JPS6346412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、トロリーコンベアの改良に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、例えば、自動車を組み立てる場合には、
自動車を構成する部品を必要な場所に個々に移行
させ、塗装等が終了した自動車々体に組み付けて
いる。その際、自動車の部品を移行させる手段と
して、組立て工場内の天井等に縦横に架設された
トロリーコンベアが多く利用されている。

すなわち、このトロリーコンベアは、搬送用レ
ールが二つの部材を左右関係に対向させて設けら
れており、その内側は空洞部が形成されていると
ともに、、上部と下部の長手方向にそれぞれ開口
部が形成されている。そして、この搬送用レール
の空洞部には、搬送用レールの長手方向に移行さ
れるチエーンが配設されているとともに、このチ
エーンには搬送用レールの内側面と開口部の内側
面とに接触して案内されるローラを有する複数個
のトロリが垂下されており、このトロリには自動
車を構成する部品を吊り下げる部品ハンガーが取
り付けられた構成となつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このようなトロリーコンベアに
おいては、搬送用レールの構造が上部と下部にわ
ずかな開口部が形成された半密閉型であるため
に、トロリーまたはチエーンから脱落したボル
ト、ナツト等や外部からの各種部品等の異物が搬
送用レール内に入り込んだ際には、搬送用レール
の外側から異物の位置を点検することは不可能で
あつて、搬送用レール外に異物を取り出すことは
非常に困難であることはもとより、異物がトロリ
ーコンベアの立ち上がり部で搬送用レールまたは
チエーンに噛み込み、トロリーコンベアの損傷、
停止等の重大故障を引き起す不具合がある。

そこで、本考案は上記の不具合を解消するため
になされたもので、トロリーコンベアを構成して
いる搬送用レールの屈曲部位の下面に異物排出開
口部を形成することにより、搬送用レールに入り
込んだ異物を運転中において自動的に外部に排出
し、重大故障の発生を防止することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案に係るト
ロリーコンベアの構成は、搬送用レールを、二つ
の部材を左右関係に対向させて設け、その内側に
空洞部を形成するとともに、上部と下部の長手方
向に開口部を形成し、この搬送用レールの空洞部
に該レールの長手方向に移行するチエーンを配設
し、更に、このチエーンに前記搬送用レールの内
側面と開口部の側面とに接触して案内されるロー
ラを有する複数個のトロリを垂下してなるトロリ
ーコンベアであつて、このトロリーコンベアをフ
リーカーブに配設せしめ、このトロリーコンベア
の水平方向から上方に傾斜して立ち上がる搬送用
レールの屈曲部位の下面に、搬送用レールの両部
材の下側に形成される開口部及び両部材の下辺面
を部分的に切除して異物排出開口部を形成し、搬
送用レール内の異物を、前記異物排出開口部から
搬送レール下に排出するようにしたものである。

〔作用〕

かかる、トロリーコンベアにおいて、搬送用レ
ール内にボルト、ナツト等の異物が入り込んだ際
には、トロリーコンベアの水平方向から上方に傾
斜して立ち上がる搬送用レールの屈曲部位の下面
に部分的に切除した異物排出開口部が形成されて
いるので、トロリまたはチエーン等から脱落した
ボルト、ナツト等の異物は、トロリーコンベアの
運転中における振動または搬送用レール内を移行
するチエーン、トロリ等に接触しつつ屈曲部位に
搬送され、屈曲部位の下面に部分的に切除して形
成されている異物排出開口部から自動的に外部に
落下される。

これにより、トロリーコンベアの運転を停止す
ることなく、通常の運転時において搬送用レール
内に入り込んだ異物を自動的に外部に排出するこ
とができるので、トロリーコンベアの損傷、停止
といつた重大故障の発生を防止することができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案に係るトロリーコンベアの側面
図、第２図は第１図のＡ部円内の拡大側面図、第
３図は第２図の−線に沿つた拡大断面図、第
４図は第２図の−線に沿つた拡大断面図、第
５図は本考案に係るトロリーコンベアの片側レー
ルの屈曲部位の斜視図を示すものである。

第１図ないし第５図において、１は搬送用レー
ルであつて、この搬送用レール１は組立て工場の
天井等に固着されている支持部材２に支持されて
おり、始めは水平に配設され、途中から順次上方
に傾斜して立ち上がり、さらに水平方向に向けて
配設されている。そして、この搬送用レール１は
断面が〓形に形成された二枚の部材１ａ，１ｂが
左右関係に対向させて設けられており、その内側
には空洞部３が形成されているとともに、上部と
下部の長手方向に開口部４ａ，４ｂが形成されて
いる。

また、搬送用レール１の空洞部３には、搬送用
レールの長手方向に移行されるチエーン５が配設
されている。このチエーン５には搬送用レール１
の空洞部３の内側面と開口部４ａ，４ｂの内側面
とに接触して案内されるローラ６ａ，６ｂ，６
ｃ，６ｄを有する複数個のトロリ７が垂下されて
いる。

そして、このトロリ７は、チエーン５の左右方
向に延びる軸部材７ａと、チエーン５の上下方向
に延びる保持部材７ｂと、この軸部材７ａと保持
部材７ｂのそれぞれの先端に回転可能に設けられ
ているローラ６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄと、二つの
保持部材７ｂを連結している連結部材８とからな
つている。また、トロリ７の連結部材８にはハン
ガー９が吊り下げられており、部品Ｍ等を載置し
て矢印Ｂ方向に移行させるようになつている。

また、トロリーコンベアの水平方向から上方に
傾斜して立ち上がる搬送用レール１の屈曲部位の
下面には第４図および第５図に示すように異物排
出開口部１０が形成されている。この異物排出開
口部１０は第４図に示すように搬送用レール１の
両部材１ａ，１ｂの下側面が切除されており、詳
しくは、異物排出開口部１０は、搬送用レール１
の両部材１ａ，１ｂの下側に形成される開口部４
ｂ及び両部材１ａ，１ｂの第３図図示の下辺面１
２，１２を、長手方向に部分的に第４図及び第５
図のように切除して形成され、この異物排出開口
部１０から搬送レール１内のボルト、ナツト等の
異物Ｗを搬送レール下に容易に排出させるように
なつている。そして、この異物排出開口部１０の
長手方向の長さは一つのトロリ７のローラ６ａ，
６ｂ，６ｃ，６ｄのピツチＰより少なくとも短い
長さとされており、その前後の端部は第５図に示
すようになだらかな傾斜面に形成させ、チエーン
５の正転時および逆転時にも干渉することなく、
スムーズに運転されるようになつている。また、
異物排出開口部１０近傍の搬送用レール１には外
側上面および外側々面のそれぞれ補強材１１が設
けられており、異物排出開口部１０の近傍におけ
る強度を向上させている。

そして、異物排出開口部１０を搬送用レール１
の屈曲部位の下面に形成させた理由を説明する。

すなわち、トロリーコンベアの荷重は、水平部
および傾斜部においては第１図に矢印Ｃおよび矢
印Ｄに示すように下方向にかかり、トロリ７のロ
ーラ６ｃ，６ｄが搬送用レール１の下面部に支持
されて案内されるのが通常であるが、水平から上
方に傾斜して立ち上がる屈曲部位においてはチエ
ーン５のテンシヨンにより、第１図の矢印Ｅに示
すように上方向にかかり、チエーン５自体が上方
に浮き上がつてトロリ７のローラ６ｃ，６ｄが搬
送用レール１の上面部に接触して案内される。従
つて、トロリ７のローラ６ｃ，６ｄが屈曲部位の
異物排出開口部１０を通過する際には、搬送用レ
ール１の上面部に接触して案内されるので、チエ
ーン５の移行に妨害となることなく、スムーズに
移行させることができる。

また、搬送用レール１の屈曲部位の下面は、ボ
ルト、ナツト等の異物Ｗがトロリーコンベアの運
転中における振動または搬送用レール１内を移行
するチエーン５、トロリ７に接触して搬送されて
異物Ｗの溜り場となり、外部への排出が容易とな
る。

上記のように構成されたトロリーコンベアにお
いて、搬送用レール１内にボルト、ナツト等の異
物Ｗが入り込んだ際には、トロリーコンベアの水
平方向から上方に傾斜して立ち上がる搬送用レー
ル１の屈曲部位の下面に異物排出開口部１０が形
成されているので、トロリ７、チエーン５等から
脱落したボルト、ナツト等や外部から入つた各種
部品等の異物Ｗは、トロリーコンベアの運転中に
おける振動あるいは搬送用レール１内を移行する
チエーン５、トロリ７等に接触しつつ屈曲部位に
搬送され、屈曲部位の下面に形成されている異物
排出開口部１０から自動的に外部に落下して排出
される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るトロリーコ
ンベアにおいては、トロリーコンベアをフリーカ
ーブに配設するとともに、このトロリーコンベア
の水平方向から上方に傾斜して立ち上がる搬送用
レールの屈曲部位の下面に異物排出開口部を形成
したから、搬送用レール内に入り込んだ異物を、
トロリーコンベアの運転中における振動もしくは
搬送用レール内を移行するチエーン、トロリ等の
接触によつて、屈曲部位に搬送させることができ
るので、搬送用レール内に入り込んだ異物はトロ
リーコンベアの運転中において自動的に外部に落
下排出することができる効果がある。

また、搬送用レール内の異物を自動的に排出す
ることができることによつて、搬送用レールの屈
曲部位において異物の溜りがなくなり、異物の搬
送用レールまたはチエーンへの噛み込みが防止さ
れ、トロリーコンベアの損傷または停止といつた
重大故障の発生を防止することができる効果があ
る。

または異物が自動的に排出されることによつ
て、異物の入り込み時においてトロリーコンベア
を停止させる必要がないので、生産性を向上させ
ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトロリーコンベアの側面
図である。第２図は第１図のＡ部円内の拡大側面
図である。第３図は第２図の−線に沿つた拡
大断面図である。第４図は第２図の−線に沿
つた拡大断面図である。第５図は本考案に係るト
ロリーコンベアの片側レール屈曲部位の斜視図で
ある。 １……搬送用レール、１ａ，１ｂ……部材、２
……支持部材、３……空洞部、４ａ，４ｂ……開
口部、５……チエーン、６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ
……ローラ、７……トロリ、７ａ……軸部材、７
ｂ……保持部材、８……連結部材、９……ハンガ
ー、１０……異物排出開口部、１１……補強材、
１２……下辺面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送用レールを、二つの部材を左右関係に対向
   させて設け、その内側に空洞部を形成するととも
   に、上部と下部の長手方向に開口部を形成し、こ
   の搬送用レールの空洞部に該レールの長手方向に
   移行するチエーンを配設し、更に、このチエーン
   に前記搬送用レールの内側面と開口部の側面とに
   接触して案内されるローラを有する複数個のトロ
   リを垂下してなるトロリーコンベアであつて、こ
   のトロリーコンベアをフリーカーブに配設せし
   め、このトロリーコンベアの水平方向から上方に
   傾斜して立ち上がる搬送用レールの屈曲部位の下
   面に、搬送用レールの両部材の下側に形成される
   開口部及び両部材の下辺面を部分的に切除して異
   物排出開口部を形成し、搬送用レール内の異物
   を、前記異物排出開口部から搬送レール下に排出
   するようにしたことを特徴とするトロリーコンベ
   ア。