JPS6345415Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は自動車の後部、例えば、ハツチバツ
ク式のリヤドア等に取付けられて、自動車の空力
特性を改善するための自動車のリヤスポイラー構
造の改良に関する。

【従来技術】

自動車のリヤスポイラー、例えば、ハツチバツ
ク式リヤドアに取付けられるリヤスポイラーとし
ては、リヤドアのガラス上部を被う黒色等の半透
明板材からなるサンシエード部を備えたものがあ
る。 この場合、サンシエード部が取付けられるスポ
イラー本体は、車体外板と同色に塗装処理される
のが一般的である。 このサンシエード部を備えたリヤスポイラー
を、一体に構成すると、スポイラー本体のみを塗
装するための塗装コストが増大してしまうことか
ら、一般的に、スポイラー本体とサンシエード部
とは別体に構成される。 このようにスポイラー本体とサンシエード部が
分割されたタイプのリヤスポイラー構造は、スポ
イラー本体がハツチバツク式リヤドアのドアガラ
スを囲むようにされた枠形状であつて、これに対
してサンシエード部は前記枠形状のスポイラー本
体の前上部を車体幅方向に跨ぐようにして該枠の
左右部分に取付けられるものである。 このため、サンシエードは、その車体幅方向中
間部が浮き上がり、剛性が不充分となるために、
高速走行時、悪路走行時に振動を発生することが
あるという問題点がある。 このため、従来は、第１図及び第２図に示され
るように、サンシエード部１のほぼ中央位置下側
面に支持脚部２を取付け、この支持脚部２の先端
をバツクガラス３に締付け固定することによつて
合成を補うようにしたものがある。 第２図の符号４はリヤドアの窓枠部、５はシー
ルをそれぞれ示す。 上記のように、支持脚部２をバツクガラス３に
連結する構造は、バツクガラス３に孔開け加工し
なければならないと共に、加工工数、部品点数の
点で、製造コストが増大してしまうと共に、車外
及び車室内からの外観が低下するという問題点が
ある。 又、支持脚部２はサンシエード部１の中央部の
１点のみを支える構造であるので、自動車の高速
走行時あるいは悪路走行時における振動の抑制が
充分でないという問題点もある。

【考案の目的】

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、バツクガラスの孔開け加工が不要
となると共に、振動の抑制、部品点数、組付け工
数の低減及び車室内外の外観の向上を図ることが
できる自動車のリヤスポイラー構造を提供するこ
とを目的とする。

【考案の構成】

この考案は、バツクガラス窓枠部の少なくとも
バツクガラス窓枠部の少なくとも窓上部を被う上
枠部を備えたスポイラー本体と、このスポイラー
本体上に取付けられ、前記バツクガラス上端部を
被うサンシエード部と、を有してなる自動車のリ
ヤスポイラー構造において、前記バツクガラスの
前端の後方に隣接した位置における前記スポイラ
ー本体の上枠部後端に、上端が該サンシエード部
下面に、又、下端が前記バツクガラス上面に各々
当接し、且つ、前記バツクガラスの略全幅範囲の
長さのリブを取付けると共に、該リブよりも前方
位置で、前記スポイラー本体の下面側から、該ス
ポイラー本体を前記サンシエード部下側面に締付
け固定することにより、前記リブにによつてスポ
イラー本体の前後方向中央部を、車体幅方向に長
い範囲で下方から支持し、且つ、該リブによりス
ポイラー本体とサンシエード部との連結部を隠蔽
することにより上記目的を達成するものである。

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。 この実施例は、第３図及び第４図に示されるよ
うに、バツクガラス１０の窓枠部における窓上部
１２を被う上枠部１３を備えたスポイラー本体１
４と、このスポイラー本体１４上に取付けられ、
前記バツクガラス１０上端部を被うサンシエード
部１６と、を有してなる自動車のリヤスポイラー
構造１８において、前記バツクガラス１０の前端
１０Ａの前方に隣接した位置における上枠部１３
の後端に、上端が該サンシエード部１６下面に、
又、下端が前記バツクガラス１０上面に各々当接
し、且つ、前記バツクガラス１０の略全幅範囲の
長さのリブ２０を取付けると共に、該リブ２０よ
りも前方位置で、前記スポイラー本体１４の下面
側から、該スポイラー本体１４を前記サンシエー
ド部１６下側面にタツピンねじ２２により締付け
固定したものである。 前記リブ２０の上端及び下端にはそれぞれクツ
シヨン材２４が取付けられ、リブ２０はこのクツ
シヨン材２４を介してスポイラー本体１４下面及
びバツクガラス１０上面にそれぞれ当接するよう
にされている。 又、スポイラー本体１４の前端と、窓上部１２
の前端上面との間にもクツシヨン材２６が取付け
られている。 前記スポイラー本体１４は、リブ２０の上半部
２０Ａと、この上半部２０Ａの下端から前方に延
在する平板部１４Ａと、この平板部１４Ａの前端
から上方に屈曲する段部１４Ｂとにより、凹部１
４Ｃを形成している。 前記サンシエード部１６の下面側には、前記凹
部１４Ｃ内で平板部１４Ａに上方から当接するボ
ス部１６Ａを連続一体的に備え、前記タツピンね
じ２２は、平板部１４Ａをその下側から貫通して
ボス部１６Ａに同軸的に螺合されるものである。 ここで、前記サンシエード部１６の前端１６Ｂ
は、前記スポイラー本体１４の段部１４Ｂよりも
前部位置に上面から当接されている。 従つて、サンシエード部１６は、タツピンねじ
２２によつてそのボス部１６Ａが下方に締付け固
定されるのに対して、リブ２０の上端部に当接す
る部分及び前端部１６Ｂが、前記タツピンねじ２
２の締付け力に対する反力によつて上方に押圧さ
れて強固に支持されている。 従つて、この実施例においては、サンシエード
部１６の、構造上最も弱いと考えられるその厚さ
方向の力に対して強固に保持されて剛性が大幅に
増大される。 又、リブ２０は、バツクガラス１０の幅方向ほ
ぼ全範囲に亘つて形成されているので、該リブ２
０の上端によるサンシエード部１６の支持点は線
状となり、この点でも、サンシエード部１６はス
ポイラー本体１４に強固に保持されることにな
る。 又、リブ２０は、バツクガラス１０の幅方向全
範囲に亘つて形成されているので、ボス部１６Ａ
及びこれに螺合されるタツピンねじ２２は車外か
ら目視不能となり、車外からの外観が向上され
る。 又、車室内から見た場合も、前記リブ２０は、
前記窓枠部１２の後端側に隣接して配置されてい
るので、バツクガラス１０を通して、ボス部１６
及びタツピンねじ２２が目視されることはない。 なお上記実施例は、ハツチバツク式のリヤドア
にリヤスポイラーを取付けた場合についてのもの
であるが、本考案はこれに限定されるものでな
く、リヤウインドシールドガラスを取付けたフア
ーストバツクあるいはノツチバツク式の自動車に
ついても適用されるものである。 又、上記実施例は、サンシエード部１６を、ス
ポイラー本体１４の上面にタツピンねじ２２によ
り締付け、断面で３点支持したものであるが、本
考案はこれに限定されるものでなく、サンシエー
ド部１６は、リブ２０の上端においてスポイラー
本体１４に接触すると共に、これより前部位置で
スポイラー本体１４に締付け固定されるものであ
ればよい。

【考案の効果】

本考案は上記のように構成したので、その外観
品質を損うことなく、高速走行時、悪路走行時等
におけるサンシエード部の振動を抑制し、且つ、
部品点数、製造コストの低減を図ることができる
という優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車のリヤスポイラー構造に
おけるサンシエード部を示す斜視図、第２図は第
１図の−線に沿う拡大断面図、第３図は本考
案に係る自動車のリヤスポイラー構造の実施例を
示す斜視図、第４図は第３図の−線に沿う拡
大断面図である。 １０…バツクガラス、１２…窓上部、１３…上
枠部、１４…スポイラー本体、１６…サンシエー
ド部、１８…リヤスポイラー構造、２０…リブ、
２２…タツピンねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクガラス窓枠部の少なくとも窓上部を被う
   上枠部を備えたスポイラー本体と、このスポイラ
   ー本体上に取付けられ、前記バツクガラス上端部
   を被うサンシエード部と、を有してなる自動車の
   リヤスポイラー構造において、前記バツクガラス
   の前端の後方に隣接した位置における前記スポイ
   ラー本体の上枠部後端に、上端が該サンシエード
   部下面に、又、下端が前記バツクガラス上面に
   各々当接し、且つ、前記バツクガラスの略全幅範
   囲の長さのリブを取付けると共に、該リブよりも
   前方位置で、前記スポイラー本体の下面側から、
   該スポイラー本体を前記サンシエード部下側面に
   締付け固定してなる自動車のリヤスポイラー構
   造。