JPS6346470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパンタグラフ型ジヤツキの改良に関す
るもので、特にアーム取付部分の荷重をアーム取
付金具又は台座の側壁のみに掛るのを改めて、強
度向上と軽量化の相反する点を一挙に解決したも
のである。

パンタグラフ型ジヤツキは、第１図に示すよう
にジヤツキ昇降時に荷受台１が台座２に対して平
行を保ち、かつ垂直に上下するように、左右両下
アーム４，４の台座２とピン結合する下方の端
部、及び左右両上アーム３，３のアーム取付金具
５とピン結合する上方の端部には、それぞれ対向
して歯形係合部６が形成され、その左右両アーム
の歯形が互いに歯形係合することにより、左右両
アームの台座及びアーム取付金具のピン結合部に
おける回転角度が左右同一となるようにされてい
る。

このような構造であるから、上下アーム取付ピ
ンには垂直荷重とか偏心傾斜荷重が加わる。ま
た、歯形係合部６にはその際に歯厚方向にずれを
生じるような不都合が生じるため、内側にずれを
規制するためのスペーサーが用いられる例が多い
（例えば実公昭55−32238号）。しかし、従来のこ
れらスペーサーは噛合いずれを防止することのみ
に傾注されており、アーム取付ピンに対する荷重
をスペーサーによつて受けるといつたことはなさ
れていない。

本考案は、左右両上下アーム３，３，４，４の
歯形係合部内側に、上アームにおいては上部がア
ーム取付金具裏面に接し、下アームにおいては下
部が台座に接し、かつ、アーム取付ピンが当接又
は貫通するピン受部を設けたスペーサーを配設す
ることによつて、従来、アーム取付ピンにかかる
荷重をアーム取付金具側壁や台座側壁だけで受け
ていたものを、アーム取付金具側壁と台座側壁及
びスペーサーとで受けるようにしたのである。

第２図、第３図にその様子を示した。第２図は
第１図におけるＡ−Ａ部拡大断面図である。上部
アーム歯形係合部においては、荷受台１が装着さ
れているアーム取付金具５に対して上アーム３，
３が回動可能にピン止めされているのであるが、
この歯形係合部６の内側にスペーサー８が装着さ
れている。スペーサー８はアーム取付金具５の裏
面に上部が当接しており、下部のピン受部９にア
ーム取付ピン７が当接している。一方、下部アー
ム歯形係合部においては、台座２に対してアーム
取付ピン７によつて下アーム４が回動可能にピン
止めされているのであるが、チヤンネル形の下ア
ーム４の歯形係合部６の内側に上述したスペーサ
ー８が装着されている。スペーサー８は台座２上
に置かれ、断面略〓状のその上部にはピン受部９
が設けられており、これにアーム取付ピン７が当
接している。スペーサー８の形状例を第４図〜第
８図に示した。スペーサー８の側面１０は強度を
高めるために、円弧状としたりリブ構造とすると
よい。また、このような側面であると歯形係合部
の噛合いずれを防ぐことができる。そして、スペ
ーサー８の天板１１は軽量化のためにぬすみ穴を
設けるとよい。スペーサーは第４〜８図のものに
あつては断面が略〓状である。また、ピン受部９
は第４〜５図に示した例では半円状に形成したも
のであるが、第６〜７図のものにあつては上部よ
り切り欠いて形成しており、更に第８図のもので
は側面に貫通丸穴を設けている。

以上のような構造のパンタグラフ型ジヤツキで
あると、アーム取付金具や台座にかかる負荷が軽
減されるため、アーム取付金具、台座の板厚を薄
くすることが可能であり、重量軽減が図れ、アー
ム取付金具、台座の強度向上にもなる。加えて歯
形係合部の噛合いずれを防止して安全性と耐久性
を向上させる効果も得られたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はパンタグラフ型ジヤツキの側面図であ
り、第２図は第１図中Ａ−Ａ断面図、第３図はＢ
−Ｂ断面図である。第４図〜第８図はスペーサー
の例示斜視図である。 １……荷受台、２……台座、３……上アーム、
４……下アーム、５……アーム取付金具、６……
歯形係合部、７……アーム取付ピン、８……スペ
ーサー、９……ピン受部、１０……スペーサーの
側面、１１……天板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 菱形リンクを構成するチヤンネル形上下アーム
   ３，４の上部又は下部歯形係合部内側に、一方が
   上部歯形係合部内側ではアーム取付金具５の裏面
   に接し下部歯形係合部内側では台座２の底面部に
   接し、他方がアーム取付ピン７に当接するか貫通
   するピン受部９を設けかつ側面１０を円弧状又は
   リブ構造としたスペーサー８を設けてなるパンタ
   グラフ型ジヤツキ。