JPS634871B2 - - Google Patents
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- JPS634871B2 JPS634871B2 JP58089225A JP8922583A JPS634871B2 JP S634871 B2 JPS634871 B2 JP S634871B2 JP 58089225 A JP58089225 A JP 58089225A JP 8922583 A JP8922583 A JP 8922583A JP S634871 B2 JPS634871 B2 JP S634871B2
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Description
本発明は、耐ブロツキング性が高度に優れ、か
つ接着性の良い高バリヤー性の塗工膜を与える熱
硬化性と熱可塑性を併せ持つた塩化ビニリデン系
樹脂のラテツクスに関するものである。 塩化ビニリデン系ラテツクスは、その塗工膜が
バリヤー性、耐薬品性等に優れており、プラスチ
ツクフイルム等に塗工され、食品包装分野等にお
いて広く用いられている。 プラスチツクフイルム等に塩化ビニリデン系ラ
テツクスを塗工する際には、塗工乾燥されたフイ
ルムはロール状に巻き取られるのが一般的である
が、そのロール状に巻き取られたフイルムの保存
中に、塗工膜の粘着性故に塗工膜面と基材フイル
ム面の間で、又は塗工膜面同士の間で往々にして
ブロツキング現象が生じることがあり、その場合
塗工膜表面の平滑性や透明性を欠いて塗工フイル
ムの商品価値が著しく低下したり、ロール状態か
らフイルムの送り出しが悪くなるなどの作業性の
低下が生じることがある。 塩化ビニリデン系ラテツクスの上記欠点を改良
するためには、塗工フイルムを高度に結晶化せし
めるのが有効であることが知られており、そのた
めの方法も多数提案されている。しかしながら、
従来の塗工方法においては有効であつたこれらの
方法のいずれも、最近の新規な塗工方法において
は全く不満足な効果しか示さないことが判明し
た。 即ち本発明者らは、先般塩化ビニリデン系ラテ
ツクスの塗工に際して、塩化ビニリデン系ホモポ
リマーの融点以上という従来では考えられなかつ
た高温での処理を行つた上で、結晶化を十分に進
めた塗工膜は、従来公知の方法よりなる塗工膜よ
りも遥かに優れた性能を有することを見いだした
が(特開昭57―165253号公報)、従来提案されて
いる方法によつて単に結晶化速度を大にしてブロ
ツキング現象を回避しようとしても、近年のより
高速を求める塗工工程のもとでは、高温処理によ
り融解せしめられた塗工膜は、ロール状に巻き取
られるまでの短い時間では再び十分高度な結晶化
度に到達しえず、不満足な効果しか示さない。 このように塗工膜が融解するほどの高温処理を
行う塗工方法においては、従来提案されている方
法により単に結晶化速度を大にするだけでは、塗
工膜が十分な結晶化度までに再結晶化するには相
当の時間を要し、ブロツキング現象の回避には不
満足な効果しか示さないことが明白となつた。 そこで、本発明者らは、高温処理の終つた時点
で既にブロツキングを生じないほどの硬度を持つ
塗工膜を与える塩化ビニリデン系ラテツクスを開
発せんものと検討を行つた。 高温処理によ硬度の高い塗工膜を与えるものと
しては、熱硬化性樹脂が一般によく知られている
が、その硬度は架橋によつて分子運動が規制され
ることによるというのが一般的な説明である。 しかしながら、塩化ビニリデン系ラテツクスの
塗工膜の最も重要な性質である酸素や水蒸気等に
対するバリヤー性(不透過性)は、その塗工膜が
熱可塑性である故に結晶性を持つと云うことによ
つているのであり、塗工膜を熱架橋してしまえ
ば、非晶質状態のまま固定されて結晶性は失わ
れ、最早バリヤー性は望めなくなる。即ち、ブロ
ツキング現象を回避するために単に塗工膜を熱硬
化性にすると言つた方法では、塩化ビニリデン系
ラテツクスの食品包装分野における存在意義が失
われてしまうと云う事態に陥る。 そこで本発明者らは、熱架橋による高い硬度と
熱可塑性による高い結晶性とを兼ね備えた塗工膜
を与える塩化ビニリデン系ラテツクスの開発と云
う一見背反する事象を共に成立させようとするが
如き高度な目標を達成せんものと検討を行いこれ
までにも提案を行つてきた。即ち、特願昭57―
60516号の発明においては、塗膜を熱架橋で硬化
せしめることにより、耐ブロツキング性が十分に
優れた塗膜を満足に得ることができるに至つた。 しかしながら、その提案よりなる塗工膜の上に
更に印刷を施したり、他のプラスチツクフイルム
をラミネートしたりする用途においては、印刷イ
ンクやラミネート用接着剤と該塗工膜の間に接着
性に不満が残つた。接着性を良くしようとする
と、硬化度を低下せざるを得ず、耐ブロツキング
性が犠性となることが判明した。 そこで本発明者らは、耐ブロツキング性と接着
性が共に良好で高バリヤー性の塗工膜を与える塩
化ビニリデン系ラテツクスを得んものと更に鋭意
検討を続け、エポキシ基を含有せるラテツクスと
ニトリル基を含有せるラテツクスとを混合したラ
テツクスを用いるならば、耐ブロツキング性と接
着性が共に満足で高バリヤー性の塗工膜が得られ
ることを見いだし本発明をなすに至つた。 即ち、本発明は、エポキシ基を1〜10モル当量
含有し、塩化ビニリデン含有量が90〜99モル%の
塩化ビニリデン系ラテツクス(ラテツクスA)
と、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを
3〜25モル%含有し、塩化ビニリデン含有量が75
〜93モル%の塩化ビニリデン系ラテツクス(ラテ
ツクスB)とが、固形分比で20対80〜60対40で混
合されてなることを特徴とする塩化ビニリデン系
ラテツクスに関するものである。 本発明の好ましい態様としてのラテツクスA
は、塩化ビニリデン90〜99モル%、アクリル酸グ
リシジル又はメタクリル酸グリシジル1〜10モル
%、及び上記2モノマーと乳化共重合可能なモノ
マー0〜10モル%の合計100モル%からなる混合
物を乳化重合してなるラテツクスであり、又、好
ましい態様としてのラテツクスBは、塩化ビニリ
デン75〜93モル%、アクリロニトリル又はメタク
リロニトリル3〜25モル%、及びそれらと乳化共
重合可能なモノマー0〜22モル%の合計100モル
%からなる混合物を乳化重合してなるラテツクス
である。 本発明で云うラテツクスAにエポキシ基を含有
せしめる方法には、(イ)エポキシ基を有し塩化ビニ
リデンと乳化共重合可能なモノマーと、塩化ビニ
リデン又は塩化ビニリデンを含むモノマー混合物
と乳化共重合する方法、(ロ)塩化ビニリデン系ラテ
ツクスの樹脂にエポキシ基を有するモノマーをグ
ラフト重合する方法、(ハ)塩化ビニリデン系ラテツ
クスの樹脂にエポキシ基を含有する高分子化合物
をグラフト化する方法等がある。 (イ)のエポキシ基を有し塩化ビニリデンと乳化共
重合可能なモノマーとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル
エステル又はクロトン酸等のエチレン系α,β―
不飽和カルボン酸と、グリシド、メチルグリシド
又はジメチルグリシド等のエポキシ基を有するア
ルコール化合物とからなるエチレン系α,β―不
飽和酸エステル、グリシド酸又はメチルグリシド
酸等のエポキシ基を有する有機カルボン酸化合物
と、アリルアルコール等のエチレン系不飽和アル
コールとからなるエステル化合物、グリシド、メ
チルグリシド、ジメチルグリシド及びヒスフエノ
ールAモノグリシジルエーテル等のエポキシ基を
有するアルコール化合物とアリルアルコール等の
エチレン系不飽和アルコールとからなるエーテル
化合物が挙げられる。これらのモノマーは、塩化
ビニリデン等の他の原料モノマーと予め混合して
乳化共重合せしめても良いし、乳化重合前又は重
合中の他のモノマーとは別に添加し乳化共重合せ
しめても良い。 (ロ)の方法には(イ)において挙げたモノマーを用い
ることができ、塩化ビニリデン系ラテツクスに添
加しグラフト重合せしめる。 (ハ)には、(イ)において挙げたモノマーのホモ重合
物又は共重合物を塩化ビニリデン系ラテツクスの
樹脂に高分子反応にてグラフト化せしめる方法が
ある。 本発明で云うラテツクスBにアクリロニトリル
及び/又はメタクリロニトリルを含有せしめる方
法には、(a)アクリロニトリル及び/又はメタクリ
ロニトリルと、塩化ビニリデン又は塩化ビニリデ
ンを含むモノマー混合物と乳化共重合する方法、
(b)塩化ビニリデン系ラテツクスの樹脂にアクリロ
ニトリル及び/又はメタクリロニトリルをグラフ
ト重合する方法、(c)塩化ビニリデン系ラテツクス
の樹脂にアクリロニトリル及び/又はメタクリロ
ニトリルを含有する高分子化合物をグラフトする
方法がある。 (a)の方法では、アクリロニトリル及び/又はメ
タクリロニトリルを、塩化ビニリデン等の他の原
料モノマーと予め混合して乳化重合せしめても良
いし、乳化重合前又は乳化重合中に他のモノマー
とは別に添加し乳化重合せしめても良い。 (b)の方法では、アクリロニトリル及び/又はメ
タクリロニトリルを用い、塩化ビニリデン系ラテ
ツクスに添加してグラフト重合せしめる。 (c)には、アクリロニトリル及び/又はメタクリ
ロニトリルのホモ重合物又は共重合物を塩化ビニ
リデン系ラテツクスの樹脂に高分子反応にてグラ
フト化せしめる方法がある。 本発明のラテツクスA及びラテツクスBにおけ
る乳化共重合可能なモノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸又はイタコン酸等のエチレン系
α,β―不飽和カルボン酸、それら不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル又はヒドロキシアルキル
エステル、アクリルアミド等のエチレン系α,β
―不飽和カルボン酸のアミド化合物、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルメチ
ルエーテル等のビニルエーテル、酢酸アリル等の
アリルエステル、アリルメチルエーテル等のアリ
ルエーテルがあり、ラテツクスAにアクリロニト
リル又はメタクリロニトリル等のシアノアルケ
ン、又はシアノエチルアクリレート等のシアノ基
を有するエチレン系α,β―不飽和カルボン酸エ
ステルを用いることができる。 又、乳化共重合用の触媒には、過硫酸ナトリウ
ム等の過流酸塩、過酸化水素、ターシヤリーブチ
ルハイドロパーオキサイド等の水溶性有機過酸化
物があり、重合前又は重合中に触媒の一部又は全
部を加える。又、助触媒として亜硫酸水素ナトリ
ウムまたはロンガリツト等の還元剤を用いること
ができる。 乳化共重合用及びラテツクスの気液表面張力調
整用の界面活性剤には、アルキルスルホン酸ソー
ダ塩、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ塩、ア
ルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ソーダ
塩、高級アルコール硫酸エステルソーダ塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフエニルエーテルスルホ
ン酸ソーダ塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等が
ある。 本発明のラテツクスAの塩化ビニリデンの組成
比が90モル%未満では、所望の耐ブロツキング性
が得られない。又、99モル%を超えると、エチレ
ン系α,β―不飽和カルボン酸のグリシジルエス
テルの含有量が1モル%に満たないこととなり、
これも又所望の耐ブロツキング性が確保できなく
なるし、接着性も満足なものでなくなる。又、該
グリシジルエステルの含有量が10モル%を超える
と、塩化ビニリデンの含有量が90モル%を下回る
こととなり、所望の耐ブロツキング性が確保でき
ない。 本発明のラテツクスAには、所望に応じて塩化
ビニリデン及び該グリシジルエステルと共に他の
モノマーを用いることができるが、その量(モル
%)は、望ましい高度な耐ブロツキング性を得る
ためには、該グリシジルエステルの量(モル%)
を超えるべきでない。 本発明のラテツクスBの塩化ビニリデンの組成
比が75モル%未満では、基本的性能であるバリヤ
ー性に満足が得られないし、93モル%以上では、
所望の成膜性が得られない。 本発明で云う成膜性とは、ラテツクスを塗工乾
燥した際に欠陥の無い連続透明皮膜を形成する能
力であり、無色透明の耐熱性基体フイルムにラテ
ツクスを塗工し、100℃程度の熱風で乾燥した後、
高温(例えば200℃)で熱処理して得た被覆膜の
外観にて判定する。外観に全く白濁が無く透明な
ものを「成膜性良好」とする。 成膜性が劣つたならば、そのラテツクスを塗工
したフイルムは白濁不透明となり商品価値が著し
く低下するばかりでなく、塗工膜の欠陥部分には
バリヤー性が期待できぬ故結局塗工物の肝腎のバ
リヤー性が劣つてしまう。 又、本発明のラテツクスBに云うアクリロニト
リル又はメタクリロニトリルの組成比が3モル%
未満では所望の耐ブロツキング性が得られない
し、25モル%を超えると塩化ビニリデンが75モル
%未満となることとなり、上述の如く発明の目的
を達成しない。 本発明のラテツクスAとラテツクスBの混合比
は固形分比にて20対80乃至60対40である。ラテツ
クスAの量がこれよりも少ないと耐ブロツキング
性が満足されず、多すぎると成膜性が乏しく良好
な塗膜が得られなくなる。 以下に例を挙げて本発明を詳細に説明する。単
に部又は%としているのは重量部又は重量%のこ
とである。 実施例 1 ラテツクスA及びラテツクスBを下記の各々の
方法により得た。 ラテツクスA ガラスライニングを施した耐圧反応器中に水87
部、アルキルスルホン酸ソーダ(バイエル社メロ
ソラートH、以下同じ)0.25部及び過硫酸ナトリ
ウム0.05部を仕込み、脱気を行つた後内容物の温
度を45℃に保つた。別の容器に塩化ビニリデン
(VDC)96.4部、グリシジルメタクリレート
(GMA)2.9部及びアクリル酸(AA)0.7部を計
量混合してモノマー混合物を作成した。前記反応
器中にモノマー混合物の10部を仕込み、撹拌下反
応を進行させた。反応器中の内圧が降下すること
で反応が十分進行したことを確認した後、15%水
溶液のアルキルスルホン酸ソーダ5.5部(有効成
分として0.825部)を圧入し、しかる後該モノマ
ー混合物の残り全量を一時に圧入した。更に5%
水溶液のアルキルスルホン酸ソーダ16部(有効成
分として0.8部)を20時間にわたつて定量連続圧
入した。この間45℃に保ち、内圧が十分に降下す
るまで反応を進行させた。かくして得られたラテ
ツクスに15%水溶液のアルキルスルホン酸ソーダ
を加えて、20℃における気液表面張力が
42dyne/cmとなるよう調整した。 なお、このラテツクスの仕込みモノマー混合物
の組成比はモル%で表示すると下記のとおりであ
る。 VDC 97モル%、GMA 2モル%、AA 1モル
%。 このラテツクスを温メタノール中に凝析し乾燥
して得た樹脂につき、Sho¨nigerの酸素フラスコ
燃焼法により求めた塩素含有量は70.37%であり、
塩化ビニリデン含有量に換算すると96.21%とな
つた。 又、同樹脂をキユリーポイントパイロライザー
にて熱分解せしめたガスにつき、ガスクロマトグ
ラフにて1,2,3―トリクロルプロパンを定量
し、発生した1,2,3―トリクロルプロパンの
重量とグリシジルメタクリレートの重量と関係を
示す検量線に基づきグリシジルメタクリレートの
含有量を求めたら3.06%であつた。 上記塩化ビニリデン量とグリシジルメタクリレ
ート量を差し引くことでアクリル酸量を0.73%と
した。これをモル%に換算すると、 VDC 96.9モル%、GMA 2.1モル%、AA 1.0
モル%となり、実質的に仕込まれたモノマーの全
量が重合物になつたとみなされる。 ラテツクスB ガラスライニングを施した耐圧反応器中に、水
86部、アルキルスルホン酸ソーダ0.15部及び過硫
酸ソーダ0.15部を仕込み、脱気を行つた後内容物
の温度を55℃に保つた。これとは別の容器に
VDC91.7部、アクリロニトリル(AN)4.6部及び
メチルアクリレート(MA)3.7部を計量混合し
てモノマー混合物を作成した。前記反応器中にモ
ノマー混合物の10部を仕込み、撹拌下反応を進行
させた。反応器の内圧が降下することで反応が殆
ど進行したことを確認した後、15%水溶液のアル
キルスルホン酸ソーダ10部(有効成分として1.5
部)を圧入し、しかる後該モノマー混合物の残り
全量を10時間にわたつて連続して定量圧入した。
更に内圧が十分降下するまで反応を進めた。かく
して得られたラテツクスに20℃における気液表面
張力が42dyne/cmになるように15%水溶液のア
ルキルスルホン酸ソーダを加えた。 なお、このラテツクスの仕込みモノマー混合物
の組成比はモル%で表示すると、下記のとおりで
ある。 VDC 88モル%、AN 8モル%、MA 4モル
%。 ラテツクスAと同様に塩素含有量を定量して得
た塩化ビニリデン含有量は、91.63%であり、ミ
クロケルダール法にて窒素含有量を定量してアク
リロニトリル含有量に換算すると4.63%となつ
た。 上記塩化ビニリデン量とアクリロニトリル量を
差し引くことでメチルアクリレートを3.74部とし
た。これをモル%に換算すると、 VDC 87.9モル%、AN 8.1モル%、MA 4.0モ
ル%、となり、実質的に仕込まれたモノマーの全
量が重合物になつたとみなされる。 ラテツクスAとラテツクスBとを所定の割合で
混合して、本発明に云うラテツクスを得た。 該ラテツクスを二軸延伸ナイロンフイルム
(15μ)に乾燥塗布量が5g/m2となるように塗工
し、80℃に保つたオーブン中で30秒間乾燥した。
しかる後熱収縮が起こらぬよう型枠にはさみ200
℃に保つたオーブン中で60秒間加熱した後、冷風
を当てて室温にまで冷却して塗工物を得た。この
塗工物について、本発明に云う耐ブロツキング
性、接着性、及びバリヤー性の評価を下記の如く
行つた。 即ち、該塗工物を冷却後直ちに塗工面と基材面
が接するように重ね、その上から2Kg/cm2の圧力
をかけ40℃オーブン中で20時間放置した。しかる
後フイルムを剥離し塗工面を観察して耐ブロツキ
ング性を判定した。圧着の痕跡が認められないも
のを◎印、僅かに痕跡が認められるものを〇印、
及び強い痕跡が認められるものを×印で表示し
た。 本発明で云う接着性は、塗工物に対する印刷イ
ンクの密着性で評価できるものである。即ち、該
塗工物を40℃に保つたオーブン中で2日間エージ
ングした後、塗膜面上にGNC―STN白色インク
(東洋インキ製)を乾燥塗布量が2g/m2となるよ
うに塗工し、60℃に保つたオーブン中で1分間乾
燥した。しかる後、インクのセロテープ剥離テス
トを行いインク密着性を判定した。全く剥離しな
いものを◎印、殆ど剥離しないものを〇印、明ら
かに剥離の見られるものを×印で表示した。 又、該塗工物を40℃に保つたオーブン中で2日
間エージングした後、OXTRAN―100(Modern
Control製)を用いて、20℃で相対湿度100%の条
件下で酸素透過率を測定した。測定値はc.c./m2・
atm・24hrの単位で表示した。 ラテツクスAとラテツクスBの混合比が20対80
乃至60対40であるブレンドラテツクスは、耐ブロ
ツキング性、接着性、及びバリヤー性共に満足な
結果を示したが、混合比が10対90では耐ブロツキ
ング性が劣り、混合比が70対30では、成膜性が不
良のためか、満足なバリヤー性が得られなかつ
た。 これらの結果は表1に示した。 比較例 1 ラテツクスAとしては、本発明のグリシジルエ
ステルを含まず、塩化ビニリデン9モル%とメチ
ルアクリレート3モル%からなるモノマー混合物
について、実施例1のラテツクスAと全く同様の
方法で得た該ラテツクスAと、実施例1と同じラ
テツクスBを所定の割合で混合し、実施例1と全
く同様に高温での処理を伴う塗工を行い、塗工物
を得た。この塗工物について耐ブロツキング性と
接着性を評価した。その結果は表1に示す如く、
両性能共に不満足なものであつた。 以下に示す例は特に断らない限り、実施例1と
モノマー混合物の組成が異なるだけで、ラテツク
ス及び塗工物の作成方法、評価方法はすべて実施
例1と同様に行つた。但し、耐ブロツキング性の
悪いものについては、最早バリヤー性の測定は行
わなかつた。その結果を表1にまとめて示す。 比較例 2 ラテツクスAは実施例1と同じものを用い、ラ
テツクスBとしては、(メタ)アクリロニトリル
を含まずに、塩化ビニリデン90モル%、メチルア
クリレート8モル%、及びメタクリル酸
(MAA)2モル%からなるモノマー混合物より
得た。 実施例 2 塩化ビニリデン95モル%とグリシジルメタクリ
レート5モル%からなるモノマー混合物よりラテ
ツクスAを得た。塩化ビニリデン88モル%、アク
リロニトリルト4モル%、及びメチルメタクリル
ート(MMA)8モル%からなるモノマ混合物よ
りラテツクスBを得た。 実施例 3 ラテツクスAは実施例2と同じものを用い、ラ
テツクスBは、塩化ビニリデン90モル%、メタク
リロニトリル(MAN)6モル%、及びメチルア
クリレート4モル%からなるモノマー混合物より
得た。 実施例 4 ラテツクスAは、塩化ビニリデン94モル%、グ
リシジルメタクリレート4モル%、及びメタクリ
ル酸2モル%からなるモノマー混合物より得た。
ラテツクスBは、実施例1と同じものを用いた。 実施例 5 ラテツクスAは、塩化ビニリデン91モル%、グ
リシジルメタクリレート7モル%、及びメチルメ
タクリレート2モル%からなるモノマー混合物よ
り作成した。ラテツクスBは、実施例1と同じも
のを用いた。 比較例 3 ラテツクスAとしては、塩化ビニリデンが本発
明の下限を下回る88モル%、グリシジルメタクリ
レート4モル%、メチルアクリレート6モル%、
及びメタクリル酸2モル%からなるモノマー混合
物より作成した。ラテツクスBは、実施例1と同
じものを用いた。 実施例 6 ラテツクスAは、実施例1と同じものを用い
た。ラテツクスBは、塩化ビニリデン80モル%、
及びメタクリロニトリル20モル%からなるモノマ
ー混合物より作成した。 以上の結果を表1にまとめて示す。
つ接着性の良い高バリヤー性の塗工膜を与える熱
硬化性と熱可塑性を併せ持つた塩化ビニリデン系
樹脂のラテツクスに関するものである。 塩化ビニリデン系ラテツクスは、その塗工膜が
バリヤー性、耐薬品性等に優れており、プラスチ
ツクフイルム等に塗工され、食品包装分野等にお
いて広く用いられている。 プラスチツクフイルム等に塩化ビニリデン系ラ
テツクスを塗工する際には、塗工乾燥されたフイ
ルムはロール状に巻き取られるのが一般的である
が、そのロール状に巻き取られたフイルムの保存
中に、塗工膜の粘着性故に塗工膜面と基材フイル
ム面の間で、又は塗工膜面同士の間で往々にして
ブロツキング現象が生じることがあり、その場合
塗工膜表面の平滑性や透明性を欠いて塗工フイル
ムの商品価値が著しく低下したり、ロール状態か
らフイルムの送り出しが悪くなるなどの作業性の
低下が生じることがある。 塩化ビニリデン系ラテツクスの上記欠点を改良
するためには、塗工フイルムを高度に結晶化せし
めるのが有効であることが知られており、そのた
めの方法も多数提案されている。しかしながら、
従来の塗工方法においては有効であつたこれらの
方法のいずれも、最近の新規な塗工方法において
は全く不満足な効果しか示さないことが判明し
た。 即ち本発明者らは、先般塩化ビニリデン系ラテ
ツクスの塗工に際して、塩化ビニリデン系ホモポ
リマーの融点以上という従来では考えられなかつ
た高温での処理を行つた上で、結晶化を十分に進
めた塗工膜は、従来公知の方法よりなる塗工膜よ
りも遥かに優れた性能を有することを見いだした
が(特開昭57―165253号公報)、従来提案されて
いる方法によつて単に結晶化速度を大にしてブロ
ツキング現象を回避しようとしても、近年のより
高速を求める塗工工程のもとでは、高温処理によ
り融解せしめられた塗工膜は、ロール状に巻き取
られるまでの短い時間では再び十分高度な結晶化
度に到達しえず、不満足な効果しか示さない。 このように塗工膜が融解するほどの高温処理を
行う塗工方法においては、従来提案されている方
法により単に結晶化速度を大にするだけでは、塗
工膜が十分な結晶化度までに再結晶化するには相
当の時間を要し、ブロツキング現象の回避には不
満足な効果しか示さないことが明白となつた。 そこで、本発明者らは、高温処理の終つた時点
で既にブロツキングを生じないほどの硬度を持つ
塗工膜を与える塩化ビニリデン系ラテツクスを開
発せんものと検討を行つた。 高温処理によ硬度の高い塗工膜を与えるものと
しては、熱硬化性樹脂が一般によく知られている
が、その硬度は架橋によつて分子運動が規制され
ることによるというのが一般的な説明である。 しかしながら、塩化ビニリデン系ラテツクスの
塗工膜の最も重要な性質である酸素や水蒸気等に
対するバリヤー性(不透過性)は、その塗工膜が
熱可塑性である故に結晶性を持つと云うことによ
つているのであり、塗工膜を熱架橋してしまえ
ば、非晶質状態のまま固定されて結晶性は失わ
れ、最早バリヤー性は望めなくなる。即ち、ブロ
ツキング現象を回避するために単に塗工膜を熱硬
化性にすると言つた方法では、塩化ビニリデン系
ラテツクスの食品包装分野における存在意義が失
われてしまうと云う事態に陥る。 そこで本発明者らは、熱架橋による高い硬度と
熱可塑性による高い結晶性とを兼ね備えた塗工膜
を与える塩化ビニリデン系ラテツクスの開発と云
う一見背反する事象を共に成立させようとするが
如き高度な目標を達成せんものと検討を行いこれ
までにも提案を行つてきた。即ち、特願昭57―
60516号の発明においては、塗膜を熱架橋で硬化
せしめることにより、耐ブロツキング性が十分に
優れた塗膜を満足に得ることができるに至つた。 しかしながら、その提案よりなる塗工膜の上に
更に印刷を施したり、他のプラスチツクフイルム
をラミネートしたりする用途においては、印刷イ
ンクやラミネート用接着剤と該塗工膜の間に接着
性に不満が残つた。接着性を良くしようとする
と、硬化度を低下せざるを得ず、耐ブロツキング
性が犠性となることが判明した。 そこで本発明者らは、耐ブロツキング性と接着
性が共に良好で高バリヤー性の塗工膜を与える塩
化ビニリデン系ラテツクスを得んものと更に鋭意
検討を続け、エポキシ基を含有せるラテツクスと
ニトリル基を含有せるラテツクスとを混合したラ
テツクスを用いるならば、耐ブロツキング性と接
着性が共に満足で高バリヤー性の塗工膜が得られ
ることを見いだし本発明をなすに至つた。 即ち、本発明は、エポキシ基を1〜10モル当量
含有し、塩化ビニリデン含有量が90〜99モル%の
塩化ビニリデン系ラテツクス(ラテツクスA)
と、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを
3〜25モル%含有し、塩化ビニリデン含有量が75
〜93モル%の塩化ビニリデン系ラテツクス(ラテ
ツクスB)とが、固形分比で20対80〜60対40で混
合されてなることを特徴とする塩化ビニリデン系
ラテツクスに関するものである。 本発明の好ましい態様としてのラテツクスA
は、塩化ビニリデン90〜99モル%、アクリル酸グ
リシジル又はメタクリル酸グリシジル1〜10モル
%、及び上記2モノマーと乳化共重合可能なモノ
マー0〜10モル%の合計100モル%からなる混合
物を乳化重合してなるラテツクスであり、又、好
ましい態様としてのラテツクスBは、塩化ビニリ
デン75〜93モル%、アクリロニトリル又はメタク
リロニトリル3〜25モル%、及びそれらと乳化共
重合可能なモノマー0〜22モル%の合計100モル
%からなる混合物を乳化重合してなるラテツクス
である。 本発明で云うラテツクスAにエポキシ基を含有
せしめる方法には、(イ)エポキシ基を有し塩化ビニ
リデンと乳化共重合可能なモノマーと、塩化ビニ
リデン又は塩化ビニリデンを含むモノマー混合物
と乳化共重合する方法、(ロ)塩化ビニリデン系ラテ
ツクスの樹脂にエポキシ基を有するモノマーをグ
ラフト重合する方法、(ハ)塩化ビニリデン系ラテツ
クスの樹脂にエポキシ基を含有する高分子化合物
をグラフト化する方法等がある。 (イ)のエポキシ基を有し塩化ビニリデンと乳化共
重合可能なモノマーとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル
エステル又はクロトン酸等のエチレン系α,β―
不飽和カルボン酸と、グリシド、メチルグリシド
又はジメチルグリシド等のエポキシ基を有するア
ルコール化合物とからなるエチレン系α,β―不
飽和酸エステル、グリシド酸又はメチルグリシド
酸等のエポキシ基を有する有機カルボン酸化合物
と、アリルアルコール等のエチレン系不飽和アル
コールとからなるエステル化合物、グリシド、メ
チルグリシド、ジメチルグリシド及びヒスフエノ
ールAモノグリシジルエーテル等のエポキシ基を
有するアルコール化合物とアリルアルコール等の
エチレン系不飽和アルコールとからなるエーテル
化合物が挙げられる。これらのモノマーは、塩化
ビニリデン等の他の原料モノマーと予め混合して
乳化共重合せしめても良いし、乳化重合前又は重
合中の他のモノマーとは別に添加し乳化共重合せ
しめても良い。 (ロ)の方法には(イ)において挙げたモノマーを用い
ることができ、塩化ビニリデン系ラテツクスに添
加しグラフト重合せしめる。 (ハ)には、(イ)において挙げたモノマーのホモ重合
物又は共重合物を塩化ビニリデン系ラテツクスの
樹脂に高分子反応にてグラフト化せしめる方法が
ある。 本発明で云うラテツクスBにアクリロニトリル
及び/又はメタクリロニトリルを含有せしめる方
法には、(a)アクリロニトリル及び/又はメタクリ
ロニトリルと、塩化ビニリデン又は塩化ビニリデ
ンを含むモノマー混合物と乳化共重合する方法、
(b)塩化ビニリデン系ラテツクスの樹脂にアクリロ
ニトリル及び/又はメタクリロニトリルをグラフ
ト重合する方法、(c)塩化ビニリデン系ラテツクス
の樹脂にアクリロニトリル及び/又はメタクリロ
ニトリルを含有する高分子化合物をグラフトする
方法がある。 (a)の方法では、アクリロニトリル及び/又はメ
タクリロニトリルを、塩化ビニリデン等の他の原
料モノマーと予め混合して乳化重合せしめても良
いし、乳化重合前又は乳化重合中に他のモノマー
とは別に添加し乳化重合せしめても良い。 (b)の方法では、アクリロニトリル及び/又はメ
タクリロニトリルを用い、塩化ビニリデン系ラテ
ツクスに添加してグラフト重合せしめる。 (c)には、アクリロニトリル及び/又はメタクリ
ロニトリルのホモ重合物又は共重合物を塩化ビニ
リデン系ラテツクスの樹脂に高分子反応にてグラ
フト化せしめる方法がある。 本発明のラテツクスA及びラテツクスBにおけ
る乳化共重合可能なモノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸又はイタコン酸等のエチレン系
α,β―不飽和カルボン酸、それら不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル又はヒドロキシアルキル
エステル、アクリルアミド等のエチレン系α,β
―不飽和カルボン酸のアミド化合物、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルメチ
ルエーテル等のビニルエーテル、酢酸アリル等の
アリルエステル、アリルメチルエーテル等のアリ
ルエーテルがあり、ラテツクスAにアクリロニト
リル又はメタクリロニトリル等のシアノアルケ
ン、又はシアノエチルアクリレート等のシアノ基
を有するエチレン系α,β―不飽和カルボン酸エ
ステルを用いることができる。 又、乳化共重合用の触媒には、過硫酸ナトリウ
ム等の過流酸塩、過酸化水素、ターシヤリーブチ
ルハイドロパーオキサイド等の水溶性有機過酸化
物があり、重合前又は重合中に触媒の一部又は全
部を加える。又、助触媒として亜硫酸水素ナトリ
ウムまたはロンガリツト等の還元剤を用いること
ができる。 乳化共重合用及びラテツクスの気液表面張力調
整用の界面活性剤には、アルキルスルホン酸ソー
ダ塩、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ塩、ア
ルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ソーダ
塩、高級アルコール硫酸エステルソーダ塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフエニルエーテルスルホ
ン酸ソーダ塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等が
ある。 本発明のラテツクスAの塩化ビニリデンの組成
比が90モル%未満では、所望の耐ブロツキング性
が得られない。又、99モル%を超えると、エチレ
ン系α,β―不飽和カルボン酸のグリシジルエス
テルの含有量が1モル%に満たないこととなり、
これも又所望の耐ブロツキング性が確保できなく
なるし、接着性も満足なものでなくなる。又、該
グリシジルエステルの含有量が10モル%を超える
と、塩化ビニリデンの含有量が90モル%を下回る
こととなり、所望の耐ブロツキング性が確保でき
ない。 本発明のラテツクスAには、所望に応じて塩化
ビニリデン及び該グリシジルエステルと共に他の
モノマーを用いることができるが、その量(モル
%)は、望ましい高度な耐ブロツキング性を得る
ためには、該グリシジルエステルの量(モル%)
を超えるべきでない。 本発明のラテツクスBの塩化ビニリデンの組成
比が75モル%未満では、基本的性能であるバリヤ
ー性に満足が得られないし、93モル%以上では、
所望の成膜性が得られない。 本発明で云う成膜性とは、ラテツクスを塗工乾
燥した際に欠陥の無い連続透明皮膜を形成する能
力であり、無色透明の耐熱性基体フイルムにラテ
ツクスを塗工し、100℃程度の熱風で乾燥した後、
高温(例えば200℃)で熱処理して得た被覆膜の
外観にて判定する。外観に全く白濁が無く透明な
ものを「成膜性良好」とする。 成膜性が劣つたならば、そのラテツクスを塗工
したフイルムは白濁不透明となり商品価値が著し
く低下するばかりでなく、塗工膜の欠陥部分には
バリヤー性が期待できぬ故結局塗工物の肝腎のバ
リヤー性が劣つてしまう。 又、本発明のラテツクスBに云うアクリロニト
リル又はメタクリロニトリルの組成比が3モル%
未満では所望の耐ブロツキング性が得られない
し、25モル%を超えると塩化ビニリデンが75モル
%未満となることとなり、上述の如く発明の目的
を達成しない。 本発明のラテツクスAとラテツクスBの混合比
は固形分比にて20対80乃至60対40である。ラテツ
クスAの量がこれよりも少ないと耐ブロツキング
性が満足されず、多すぎると成膜性が乏しく良好
な塗膜が得られなくなる。 以下に例を挙げて本発明を詳細に説明する。単
に部又は%としているのは重量部又は重量%のこ
とである。 実施例 1 ラテツクスA及びラテツクスBを下記の各々の
方法により得た。 ラテツクスA ガラスライニングを施した耐圧反応器中に水87
部、アルキルスルホン酸ソーダ(バイエル社メロ
ソラートH、以下同じ)0.25部及び過硫酸ナトリ
ウム0.05部を仕込み、脱気を行つた後内容物の温
度を45℃に保つた。別の容器に塩化ビニリデン
(VDC)96.4部、グリシジルメタクリレート
(GMA)2.9部及びアクリル酸(AA)0.7部を計
量混合してモノマー混合物を作成した。前記反応
器中にモノマー混合物の10部を仕込み、撹拌下反
応を進行させた。反応器中の内圧が降下すること
で反応が十分進行したことを確認した後、15%水
溶液のアルキルスルホン酸ソーダ5.5部(有効成
分として0.825部)を圧入し、しかる後該モノマ
ー混合物の残り全量を一時に圧入した。更に5%
水溶液のアルキルスルホン酸ソーダ16部(有効成
分として0.8部)を20時間にわたつて定量連続圧
入した。この間45℃に保ち、内圧が十分に降下す
るまで反応を進行させた。かくして得られたラテ
ツクスに15%水溶液のアルキルスルホン酸ソーダ
を加えて、20℃における気液表面張力が
42dyne/cmとなるよう調整した。 なお、このラテツクスの仕込みモノマー混合物
の組成比はモル%で表示すると下記のとおりであ
る。 VDC 97モル%、GMA 2モル%、AA 1モル
%。 このラテツクスを温メタノール中に凝析し乾燥
して得た樹脂につき、Sho¨nigerの酸素フラスコ
燃焼法により求めた塩素含有量は70.37%であり、
塩化ビニリデン含有量に換算すると96.21%とな
つた。 又、同樹脂をキユリーポイントパイロライザー
にて熱分解せしめたガスにつき、ガスクロマトグ
ラフにて1,2,3―トリクロルプロパンを定量
し、発生した1,2,3―トリクロルプロパンの
重量とグリシジルメタクリレートの重量と関係を
示す検量線に基づきグリシジルメタクリレートの
含有量を求めたら3.06%であつた。 上記塩化ビニリデン量とグリシジルメタクリレ
ート量を差し引くことでアクリル酸量を0.73%と
した。これをモル%に換算すると、 VDC 96.9モル%、GMA 2.1モル%、AA 1.0
モル%となり、実質的に仕込まれたモノマーの全
量が重合物になつたとみなされる。 ラテツクスB ガラスライニングを施した耐圧反応器中に、水
86部、アルキルスルホン酸ソーダ0.15部及び過硫
酸ソーダ0.15部を仕込み、脱気を行つた後内容物
の温度を55℃に保つた。これとは別の容器に
VDC91.7部、アクリロニトリル(AN)4.6部及び
メチルアクリレート(MA)3.7部を計量混合し
てモノマー混合物を作成した。前記反応器中にモ
ノマー混合物の10部を仕込み、撹拌下反応を進行
させた。反応器の内圧が降下することで反応が殆
ど進行したことを確認した後、15%水溶液のアル
キルスルホン酸ソーダ10部(有効成分として1.5
部)を圧入し、しかる後該モノマー混合物の残り
全量を10時間にわたつて連続して定量圧入した。
更に内圧が十分降下するまで反応を進めた。かく
して得られたラテツクスに20℃における気液表面
張力が42dyne/cmになるように15%水溶液のア
ルキルスルホン酸ソーダを加えた。 なお、このラテツクスの仕込みモノマー混合物
の組成比はモル%で表示すると、下記のとおりで
ある。 VDC 88モル%、AN 8モル%、MA 4モル
%。 ラテツクスAと同様に塩素含有量を定量して得
た塩化ビニリデン含有量は、91.63%であり、ミ
クロケルダール法にて窒素含有量を定量してアク
リロニトリル含有量に換算すると4.63%となつ
た。 上記塩化ビニリデン量とアクリロニトリル量を
差し引くことでメチルアクリレートを3.74部とし
た。これをモル%に換算すると、 VDC 87.9モル%、AN 8.1モル%、MA 4.0モ
ル%、となり、実質的に仕込まれたモノマーの全
量が重合物になつたとみなされる。 ラテツクスAとラテツクスBとを所定の割合で
混合して、本発明に云うラテツクスを得た。 該ラテツクスを二軸延伸ナイロンフイルム
(15μ)に乾燥塗布量が5g/m2となるように塗工
し、80℃に保つたオーブン中で30秒間乾燥した。
しかる後熱収縮が起こらぬよう型枠にはさみ200
℃に保つたオーブン中で60秒間加熱した後、冷風
を当てて室温にまで冷却して塗工物を得た。この
塗工物について、本発明に云う耐ブロツキング
性、接着性、及びバリヤー性の評価を下記の如く
行つた。 即ち、該塗工物を冷却後直ちに塗工面と基材面
が接するように重ね、その上から2Kg/cm2の圧力
をかけ40℃オーブン中で20時間放置した。しかる
後フイルムを剥離し塗工面を観察して耐ブロツキ
ング性を判定した。圧着の痕跡が認められないも
のを◎印、僅かに痕跡が認められるものを〇印、
及び強い痕跡が認められるものを×印で表示し
た。 本発明で云う接着性は、塗工物に対する印刷イ
ンクの密着性で評価できるものである。即ち、該
塗工物を40℃に保つたオーブン中で2日間エージ
ングした後、塗膜面上にGNC―STN白色インク
(東洋インキ製)を乾燥塗布量が2g/m2となるよ
うに塗工し、60℃に保つたオーブン中で1分間乾
燥した。しかる後、インクのセロテープ剥離テス
トを行いインク密着性を判定した。全く剥離しな
いものを◎印、殆ど剥離しないものを〇印、明ら
かに剥離の見られるものを×印で表示した。 又、該塗工物を40℃に保つたオーブン中で2日
間エージングした後、OXTRAN―100(Modern
Control製)を用いて、20℃で相対湿度100%の条
件下で酸素透過率を測定した。測定値はc.c./m2・
atm・24hrの単位で表示した。 ラテツクスAとラテツクスBの混合比が20対80
乃至60対40であるブレンドラテツクスは、耐ブロ
ツキング性、接着性、及びバリヤー性共に満足な
結果を示したが、混合比が10対90では耐ブロツキ
ング性が劣り、混合比が70対30では、成膜性が不
良のためか、満足なバリヤー性が得られなかつ
た。 これらの結果は表1に示した。 比較例 1 ラテツクスAとしては、本発明のグリシジルエ
ステルを含まず、塩化ビニリデン9モル%とメチ
ルアクリレート3モル%からなるモノマー混合物
について、実施例1のラテツクスAと全く同様の
方法で得た該ラテツクスAと、実施例1と同じラ
テツクスBを所定の割合で混合し、実施例1と全
く同様に高温での処理を伴う塗工を行い、塗工物
を得た。この塗工物について耐ブロツキング性と
接着性を評価した。その結果は表1に示す如く、
両性能共に不満足なものであつた。 以下に示す例は特に断らない限り、実施例1と
モノマー混合物の組成が異なるだけで、ラテツク
ス及び塗工物の作成方法、評価方法はすべて実施
例1と同様に行つた。但し、耐ブロツキング性の
悪いものについては、最早バリヤー性の測定は行
わなかつた。その結果を表1にまとめて示す。 比較例 2 ラテツクスAは実施例1と同じものを用い、ラ
テツクスBとしては、(メタ)アクリロニトリル
を含まずに、塩化ビニリデン90モル%、メチルア
クリレート8モル%、及びメタクリル酸
(MAA)2モル%からなるモノマー混合物より
得た。 実施例 2 塩化ビニリデン95モル%とグリシジルメタクリ
レート5モル%からなるモノマー混合物よりラテ
ツクスAを得た。塩化ビニリデン88モル%、アク
リロニトリルト4モル%、及びメチルメタクリル
ート(MMA)8モル%からなるモノマ混合物よ
りラテツクスBを得た。 実施例 3 ラテツクスAは実施例2と同じものを用い、ラ
テツクスBは、塩化ビニリデン90モル%、メタク
リロニトリル(MAN)6モル%、及びメチルア
クリレート4モル%からなるモノマー混合物より
得た。 実施例 4 ラテツクスAは、塩化ビニリデン94モル%、グ
リシジルメタクリレート4モル%、及びメタクリ
ル酸2モル%からなるモノマー混合物より得た。
ラテツクスBは、実施例1と同じものを用いた。 実施例 5 ラテツクスAは、塩化ビニリデン91モル%、グ
リシジルメタクリレート7モル%、及びメチルメ
タクリレート2モル%からなるモノマー混合物よ
り作成した。ラテツクスBは、実施例1と同じも
のを用いた。 比較例 3 ラテツクスAとしては、塩化ビニリデンが本発
明の下限を下回る88モル%、グリシジルメタクリ
レート4モル%、メチルアクリレート6モル%、
及びメタクリル酸2モル%からなるモノマー混合
物より作成した。ラテツクスBは、実施例1と同
じものを用いた。 実施例 6 ラテツクスAは、実施例1と同じものを用い
た。ラテツクスBは、塩化ビニリデン80モル%、
及びメタクリロニトリル20モル%からなるモノマ
ー混合物より作成した。 以上の結果を表1にまとめて示す。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 エポキシ基を1〜10モル当量含有し、塩化ビ
ニリデン含有量が90〜99モル%の塩化ビニリデン
系ラテツクス(ラテツクスA)と、アクリロニト
リル又はメタクリロニトリルを3〜25モル%含有
し、塩化ビニリデン含有量が75〜93モル%の塩化
ビニリデン系ラテツクス(ラテツクスB)とが、
固形分比で20対80〜60対40で混合されてなること
を特徴とする塩化ビニリデン系ラテツクス。 2 ラテツクスAが、塩化ビニリデン90〜99モル
%、アクリル酸グリシジル又はメタクリル酸グリ
シジル1〜10モル%、及び上記2モノマーと乳化
共重合可能なモノマー0〜10モル%の合計100モ
ル%からなる混合物を乳化重合してなるラテツク
スであり、かつ、ラテツクスBは、塩化ビニリデ
ン75〜93モル%、アクリロニトリル又はメタクリ
ロニトリル3〜25モル%、及びそれらと乳化共重
合可能なモノマー0〜22モル%の合計100モル%
からなる混合物を乳化重合してなるラテツクスで
ある特許請求の範囲第1項記載の塩化ビニリデン
系ラテツクス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8922583A JPS59215346A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | 塩化ビニリデン系ラテツクス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8922583A JPS59215346A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | 塩化ビニリデン系ラテツクス |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59215346A JPS59215346A (ja) | 1984-12-05 |
| JPS634871B2 true JPS634871B2 (ja) | 1988-02-01 |
Family
ID=13964789
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8922583A Granted JPS59215346A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | 塩化ビニリデン系ラテツクス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59215346A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0352274U (ja) * | 1989-09-29 | 1991-05-21 |
Families Citing this family (2)
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|---|---|---|---|---|
| ES2423942T3 (es) * | 2003-09-23 | 2013-09-25 | Solvay Sa | Composición de polímero de cloruro de vinilideno |
| BR112013011708A2 (pt) * | 2010-11-18 | 2016-08-16 | Centre Nat Rech Scient | processo para a preparação de um látex de polímero de cloreto de vinilideno |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS583483B2 (ja) * | 1978-03-09 | 1983-01-21 | 関東電化工業株式会社 | 塩化ビニリデン樹脂エマルジヨンの製造方法 |
| JPS6053055B2 (ja) * | 1980-02-15 | 1985-11-22 | 旭化成株式会社 | 塩化ビニリデン系樹脂水分散体組成 |
| JPS5941660B2 (ja) * | 1980-10-29 | 1984-10-08 | 旭化成株式会社 | 塩化ビニリデン系樹脂水分散体組成物 |
| JPS608254B2 (ja) * | 1981-02-27 | 1985-03-01 | 三菱油化バ−ディツシエ株式会社 | 塩化ビニリデン系共重合体水性分散体組成物 |
| JPS57150536A (en) * | 1981-03-13 | 1982-09-17 | Unitika Ltd | Polyvinylidenechloride type resin coated film |
-
1983
- 1983-05-23 JP JP8922583A patent/JPS59215346A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0352274U (ja) * | 1989-09-29 | 1991-05-21 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59215346A (ja) | 1984-12-05 |
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