JPS6343948B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は映像信号をフオーカス・アウト（焦点
ずらし）させ且つ別の映像信号をフオーカス・イ
ンさせるという一連のフオーカス操作・混合（切
替）操作を同時に行なう映像信号のフオーカス混
合装置に関するものである。

従来、２つあるいはそれ以上のテレビジヨン映
像をフオーカス切替するには非常に複雑な方法を
必要とした。例えば或る映像を撮影する第１のテ
レビジヨンカメラの（光学的）フオーカス制御と
もう１つの映像を撮影する第２のテレビジヨン・
カメラの（光学的）フオーカス制御と、前記第１
及び第２のテレビジヨンカメラの出力映像信号同
志の混合・切替えを行なう映像合成装置とを或る
関係で連動操作せねばならなかつた。すなわち一
方の映像をフオーカス・アウトさせつつ、他方の
映像をフオーカス・インさせ、且つ一方の映像信
号の混合比を100％から０％まで変化させるとい
う一連の制御を必要とした。あるいは以前にフオ
ーカス・インかつフオーカス・アウトさせた夫々
の映像同志を後で混合させるというVTR等を駆
使した編集工程を必要としていた。

本発明は従来の如く複雑な手段を用いず容易に
映像のフオーカス混合（映像のフオーカス制御と
混合制御とを同時に行ないボケながら他の映像に
転回してゆく混合）が行なえる装置を提供するこ
とを目的とする。

以下、本発明の一実施例とともに詳細に説明す
る。

第１図において１は入力映像信号Ａの入力端
子、２は人力映像信号Ｂの入力端子、３は本装置
の出力映像信号（A′＋B′）の出力端子である。
Ｍは前記入力映像信号Ａ及びＢとを任意の割合
（混合度）で混合・切替えする混合回路で、混合
の形態により加算混合回路や非加算混合回路等が
あり、そのいずれでもよく混合制御信号Ｘにより
混合度が制御される。(F)は映像遅延素子を用いた
二次元空間フイルタ回路で、低域フイルタ特性を
有し映像にボケ処理を行ない、ある領域のテクス
チヤーに於いて二次元の非再帰形
（nonrecursive）デイジタルフイルタと作用する
方式のものや、より小領域のテクスチヤー処理で
済む再帰形（recursive）デイジタルフイルタ方
式等さまざまなものがあり、いずれでもよい。前
記二次元フイルタ回路(F)はフオーカス制御信号Ｙ
により低域フイルタ特性を変化され、従つて映像
のボケ具合が制御される。Ｃは前記フオーカス制
御信号Ｙを発生させるフオーカス制御回路であ
る。Ｇは混合制御回路であり、前記混合回路Ｍへ
の混合制御信号Ｘを例えば操作パネル上のフエー
ダー・レバー等により連続的に変化させ映像混合
度を指示するものである。

次に動作と説明する。入力端子１及び２に供給
される入力映像信号Ａ，Ｂは混合回路Ｍに導かれ
混合制御Ｇより指示する混合制御信号Ｘに従つて
混合され、混合映像信号（Ａ＋Ｂ）を得る。この
混合映像信号（Ａ＋Ｂ）は二次元フイルタ回路Ｆ
の入力端に供給され、ボケ処理を施しボケ出力映
像信号（A′＋B′）となり、出力端子３に表われ
る。この際、ボケ具合を指示するフオーカス制御
信号Ｙはフオーカス制御回路Ｃにより、前記混合
制御Ｘに基づいて発生され、例えば第２図に示す
如く関係となるようフオーカス制御回路Ｃが記作
する。つまり映像の混合度が50％付近（入力映像
ＡとＢがほぼ半分づつの混合状態）でボケがピー
クとなり、混合度が０％あるいは100％付近（入
力映像ＡかＢの一方が出力される状態）ではボケ
は小となる。従つてフオーカス制御回路Ｃの具体
構成は例えば比較器と演算器（加・減算器）の組
合せによる入出力に折返し特性を持たせるとか、
あるいは回路系がデイジタル方式ならびにコード
変換回路の如き単純な手段で容易に実現できる。

第３図は以上のフオーカス混合動作を説明する
ための要部波形図である。イは混合回路Ｍ内部で
入力映像信号ＡとＢの混合比が変化してゆくこと
を示し、ロは前記の混合比変化を指示する混合制
御信号Ｘを示し、ハは前記混合制御信号Ｘに連動
して混合比が50％付近でボケがピークとなるよう
変化するフオーカス制御信号Ｙを示している。

以上の如く動作するフオーカス混合装置を用い
れば、一方の映像をフオーカス・アウトさせつつ
自然に他方の映像にフオーカス・インする、ある
いはその逆も容易に可能となる。

なおこうした用途に必要となる二次元フイルタ
回路Ｆは広範囲に可変できる低域遮断特性を有す
るという条件からデイジタル空間フイルタが最適
であり、従つて混合回路も含めデイジタル信号処
理を行なう方式が好ましい。この場合、混合制御
回路Ｇ及びフオーカス制御回路Ｃともに論理回路
により構成され、例えば混合制御回路Ｇは操作パ
ネル上のフエーダー・レバーからの電圧信号を
Ａ／Ｄ変換し、デイジタル制御信号とするとか、
フオーカス制御回路Ｃでは前記デイジタル制御信
号をマドレス指示とするＰ―ROMを用いたコー
ド変換器となることも考えられる。また本装置を
CPU等で制御するシステムでは混合制御回路Ｇ
やフオーカス制御回路ＣともにCPUのバスライ
ンに結合されたポート・レジスタとなる場合もあ
る。しかしその際でも各ポート・レジスタに指示
格納されるデータは前述の説明の如く互いに第２
図に代表される関係を保ち連動して変化するもの
であり、本発明に含まれる。

また第１図のブロツク図に於いて、前述した如
くフオーカス混合装置としてのみ用いるのではな
く、例えば或る時は混合制御信号とフオーカス制
御信号とを連動させることなく独自に操作・指示
させるべく切離すなど、より多様な用途に対応で
きるよう構成することもある。

第４図は他の実施例を示すブロツク図であり、
第１図のフオーカス混合装置とは異なり、二次元
フイルタ回路Ｆを２組備えたものである。これに
よると入力映像信号Ａ，Ｂは混合回路Ｍの前段に
それぞれ設置した二次元フイルタ回路F₁，F₂を
経てボケ処理を施されたボケ映像信号A′，B′と
なつた後、混合され出力映像信号（A′＋B′）と
なる。この際、第１図と同様の機能を果たすには
各制御信号は第２図に示した関係と異なり次の如
くであればよい。入力映像信号Ａ側の二次元フイ
ルタ回路F₁に係わるフオーカス制御信号Ｙは混
合制御信号Ｘに対して折返さず一様に増減すれば
よく、一方入力映像信号Ｂ側の二次元フイルタ回
路F₂に係わるフオーカス制御信号Ｙは前記フオ
ーカス制御Ｙの反転信号を用いればよい。つまり
出力映像信号に於いて映像信号Ａから映像信号Ｂ
へ転回する場合、ボケ出力映像信号A′はボケ具
合が増大し、ボケ出力映像信号B′はボケ具合が
減小し、且つ混合回路Ｍではボケ映像信号B′の
混合度が増大するように変化すればよい。

このように二次元フイルタ回路の数や設置位置
等の構成変化にかかわらず、本発明は映像の混合
制御とフオーカス制御とを所定の関係になるよう
連動して操作・指示する手段と、映像混合回路及
び空間フイルタを具備していることにある。

また本発明はNTSC等の複合カラー信号を入力
とすればカラー成分領域をも考慮慮した空間フイ
ルタを用いればよく、例えばＹ―IQ成分分離あ
るいはＲ・Ｇ・Ｂ成分分離した後にそれぞれを二
次元フイルタを通過させるか、複合カラー信号の
まま処理するにはサンプリング位相別にフイルタ
リングする等様々な方法があり、映像信号の白黒
カラーの区別に無関係に適用されるものであるこ
とは明確である。

上記説明より明らかなように本発明によれば、
簡単にフオーカス混合を行なうことができ、番組
制作等に於いて非常に有効且つ実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における映像信号の
フオーカス混合装置のブロツク図、第２図はフオ
ーカス制御回路Ｃの入出力変換特性を示す図、第
３図は要部波形図、第４図は他の実施例のブロツ
ク図である。 １，２……映像信号入力端子、３……映像信号
出力端子、Ｍ……混合回路、Ｆ……二次元フイル
タ回路、Ｃ……フオーカス制御回路、Ｇ……混合
制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の映像信号をそれぞれ混合する混合回路
   と、この混合回路の後段または前段に設けられ、
   別に設けたフオーカス制御回路からのフオーカス
   制御信号によつて前記映像信号のフオーカス状態
   を変化させる二次元フイルター回路と、前記混合
   回路における前記複数の映像信号の混合度を制御
   する混合制御回路を備え、前記フオーカス制御回
   路は前記混合制御回路の出力によつて制御され、
   前記二次元フイルターによるフオーカス状態が前
   記混合回路における前記複数の映像信号の混合度
   に応じて変化するように構成されていることを特
   徴とする映像信号のフオーカス混合装置。