JPS634962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可搬式精密計尺装置に係る。

電線等の長尺線状物を布設現場等において計尺
するものに使用する計尺装置は、小型軽量である
ことが望まれる。

上記のような計尺装置は、枠構の一端にＶ字溝
を有する溝付プーリを、他端に周面にウレタンゴ
ム等の硬質ゴム層を有する計尺輪をそれぞれそな
え、枠構の溝付プーリの軸を中心として可回動で
あり、自由端に前記計尺輪と対向して電線等を挾
持する溝付プーリをそなえたレバーを有してい
る。このレバーには、ばねにより自由端が前記計
尺輪に近接する方向のばね力が印加されている。

使用に際しては、手働によつて前記レバーを押
開いた状態で、電線等の側方から計尺輪とそれに
対向する溝付プーリとの間に、電線をはさみ込
み、この状態で手で押え乍ら静かにレバーを計尺
輪に近接させ、その自由端にある溝付ローラと計
尺輪とに電線等を挾圧支持させる。

上記のようにすることにより、急激な挾持によ
る衝撃が電線等に損傷をおよぼすことがないよう
にはなし得るが、前記のばね力は電線等に対し計
尺輪がスリツプするのを防止するため、かなり強
力であり、前記のレバーの押開き、その状態の維
持、ばね力による静かな回動等を行うにはかなり
大きな力を必要とする。

本考案は上記の事情に基きなされたもので、電
線等への装着が容易に行い得る可搬式計尺装置を
得ることを目的としている。

本考案においては、計尺輪に対向する溝付プー
リを自由端に有するレバーを、それに印加された
ばね力に抗して押開いた時、一定角度開いた位置
において自動的に前記レバーに係合する解除可能
の係止片を設けて、前記目的を達成している。

以下、図面につき本考案の詳細を説明する。第
１図Ａ〜Ｄにおいて、断面コ字状の枠構１の一端
には、周面にＶ溝をそなえた溝付プーリ２がプー
リ軸３に可回動に支持させて取付けてあり、他端
には周面にウレタンゴム等の硬質ゴム層４ａをそ
なえた計尺軸４が可回動に取付けてある。

プーリ軸３にはレバー５の一端が可回動に取付
けられ、このレバー５には、前記プーリ軸に係合
され両端末６ａ，６ｂを枠構１側面に突出した突
起７，レバー５の突起８に係合させたねじりばね
６により、自由端が計尺輪４に近接する方向のば
ね力が印加されている。また、レバー５の自由端
には、ばね力によりレバー５がその自由端を計尺
輪に対向させた時、計尺輪４に対向しこれと協働
して電線等を挾圧支持する溝付プーリ９が可回動
に取付けてある。さらに、レバー５の側面の自由
端近傍には、レバー側面に平行な位置と垂直な位
置とを取り得る起倒可能なハンドル１０が設けて
あり、枠構上面にはコ字状のハンドル１１が設け
てある。なお、図中には計尺輪４の回転に対応し
てパルスを発生するロータリエンコーダ、１３は
その出力をコンピユータに導くケーブルを接続す
るためのコネクタを示している。

上記の構成は本明細書の初めの部分に記載した
従来の可搬式計尺装置とほぼ同様である。

而して、本考案においては、枠構１側面に前記
レバー５がばね力に抗して押開かれ枠構１に対し
所要の角度となつた時の、レバー基端上面に対向
し下縁に垂直な縁部を内側に、上開きの斜面を外
側にそなえた係止部１４ａを先端にそなえた係止
レバー１４を、その中間部において枢軸１５によ
り枢着してある。なお、係止レバー１４の基端に
は、レバーの側面から枠構１上面に平行に突出し
て押圧片１４ｂが設けてある。さらに、係止レバ
ー１４には枢軸１５に装着したねじりばね１６に
より先端を降下させる方向のばね力が印加されて
いる。なお、係止レバーの詳細は第２図に示され
ている。

一方、レバー５が枠構に対し所定の角度となつ
た時前記係止部１４ａと対向される基端上面に
は、係止レバーが枠構上面に水平位を取つた時、
レバー下縁に垂直な係止部の内側の縁部に係合す
る縁部をそなえた切欠１７が設けてある。

上記構成の本考案装置においては、次のように
して電線等への装着がなされる。まず、ハンドル
１０をレバー５側面に垂直に起立させ、ハンドル
１１で装置を支え、ハンドル１０を持つてレバー
５を押開いて行く。レバー５が所定の角度まで開
くと、係止レバー１４がばね１６のばね力によ
り、その係止部１４ａをレバー５基端の切欠１７
に嵌入させ、レバー５を前記所定の角度に定位固
定させる。この状態で計尺輪４とプーリ９との間
に電線等Ｃをはさみ、ハンドル１０を持つたま
ま、押圧片１４ｂを押し係止レバー１４をばね１
６のばね力に抗して回動させ、係止部１４ａをレ
バー５の切欠１７から離脱させる。これにより、
レバー５はばね６のばね力により回動することと
なるが、ハンドル１０に加える力により、ばね力
に抗してレバー５をゆるやかに回動させ、計尺輪
４とプーリ９との間に電線等を静かに挾持させ
る。

上記から明らかなように、本考案装置において
は、レバー５は所定角度開いた位置に係止レバー
１４により維持されるので、電線等への装着まで
に押開いた状態に維持する労力を必要としない。

第３図は本考案の他の実施例を示している。こ
の実施例においては、枠構１側面にばね６の端末
６ａに対向してねじ筒１８を固設してあり、この
ねじ筒１８にはばね調節ねじ１９が螺入されてい
る。レバー５の端部側面には目盛線２０が付され
ている。この目盛線２０は計尺輪４，９に対して
最適のばね力を付与するためばね端末６ａの直線
部の位置を示すもので、プーリ軸３に対し接線方
向に設けられている。この実施例では、ばね調節
ねじ１９の進退によりばね端末６ａを目盛線２０
と平行になるようにしてレバー５に印加されるば
ね力を調節することができる。したがつて、この
実施例によれば、挾持する電線Ｃの直径の大小に
かかわらず、ばね圧即ち電線と計尺輪とを常に最
適の接触面圧に保持できるので、計尺輪のスリツ
プがなく正確な計尺を行うことができる。

上記から明らかなように、本考案装置によれ
ば、多大な労力を必要とすることなく、電線等へ
の装着を行うことができ、作業員の疲労を防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案一実施例の正面図、同図Ｂは
その側面図、同図Ｃはその裏面図、同図Ｄは前図
Ｄ−Ｄ線における断面図、第２図はその要部の斜
視図、第３図は他の実施例の正面図である。 １……枠構、２，９……溝付プーリ、４……計
尺輪、５……レバー、６，１５……ばね、１０，
１１……ハンドル、１４……係止レバー、１４ａ
……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面コ字状の枠構の一端に周面にＶ字状の溝を
   そなえた溝付プーリを、他端に計尺輪をそれぞれ
   有し、前記溝付プーリのプーリ軸を中心として可
   回動とされ、自由端に前記と同様の溝付プーリを
   有し、前記溝付プーリを前記計尺輪に押圧する方
   向のばね力を印加されたレバーを有するものにお
   いて、前記レバーを開いた位置に固定する解除可
   能の係止部をそなえた係止レバーを前記枠構側面
   に設けたことを特徴とする可搬式精密計尺装置。