JPS6345380A

JPS6345380A - 塗料密着性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法

Info

Publication number: JPS6345380A
Application number: JP18975186A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Mochizuki; 望月　一雄; Hajime Kimura; 肇木村; Shinobu Okano; 岡野　忍; Minoru Hiramatsu; 実平松; Hitoshi Kawasaki; 仁士川崎
Original assignee: Okayama Prefectural Government; Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp; Okayama Prefectural Government
Priority date: 1986-08-13
Filing date: 1986-08-13
Publication date: 1988-02-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〈産業にの利用分野〉本発明は溶融亜鉛めっきあるいは溶融亜鉛合金めっき後
、酸性あるいはアルカリ性水溶液中でめっき表層を除去
してからシランカップリンク剤によりカップリング処理
することにより塗料密着性に１分れた鋼板を製造する技
術に関するものである。

〈従来技術とその問題点〉溶融亜鉛めっきあるいはめ）き後加熱することによりｉ
ｆ！鉛と下地鉄を合金化させるかもしくはめっき浴にア
ルミニウムを添加することにより、亜鉛とアルミニウム
の合金を形成させた溶融亜鉛合金めっきは耐食性に優れ
、建材、家電製品、自動＋１川の鋼板として幅広く用い
られている。そして近年耐食性の向−Ｅを目的として、
これら溶融めっき鋼板は塗装して用いられるケースか増
してきている。

塗装する場合の前処理としてリン酸塩処理あるいはクロ
メート処理か行われており、塗料の１水密着性（塗装後
の密着性）および２水密着性（劣化要因負荷後の密着性
）の向トに効果を有している。

しかし、最近ではさらに高い塗料密着性か要求されるよ
うになり、塗装前処理による改善が強く期待されていた
。しかし、従来のリン酸塩処理あるいはクロメート処理
では限界があり、新規な前処理法か必要とされていた。

このような観点からリン酸塩処理あるいはクロメート処
理に代わる塗装前処理としてシランカップリング処理剤
によるカップリング処理を行った技術が報告されている
（金属表面技術協会、第７１回講演大会講演要旨集Ｐ３
２〜３５ン。

この方法は電気亜鉛めっきを行う際にめっき浴にコロイ
ド状のシリカを分散させることにより、亜鉛とシリカの
複合めっき層を形成させ、その後カップリング処理を行
うもので、めっき層中のシリカとカップリング剤の相乗
効果により、優れた塗料密着性を示している。

溶融めっきにこの方法を適用することを検討したか、溶
融めっき中にシリカを均一に分散させることは困難であ
った。そこで、シリカを含まない通常の溶融亜鉛めっき
に対し、カップリング処理を行ったところ、塗料密着性
が低く、従来のリン酸塩処理あるいはクロメート処理に
比へ、塗装前処理としては不十分なものであった。

また、溶融亜鉛合金めっきなどに対してこの処理を行っ
ても全く効果は得られなかった。

〈発明の目的〉したがって、本発明の目的は、溶融亜鉛めっきあるいは
溶融亜鉛合金めっきの塗装前処理として、リン酸塩処理
あるいはクロメート処理に代わり、新たにめっき層上に
シランカップリング剤を配してなる表面処理鋼板を提供
するに当たり、ただ単にカップリング処理を鋼板に施し
ただけでは、塗料密着性を何ら向上させる効果を持だな
かりた問題点を解決し、カップリング処理を行う直前に
簡単な前処理を施すことによって、著しい塗料密着性の
改善をはかることができる表面処理鋼板およびその製造
方法を提供しようとするものである。

〈発明の構成〉本発明は溶融亜鉛めっきの上層にシランカップリング剤
を配してなる塗料密着性に優れた表面処理鋼板を製造す
るに当たり、シランカップリング剤によるカップリング
処理の前処理として、酸性あるいはアルカリ性の水溶液
にめっき層を浸漬、電解あるいは研磨することによって
表層が溶解・消失し、その後カップリング処理を行うこ
とにより、従来にはない著しい塗料密着性を得ることを
新規に知見してこの発明に至った。

すなわち、本発明は、溶融亜鉛めっきあるいは溶融亜鉛
合金めっきの上層にシランカップリング剤を配してなる
ことを特徴とする塗料密着性に優れた表面処理鋼板を提
供するものである。

本発明はまた、溶融亜鉛めっきあるいは溶融亜鉛合金め
っきを９８３以下の酸性水溶液あるいはｐＨ１２以上の
アルカリ性水溶液中にて面処理してめっき表面を活性化
した後、水洗乾燥をしてからシランカップリング剤によ
りカップリング処理を施すことを特徴とする塗料密着性
に優れた表面処理鋼板の製造方法を提供するものである
。

以下に本発明を更に詳細に説明する。

溶融亜鉛めっきｆｉ４＠に対し、シランカップリング剤
によるカップリング処理を施し、塗料密着性を調べた。

試験片の製造条件を以Ｆに示し、密着性の結果を表１に
示す。

（溶融亜鉛めっき条件）焼鈍温度　　　７００℃×３０秒めっき浴温度　５００〜５２０℃ めっき浴組成　１　：　１．２％、Ｓｉ　：　０．５％
、Ｆｅ：０．８％、残部Ｚｎ（カップリング処理条件）カップリング剤　γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン処理液　　　　カップリング剤３部、水２部、エチルアルコール残部処理方法　処理液侵清→１２０℃×２０秒乾燥（塗装）塗料　アミラック＃３０００（関西ペイント株式会社製）膜厚　３５〜４０μｍ焼付　１７０℃ｘｌＯｍｉｎ（塗料密着性試験）試験面か凸部となるようにエリクセン試験機を用いて６
．５　ｍｕｍ［り出し加工し、凸部の塗膜をセロテープ
で剥離する。剥離した塗膜の面積率により密着性を評価
する。一部のサンプルについては、沸騰水に５分間浸漬
してから張り出し加工して試験に供した。

表　　　１　　塗料密着性これらの結果から溶融亜鉛めっきにカップリンク処理を
行った場合、塗装後については改善効果が認められるが
、実使用環境を想定して沸臆水に浸漬した後の密着性は
十分なものではなかった。

この原因を調へるために塗膜剥離箇所を調べたところ、
鋼板側にはカップリング剤の存在が認められなかったこ
とから、カップリング剤の鋼板に対する密着力がネト分
であるため、塗料密着性が低いと分がった。

カップリング剤は水により加水分解されて以下の構造を
有する。

Ｙ、−５ｉ−（叶）４−ｎＹ二有機反応基塗料側とは、Ｙ（有機反応基）が結合して、強固な密着
性を示すが、鋼板側はＳｉ−卸店が被処理物の卸店と脱
水縮合することにより、密着力を有すると考えられる。

しかし溶融めっきは、めっき後に高温にさらされるため
、表面に酸化膜を生じており、シランカップリング剤と
相互作用するような官能基の存在が比較的少ないと考え
られる。

そこで溶融亜鉛めっき表面に卸店等の官能基を存在させ
るための前処理を検討した。

ｐｌ＋の異なる種々の水溶液をつくり、前述しためっき
条件で溶融めっき後、前処理としてこゎらの水溶液に５
秒間浸Ｙ）１シ、１１０℃で１０秒間乾燥後カップリン
グ処理し、湧水５分浸漬後に塗料密着性を調べた結果を
第１図に示す。この結果からｐｉ（３以下の酸性あるい
はｐＨ１２以上のアルカリ性水溶液に浸漬した場合、塗
料密着性は著しく良好となった。この理由は、亜鉛めっ
き表面の酸化膜か溶解除去され、亜鉛表面に活性な０１
１基などが導入されたためと考えられる。

また、前処理としては、ただ単に液に浸漬するたけでな
く、前述の液中で電解処理することにより、より短時間
で効果を得ること、および砥粒入つのブラシにより、表
面を機械的に研磨することにより、表面の酸化膜を物理
的に除去し、活性な面を出現させ、より確実で大きな効
果を得るものであることが判明した。前処理としては、
上述のものに限られず、めっき表面を活性化してシラン
カップリング剤との結合性を良くするものであれば、い
かなるものでもよい。

以下、製造工程に従って本発明を詳述する。

溶融めっき鋼板は、鋼板を加熱、均熱、急冷後、溶融亜
鉛め）き浴浸漬の工程を得る連続式溶融亜鉛めっきライ
ンで製造される。その後、必要に応じて、唾鉛と素地鉄
を合金化させる工程を経ることかあるが、カップリング
およびその前処理に何ら影響するものではない。近年め
っき浴の酸化を防ぎめっき表面の性状を改善する目的で
窒素ガスによるめっき浴周辺のシール、および窒素ガス
によるめっきのワイピング技術が使われるが、これらに
より、ドロスと呼ばれる酸化亜鉛の付着か減少し、表面
が平滑になるので塗料密着性には好ましい影響を与える
。

溶融ＩＩｌ！鉛め７き浴には、合金化の抑制、スパング
ルの調整、耐食性の向上を目的としてＳｉ、　Ｐｂ、Ｍ
ｇ、　　１８２等の元素を添加することがある。

この中で特にＡ１は、積極的に耐食性を改善する［ｊ的
で４〜５０％添加されたものが商品化されているが、こ
れらの溶融亜鉛合金めっきの場合、亜鉛の割合か５０％
以上であれば、本発明の前処理は効果を有するものであ
る。

溶融亜鉛めっき後の鋼板の形状矯正および機緘的性質の
改善を目的として、調質圧延、あるいはテンションレベ
ラーによる処理がなされることがあるか、こわらはカッ
プリング処理およびこの前処理より以前に行うことが望
ましい。

溶融亜鉛めっき鋼板のカップリング処理の工程を順番に
以ドに示す。

加熱→均熱−急冷→めっき→（合金化）−ｈ（調質圧延
）→面処理→カップリング処理本発明においては、溶融
亜鉛めっきあるいは溶融亜ｉＨ７合金めっき鋼板にカッ
プリング処理を行う前に前処理を行って、めっき表面を
活性化する。

前処理は、ｐ）１３以下の酸性水溶液またはｐＨ１２以
ヒのアルカリ性水溶液中で行えば良い。酸の種類として
は、硫酸、塩酸、硝酸、フッ酸、リン酸、酢酸、ギ酸、
クエン酸などの適当な酸の一種または２種以上を組み合
わせて処理することが可能である。

アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
、水酸化アンモニウムが代表的であるか、こわらの１神
または２種以上を組み合わせて処理することが可能であ
る。

これらの処理液中に、他の塩、あるいは金属イオンが含
まれても良い。

上記のような酸性あるいはアルカリ性液にただ単に浸漬
処理を行う場合、段積時間は０．５秒以上で１分であり
、浸漬あるいはスプレー法により行えば良い。処理温度
は、何度でも構わないが、温度か１０℃以ドでは反応が
遅く、多くの処理時間を要し、温度が高い場合には、液
の蒸発が起こりやすく、装置の腐食、液のロスを起こし
、連続運転に問題を生ずるので１０〜８０℃の範囲が望
ましい。

前処理の効果を増すため、これらの液の中で電解処理を
行うこともできる。電極としては、白金、鉛合金、ステ
ンレス、黒鉛など電極材料として、広く使われている耐
食性かあり、かつ、電圧損失の少ない電極を使えば良い
。

極性は陽極あるいは負極のどちらでも効果は認められ、
処理時間の短縮か可能である。

同様に、これらの処理液中で砥粒を含んだブラシ、例え
ばスコッチブライト（住友スリーエム製）で表面を研磨
することにより、表面の不活性な酸化膜を除去し、活性
面を出現させ、さらに処理の効果を確実にすることかで
きる。

−上記のような前処理を施した後のカップリング処理は
、特別な工夫を施すことなく、通常の方法で行えば良い
。浸漬法、スプレー法による処理は安定して効率的な処
理法として好ましい方法である。浸漬法では、アルコー
ル系の溶媒にカップリング剤と水を混合し、良く攪拌し
て調整した液に前処理後の溶融めっき鋼板を浸ｎ１する
。

浸／）′Ｆ？！、ロール絞り、気体絞りにより、余分の
処理液を除去してカップリング剤を固定させる。

その後、加熱することによりカップリング剤を脱水縮合
させてめっき層上に固定する。スプレー法の場合、はぼ
同様の組成を持つｌＡ処理液スプレーにより塗布する。

カップリング処理剤としては、ビニルトリクロルシラン
、ビニルトリメトキシシラン、γ−（メタクリロキシプ
ロピル）トリメトキシシラン、β−（３，４エポキシシ
クロヘキシル）エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
トキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシトキシ
プロビルメチルシエトキシシラン、Ｎ−β（アミノエチ
ル）γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、Ｎ−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシランなどを用いることができる。

〈実施例〉本発明を実施例に基づき具体的に説明する。以下に試験
片の製造条件を示す。結果はまとめて表２に示す。

（溶融亜鉛めっき条件）焼鈍温度；７２０℃×２０秒めっき浴温度：４５０〜５５０℃ めっき浴組成：　Ａρ二０８〜４８．０％、Ｓｉ：０．
ｌ〜０．８％、Ｆｅ　　：　０．２〜０．８％、残部Ｚｎ（＋ｉｉｆ処理条件）酸のトｂ類：硫酸、硝酸、塩酸、フン酸の噴独または２
種類を混合し、各種のｐｌ＋の酸性水溶液を調整アルカリの種類：水酸化ナトリウムを水に溶解し、各種
ｐｌ＋のアルカリ性水溶液を調整（電解条件）試験片を正極、ｐｔ板を負極として１〜１００ｃ／ｄｒ
ｒｒ”の通電を行った。

（研削条件）スコッチブライト（住友スリーエム製）でめっき板表面
をＩ　Ｋｇ／ｃｍ２の加圧で１００　ｒｐｍの速度で回
転し研削した。

（シランカップリング剤） γ−アミノプロピルトリエトキシシラン３部水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　２部メチルアルコール　　　　　　　　　９５部
をよく液を攪拌しながら混合して使用した。

（カップリング処理法）シランカップリング剤に１０秒間浸漬し、１２０℃で１
０秒間処理した。

（処理に程）溶融めっき→面処理→カップリング処理以七の条件で製
造したサンプルを塗装後塗料密着性を調へた。塗装条件
と密着性試験の条件を以下に示す。

（塗装）塗料ニアミラツク＃３０００（関西ペイント株式会社製）膜厚：３５〜４０μｍ焼付：１７０℃Ｘ１０ｍ１ｎ（塗料密着性試験）試験面が凸部となるようにエリクセン試験機を用いて５
．５　ｍｍ（ｉり出し加工し、凸部の塗膜をセロテープ
で剥離する。剥離した塗膜の面積率により密着性を評価
する。

試料としては、塗装後のもの、塗装後沸騰水に５分浸萌
したものおよび塗装後沸騰水に３時間浸γ１°１した後
２４時間放置したものを用いた。

〈発明の効果〉本発明においては、溶融亜鉛あるいは溶融亜鉛合金めっ
き鋼板に直接シランカップリング処理を行わずに、カッ
プリング処理の前処理として、前処理液中への浸漬、前
処理液中での電解あるいは研磨を昨独にあるいは複合し
て行うことにより、鋼板側のめっき表面を活性化した後
カップリング処理を行うので、塗料密着性が大幅に向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、塗料密着性が前処理液のｐａ＋によりどのよ
うな影響を与えるかを示すグラフである。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）溶融亜鉛めっきあるいは溶融亜鉛合金めっきの上
層にシランカップリング剤を配してなることを特徴とす
る塗料密着性に優れた表面処理鋼板。
（２）溶融亜鉛めっきあるいは溶融亜鉛合金めっきをｐ
Ｈ３以下の酸性水溶液あるいはｐＨ１２以上のアルカリ
性水溶液中にて前処理してめっき表面を活性化した後、
水洗乾燥をしてからシランカップリング剤によりカップ
リング処理を施すことを特徴とする塗料密着性に優れた
表面処理鋼板の製造方法。