JPS6345575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、風車の過回転を防止するスポイラ
ー装置に関するものである。

〔従来の技術〕 第１図は従来の風車のスポイラー装置の取は要
領を示す図である。図において２はスポイラー装
置であり、風車羽根１に複数組取付けられる。第
２図は第１図のスポイラー装置２１組を示す斜視
図で、第３図は第２図の−線による断面図で
ある。

第２図及び第３図において、１は風車羽根、３
はスポイラー板、４はこのスポイラー板が固着さ
れるスポイラー板取付具、５はこのスポイラー板
取付具を貫通して設けられたスポイラー軸、６は
このスポイラー軸の外周に遊嵌されたねじりコイ
ルばね等のスポイラーばねで、一端は上記風車羽
根１に固定され、他端は上記スポイラー板３に固
定されている。７は上記風車羽根１の後端部に固
定されたスポイラー装置取付具で、上記スポイラ
ー軸５の両端を軸支している。

次に動作について第４図〜第６図により説明す
る。図中、Ａ矢は風の流れる方向、Ｂ矢は風車羽
根１の回転方向、Ｃ矢はスポイラー板３に作用す
る遠心力を示す。風車が低速回転している時に
は、第４図の如くスポイラー板３は風車羽根１の
中心線と平行位置となるよう、スポイラーばね６
により調整されている。風速が高くなり、予め設
定された回転速度を越えて風車が回転すると第５
図に示す如く、スポイラー板３に作用する遠心力
がスポイラーばね６の力に打勝つてスポイラー板
３はスポイラー軸５を中心として回転し始め、第
６図の如く、風車羽根１の中心線に対し直角の位
置となり、スポイラー板３に生じる空気抵抗によ
り風車の過回転を防止する。

ところで、スポイラー装置２が作動する回転速
度は、スポイラーばね６の初期ねじり角を図示し
ない調整装置により調整することにより任意に変
えられるが、この調整に当つては、風車を計画作
動回転速度で回転させた状態で、スポイラー装置
２の作動の有無を目視により確認しなければなら
ない。

従来のスポイラー装置は以上の構成で作動し、
かつ作動回転速度が調整されるが、スポイラー装
置自体の作動確認は目視に頼らざるを得ず、多数
のスポイラー装置があつた場合および高速回転の
場合、スポイラー装置の作動を見分けることが困
難であり、調整に時間を要し、精度が不足するな
どの欠点があつた。

〔考案の概要〕

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、スポイラー板の一
部に作動を識別する手段を設けることにより、目
視であつてもスポイラー装置の作動確認を容易に
可能ならしめる風車のスポイラー装置を提供する
ことを目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第７図及び第８図においてCLはスポイラー
軸５の中心線、８はスポイラー板３が作動時以外
は風車羽根１と接触および近接しているスポイラ
ー板面であり、l₁×Ｓの面積が相当し、赤色塗装
が施されている。９は上記スポイラー板面８に隣
接するスポイラー板面で、l₂×Ｓの面積が相当
し、白色塗装が施されている。１０は上記スポイ
ラー板面８，９の裏側のスポイラー板面で、（l₁
＋l₂）×Ｓの面積が相当し、白色塗装が施されて
いる。また、風車羽根１の全表面は白色塗装が施
されている。

次に動作について説明する。スポイラー装置２
は、風車の停止時および設定された回転速度以下
の時は第４図のような状態となつており、スポイ
ラー板面８の部分は外部から見えない。従つて風
車羽根１とスポイラー装置２は白一色に見える。
風車が設定回転速度以上になると、第５図および
第６図のようになり赤色塗装を施したスポイラー
板面８の部分が外部から見ることができるので、
スポイラー板面８の赤色塗装が、その他の部分の
白色塗装と容易に識別されスポイラー装置２が作
動したことを目視で検知できる。

なお、上記実施例ではスポイラー板面８の部分
は赤色としたが、スポイラー板面９，１０並びに
風車羽根１の塗装色と異なつた色とすれば良く、
また多数のスポイラー装置があればスポイラー板
面８の部分の色をそれぞれ異つたものとすれば、
どのスポイラー装置が作動したかより明確に見分
けることができる。また、スポイラー板面８の部
分に例えば蛍光塗料等の発光塗料の塗布もしくは
蛍光性部材を接着すれば夜間においても、スポイ
ラー装置の作動を検知できる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、スポイラー
装置の作動を識別する手段を設けて視覚的に検知
できるようにしたので、スポイラー装置の調整が
容易となりまた精度が向上し、信頼性の高い風車
のスポイラー装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスポイラー装置の取付要領図で
ある。第２図は第１図の１組のスポイラー装置を
示す斜視図であり、第３図は第２図の−線に
よる断面図である。第４図〜第６図はスポイラー
装置の動作説明図である。第７図及び第８図はこ
の考案に係るスポイラー装置の一実施例を示した
もので、第７図はスポイラー板の説明図、第８図
はスポイラー装置の説明図である。 図において、１は風車羽根、２はスポイラー装
置、３はスポイラー板、５はスポイラー軸、８は
赤色塗装スポイラー板面、９は白色塗装スポイラ
ー板面、１０は白色塗装スポイラー板面である。
なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 風車の過回転を防止するために風車羽根の後
   端部に設けられたスポイラー装置において、該
   スポイラー装置が作動していない時に、スポイ
   ラー軸から上記風車羽根の先端方向へ延在しか
   つ上記風車羽根へ接触及び近接しているスポイ
   ラー板の板面を、前記以外のスポイラー板板面
   並びに上記風車羽根の表面と識別する手段を設
   けたことを特徴とする風車のスポイラー装置。 (2) 識別する手段は、異なる色の塗装としたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の風車のスポイラー装置。 (3) 識別する手段は、発光塗料の塗布もしくは発
   光性部材を接着したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の風車のスポイラー
   装置。