JPS6344388B2 - - Google Patents

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JPS6344388B2
JPS6344388B2 JP58211927A JP21192783A JPS6344388B2 JP S6344388 B2 JPS6344388 B2 JP S6344388B2 JP 58211927 A JP58211927 A JP 58211927A JP 21192783 A JP21192783 A JP 21192783A JP S6344388 B2 JPS6344388 B2 JP S6344388B2
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blood
filter
defoaming
filtration
housing
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Priority to DE8484112225T priority patent/DE3482310D1/de
Priority to DE8888119503T priority patent/DE3485552D1/de
Priority to EP84112225A priority patent/EP0146708B1/en
Priority to EP88119503A priority patent/EP0313107B1/en
Priority to IT23534/84A priority patent/IT1177162B/it
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (技術分野) 本発明は、開心術に伴う体外循環時に人工心肺
回路において使用する貯血槽(カーデイオトミー
リザーバ)に関するものである。
(先行技術およびその問題点) 人工心肺回路においては、第1図に例示するよ
うに、患者の大静脈から脱血された血液は脱血ラ
イン1を経て、術野からの血液は吸引ライン2お
よびポンプ3から貯血槽4およびライン5を経
て、容量規制手段6に収納された静脈リザーバ7
に入り、更にポンプ8により熱交換器付人工肺9
に送られ、ここで酸素加された血液は送血ライン
10を経て患者の体内に戻されるよう構成されて
いる。
ところで、貯血槽は、胸腔、心腔などの術野で
吸引された血液の消泡、貯血機能に加えて、現在
では術野での吸引血液に随伴する、あるいは輸血
中に存在する組織、マイクロアグリゲートなどの
異物を濾過するフイルターを組み込み、濾過、消
泡、貯血という重要な三機能を果たすよう構成し
たものが汎用されるに至つている。ところが、現
在使用されている貯血槽には、上記三機能等にお
いて下記の種々の問題があることが指摘されてい
る。
(1) 濾過機能上の問題 フイルターに組織、マイクロアグリゲートなど
の異物が多い血液を通した場合、有効的にフイル
ターを使用しないうちに早く目詰まりを生じる傾
向がある。また、プリーツ状フイルターの場合、
フイルターを円筒状に配設する関係上内腔を生
じ、そのため、この内腔に血液貯溜が生じ、正確
な貯血槽内血液量の把握が困難となる。従つて、
貯血槽のハウジングに記された目盛標示と実際の
貯血量には差が生じ、必要な時に実際の血液量を
読み取ることができないという問題も派生してい
る。また、フイルター性能と、フイルター内での
血液とバブルの速やかな分離機能は相反し、その
バランスはなかなか難しいところがある。
(2) 消泡機能上の問題 貯血槽に入つた血液は、フイルターおよび消泡
剤により濾過消泡された後、ハウジング内に貯溜
されるのであるが、その際、濾過消泡部材より流
出する血液(あるいはプライミング液)が一度消
泡、貯血された血液面に滴下する構造では、再度
バブルの発生が起り、好ましくない。こうした場
合、患者にもマイクロバブルを有した血液が送ら
れることになり、末梢血管閉塞に伴い脳障害等を
起す危険性がある。
濾過消泡部材とハウジング底部を接触させて上
記現象を回避している構造のものもあるが、この
種のものでは、ハウジング底部の血液排出ポート
とこれに接続されるチユーブ内のエアーが排出で
きず、取り残されるというエアーブロツク現象が
発生し易い。これは、密閉式静脈リザーバを用い
た膜型肺にとつては、静脈リザーバ、人工肺、そ
して患者へとエアー混入の危険性が大きい。エア
ーブロツク現象とは、血液流出ポートに接続され
たチユーブ内血液面でクランプしているような場
合、流入血液が多量に流れ込んできた時、エアー
が排出できず、一部チユーブ内に留まつてしまう
現象を意味する。
また、フイルター内蔵型の貯血槽では、最近高
性能となつてきているフイルターの抵抗のため、
機能上、濾過後に消泡する構造とせざるを得ず、
このため、流入するエアー混入血液を濾過するに
際しては陽圧濾過となる。陽圧濾過では、血液流
量の増大とともに消泡部材の処理能力を越え、フ
イルターから陽圧空気が血液を噴出させ、血液中
にバブルを生ぜしめる結果、その後の消泡を不利
にし易い。このような場合には、フイルターにお
ける圧上昇も大きく、フイルター性能を低下させ
る傾向となる。これを回避するため、血液流入口
にサイクロン式のエアー分離構造を採用している
ものもあるが、多量のエアー混入時には対処しき
れず、圧上昇を招き易く、消泡性能が相当悪いと
いう結果を招いている。
(3) 貯血機能上の問題 また、貯血機能上、ハウジングの形状構造にも
問題がある。ハウジングは、金型製作上、フラン
ジ付半部を製作して中間部で接着する方法が簡便
である。しかし、このような構造では、接着部分
で血液リークの可能性があると同時にラベルによ
る液量目盛表示が面倒で、フランジ部での貯血液
量表示は不正確になり易い。さらに、開心術症例
に応じ、ベントラインを通して循環異常、弁不全
の状態を把握するために血液量を測定することが
よくある。つまり、心蔵は虚血状態にあるわけで
あるが、肺静脈還流異常があると左心室に貯血さ
れ、その量により異常程度が理解される。また、
大静脈弁不全であれば、これも同様左心室に貯血
される量で判断される。すなわち、これらの量を
ベントラインを通して測定するため、細かな目盛
表示が要求される。そのため、ハウジング底部お
よび血液流出ポートの形状も血液量が読み取り易
いものが要求される。
また、フイルターの面積は同一であつても、フ
イルターの前述の血液とバブルとの分離機能に影
響するところが大であり、長い方が分離機能は優
れている。このため、長目のフイルターを使用
し、ハウジング底部付近まで至つているものが多
い。ところが、こうしたタイプの貯血槽では、そ
の構成部材と血液との接触時間が長時間に至り、
現在注目されている補体活性化、シリコーン脱離
が大きく好ましくない。フイルターがハウジング
底部付近まで至つているものの代表例としては、
USP4164468、同4209193などがある。
発明の目的 本発明は上述した現状に鑑みなれたもので、そ
の目的とする処は、濾過消泡部と貯血部とを分離
し、血液が貯血槽の濾過消泡部の異物と接触する
時間を短時間に、すなわち通過時間にのみ抑え、
かつ貯血部への返血量が正確で貯血量確認が容易
な貯血槽を提供しようとするにある。
すなわち、本発明は、頂部に血液流入口を有
し、底部に血液流出口を有するハウジングを具
え、 該ハウジングには上方の濾過消泡部と下方の貯
血部とが分離して設けられており、 前記濾過消泡部は、血液導入用内側内腔を有す
る濾過消泡部材と、前記濾過消泡部材を支持する
支持体とを有し、 前記貯血部は、前記濾過消泡部にて濾過消泡さ
れた血液を貯血し得る容量を有し、かつ、前記濾
過消泡部の下部に設けられ、前記濾過消泡部材の
外側下部より流出する前記濾過消泡された血液を
前記ハウジングの底部へ案内する漏斗状のデフレ
クタを有することを特徴とする貯血槽を提供する
ものである。
発明の具体的説明 以下、本発明の貯血槽を添付図面に示す好適実
施例につき詳細に説明する。
第2図は本発明の貯血槽20の斜視図、第3図
は第2図の―線での縦断面図であり、ほぼ円
筒状のハウジング21内に、本発明が特徴とする
ように、濾過消泡部および貯血部が分離され
て配置されているのがよくわかる。ハウジング2
1は硬質の透明体で、ポリカーボネート、アクリ
ル―スチレン共重合体、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、アクリル―ブタジエン―ス
チレン共重合体などの硬質プラスチツク材料で、
好ましくは一体成形して製作される。ハウジング
21は、その頂部は第1上蓋22および第2上蓋
23により体外循環回路の結線にも自由に対応で
きるように回転可能とするのが好ましく、第1上
蓋22上には吸入血液入口ポート24、フイルタ
通過式の輸液、輸血ポート25、急速輸液ポート
26が設けられ、第2上蓋23上にはエアベント
ポート27、フイルタ不通過式の輸液ポート28
が設けられている。ハウジング21の胴部はほぼ
円筒状で中空である。ハウジング21の底部は、
偏心して形成された血液流出口29に向けて傾斜
する斜面をなし、その中央部には濾過消泡部材3
0およびデフレクタ31を支持するための中高支
持部32が形成されている。
ハウジング21は、金型製作上は半部で構成す
るのが良いが、血液リーク、目盛付、ラベル付等
の観点からは、頂部を除いては一体物として継目
なく成形するのが好ましい。特に底部は血液が滞
留しないようにする必要があり、接着部等がない
ほうが良い。ハウジング21の底部に設けられる
血液流出口29は、ハウジング21の底部中央に
設けると目盛、血量などの見通しが悪くなるか
ら、ハウジング21の底部の外周縁近くに偏心さ
せて設けるのが好ましい。さらに、開心術症例に
応じては、少量ではあつても正確な血液量を知る
必要がある場合があるから、血液流出口29の形
状は円滑な曲面より成る漏斗状にするのが好まし
く、特に半球形の如くふくらみを持つ形状にする
と目盛はその読取も容易である。
このように、円滑な曲面より成る漏斗状の血液
流出口は、これに接続されるチユーブを経て静脈
リザーバに血液が流れる時、血液は血液流出口2
9およびチユーブの壁面を伝つて流れるために、
上述した問題であるエアーブロツク現象は起らな
い。これは、常時監視されている体内血液量の適
正化のための調節操作時の貯血槽の上下動あるい
は術野からの血液流入の変動などにより、血液レ
ベルが血液流出口を上下した場合にも、同様にエ
アーブロツク現象は防止される。
本発明において、上述したハウジング21の上
方部分の濾過消泡部に配設される濾過消泡部材
30と該ハウジング21の下方の貯血部のデフ
レクタ31は、例えば図示のように第2上蓋から
延長する上方支持体33と中高支持部32との間
に支持される。
濾過消泡部材30は血液流入口から導入された
エアー混入血液の濾過消泡を行なうものであり、
好ましくは中心部より外方に向けて種々の機能素
子が同心的に配置され、中心部に導入されたエア
ー混入血液を順次に血液の均等分配、血液とバブ
ルの分離、濾過、消泡を行ない、消泡された血液
の再度のバブルの発生を防止するものである。
即ち、濾過消泡部材30は、好ましくは、内腔
34を有するフイルター35およびその外周の消
泡部材36を有し、フイルター35は上方支持体
33と下方支持体37との間に接着剤38により
固着され、消泡部材36はフイルター35に嵌着
し、下方支持体37およびデフレクタ31との間
で支持される。下方支持体37と中高支持部32
との間で漏斗状のデフレクタ31が支持されてい
る。上方支持体33は、フイルター35で構成さ
れる内腔34内に、下方にフイルター長より短い
長さ垂下する円筒体40を有し、フイルター35
とこの円筒体40との間に環状空隙41を限定す
るのが好ましい。このようにするとこの空隙41
には円筒体40が存在するため、直接血液が入つ
てこず、このため空隙41に対応するフイルター
部分は濡れず、この部分から、血液と分離したバ
ブルのエアーがフイルター35、消泡部材36お
よびベントポート27を経て排出される。
下方支持体37は、好ましくは、フイルター3
5で構成される内腔34内に上方に立上る中空部
材42を有し、中空部材42の下部44はフイル
ター35に密着するが、上方43は縮径して円筒
体40内を上方にほぼ上方支持体33の位置まで
延長する。中空部材42、円筒体40は濾過消泡
部材30と同心的に配置するのが好ましく、中空
部材42と円筒体40との間の空隙45は血液流
路を限定する。中空部材42の上部43のヘツド
は丸くして血液の均等分配を行えるようにするの
が良い。
従来は、この血液分配中空部材42がフイルタ
ー35の内側に配設されずに内腔を形成し、この
内腔に量の測定が不能な血液が貯溜して問題であ
つたが、第3図に示すように、血液分配中空部材
42をフイルター35の内腔34への相当な高さ
位置まで配置することにより不要の内腔がなくな
り、フイルター35への血液の均等分配および円
筒体40とフイルター35との間の血液とバブル
の分離空隙41の形成により、濾過面の有効利用
が図られ、従来のようなチヤネリングを生じない
ようになる。なお、血液分配中空部材42の構成
材料は、フイルター35の内腔34の径を規定で
きるポリカーボネイト、アクリル―スチレン共重
合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル―ブタジエン―スチレン共重合体、
ポリプロピレン等、硬質プラスチツクが好まし
い。
血液分配中空部材42の周囲に配設するフイル
ター35は種々のものがあるが、孔径20μ程度の
メツシユを設けたスクリーンタイプ、吸着効果に
よるデプスタイプなどを用いるとしても、コンパ
クト軽量化のためにはプリーツ状のフイルターが
好ましい。フイルター35はプリーツ状のものに
限らず、血液分配中空部材42と等間隔で接触
し、これらの間にはある程度の空間を形成してお
くのが好ましい。フイルター35と血液分配中空
部材42とを等間隔で接触させることは、フイル
ターの実効面積を増大させることができるからで
ある。また、フイルター35と血液分配中空部材
42との間に空間を形成するのは、組織、マイク
ロアグリゲートなどの異物による目詰まり、チヤ
ネリングなど、フイルターの有効利用を妨げる物
質の収納空間を設けておくためである。
フイルター内蔵型貯血槽では、血液は陽圧濾過
されるが、その時、血液流量の増大につれて処理
能力が減退して、血液が陽圧によりフイルターよ
り噴出させられてバブルを発生し、後の消泡を不
利にする場合があることは前述の通りである。こ
れを防止するには、フイルターを予め消泡剤で処
理しておくのが良い。消泡剤としては、一般に消
泡用シリコーン(シリカを混合したコンパウンド
型、オイル型)などが、また、フイルター構成材
料はナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンな
どが好ましい。そして、フイルターはこれらのメ
ツシユまたは不織布が好ましい。フイルターに消
泡剤を付着させることにより、フイルターに血液
が接触する時にバブルは消泡されて血液とエアー
に分離され、このため、フイルターによる圧上昇
も抑止されると同時にフイルターの濾過性能が維
持される。
フイルター35の外周の消泡部材36は、その
上流側のフイルター35により濾過または濾過消
泡された血液を消泡するためのものであり、発泡
ウレタン、ステンレスリボン、ポリプロピレンメ
ツシユなどの材料に、上述した消泡剤をコートし
たものである。
濾過消泡部材30の好ましい態様は以下の通り
であるが本発明の貯血槽は、濾過消泡部と貯血
部とが分離されていることが重要である。これ
は、前述したように、貯血されている血液が従来
のようにフイルター35や消泡部材36に浸漬せ
ず、極力異物接触を回避するためである。これ
は、現在注目されている部材による補体活性化
(動物の血清中にあつて、生体内で抗原抗体反応
が起る際に酸素的な重要な役割を持つタンパク質
の一種の補体が活性化され、細胞膜障害、感染に
対する生体の防御機構、炎症反応に障害が生じ
る。また、活性化により補体が消費されて一時的
に生体の免疫能が低下し、感染等の危険も高い)、
シリコーンの脱離などを抑制し、また、フイルタ
ー35および消泡部材36での血液のデツドボリ
ウムを節減し、返血時の血液量が正確に把握でき
る目盛を提供する。
このような機能を果たすために、本発明におい
ては、濾過消泡部で濾過消泡された血液をハウ
ジング21の底部の血液流出口29に再びバブル
の発生なく導くことができるよう、濾過消泡部材
30の下部に漏斗状のデフレクタ31を設ける。
デフレクタ31はハウジング21の底部中央の中
高支持部32上に支持されるよう収斂し、第3図
に示すように、多数のガイド板46により樋状流
路47が形成されている。このデフレクタ31
は、ハウジング21の胴部および胴部に隣接する
底部に接触して流路を開くことがないようにする
のが良い。デフレクタ31とハウジングとが上記
の如く接触すると、接触部以下の血液レベルの
時、接触部が血液レベルと見間違えやすいので手
術者が誤認を起す恐れがあるからである。また、
デフレクタ上には血液が常時流れているから、透
明体でデフレクタを構成すると、やはり血液レベ
ルを判読しにくい傾向があるので、デフレクタは
血液色を感じさせないものあるいは不透明体で構
成するのが好ましい。濾過消泡部材30を出た消
泡血液はデフレクタ31の樋状通路47を伝わつ
て緩やかな流れを形成し、血液への浸襲が小さ
く、再度バブルを発生することがない。
さて、この濾過消泡部から分離して設けら
れ、濾過消泡された血液を再度濾過消泡部に接
触しないように貯血する貯血部の貯血量は、密
閉システムにおいて、常時300〜500ml位の貯血が
強いられるため、下限として少なくとも500ml位
必要であり、また大動脈遮断時に行う心筋保護法
として、冷却液を還流するため、多い時は2000ml
以上の冷却液を要するので、上限として2500ml位
は必要である。
デフレクタ31は、濾過消泡された血液を中空
ハウジング21の底部まで再発泡することなく案
内するためのものである。従来のデフレクタでは
ハウジング下部にその上面に血流を流すよう構成
したものが多く、このデフレクタ上の血液と貯血
部の血液レベルは見間違え易かつたのは前述の通
りである。
本発明においては、濾過消泡部材30から濾過
消泡された血液を中空ハウジング21の底部まで
案内するデフレクタ31として上述した例を示し
たが、他の構成例として、ハウジング21は必ず
しも傾斜底部を有する必要はなく、また中高支持
部32も必要ではない。第4図に線図的に示すよ
うに、ハウジング21の中央部に位置する血液流
出口29に向けて収斂するデフレクタ31によ
り、濾過消泡部30で処理された血液を矢印で示
すように案内することもできる。この際、デフレ
クタ31の底部には複数個の開口49を形成し、
過剰量の血液は開口49を経て貯血空間48に流
入するようにしておくのが良い。この場合にも、
血液はデフレクタ31上を流れ落ちるが、従来の
如く外面を流す場合のように血液の色が見えない
ので、血液の液面を正確に目視することができ、
貯血量の測定が容易となる。さらに、デフレクタ
31を不透明体で構成すれば、より一層効果的で
ある。
なお、中空ハウジング21、円筒体40、中空
部材42は円筒状として説明してきたが、多角柱
状、異形断面形状などの他の適当な形状にするこ
とができ、また、中空部材は中実体としても良い
のは勿論のことである。
発明の具体的作用 第3図に示した本発明の貯血槽の使用時におけ
る濾過、消泡、貯血機能について説明する。
貯血槽は第1図に示すように構成して使用され
る。開心術等による心胸腔などの術野から吸引さ
れたバブル混入血液は、血液流入口ポート24を
経て中空部材42の上部43上に落下する。中空
部材42の上部43と円筒体40との間の血液流
路を経て、血液は直接フイルター35への接触を
避けながら流れ下り、中空部材42の下部44に
おいて初めてフイルター35に接触する。血液は
中空部材42の上部43から下部44にかけての
部分を通過し、フイルター35に接触するまでに
バブル混入血液の部材接触面積を多くすることに
より、バブルと血液を分離させる。分離されたバ
ブルは、フイルター35と円筒体40との間に空
隙41を設けてあるため、その部分に集まり、血
液に押し流されてフイルターを通過しないように
なる。
血液の流れを実線で、バブルの流れを点線で示
すように、バブルは血液から分離されて空隙41
の方に集まり、消泡剤の含漬されたあるいはされ
ていないフイルター35および消泡部材36を経
て消泡され、そのエアーはベントポート27を経
て外部に排出される。
従つてエアーがフイルター内腔34内に蓄積し
て内圧を高め、陽圧濾過による圧力と相俟つてバ
ブルを血液とともにフイルター35から噴出させ
るようなことはなくなる。
また、中空部材42の存在および上記の如き血
液とバブルとの迅速かつ有効な分離によりフイル
ター内腔34に貯溜される量が減り、貯血槽の血
液量を正確に把握できるようになる。
中空部材42の外周に配設されたフイルター3
5は、フイルター35で均等に分配され、フイル
ター35と円筒体40との間の空隙41により、
バブルが効果的に分離された血液中あるいは輸血
血液中に含まれている組織、マイクロアグリゲー
トなどの異物を血液から濾別する。
このように、フイルター35により濾過あるい
は濾過消泡された血液は、消泡部材36を通過す
る間に完全に消泡され、消泡部材36より浸出し
てくる。浸出してきた血液はデフレクタ31の樋
状通路47を緩やかに流れ下り、バブルの再発生
なく貯血空間48に流入する。貯血空間48内の
血液は、ハウジング21の傾斜底部を中高支持部
32のまわりに旋回流を形成して、血液流出口2
9よりチユーブ5を経て静脈リザーバ7に至る。
これは第4図に示す構成例においても同様であ
る。
また、血液流出口29はハウジング21の底部
中央に形成せず、外周縁部近くに形成し、その形
状も球形のような円滑な曲面で構成された膨らみ
部で構成すれば、所要時における例え少量の血液
であつても正確に、血液流出口29に付した目盛
により容易に読み取ることができる。このよう
に、浸出血液に旋回流を形成させ、かつ血液流出
口29も円滑な流れが保証されるように構成する
ことにより、血液は、ハウジング21の底部、血
液流出口29およびこれに接続されるチユーブの
壁面に沿つて流れるようになるから、エアーブロ
ツク現象が防止されるようになり、バブルが静脈
リザーバを経て患者体内に循環する恐れは全くな
くなる。
貯血部の貯血空間48の貯血容量は500〜
2500mlあり、貯溜している血液はフイルター35
や消泡部材36を常時浸漬しないので、補体活性
化、シリコーン溶出などの恐れが少なく、その貯
血容量は緊急時にも十分である。
発明の具体的効果 本発明の貯血槽は、従来のものに比して以下に
列挙するような多くの利点をもたらす。
(1) 濾過消泡部と貯血部とが完全に分離されてお
り、貯血部が十分な容量を有しているため、貯
血部に貯溜している血液が濾過部材や消泡部材
などの異物を常時浸漬することはないので、補
体活性化、シリコーン溶出などの恐れが極めて
少ない。
(2) 濾過消泡部のフイルター内腔に貯血されるこ
とがないので、濾過消泡部での血液のデツドボ
リウムを節減することができ、返血時の血液量
を容易に正確に把握することができる。
(3) 濾過消泡部にて濾過消泡された血液はデフレ
クタを伝わつて緩やかに貯血部に案内されるの
で、貯血されている血液への侵襲が小さく、再
度バブルを発生させることはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は人工心肺回路の一例の線図的斜視図、
第2図は本発明の貯血槽の好適実施例の斜視図、
第3図は第2図の―線での縦断面図、第4図
は本発明の貯血槽の血液案内部の他の構成例の線
図的断面図である。 符号の説明、1…脱血ライン、2…サツカーラ
イン、3,8…ポンプ、4…貯血槽、5…ライ
ン、6…容量規制手段、7…静脈リザーバ、9…
熱交換器付人工肺、10…送血ライン、20…本
発明の貯血槽、21…ハウジング、22…第1上
蓋、23…第2上蓋、24…吸入血流入ポート、
25…フイルター通過式輸液、輸血ポート、26
…急速輸液ポート、27…エアベントポート、2
8…フイルター不通過式輸液ポート、29…血液
流出口、30…濾過消泡部材、31…デフレク
タ、32…中高支持部、33…上方支持体、34
…内腔、35…フイルター、36…消泡部材、3
7…下方支持体、38…接着剤、39…リブ、4
0…円筒体、41…環状空隙、42…中空部材、
43…上部、44…下部、45…空隙、46…ガ
イド板、47…樋状流路、48…貯血空間、49
…開口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 頂部に血液流入口を有し、底部に血液流出口
    を有するハウジングを具え、 該ハウジングには上方の濾過消泡部と下方の貯
    血部とが分離して設けられており、 前記濾過消泡部は、血液導入用内側内腔を有す
    る濾過消泡部材と、前記濾過消泡部材を支持する
    支持体とを有し、 前記貯血部は、前記濾過消泡部にて濾過消泡さ
    れた血液を貯血し得る容量を有し、かつ、前記濾
    過消泡部の下部に設けられ、前記濾過消泡部材の
    外側下部より流出する前記濾過消泡された血液を
    前記ハウジングの底部へ案内する漏斗状のデフレ
    クタを有することを特徴とする貯血槽。 2 前記貯血部の容量が500〜2500mlである特許
    請求の範囲第1項に記載の貯血槽。
JP58211927A 1983-11-11 1983-11-11 貯血槽 Granted JPS60103968A (ja)

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JP58211927A JPS60103968A (ja) 1983-11-11 1983-11-11 貯血槽
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DE8888119502T DE3485551D1 (de) 1983-11-11 1984-10-11 Einrichtung zum aufnehmen und behandeln von blut.
DE8484112225T DE3482310D1 (de) 1983-11-11 1984-10-11 Einrichtung zum aufnehmen und behandeln von blut.
DE8888119503T DE3485552D1 (de) 1983-11-11 1984-10-11 Einrichtung zum aufnehmen und behandeln von blut.
EP88119502A EP0312125B1 (en) 1983-11-11 1984-10-11 Device for receiving and treating blood
EP88119503A EP0313107B1 (en) 1983-11-11 1984-10-11 Device for receiving and treating blood
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US5049146A (en) * 1989-05-31 1991-09-17 Baxter International, Inc. Blood/gas separator and flow system

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JPS5438435A (en) * 1977-08-30 1979-03-23 Toyota Motor Corp Liquefied petroleum gas fuel cut-off device for internal combustion engine
US4243531A (en) * 1978-05-30 1981-01-06 Baxter Travenol Laboratories, Inc. Cardiotomy reservoir

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