JPS6348271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は哺乳用乳首に係り、特に口蓋裂、口唇
裂等口部に障害のある乳幼児に適用する哺乳用乳
首に関する。

口蓋裂症や口唇裂症等、口部に障害のある乳幼
児は、通常の乳首を用いて授乳させても乳首を密
着状態にくわえて吸引することができず、空気が
漏れて十分な吸引力が得られないため、従来の乳
首によつては哺乳が難かしく、人工授乳上大きな
問題があつた。

本考案はこれに鑑み、口蓋裂や口唇裂症のよう
に口部に障害のある乳幼児であつても、自力によ
りミルク類を円滑に吸飲することができるように
した哺乳用乳首を提供することを目的としてなさ
れたものである。

上記目的を達成するため、本考案においては、
天然，合成ゴム等の柔軟な資材により形成される
乳首の乳頭部の縦方向一半部を他半部に対し肉薄
に形成し、この肉薄部を舌により押圧することに
より変形しやすくして、吸引せずともミルク類の
液体を吸飲し得るようにしたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

乳首１は、天然，合成ゴム等の柔軟で弾性に富
む材料により形成されるもので、乳頭部２と、壜
の口部４に取付けるための取付け基部３とからな
り、乳頭部２の先端の球状部上面には、孔または
スリツトからなる吸引孔５が形成され、取付け基
部３は壜の口部４上面に密着し締付環６により押
えられる鍔部７を有している。

本考案においては、第２図に縦断側面を、第３
図に横断面を示すように、乳頭部２の一半部の肉
厚ｔが、他半部の肉厚Ｔよりも薄くなるよう、外
周に対し内周が偏心した形状に形成され、肉厚部
２ａ側に対し肉薄部２ｂ側が変形しやすくなつて
いる。

具体的には、上記肉厚部２ａの肉厚Ｔを約２
ｍ／ｍとするとき、肉薄部２ｂの肉厚ｔは0.9
ｍ／ｍ程度とされる。

前記取付け基部３には空気導入用切欠部８が形
成されており、この切欠部８に対応する鍔部７に
は、壜の口部４内に臨む通気路９が形成され、こ
の通気路９の下底部にはスリツト等からなる通気
孔１０が形成されている。なお上記空気導入用切
欠部８を図示実施例のように肉厚部２ａ側中央部
に設けるようにすれば、授乳時にこの空気導入用
切欠部８が上側になるようにすることにより乳頭
部２の肉薄部２ｂが乳幼児の舌の上にくるように
する目印とすることができる。

締付環６は、通常のように壜の口部４の外周に
形成されているねじ１１に螺合し、前記乳首１の
乳頭部２が突出し得る孔１２を有するもので、前
記取付け基部３の鍔部７とその上方に設けられる
突縁１３との間に前記孔１２の内周縁が嵌合して
保持され、締付環６を壜の口部４に締付けること
により締付環６の上面部６ａの下面で鍔部７を口
部４の上面に圧着し、かつ前記空気導入用切欠部
８および通気路９を通じ壜の内外を連通状態にお
き、内容液の吸飲時における空気の置換作用が行
なわれるようになつている。

本考案は上記構成であるから、口蓋裂や口唇裂
症のように口部に障害のある乳幼児に授乳する際
に、肉薄部２ｂを下側として舌に当るようにくわ
えさせ、乳頭部２を舌で押させることにより乳頭
部２の肉薄部２ｂが肉厚部２ａに対し容易に変形
し、そのしごき作用によりミルク類を吸引孔５か
ら押し出すことができ通常児のように吸引する行
為が十分に行なえない口蓋裂児や口唇裂児であつ
ても良好にミルク類を受け入れさせることができ
る。

したがつて、自己の力で吸引することが難かし
い上記症状の口部障害児であつても、本考案の乳
首を使用することにより人工授乳を適確に行なう
ことができる優れた効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る哺乳用乳首の一実施例を
示す正面図、第２図は第１図−線断面図、第
３図は同−線断面図である。 １……乳首、２……乳頭部、２ａ……肉厚部、
２ｂ……肉薄部、３……取付け基部、４……壜の
口部、５……吸引孔、６……締付環、７……鍔
部、８……空気導入用切欠、９……通気路、１０
……通気孔、１３……突縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天然、合成ゴム等の資材により形成される乳首
   の乳頭部の縦方向一半部を他半部に対し肉薄に形
   成したことを特徴とする哺乳用乳首。