JPS6345924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は室内競技用シユーズ、エアロビツク
ダンスシユーズその他各種競技用を含む広範囲の
スポーツシユーズ用アツパー材料に係り、詳しく
のべると、ポリアミドまたはポリエステルフイラ
メント繊維よりなるスパンボンド不織布を二層ま
たはそれ以上に積層したことを特徴とするアツパ
ー材料に関するものである。

一般にスポーツシユーズのアツパー材料として
は、綿織物、綿二重織、ナイロンタフターナイロ
ントリコツト、皮革、合成皮革など種々の素材が
各種運動競技用シユーズ個々の要求特性に応じて
使用されている。

このスポーツシユーズ用アツパー材料には強
度、柔軟性と同時に吸湿性、通気性が要求され、
さらに足あたりがよく、軽量で足によくフイツト
することが要件である。

ところが、従来各種スポーツシユーズとしてそ
れぞれのスポーツシユーズに要求される機能面を
考慮して上記したアツパー材料の中からその機能
面に応じうるものが使用されてはいるが、どのス
ポーツシユーズにおいても未だこれで十分といつ
た満足はされておらず、その改良が要望されてい
る。

これはスポーツシユーズが益々競技別に専門化
され、機能面の追及が進められつつあるためであ
る。

本考案者はこのような状況に鑑み、どのような
種類のスポーツシユーズのアツパー材料としても
使用しうる透湿性があつて、しかもその吸湿量が
膨大であるにもかかわらず瞬時に乾燥する速乾燥
性が抜群でかつ、軽く強靭で足あたりのよいアツ
パー材料を提供すべく検討の結果、この考案に至
つたものである。

即ち、この考案のアツパー材料はポリアミドま
たはポリエステルフイラメント繊維よりなるスパ
ンボンド不織布を用いるものであり、この不織布
を二層もしくはそれ以上に積層したものである。

スパンボンド不織布は、従来の樹脂含浸された
不織布に比べて軽く、通気性も大であるが、この
もののみでアツパー材料として使用されることは
全く考えられていなかつた。というのは、このス
パンボンド不織布一層のみでは吸湿量が不十分で
あり、また腰がないため成形性が悪くかつ強度、
足あたりに欠けるためであり、またこれを他の材
料と積層したり、この表面に樹脂コーテイングし
たりすると、通気性、透湿性などに欠けてアツパ
ー材としての機能を果すことができないためであ
る。

ところが近年、各種スポーツにおける運動量が
厳しく、発汗量が益々多くなり、吸汗性大なるシ
ユーズを要望する声が高まつてきており、これに
対応するためには吸湿量が大であるとともに、こ
れを瞬時に乾燥せしめる速乾燥性が必要である。

この考案のアツパー材料は上記の諸点を満足さ
せるものである。

以下この考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図はスパンボンド不織布１，１をその界面
２において合成樹脂接着剤を用いて点接着にて積
層した二層構造のアツパー材料の断面図を示し、
第２図は不織布１，１の間にウレタン発泡層３を
介して積層した三層構造のアツパー材料の断面図
を示したものである。

この考案において用いるポリアミドまたはポリ
エステルフイラメント繊維よりなるスパンボンド
不織布は、スクエアフートごとに数千の微孔が存
在し、これによつて通気性、透湿性、乾燥性に特
にすぐれているため、これをアツパー材料として
スポーツシユーズのアツパー部に使用した時、シ
ユーズ内での発汗は、アツパー材料自身の重さの
３倍以上の量を0.3〜１秒という短時間で吸収す
るとともに、この大量に吸収した水分を僅か３〜
５時間で乾燥してしまうという乾燥性にもすぐれ
ているのである。

しかしてこの考案にて用いるポリアミドまたは
ポリエステルフイラメント繊維よりなるスパンボ
ンド不織布の上記した吸汗性および乾燥性は、１
秒間で自重の98％の吸汗性を有し、それだけの水
分を乾燥するのに５時間を要するという綿布に比
べて吸汗量が３倍以上で乾燥時間も３倍以上であ
るという非常にすぐれた値を示すのである。

しかしてこのような特性を有する不織布を用い
てアツパー材料を構成するに当つて、この不織布
を二層以上に積層する場合には、特徴とする通気
性、透湿性を阻害しないことが絶対条件であり、
このためには不織布同志をエチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂のよ
うな合成樹脂接着剤によつて点接着または線接着
することが最も好ましい。

また不織布のみの積層より一層ソフト感を発揮
させるためには、中間層として例えばウレタン発
泡層などを介在させてやればよい。

この場合も不織布のもつ上述したような通気
性、透湿性などの特性を阻害しないような接着方
法で行なうことが要件である。

なお、この考案において不織布を二層に積層す
るに当つては、不織布自身に縦、横の強度差が若
干あるので、この縦、横を交又させるように積層
してやれば、強度面でより均一化されて靴に成形
つり込みされる場合でも均一な伸びを呈し、でき
上りの強度もより一層平均化されたすぐれたアツ
パー部を有するシユーズを得ることができる。

以上のようにこの考案のアツパー材料は吸汗性
とともに乾燥性にすぐれたいるので、いくらシユ
ーズ内で汗をかいても足がムレルという心配がな
いから水虫にかかるというおそれも従来のシユー
ズに比べれば非常に低いのである。

また、このアツパー材料において、室内競技用
シユーズ以外の各種競技用のシユーズに用いる時
は、通気性を阻害しない方法で防水性のためにア
ツパー材料の最表面のみにシリコンやテフロンな
どの撥水処理してやればなおよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図はポリアミドまたはポリエステルフイ
ラメント繊維よりなるスパンボンド不織布の二層
積層よりなるアツパー材料の断面図、第２図はこ
の二層積層をウレタン発泡層を介して行つた断面
図である。 １……不織布、２……界面、３……ウレタン発
泡層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ポリアミドまたはポリエステルフイラメント
   繊維よりなるスパンボンド不織布を二層または
   それ以上に積層してなるスポーツシユーズ用ア
   ツパー材料。 (2) 不織布の積層を合成樹脂接着剤による点接着
   または線接着にて行う実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のスポーツシユーズ用アツパー材
   料。 (3) 不織布の積層を合成樹脂発泡層を介して行う
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記
   載のスポーツシユーズ用アツパー材料。