JPS6346967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の技術分野＞ この考案は車輌用灯具のコードクランプに関す
る。さらに詳細には車輌用灯具のランプボデイや
バツクカバー等の合成樹脂製基体上に設けられる
コードクランプに関するものである。

＜従来技術とその問題点＞ 一般に車輌用灯具のうち自動車に取付けられて
いるリヤーコンビネーシヨンランプは、バツクラ
ンプ，テールおよびストツプランプ，ターンシグ
ナルランプ等の複数種の灯具が併設され、これら
灯具の光源バルブに給電するための多数本の電線
コードがランプボデイ背面やバツクカバー内面に
配設されている。これら多数の電線コードは整然
と配設しておかないと、灯具の組付けの際に他部
品に挾み込まれて電線コードを損傷しシヨートを
招いたり、組付けに支障を来たす場合がある。ま
た、トランクルームでの物の出し入れの際に、電
線コードを引掛けて断線させ灯具点灯が不能とな
り追突等の事故を発生させるという危険が有る。
そこで、ランプボデイやバツクカバーにコードク
ランプを設けてこのコードクランプに上記多数本
の電線コードを挿入、保持することが従来行われ
て来た。このような従来のコードクランプの構造
を第６図に示す。

同図の図イに示すように、ランプボデイやバツ
クカバーの合成樹脂製基体ａ上に鉤形断面を有す
る保持片ｂ，ｃがその上端突部を相対向して立設
している。そして、コードｅは上記保持片ｂ，ｃ
の上端突部間の間隙を通過せしめて保持片ｂ，ｃ
の空間に保持している。同図の図ロは、コードｅ
を保持片ｂ，ｃの上端突部間の間隙に挿入させる
断面を示すもので、保持片ｂ，ｃの間隙巾をコ
ードｅの径Ｌよりも幾分狭くさせ、コードｅが保
持空間より外方に抜け出ないようにしている。実
際は、コードｅの径2.2mmに対し間隙巾を1.5mmと
している。従つて、コードｅの保持片ｂ，ｃにク
ランプする場合には、５本乃至８本の束になつた
コードのうち、一本毎に順次保持片ｂ，ｃに挿入
している。

しかしながら、上記のように複数本の束になつ
たコードを一本づつ保持片に挿入することは、挿
入する際にコードを一本毎強く押込まなければな
らず、さらに予めコードを束とするビニールテー
プの巻き位置が保持片位置と重ならないように位
置決めする必要がある等、コードをクランプする
作業が煩雑となり時間を要していた。

＜考案の目的＞ この考案は上記のような従来のコードクランプ
の欠点を解消し、コードを複数本の束のままでも
容易にクランプでき、作業性の向上をもたらす車
輌用灯具のコードクランプを提供するものであ
る。

＜考案の構成＞ そこで、本考案は上記目的を達成するために、
合成樹脂製基体上にコード配設位置を挾んで互い
に対向する保持片と該保持片方向に傾斜した蛇腹
状の係止片とを設け、該係止片を伸ばして先端部
を前記保持片に係止して成る車輌用灯具のコード
クランプとしたものである。

＜考案の実施例＞ 次に本考案の１実施例について第１図乃至第５
図を説明する。第１図はコードクランプＡの全体
斜視図を示すもので、ポリプロピレン等の可撓性
有る合成樹脂製基体１上に、コード２を配設すべ
き位置を挾んで互いに対向する保持片４と係止片
３とが設けられている。そしてコード２は、上記
係止片３と保持片４とで基体１上にクランプされ
る。第２図は基体１上に係止片３と保持片４とが
成形された全体斜視図を示すものである。係止片
３は、基体１から片持ちで斜め上方に傾斜し、蛇
腹状に形成して伸張可能にしている。また、遊端
部に透孔３２を設けた端片３１を形成している。
この係止片３に対向した保持片４は、図示のよう
に上端部に突起４１を設けている。なお、図中の
５，６は金型による樹脂成形の抜きにより生じる
透孔である。

コード２をクランプＡに挿入するには、第３図
に示すように、適度の可撓性を有する係止片３を
矢印Ｔ方向に持ち上げ、コード２を矢印Ｐ方向か
ら保持片４と係止片３との間に挿入する。次に第
４図に示すように、係止片３の端片３１を矢印Ｒ
方向に引張り、端片３１の透孔２２を保持片４の
突起４１に係合させる。このように本考案は合成
樹脂材の可撓性を利用し、しかも係止片３を蛇腹
状に形成して伸張可能としたことにより、コード
２を容易に挿入でき、さらに蛇腹状の係止片３を
伸張した状態で引張力が生じるために透孔２２と
突起４１との係合が外れることがないので、コー
ド２は抜け出すことがない。

第５図は本考案のコードクランプＡを車輌用灯
具のバツクカバー１０に適用した例を図示するも
ので、バツクカバー１０にソケツトホルダー８
ａ，８ｂを一体に突設し、光源バルブ９，９をこ
れらのソケツトホルダー８ａ，８ｂに挿着する。
ソケツトホルダー８ａ，８ｂから出ている複数本
のコード２，２は、束ねられた状態でコードクラ
ンプＡに固定される。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案の車輌用灯具のコ
ードクランプは上記の如く構成されたものである
から、従来のように複数本のコードを１本毎に順
次保持片に挿入することなくコードを束にして容
易に挿入でき、しかもコードを束とするビニール
テープの巻き位置に対して関係なく挿入できるこ
とにより、コード組付けの作業性が著しく向上
し、またコードの抜け出しも確実に防止できる等
の顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の１実施例を示し、
第１図はコードをクランプした全体斜視図、第２
図はコードクランプの全体斜視図、第３図及び第
４図はコードをクランプする作用の説明断面図、
第５図は本考案のコードクランプを車輌用灯具の
バツクカバーに適した一部破断斜視図、第６図は
従来例を示し、同図の図イは全体斜視図、同図の
図ロはコードをクランプする作用の説明断面図で
ある。 Ａ……コードクランプ、１……基体、２……コ
ード、３……係止片、４……保持片、９……光源
バルブ、１０……バツクカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製基体上にコード配設位置を挾んで互
   いに対向する保持片と該保持片方向に傾斜した蛇
   腹状の係止片とを設け、該係止片を伸ばして先端
   部を前記保持片に係止して成る車輌用灯具のコー
   ドクランプ。