JPS6346189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転切削工具、特に油孔付丸鋸、油孔
付円板状フライスカツタの給油フランジに関する
ものである。

近年、大径の丸鋸やサイドカツタ等所謂穴物切
削工具においては被削材の難削化に伴い切削速度
の高速化が希求され、それに付随して切削油も十
分に供給する必要性から、切削個所へ外部から注
油する外部注油と、直接切削個所へ注油する内部
注油とを同時に行なうようにした油孔付丸鋸や油
孔付円板状フライスカツタが開発されるようにな
つてきた。

ところが、この種油孔付円板状切削工具にあつ
ては切削油が工具の全周から噴射され、作業場周
辺に切削油が飛散するため作業環境が悪化する。
さらに回収される切削油量が少ないため、消費油
量が増大する等の欠点がある。

本考案は上述せる欠点に鑑み、必要部分にのみ
内部注油し、消費油量を削減できる給油フランジ
を提供することを目的としてなされたもので、そ
の特徴とするところは、中心部に工作機械への取
付孔３を有し、外周面から一側面の等径位置に連
通して開口する複数の注油孔４を有した本体フラ
ンジ２と、該本体フランジ２に外嵌する内周面に
前記複数の注油孔４の外周面側の開口の一部を連
通せしめる切欠部５および該切欠部５に連通する
給油通路６を具備した回転しないリング部材７と
から構成した点にある。

以下、本考案を図示の実施例に基いて詳細に説
明する。

第１図乃至第２図において、２は本体フランジ
で中心部には工作機械への取付孔３を有し、外周
面から一側面の等径位置に連通して開口する複数
の注油孔４を有している。７はリング部材で前記
本体フランジ２にＯリング８を介して外嵌されて
おり、その内周面には前記複数の注油孔４の外周
面側の開口の一部を連通せしめる切欠部５および
該切欠部５に連通する給油通路６が設けられてい
る。尚、９は切削工具を本体フランジ２に装着す
るための止めボルト用の貫通孔である。

前記給油通路６は、実施例においてリング部材
７に直接削設した溝の上面を蓋板１４で蓋をして
形成しているが、前記溝にパイプを埋設して構成
してもよい。

上記構成からなる給油フランジ１に油孔付丸鋸
１０を装着して鋸盤に取付けた状態を第２図に仮
想線で示し、これに基いて注油機構を以下に詳細
に説明する。

鋸盤の回転主軸１１に給油フランジ１と一体的
に装置された油孔付丸鋸１０が前記主軸１１の回
転と共に回転するが、その際、リング部材７は本
体フランジ２の回転に対してフリーであり回転せ
ず、その外周の適宜位置に設けられた給油口１２
からポンプ等を介して切削油が供給される。供給
された切削油は給油通路６を経て切欠部５に導か
れ、その時点で該切欠部５に位置する注油孔４に
流入し、次いで丸鋸１０の油孔１３を経て刃溝か
ら切削個所に噴射される。

即ち、注油孔４が切欠部５に入つている間だけ
その注油孔４に連通する丸鋸の油孔１３のみから
切削油が供給され、切欠部５からはずれている位
置にある注油孔４並びにそこに連通する油孔１３
には切削油が供給されない。従つて、上記切欠部
５を被削材の正面側に対応する位置に配置せしめ
れば、切断部分のみに注油され、その他の部分は
油がでないので、周囲に切削油が飛散せず作業環
境がよくなると共に、給油圧を保持でき有効に給
油でき、消費切削油量の軽減もはたせる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の給油フランジの部分断面正面
図、第２図は第１図の縦断面図である。 １：給油フランジ、２：本体フランジ、３：取
付孔、４：注油孔、５：切欠部、６：給油通路、
７：リング部材、８：Ｏリング、１０：油孔付丸
鋸、１１：回転主軸、１３：油孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心部に工作機械への取付孔３を有し、外周面
   から一側面の等径位置に連通して開口する複数の
   注油孔４を有した本体フランジ２と、該本体フラ
   ンジ２に外嵌する内周面に前記複数の注油孔４の
   外周面側の開口の一部を連通せしめる切欠部５お
   よび該切欠部５に連通する給油通路６を具備した
   回転しないリング部材７とから構成されたことを
   特徴とする回転切削工具の給油フランジ。