JPS6347562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車の車室内において左右の座席
の間に配置されるコンソールボツクスにかかり、
特に、アームレストを兼ねるに好適な自動車のフ
ロアコンソールボツクスの改良に関する。

従来、車室内での左右の座席、特に、前席の間
に配置され、上面にコンソールボツクスドアによ
り開閉される開口を備えたセンターコンソールボ
ツクスが知られている。

このセンターコンソールボツクスは、車室内の
インテリアデザイン、フロントシート位置、周囲
各部との隙間との関係およびそのスペースにより
制限を受けるためその内容量は比較的少ない。

さらにコンソールボツクス上面のコンソールボ
ツクスドア面がアームレストを兼ねる場合は、そ
の高さについては統計学的に計算した標準の体格
を有する人間に合うように定められているため、
体格の異なる個々の乗員にとつて最適なアームレ
ストとしての機能を果たすことができない場合が
あるという問題点があつた。

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、その内容積およびアームレストと
して使用する場合のコンソールボツクスドアの高
さを自由に調整できるようにした自動車のコンソ
ールボツクスを提供することを目的とする。

この考案は、車室内での左右の座席の間に配置
され、上面にコンソールボツクスドアにより開閉
される開口を備えた自動車のコンソールボツクス
において、コンソールボツクス本体上端部の前記
開口を形成し、かつ、前記コンソールボツクスド
アを揺動自在に枢支するドアベースを、前記コン
ソールボツクス本体から分離するとともに、該ド
アベースを前記コンソールボツクス本体に対して
一定範囲で上下方向位置可変に支持する支柱と、
この支柱を任意高さで拘束するロツク機構と、前
記ドアベースと前記コンソールボツクス本体の間
に配置され、両者の間の空隙を囲むベローズと、
を設けることによつて上記目的を達成するもので
ある。

またこの考案は前記自動車のコンソールボツク
スにおいて、前記ロツク機構を、前記支柱の側面
に上下方向に複数形成されたロツク溝と、前記コ
ンソールボツクス本体側に配置され、前記支柱の
ロツク溝に係脱自在とされるロツク爪と、前記コ
ンソールボツクス本体外側面に配置され、前記ロ
ツク爪を操作できるようにされたロツク操作部
と、から構成することによつて上記目的を達成す
るものである。

またこの考案は前記自動車のコンソールボツク
スにおいて、前記ロツク溝を、上面が略水平、か
つ、下面が下方に傾斜する鋸歯形状とするととも
に、前記ロツク爪を、前記ロツク溝と対応する鋸
歯形状とすることによつて上記目的を達成するも
のである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例は、図に示されるように、車室内で
の左右の座席の間に配置され、上面にコンソール
ボツクスドア１により開閉される開口２を備えた
自動車のコンソールボツクスＢにおいて、コンソ
ールボツクス本体３上端部の前記開口２を形成
し、かつ、前記コンソールボツクスドア１をヒン
ジ４を介して揺動自在に枢支するドアベース５
を、前記コンソールボツクス本体３から分離する
とともに、該ドアベース５を前記コンソールボツ
クス本体３に対して一定範囲で上下方向位置可変
に支持する支柱６と、この支柱６を任意高さで拘
束するロツク機構７と、前記ドアベース５と前記
コンソールボツクス本体３の間に配置され、両者
の間の空隙を囲むベローズ８とを設けたものであ
る。

前記支柱６は、前記ドアベース５の両側縁に沿
つてその下面にビス９によつて鉛直方向に一体的
に取付けられている。またこの支柱６は、前記コ
ンソールボツクス本体の両側壁に埋め込まれた上
下方向の筒状ガイド１０内に上端から摺動自在に
挿入され、これによつて、コンソールボツクス本
体３から上方への突出量すなわちドアベース５の
コンソールボツクス本体３に対する高さ位置可変
に該ドアベース５およびコンソールボツクスドア
１を支持するものである。

前記ロツク機構７は、前記支柱６の側面に上下
方向に複数形成されたロツク溝１１と、前記コン
ソールボツクス本体３側に配置され、前記支柱６
のロツク溝１１に係脱自在とされるロツク爪１２
と、前記コンソールボツクス本体３の前面側に突
出して配置され、前記ロツク爪１２を支持するロ
ツクバー１３を、介して該ロツク爪１２を操作で
きるようにされたロツク操作部１４と、から構成
されている。

すなわち、前記ロツク爪１２は前記コンソール
ボツクス本体３の側壁内に水平方向に往復動自在
に配置された前記ロツクバー１３の側面に前記支
柱６のロツク溝１１に対して当接できる位置に取
付けられ、常態においては、前記ロツクバー１３
およびロツク操作部１４を図において左方向すな
わちコンソールボツクスＢの前方に突出する方向
に付勢するリターンスプリング１５によつて、ロ
ツク爪１２の先端がロツク溝１１に掛止し、また
ロツク操作部１４をリターンスプリング１５に抗
して押し込んだ場合は、ロツク爪１２がロツク溝
１１からはずれるようにしたものである。

前記ロツク溝１１は、上面が略水平、かつ、下
面が下方に傾斜する鋸歯形状とされるとともに、
前記ロツク爪１２は、前記ロツク溝１１と対応す
る鋸歯形状とされ、これによつてロツク爪１２が
ロツク溝１１に係合している状態では、支柱６
は、上方へ引つ張り上げることによつて移動可能
ではあるが、押し下げられた場合は、ロツク溝１
１とロツク爪１２の係合によつてロツクされるよ
うになつている。

図の符号１６は前記コンソールボツクスドア１
の自由端内側にピン１７により取付けられ、ドア
ベース５側に形成された掛止突起１８に係合され
ることによつてコンソールボツクスドア１を閉扉
状態にロツクするためのロツクレバーを示す。

次に上記実施例の作用を説明する。

まず、コンソールボツクスドア１の高さを変え
て、コンソールボツクスＢの内容量を増大すると
ともに、アームレストとしてのコンソールボツク
スドア１上面の高さをも上方に移動させる場合
は、コンソールボツクスドア１およびドアベース
５をそのまま引張り上げればよい。

ドアベース５が上方に引張り上げられると、支
柱６のロツク溝１１は、その下側面が下方に傾斜
し、かつ、これと係合するロツク爪１２もこれに
対応する形状をしているので、若干の抵抗をもつ
て上方に引き上げられ得る。

前記ロツク溝１１は、支柱６の高さ方向に多数
形成されているので、乗員の望む最適の高さ位置
にドアベース５およびコンソールボツクスドア１
を引上げることができる。このとき、前記ロツク
爪１２はロツクバー１３を介してリターンスプリ
ング１５によりロツク溝１１に係合する方向に付
勢されているので、コンソールボツクスドア１お
よびドアベース５は任意の位置でロツク溝１１と
ロツク爪１２の係合により固定されることにな
る。

前記とは逆に、コンソールボツクスドア１およ
びドアベース５を押し下げる場合は、ロツク操作
部１４をリターンスプリング１５に抗して押し込
む。

ロツク操作部１４が押し込まれると、ロツクバ
ー１３を介してロツク爪１２がロツク溝１１から
ぬけ出す方向に移動され、これによつて、支柱６
はコンソールボツクス本体３に対して下方への移
動が可能になる。

従つてコンソールボツクスドア１およびドアベ
ース５を任意の高さにまで押し下げて、その位置
で、前記ロツク操作部１４を解放すれば、リター
ンスプリング１５によつてロツク爪１２が図にお
いて左方向に移動されるので、その先端がロツク
溝１１に係合して、支柱６をその高さ位置にロツ
クする。従つて、ドアベース５およびコンソール
ボツクスドア１はその位置で固定されることにな
る。

なお上記実施例において、支柱６を任意高さで
拘束するロツク機構は、ロツク溝１１、ロツク爪
１２、ロツク操作部１４とから構成されている
が、これは、支柱６を任意高さで拘束するロツク
機構であればよく、実施例の構成に限定されるも
のでない。従つてロツク機構は、例えば支柱６を
摩擦抵抗によつて任意高さ位置に固定するような
構成であつてもよい。

また前記ロツク溝１１およびロツク爪１２はそ
れぞれ鋸歯形状とされているが、これは、他の形
状、例えば台形等であつてもよい。ただし前記実
施例のような構成にすると、ロツク機構７を解除
するための操作は、コンソールボツクスドア１を
押し下げるときのみ操作することになるので、こ
の場合はより操作が簡単になる。

また、この実施例は、支柱６がコンソールボツ
クス本体３の両側面に配置され、従つて計４本配
置されているが、これは、コンソールボツクスド
ア１およびドアベース５を充分な強度でもつて支
持できるものであれば２本のみでもよく、また、
支柱６を４本配置する場合は、一方の側面の２本
または１本のみにロツク機構を形成するようにし
てもよい。

本考案は上記のように構成したので、コンソー
ルボツクスドアの高さを自由に調整することがで
き、従つて、コンソールボツクス内容量を任意に
増大させ、かつ、コンソールボツクスドア上面を
アームレストとして使用する場合は、乗員の体格
に最適な位置にその高さを調整できるという優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる自動車のコンソールボ
ツクスの実施例を示す断面図である。 Ｂ……コンソールボツクス、１……コンソール
ボツクスドア、２……開口、３……コンソールボ
ツクス本体、５……ドアベース、６……支柱、７
……ロツク機構、８……ベローズ、１１……ロツ
ク溝、１２……ロツク爪、１３……ロツクバー、
１４……ロツク操作部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車室内での左右の座席の間に配置され、上面
   にコンソールボツクスドアにより開閉される開
   口を備えた自動車のコンソールボツクスにおい
   て、コンソールボツクス本体上端部の前記開口
   を形成し、かつ、前記コンソールボツクスドア
   を揺動自在に枢支するドアベースを、前記コン
   ソールボツクス本体から分離するとともに、該
   ドアベースを前記コンソールボツクス本体に対
   して一定範囲で上下方向位置可変に支持する支
   柱と、この支柱を任意高さで拘束するロツク機
   構と、前記ドアベースと前記コンソールボツク
   ス本体の間に配置され、両者の間の空隙を囲む
   ベローズと、を設けたことを特徴とする自動車
   のコンソールボツクス。 (2) 前記ロツク機構を、前記支柱の側面に上下方
   向に複数形成されたロツク溝と、前記コンソー
   ルボツクス本体側に配置され、前記支柱のロツ
   ク溝に係脱自在とされるロツク爪と、前記コン
   ソールボツクス本体外側面に配置され、前記ロ
   ツク爪を操作できるようにされたロツク操作部
   と、から構成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の自動車のコンソール
   ボツクス。 (3) 前記ロツク溝を、上面が略水平、かつ、下面
   が下方に傾斜する鋸歯形状とするとともに、前
   記ロツク爪を、前記ロツク溝と対応する鋸歯形
   状としたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項または第２項記載の自動車のコンソ
   ールボツクス。