、その変退色度を色差(△E)で求
め、表―2に示した。測色は、塗膜にワツクスを
かけた後行なつた。 本発明顔料は、フロリダに於て1年曝露後も色
差(△E)は、1.0未満であり、ほとんど変退色
がなく、市販顔料に比しても極めて耐候性の優れ
ていることが判る。 (3) 耐熱性 本発明の顔料及び市販顔料の夫々6部を別々に
ステアリン酸亜鉛2部と混合してドライカラーに
調製し、これをポリプロピレン6000部とブレンド
し、3オンスインラインスクリユー型成型機を用
い、成型温度280℃、滞留時間0分,10分,20分
の各条件で成型し、耐熱性試験を行つた。市販顔
料の場合、20分滞留させた後得られた着色成形板
の色相は、0分のものと比較してやや赤味とな
り、濃度も小さくなつた。本発明顔料の着色成型
板の色相は、全く変化がなく、耐熱性は極めて良
好であつた。 (4) 成型収縮性 本発明の顔料及び市販顔料夫々1部を別々にス
テアリン酸亜鉛1部と混合して得たドライカラー
を高密度ポリエチレン1000部とドライブレンド
し、金型として、直径120mm、厚さ2mmの円板状
の金型を用い、3オンスインライン式射出成型機
で、成型温度220℃にて円板を成形した。その結
果、市販顔料で着色した円板状成形板は著しく反
り、異常な成型収縮が認められた。一方、本発明
顔料で着色した円板状成形板には、反り等の変形
は認められなかつた。円板の片方を軽くおさえ
て、その反対側の反りが最大になる平面からの高
さ(mm)を変形度として表―2に示した。無着色
のポリエチレンを同様に成形した変合の変形度は
0mmであつた。
第1図乃至第4図は、いずれもX線回折図であ
つて、第1図はε―変態と命名した結晶構造を有
する式()で表わされる顔料のX線回折図、第
2図はα―変態の結晶構造を有する市販のイルガ
ジンイエロー3RLTNのX線回折図である。第3
図及び第4図は、それぞれ、本発明の顔料及び市
販顔料についての、回折角度(2θ)25゜〜35゜の範
囲の各ピークを示す略図である。 第5図は本発明の顔料の赤外線吸収スペクトル
である。
つて、第1図はε―変態と命名した結晶構造を有
する式()で表わされる顔料のX線回折図、第
2図はα―変態の結晶構造を有する市販のイルガ
ジンイエロー3RLTNのX線回折図である。第3
図及び第4図は、それぞれ、本発明の顔料及び市
販顔料についての、回折角度(2θ)25゜〜35゜の範
囲の各ピークを示す略図である。 第5図は本発明の顔料の赤外線吸収スペクトル
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 X線回折図において、回折角度(2θ:Cu―
Kα)25.3゜に強い回折強度を有し、9.6゜,12.4゜に
中程度の回折強度を有し、27.3゜,28.1゜,32.2゜,
34.2゜,39.3゜,43.8゜,47.6゜に比較的弱い回折強度
を有することを特徴とする式() で表わされるビス―(4.5,6,7―テトラクロ
ロイソインドリン―1―オン―3―イリデン)―
フエニレンジアミン(1,4)顔料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2763181A JPS57143363A (en) | 1981-02-28 | 1981-02-28 | Yellow isoindolinone pigment |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2763181A JPS57143363A (en) | 1981-02-28 | 1981-02-28 | Yellow isoindolinone pigment |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57143363A JPS57143363A (en) | 1982-09-04 |
JPS6349711B2 true JPS6349711B2 (ja) | 1988-10-05 |
Family
ID=12226295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2763181A Granted JPS57143363A (en) | 1981-02-28 | 1981-02-28 | Yellow isoindolinone pigment |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57143363A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI754733B (zh) * | 2017-03-29 | 2022-02-11 | 日商住友化學股份有限公司 | 異吲哚啉色素及其製造方法 |
JP7091104B2 (ja) * | 2017-03-29 | 2022-06-27 | 住友化学株式会社 | イソインドリン色素 |
-
1981
- 1981-02-28 JP JP2763181A patent/JPS57143363A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57143363A (en) | 1982-09-04 |
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