JPS6349064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋼管柱の電食防止装置に関するもので
ある。

電食地帯に建柱する場合、鋼管柱を用いると、
一方の電柱から入つた電食電流がケーブル吊線を
介して他方の電柱を通り地中へ抜けるようにな
り、その電柱から地中へ抜ける箇所で電食を生ず
る。そのため従来電食地帯においては、コンクリ
ート柱や木柱などの電食が生じない電柱を建てて
いた。しかし乍ら、コンクリート柱の場合には、
その重量が大きく、建柱の際には建柱車を用いね
ばならないため、例えば狭い道路や宅地内に建柱
するのは困難がある。一方木柱の場合は、強度
的、美観的な問題があり、例えば自動車の衝突に
よる折損の恐れや、宅地内においてはその住人に
拒否されるという問題がある。直流電流を用いる
鉄道に近接したような電食地帯では住宅密集地が
多く、上記のような問題が極めて多く発生してい
る。電食さえ生じなければ、電食地帯の道路の狭
いところや、宅地内においても比較的軽量で建柱
車を用いないで建柱ができ、また径がコンクリー
ト柱の半分程度と細く、強度が大で美観上も良好
な鋼管柱が極めて有利であるが、前記のように電
食を避けることができないため、電食地帯で鋼管
柱を用いることはできなかつた。

本考案は上記の点にかんがみ、ケーブル吊線と
鋼管柱との間を絶縁するようにして鋼管柱の電食
を防止する装置を提供するものであつて、以下図
面について詳細に説明する。

図は本考案の実施例を示し、１は鋼管柱、２は
鋼管柱に設けたボルト挿通孔に挿通されたケーブ
ル吊線保持金物固定ボルト、３はナツト、４はワ
ツシヤ、５はケーブル吊線保持金物、６はケーブ
ル吊線、７はケーブル吊線締付具である。８は電
柱１と固定ボルト２従つてケーブル吊線保持金物
５、ケーブル吊線６間を絶縁するため、固定ボル
ト２に挿嵌されたゴム、プラスチツク等からなる
鍔付絶縁筒であつて、鋼管柱１の固定ボルト挿通
孔の両側において固定ボルト２上に挿嵌されてお
り、両側の鍔付絶縁筒８の各筒状部は固定ボルト
２と鋼管柱１の孔縁との間を、また一方の絶縁筒
８の鍔部はケーブル吊線保持金物５と鋼管柱１面
との間を絶縁し、他方側の鍔付絶縁筒８の鍔部は
鋼管柱１面とナツト３、座金４間を絶縁してい
る。９は鍔付絶縁筒８の外周に挿嵌されて鍔付絶
縁筒８に加わる力を分散して、局部的に集中力が
加わり該絶縁筒８を破損するようになるのを防止
するための金属絶縁筒である。

以上のように本考案装置は、ケーブル吊線保持
金物を鋼管柱に固定するボルトに、鋼管柱とケー
ブル吊線保持金物とを電気的に絶縁する絶縁筒を
挿嵌したものであるから、ケーブル吊線と鋼管柱
は電気的に絶縁され、電食地帯において鋼管柱を
連設しても電食を生ずる迷走電流を拾うことはな
くなり、鋼管柱の電食を防止することができる。
また絶縁筒上に挿嵌した金属筒により絶縁筒に加
わる力を分散し、局部的集中力が加わることによ
る破損で絶縁不良の生ずる危険を解消して長期間
鋼管柱とケーブル吊線間の絶縁機能を保持させる
ことができる。従つて電食地帯においても電食の
恐れなく鋼管柱を用いるようにすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の断面図を示す。 １……鋼管柱、２……ケーブル吊線保持金物固
定ボルト、５……ケーブル吊線保持金物、６……
ケーブル吊線、８……絶縁筒、９……金属筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼管柱に設けたボルト孔に挿通されケーブル吊
   線を保持する保持金物を上記鋼管柱に固定するボ
   ルトに上記鋼管柱と上記ケーブル吊線保持金物と
   の間を電気的に絶縁する絶縁筒を挿嵌し、さらに
   該絶縁筒上に金属筒を挿嵌したことを特徴とする
   鋼管柱の電食防止装置。