JPS6345163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来ノツターの藁供給側に掻込タインを設けた
コンバイン用ノツターは掻込タインがパツカーの
作動軌跡外へ逃げてから掻込タインが掻込んだ藁
をパツカーにより集束部へ掻込んでいた。

従つて掻込タインが掻込んだ藁に後続の藁が一
連となつて稈の掻込区分がなくなりパツカーによ
る藁の分割作用が悪るくなると共に掻込タインが
折角掻込んだ藁が掻込タインの退避により膨張し
て戻つてしまうため、一定の位置から掻込通路に
突出するパツカーの掻込作用が著しく低下する等
の欠点があつた。

このような欠点を解消すべく掻込タインが退避
する直前にパツカーを掻込タインの背部に突出さ
せて掻込タインが掻込んだ藁を、掻込タインの退
避時にパツカーがそのまゝ受け継いで集束部へ掻
込むようにしたところ前述の欠点はすべて解消さ
れた。

ところが、前記掻込タインとパツカーとを上記
タイミングで同期作動させても掻込タインは略等
速回動するのに対してパツカーは前後の作動方向
変換時には遅く、掻込行程及び戻り行程では高速
になるので、タインからもれたり掻き残された藁
がタインとパツカーとの間に挾まり、藁が折れ曲
つて稈姿勢を乱すと共に前記藁受継時にパツカー
が挾まつた藁を介して掻込タインの背面を押すこ
ととなり、パツカー又は掻込タインが損傷した
り、曲がつたりする欠点を生じた。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、排藁をドアに向けて掻込むパ
ツカーと、ニードルと、結節部と、スイーパーと
でノツターを構成し、該ノツターの藁供給側上方
に掻込用のタインを設けたコンバイン用ノツター
において、前記タインの掻込軌跡の終端部とパツ
カーの掻込軌跡の始端部とを、掻込まれる藁稈の
稈身方向からみて一部ラツプするように構成し、
前記タインとパツカーとをタインが掻込んだ直後
にパツカーが稈通路に侵入すると共にパツカーの
掻込み速度がタインの掻込み速度より速くなるよ
うに連動連繋し、前記タインを背圧に対しては回
動自在にしたことを特徴とするものである。

以下第１〜７図に示す実施例について説明する
と、１はコンバインの機台上に搭載した脱穀装置
であつて、その排稈口から排出される排藁は排藁
搬送装置２により後送され、前記脱穀装置１の後
部に装着したデスク型カツター３の左右の側板
４，４を後方に延出して支持枠５，５に形成し、
該支持枠５，５の下部と、それらの上部に立設し
た枠板６，６とにはそれぞれ支持杆７，８が連設
してある。

９は上部に結節部１０及びスイーパー１１を設
け、下部にドア１２、ニードル１３及びパツカー
１４を設けたノツターであつて、パツカー軸１５
を入力軸とする伝動ケース１６から穂側に向つて
１回転クラツチが入ると１回転するタイミング軸
が内装された保持筒１７が延出しており、その先
端部に立設したチエンケース１８の上部には結節
軸を内装した保持筒１９が突設してあり、該保持
筒１９を前記上方の支持杆８に２個所で移動調節
可能に装着し、前記保持筒１７及び伝動ケース１
６は下方の支持杆７に移動調節可能に取付けてあ
る。

２０は前記枠板６，６の前部に回転自在に支承
した掻込軸であつて、左右一対のアーム２１，２
１が固定してあり、該アーム２１，２１の両端部
に枢支したタイン２２，２２は中間部にローラー
２３，２３を有しており、前記支持杆８から前方
へ向けて突出させた連杆２４，２４に固定した筒
体２５は掻込軸２０を遊嵌していて前記ローラー
２３，２３が摺接する板カム２６の上部を一体的
に支持し、前記タイン２２…はスプリング２７…
により板カム２６に向けて押圧付勢されている。

なお、図面中３５はノツターガイド３６の前部
に突設したガイド杆である。

前述の装置において排藁を結束する場合はカツ
ター３の切換板３ａを閉じると排藁搬送装置２の
後部から放出された排藁は、先端の軌跡がａにな
るように板カム２６によつて規制されたタイン２
２…によつてパツカー１４の軌跡ｂの始端部まで
掻き込まれ、パツカー１４はタイン２２が通過し
た直後に掻込通路及び集束部の底板を形成する案
内板から上方へ突出してタイン２２に追従して掻
込作動し、タイン２２が上方へ退避すると、パツ
カー１４はタイン２２が掻込んだ排藁を受け継い
でドア１２の前面の集束部へ掻き込む。

その際、パツカー１４はその掻込速度がタイン
２２の掻込速度より速いのでタイン２２からもれ
たり、それが掻き残した藁はタイン２２とパツカ
ー１４とに挾まれるが、タイン２２はスプリング
２７により板カム２６の圧接されているだけであ
るから該スプリング２７に抗して押し出される。

前述の掻込作動が反復されて集束部に所定量の
排藁が集束されたことをドア１２が感知すると、
従来のノツターと同様ニードル１３が紐掛をな
し、結節部１０が作動して結節するとスイーパー
１１は節抜きしながら藁束を後方へ放出する。

その時藁束の穂側は上下の支持杆７，８間に設
けた阻止杆２８に受け止められるので藁束は穂側
を中心として旋回して既刈地に放出される。

次に第８〜９図に示す実施例について説明する
と、この例の筒体２５にＵ字杆２９の基部を固定
し、該Ｕ字杆２９の先端に２本のタイン３０，３
０の基部をピン３１により回動自在に軸支し、掻
込軸２０の端部にドラム３２を固定し、このドラ
ム３２の２個の孔３３，３３に前記タイン３０，
３０を出没自在に嵌挿してあり、上記タイン３
０，３０とパツカー１４の作動タイミングは前述
の実施例と同様であり、排藁をタイン３０からパ
ツカー１４に受け継ぐ時、前記掻込軸２０にはワ
ンウエイクラツチ３４が介装してあるのでタイン
３０が藁を介してパツカー１４によつて押される
とその分だけ押し出され損傷したり曲つたりする
ことがない。

本考案は前述のように排藁をドアに向けて掻込
むパツカーと、ニードルと、結節部と、スイーパ
ーとでノツターを構成し、該ノツターの藁供給側
上方に掻込用のタインを設けたコンバイン用ノツ
ターにおいて、前記タインの掻込軌跡の終端部と
パツカーの掻込軌跡の始端部とを、掻込まれる藁
稈の稈身方向からみて一部ラツプするように構成
し、前記タインとパツカーとをタインが掻込んだ
直後にパツカーが稈通路に侵入すると共にパツカ
ーの掻込み速度がタインの掻込み速度より速くな
るように連動連繋し、前記タインを背圧に対して
は回動自在にしたので、タインで掻込まれた排藁
はパツカーにより略連続的に受継ぎ掻込みされる
こととなり、掻込まれる排藁と後続の排藁との分
離をきわめて明確にすることができ、また、タイ
ンがが掻き残したり、掻込まれる排藁に絡まつた
りしてタインの直後に排藁が侵入した場合、高速
で掻込むパツカーは排藁を介してタインの背面を
押すが、タインは背圧を受けるとそれに順応して
自在に回動することとなり、排藁が折れ曲がつた
り、その姿勢が乱れたりするのを防止することが
できると共にタイン又はパツカーが損傷乃至変形
することをも防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインノツターの側面図、第２図は
同上展開平断面図、第３図は掻込部の展開断面
図、第４図はタインの作動軌跡を示す側面図、第
５図はタイン及びパツカーの作動タイミングを示
す側面図、第６図及び第７図はタインが掻込んだ
排藁をパツカーが受け継いで掻込む状態を示す側
面図、第８図は他の実施例の展開平断面図、第９
図は同上要部の側面図である。 １０……結束部、１１……スイーパー、１３…
…ニードル、１４……パツカー、２２……タイ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排藁をドアに向けて掻込むパツカーと、ニード
   ルと、結節部と、スイーパーとでノツターを構成
   し、該ノツターの藁供給側上方に掻込用のタイン
   を設けたコンバイン用ノツターにおいて、前記タ
   インの掻込軌跡の終端部とパツカーの掻込軌跡の
   始端部とを、掻込まれる藁稈の稈身方向からみて
   一部ラツプするように構成し、前記タインとパツ
   カーとをタインが掻込んだ直後にパツカーが稈通
   路に侵入すると共にパツカーの掻込み速度がタイ
   ンの掻込み速度より速くなるように連動連繋し、
   前記タインを背圧に対しては回動自在にしたこと
   を特徴とするコンバイン用ノツター。