JPS6347561B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、工作機械におけるチヤツク装置用の
軸方向移動可能なチヤツクピストンを備えた回転
可能なチヤツクシリンダであつて、作業媒体のた
めの接続部を保持した分配装置ケーシングを有し
ており、この分配装置ケーシングが、チヤツクシ
リンダのケーシングに固定されかつこのチヤツク
シリンダと一緒に回転する中空軸の上に静止状態
で支承されており、この中空軸内には２つの分配
通路を備えていてチヤツクピストンに固定された
短軸が軸方向移動可能であり、前記分配通路が一
方では中空軸及び（又は）分配装置ケーシングの
互いに向かい合う周面に設けられたリング溝を介
して分配装置ケーシングの接続部に接続していて
かつ他方ではチヤツクピストンの互いに逆の側に
向かつてチヤツクシリンダ内に通じており、各分
配通路に所属して作業媒体流過を制御する逆止め
弁がそれぞれ配置されており、両方の分配通路の
逆止め弁がそれぞれ他方の分配通路内の作業媒体
の圧力によつて作業媒体の流れに対抗して開放さ
れるようになつている形式のものに関する。

このような形式の公知のチヤツクシリンダ（フ
ランス国特許第1417689号明細書）においては、
分配通路が中空軸及びシリンダケーシングの壁内
を延びており、逆止め弁及びこの逆止め弁に配属
された制御機構が、中空軸と一緒に回転する特別
の弁ブロツク内に配置されており、この弁ブロツ
クが不動の分配装置ケーシングと回転するシリン
ダケーシングとの間に存在しており、従つてチヤ
ツクシリンダの構成長さが拡大される。分配装置
ケーシング、中空軸及び中空に構成された短軸
が、シリンダケーシングから離れている方の端部
において開いており、従つて原理的には、中空の
短軸が分配装置ケーシングを越えて下方へ延長さ
れかつチヤツクピストン移動調節のためのインジ
ケータ装置として用いられ、短軸を用いてチヤツ
クピストン移動調節が監視され得る。

ドイツ連邦共和国特許第1911558号明細書によ
り公知の工作機械におけるチヤツク装置は回転可
能なチヤツクシリンダ、このチヤツクシリンダと
一緒に回転可能にこのチヤツクシリンダ内に配置
された軸方向移動可能なチヤツクピストン及び分
離装置より成つており、この分配装置が作業媒体
のための接続部を備えた分配装置ケーシングと、
チヤツクシリンダ内に同軸的に差しはめられかつ
チヤツクピストンに堅く結合された分配装置軸と
を有しており、この分配装置軸は分配装置ケーシ
ング内に回転可能に配置されている。チヤツクシ
リンダの壁内に軸方向移動可能に支承されている
分配装置軸は、チヤツクピストンが軸方向に移動
する際に分配装置ケーシングを連行するようにな
つていてかつ、ケーシング接続部と接続した２つ
の軸通路を有しており、この軸通路はチヤツクピ
ストンの互いに逆の側に向かつてチヤツクシリン
ダ内に通じている。各軸通路には流過を制御する
逆止め弁がそれぞれ配置されており、この逆止め
弁はそれぞれ他方の軸通路内の作業媒体の圧力に
よつて開放され得る。両方の逆止め弁はチヤツク
ピストン内に配置されている。この公知のチヤツ
ク装置においては、チヤツクピストンの軸方向移
動運動に係り合う分配装置ケーシングがチヤツク
ピストン移動運動を監視するために用いられる。
逆止め弁及びその作動手段のスペースがチヤツク
ピストン自体に十分に設けられているので、軸通
路だけを備えた分配装置軸及び分配装置ケーシン
グは軸通路が十分な広さであるにもかかわらず比
較的わずかな直径しか有していない。従つて構造
が簡単であり、安全性に対する要求が十分に満た
され、かつ直径の大きな分配装置軸を備えた急速
に回転するチヤツクシリンダにおいて生じるよう
な煩雑なシール問題が完全に避けられ得るが、こ
の公知のチヤツク装置においても軸線方向の構成
長さが依然として比較的長くなつている。それと
いうのは軸線方向の構成長さは、シリンダケーシ
ング及び分配装置ケーシングの長さによつて規定
されるだけではなく、付加的にチヤツクピストン
の行程長さによつても規定されるからである。

本発明の目的は、冒頭に述べた形式のチヤツク
シリンダを改善して、このチヤツクシリンダがで
きるだけわずかな軸線方向構成長さしか有してお
らす、これによつてチヤツクピストン移動調節の
簡単な監視の可能性がそこなわれないようにする
ことである。

この目的を達成するために本発明の構成では、
開口を備えた分配通路及び逆止め弁が短軸及びチ
ヤツクピストンに配置されており、短軸における
開口が中空軸の内側に存在するそれぞれ一方の流
過溝に向かつて開いており、流過溝が軸線方向で
中空軸内の短軸の移動距離と少なくとも同じ長さ
であつてかつ中空軸の壁内の開口を介してそれぞ
れ一方のリング溝に接続されており、中空軸と短
軸とが、流過通路間、並びにこの流過通路とチヤ
ツクシリンダの内部（シリンダ室）との間で互い
にシールされているようにした。

本発明によつて得られた技術的な進歩は主とし
て、分配装置通路及び逆止め弁がその制御機械と
一緒に短軸若しくはチヤツクピストンに配置さ
れ、かつこれによつて短軸、中空軸及び分配装置
ケーシングの直径が十分に小さくなつているにも
かかわらず、分配装置ケーシングがチヤツクピス
トンの軸方向移動に係り合わないので、軸線方向
の全構成長さが逆止め弁のための中間ブロツク分
並びにチヤツクピストンのチヤツク行程分だけ拡
大されないことにある。従つてチヤツク装置の軸
線方向の構成長さは十分にわずかである。短軸は
中空軸と一緒に回転するので、短軸と中空軸との
間のシール装置が周方向の高い相対速度によつて
負荷されることはなくなる。同時にチヤツクピス
トン移動運動が短軸を用いて監視される。

本発明の有利な実施態様では流過通路が軸線方
向で互いに前後に配置されており、短軸における
分配通路の開口が軸線方向で一方の流過通路の長
さと両方の流過通路間の間隔とを加えた距離だけ
互いに離れている。流過溝がリング溝として構成
されていると有利である。流過溝は流過横断面が
十分に大きいにもかかわらず半径方向で比較的扁
平に構成され、これによつて中空軸の壁厚及び外
径が相応してわずかにされ得る。

さらに軸方向の構成長さ、特に分配装置ケーシ
ングを著しく短くすることを可能にする本発明に
よる別の実施態様では、一方の分配通路の開口
が、短軸の端面内に位置しており、中空軸がチヤ
ツクシリンダから離れて位置する流過溝に続い
て、該中空軸の内部を閉じる端壁を有しており、
この端壁内には中空軸と同軸的なインジケータロ
ツトがシールされた状態で軸方向移動可能に配置
されており、このインジケータロツドが一方では
短軸に接続されかつ他方では分配装置ケーシング
から突出している。このような実施態様において
は、短軸と、チヤツクシリンダから見て流過溝の
先の中空軸端壁の手前との間のシール装置が不必
要になる。一般にチヤツクシリンダのケーシン
グ、中空軸及びその端壁が一体に構成されている
と有利である。

次に図面を用いて本発明の実施例を具体的に説
明する。

図面から明らかなように、工作機械におけるチ
ヤツク装置用チヤツクシリンダは、内部に摺動可
能なチヤツクピストン２を備えたシリンダケーシ
ング１から成つており、前記チヤツクピストンは
前側でピン３を以つてシリンダケーシング１から
突出しており、このピンがチヤツク装置（図示せ
ず）のチヤツクロツド（同じく図示せず）のため
のねじ孔３ａを有している。一般にシリンダケー
シング１は端面側のフランジ面１ａを介して工作
機械スピンドル（図示せず）の端部に取り付けら
れていてチヤツクピストン２を含めてこの工作機
械スピンドルと一緒に回転する。チヤツクピスト
ン２はシリンダケーシング１に対して相対回動し
ないように保持されている。

チヤツクシリンダには全体を符号４で示された
分配装置が接続されている。この分配装置４は、
静止している、すなわちチヤツクシリンダと一緒
に回転しない分配装置ケーシング５を有してお
り、この分配装置ケーシングは作業媒体のための
２つの接続部６を有している。分配装置ケーシン
グ５内に中空軸７が回転可能に配置されており、
この中空軸には軸方向移動不能に軸受け８を介し
て分配装置ケーシング５が支承されている。中空
軸７はシリンダケーシング１に堅く結合されてい
る、すなわちこのシリンダケーシングと一体に構
成されている。さらに中空軸７内には、シリンダ
ケーシング１の端壁を通して軸方向移動可能に案
内されかつ後側でチヤツクピストン２と一体に結
合された短軸９が配置されている。この短軸９は
中空軸７と一緒に回転するがこの中空軸７内で軸
方向移動可能であるので、短軸９はチヤツクピス
トン２の軸方向移動運動（図面において２重矢印
で示す）に係り合う。

分配装置ケーシング５の内側及び中空軸７の外
側にそれぞれ対を成して合致するように形成され
た環状のリング溝１２，１３は、作業媒体のため
の接続部６に直接接続していて、作業媒体を導入
及び導出するために用いられる。中空軸７と分配
装置ケーシング５との間を流出する漏れ油は通路
１４内に集められ、流出路１５を介して導出され
る。

短軸９は、チヤツクピストン２の互いに逆の側
に向かつてチヤツクシリンダ内に通じる２つの分
配通路１８，１９を有している。この分配通路内
の作業媒体流過を制御するために、各分配通路１
８，１９には逆止め弁２０，２１がそれぞれ配属
されている。この逆止め弁２０，２１はチヤツク
ピストン２に、それも図示の実施例においては短
軸９とは逆のチヤツクピストン側に配置されてい
る。各分配通路１８，１９の端部には弁室２２，
２３がそれぞれ接続されており、この弁室はチヤ
ツクピストン２のそれぞれ一方の側に向かつて開
口２４若しくは２５に通じている。各弁室２２，
２３はそれぞれ弁かご２６，２７を有しており、
この弁かごが逆止め弁の、ばね３０，３１で負荷
されている弁皿３２，３３のための弁座２８，２
９を備えている。弁室２２，２３はチヤツクピス
トン２の軸線に対して互いに半径方向に向かい合
つていてシリンダ室３４によつて互いに接続され
ており、このシリンダ室内には移動可能な制御ピ
ストン３５が配置されている。この制御ピストン
は、開放方向で逆止め弁の弁皿３２，３３の下側
に当接しているので、逆止め弁を開放するために
そのつど他方の逆止め弁の前の分配通路内の作業
媒体圧力によつて負荷されて、作業媒体の流れに
抗して逆止め弁を開放制御する。

短軸９に形成された分配通路１８，１９の開口
１０，１１が、中空軸７の内側に設けられた流過
溝１６ａ，１６ｂに向かつてそれぞれ開いてい
る。流過溝１６ａ，１６ｂは軸線方向で、中空軸
７内における短軸９の移動距離に少なくとも等し
い長さを有している。さらに流過溝は、中空溝の
壁内に形成された開口１２ａ，１３ａを通してそ
れぞれ一方のリング溝１２，１３に接続されてい
る。中空軸７と短軸９とは、流過溝１６ａ，１６
ｂ間及び流過溝とシリンダ室３９との間で作業媒
体を短絡させないように、流過溝１６ａ，１６ｂ
間においては符号３７でかつ流過溝とシリンダ室
３９との間においては符号３８で互いにシールさ
れている。

流過溝１６ａ，１６ｂは実施例ではリング溝と
して構成されかつ軸線方向で相前後して配置され
ている。短軸９に設けられた分配通路１８，１９
の開口１０，１１は軸線方向で、一方の流過溝の
長さと、両方の流過溝間の間隔（２重矢印で示さ
れている）とを加えた距離だけ互いに離れている
ので、分配通路１８の開口１０は短軸９の軸線方
向の移動距離とは無関係に常に流過溝１６ａとし
か接続しておらず、かつ分配通路１９の開口１１
は常に流過溝１６ｂとしか接続していない。

一方の分配通路１９の開口１１は短軸９の端面
９ａ内に位置している。中空溝７は、チヤツクシ
リンダから離れて位置する流過溝１６ｂに続いて
端壁７ａを有しており、この端壁は中空軸７の内
部７ｂを閉じている。端壁７ａ内には、中空軸７
と同軸的なインジケータロツド４１がシールされ
た状態で軸方向移動可能に配置されており、この
インジケータロツドは短軸９に接続されていてか
つ他方では分配装置ケーシング５の符号４２のと
ころから突出しており、この突出しているロツド
端部がチヤツクピストン２の軸線方向移動運動を
監視するために用いられるが、このことは詳細に
は示されていない。チヤツクシリンダのシリンダ
ケーシング１、中空軸７及びその端壁７ａに一体
に構成されている。

以下に本発明による装置の機能形式について述
べる。

リング溝１２を通つて流入する作業媒体は流過
溝１６ｂに達して、中空軸の内部７ｂに流れ、そ
こから開口１１、さらに分配通路１９に達し、そ
こから作業媒体の圧力下で開く逆止め弁２１を介
して弁室２３内に流れる。この弁室から作業媒体
は開口２５を通つてチヤツクピストン２の後方に
存在するシリンダ室３９内に流れる。作業媒体は
同時に弁室２３の側から制御ピストン３５を負荷
して、この制御ピストンがシフトされかつその際
に作業媒体の流れに対して逆止め弁２０を開放し
て、その結果作業媒体はチヤツクピストン２の前
方に存在するシリンダ室４０から開口２４、弁室
２２、分配通路１８、開口１０、流過溝１６ａ、
開口１３ａ及びリング溝１３を通つて流出でき
る。この場合にはチヤツクピストン２は図示の終
端位置へ動かされる。

チヤツクピストン２を戻したい場合には作業媒
体の循環が逆転されるので、今度は作業媒体は分
配通路１８を通つて流入し逆止め弁２０を開放し
て、弁室２２及び開口２４を通つてシリンダ室４
０内に流れ込む。この作業媒体は同時に制御ピス
トン３５を弁室２２の側から作動するので、逆止
め弁２１が開き、かつシリンダ室３９内に存在す
る作業媒体が開口２５、弁室２３及び分配通路１
９を通つて流出できる。

チヤツクピストン２の前述の軸線方向運動は、
短軸９の、ひいてはこの短軸９に取り付けられか
つ分配装置ケーシング５から下方へ突出している
インジケータロツド４１の同じ軸線方向運動を生
ぜしめるので、このインジケータロツドの検出装
置（図示せず）においてチヤツクピストン運動が
取り出され得る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明による実施例の縦断面図であ
る。 １……シリンダケーシング、１ａ……フランジ
面、２……チヤツクピストン、３……ピン、３ａ
……ねじ孔、４……分配装置、５……分配装置ケ
ーシング、６……接続部、７……中空軸、７ａ…
…端壁、７ｂ……内部、８……軸受け、９……短
軸、９ａ……端面、１２……リング溝、１２ａ…
…開口、１３……リング溝、１３ａ……開口、１
４……通路、１５……流出路、１６ａ及び１６ｂ
……流過溝、１７……２重矢印、１８及び１９…
…分配通路、２０及び２１……逆止め弁、２２及
び２３……弁室、２４及び２５……開口、２６及
び２７……弁かご、２８及び２９……弁座、３０
……及び３１……ばね、３２及び３３……弁皿、
３４……シリンダ室、３５……制御ピストン、３
９……シリンダ室、４０……シリンダ室、４１…
…インジケータロツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 工作機械におけるチヤツク装置用の軸方向移
   動可能なチヤツクピストンを備えた回転可能なチ
   ヤツクシリンダであつて、作業媒体のための接続
   部を保持した分配装置ケーシングを有しており、
   この分配装置ケーシングが、チヤツクシリンダの
   ケーシングに固定されかつこのチヤツクシリンダ
   と一緒に回転する中空軸の上に静止状態で支承さ
   れており、この中空軸内には２つの分配通路を備
   えていてチヤツクピストンに固定された短軸が軸
   方向移動可能であり、前記分配通路が一方では中
   空軸及び（又は）分配装置ケーシングの互いに向
   かい合う周面に設けられたリング溝を介して分配
   装置ケーシングの接続部に接続していてかつ他方
   ではチヤツクピストンの互いに逆の側に向かつて
   チヤツクシリンダ内に通じており、各分配通路に
   所属して作業媒体流過を制御する逆止め弁がそれ
   ぞれ配置されており、両方の分配通路の逆止め弁
   がそれぞれ他方の分配通路内の作業媒体の圧力に
   よつて作業媒体の流れに対抗して開放されるよう
   になつている形式のものにおいて、開口１０，１
   １を備えた分配通路１８，１９及び逆止め弁２
   ０，２１が短軸９及びチヤツクピストン２に配置
   されており、短軸９における開口１０，１１が中
   空軸７の内側に存在するそれぞれ一方の流過溝１
   ６ａ，１６ｂに向かつて開いており、流過溝１６
   ａ，１６ｂが軸線方向で中空軸７内の短軸９の移
   動距離と少なくとも同じ長さであつてかつ中空軸
   ７の壁内の開口１２ａ，１３ａを介してそれぞれ
   一方のリング溝１２，１３に接続されており、中
   空軸７と短軸９とが、流過溝１６ａ，１６ｂ間、
   並びにこの流過溝とチヤツクシリンダの内部（シ
   リンダ室３９）との間で互いにシールされている
   ことを特徴とする工作機械におけるチヤツク装置
   用のチヤツクピストンを備えた回転可能なチヤツ
   クシリンダ。 ２ 流過溝１６ａ，１６ｂが軸線方向で互いに前
   後に配置されており、短軸９における分配通路１
   ８，１９の開口１０，１１が軸線方向で一方の流
   過溝１６ａの長さと両方の流過溝１６ａ，１６ｂ
   間の間隔３６とを加えた距離だけ互いに離れてい
   る特許請求の範囲第１項記載のチヤツクシリン
   ダ。 ３ 流過溝１６ａ，１６ｂがリング溝として構成
   されている特許請求の範囲第２項記載のチヤツク
   シリンダ。 ４ 一方の分配通路１９の開口１１が、短軸９の
   端面９ａ内に位置しており、中空軸７がチヤツク
   シリンダから離れて位置する流過溝１６ｂに続い
   て、該中空軸７の内部７ｂを閉じる端壁７ａを有
   しており、この端壁内には中空軸７と同軸的なイ
   ンジケータロツド４１がシールされた状態で軸方
   向移動可能に配置されており、このインジケータ
   ロツドが一方では短軸９に接続されかつ他方では
   分配装置ケーシング５から突出している特許請求
   の範囲第２項記載のチヤツクシリンダ。 ５ チヤツクシリンダのケーシング１、中空軸７
   及び中空軸の端壁７ａが一体的に構成されている
   特許請求の範囲第４項記載のチヤツクシリンダ。