JPS634520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気増量器を介在せしめることによ
り、吹付け空気を増量でき塗料の飛散を防止でき
る吹付け用スプレーガンに関する。

従来の吹付け用スプレーガンは、３〜５Kg／cm²
という比較的高い圧力の圧縮空気を用いて、かつ
その圧縮空気をそのまま塗料ノズル周囲から噴出
させ、塗料を吸引、霧化するごとく構成されてい
る為、霧化された塗料粒が周囲に飛散しやすく塗
料のロスが生じるとともに周囲を汚損していた。
本考案者らはかかる塗料の飛散防止について鋭意
研究の結果、比較的多量の空気を用いるときには
従来の吹付圧よりもやや低い圧力の空気であつて
も塗剤を効率よく霧化でき、しかも塗料の飛散
を、従来のガンに比して減じることによりその塗
付能率を向上しうることおよびかかる多量の空気
は、コンプレツサ等の空気送給装置自体の改善に
よつてではなくて、スプレーガン自体に空気増量
器を設けることによつて従来の送給装置をそのま
ま用いても得られることを見出し本考案を完成し
たものであつて、従つて本考案は空気増量器を具
え、送給される圧縮空気を増量でき、前記目的を
達成しうる吹付け用スプレーガンの提供を目的と
し、以下その一実施例を図面に基づき説明する。

図において本考案の吹付け用スプレーガン１は
塗料の噴出口３５を有する塗料ノズル３２と空気
噴出口４１を形成する空気キヤツプ４０とを具え
るガン本体一Ａに空気噴出口４１から導通しかつ
外気に開口する、空気通路１４Ａと、該空気通路
１４Ａ内で開口するエグゼクタ部とからなる空気
増量器２を付設している。又本実施例では、前記
空気増量器２は、スプレーガン本体１Ａの上部後
端に設けられ、又前記空気取入口４はスプレーガ
ン本体１Ａに架設される把手３下端に設ける空気
ニツプルとして形成される。前記空気取入口から
導入される圧縮空気を、空気調量５を介して、引
金６により進退する弁杆７によつて開閉する開閉
弁９を通り、指当突起１０後端の空気ニツプル１
１に導きうる。前記空気増量器２は、スプレーガ
ン先端の孔部１３に連通する比較的径の大きな導
孔１４の後端に取付けられ、該導孔１４後端に螺
入されるナツト金具１５と、その後端に螺着する
ノズル金具１６とからなる。ナツト金具１５はそ
の後端がスプレーガン１から突出する円筒部１７
を六角部１９に連設し、かつ該円筒部１７にはス
プレーガン先端に向つて傾斜する複数個の斜孔２
０からなる開口部が開穿される。ノズル金具１６
は六角部２１にネジ部２２を介してエジエクタ部
を形成する小径部２３を有し、該小径部２３は、
前記斜孔２０の交点近傍で開口する一方、本実施
例においては、前記ナツト金具１５の円筒部１７
に閉止リング２５を外挿し、該閉止リング２５に
は前記斜孔２０と位置合わせしうる透孔２６を設
けるとともに、該閉止リング２５回転により前記
斜孔２０を封止でき、又その開放により斜孔２０
は外気に導通する。なお該閉止リング２５は円筒
部１７に螺合する止めナツト２９を用いて固定さ
れ、かつノズル金具１６と、指当突起１０の空気
ニツプル１１をホース３０を用いて連結する。前
記孔部１３には塗料ノズル３２が突出する。該塗
料ノズル３２は引金６により前後動可能な針弁３
３により開閉する塗料噴出口３５を有しかつ先端
部には、条溝３６を設け又前面をコーン面とした
円筒状の膨出部３７が形成され、該膨出部３７に
は、孔部１３にその後端が遊挿される空気キヤツ
プ４０の内孔部が挿着される。又空気キヤツプ４
０は、その該内孔部前端に塗料ノズル３２の前面
と当接しうるコーン面を形成しかつ中央には、塗
料ノズル３２の先端を挿入することにより該塗料
ノズル３２を囲む空気噴出口４１を設ける、この
ように開口部をなす斜孔２０から前記導孔１４を
通り空気噴出口４１に通じる空気通路１４Ａが形
成される。又エジクタ部をなす小径部２３はホー
ス３０を介して開閉弁９に通じる。なお該空気噴
出口４１は従来のスプレーガンに比して大きな空
気通過面積を有するように設定される。さらに前
面のつの部に前記孔部１３に連通するパターン調
整孔４２が穿設され、さらにかつ該空気キヤツプ
４０は孔部１３に装着されたバネ４３により前方
に付勢される。なお該空気キヤツプ４０はスプレ
ーガン１の先端で螺着するキヤツプナツト４５の
内フランジ部が、空気キヤツプ４０外周の止め輪
４６の前面と係合することによりその前進位置が
規制される。

然して本考案のスプレーガン１において前記閉
止リング２５の透孔２６を斜孔２０と位置合わせ
し、止めナツト２９により固定する一方、キヤツ
プナツト４２を調整し塗料ノズル３２と空気キヤ
ツプ４０との各コーン面の間〓を所定の間〓に維
持する。しかる後引金６を操作すると、空気取入
口４から送入される圧縮空気は、空気調量弁５、
開閉弁９、ホース３０をへてノズル金具１６の小
径部２３から噴出し、その際斜孔２０からエジエ
クタによる吸引効果により、外気を吸引し空気を
増量する。又増量された空気は導孔１４から孔部
１３に流入しかつ前記条溝３６および塗料ノズル
３２と空気キヤツプ４０との間の間〓をえて空気
噴出口４１から噴出し、そのとき塗料ノズル３２
の塗剤を効率よく霧化、噴出するとともに、微細
化された塗料は噴出されるコーン状の空気流の内
部で保持されつつ進行し従つてその飛散を減じう
る。又パターン調整孔４２からの空気は、吹付け
パターンを偏平化しいわゆる平吹きを可能とす
る。又必要に応じて閉止リング２５を回転するこ
とにより、斜孔２０を閉塞でき、又キヤツプナツ
ト４５螺進退により吹付け空気を調量できる。第
２図は本考案の他の実施例を示し、空気増量器２
は、前記導孔１４の後端部に設けられかつ開閉弁
９に通じる周溝５０の前縁に形成される先細のコ
ーン面５１と、導孔１４に螺入されかつ前記コー
ン面５１と協働しその間で均等な厚さの円周間隙
５２によつて形成されるエグゼタ部をなすノズル
金具１６ａとからなり開閉弁９の開放により前記
周溝５０に流入する高圧空気が前記円周間〓５２
から噴出する際、ノズル金具１６ａの内孔５４即
ち開口部を通りを通り外気を吸入するごとく構成
され、第１図に示した実施例の空気増量器２に比
してその構造を簡易化しうる。

叙上のごとく本考案の吹付け用スプレーガン
は、空気取入口と、空気噴出口との間に、空気増
量器を介在せしめているため、送給される空気を
増量でき、従つて、空気噴出口を従来のスプレー
ガンに比してやや大径に形成したときには多量の
空気が塗料ノズル先端を通過し、塗料を吸引、霧
化でき、かつ増量された例えばコーン状の空気流
内に塗料粒を内包し噴射させうる結果、塗料の外
気への飛散を効率よく防いで吹付け効率を向上
し、又周囲の汚損を防止できる。なお本考案の吹
付け用スプレーガンは粘度の低い塗料・薬剤等の
塗付、散布等に際してとくに好適に用いる。なお
空気増量器はスプレーガン上端後尾の他、把手下
端又スプレーガンの胴部中央等、空気取入口と空
気噴出口間の適所に必要に応じて適宜介在せしめ
ることができ、又空気増量器の形状も種々変形で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は他の実施例を示す断面図である。 １Ａ……ガン本体、２……空気増量器、４……
空気取入口、６……引金、９……開閉弁、１４Ａ
……空気通路、２０……斜孔、２３……小径部、
３２……塗料ノズル、３３……針弁、３５……塗
料噴出口、４０……空気キヤツプ、４１……空気
噴出口、５２……円周間隙、５４……内孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 針弁により開閉しうる塗料噴出口を有する塗料
   ノズルと、該塗料ノズルの先端を囲む空気噴出口
   を形成する空気キヤツプとを具え、かつ前記針弁
   を作動するとともに作動により空気取入口に通じ
   る開閉弁を開閉する引金を設けたガン本体に、前
   記空気噴出口から導通しかつ外気に開口する開口
   部を有する空気通路と、前記開閉弁に通じかつ前
   記空気噴出口に向かつて前記空気通路内で開口す
   るエジエクタ部とからなる空気増量器を付設して
   なる吹付け用スプレーガン。