JPS6343587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、受信機から引き出された信号線に複
数の中継器を接続し、該中継器のそれぞれに各住
戸毎に設けた火災警報盤を接続し、火災警報盤の
警報信号を受信機へ移報出力する共同住宅におけ
る火災報知機の信号移報装置に関する。

近年、公団、マンシヨン等の共同住宅における
火災報知設備としては、住戸内における火災警報
受信盤としての機能を備えた中継器を各住戸毎に
設け、この中継器に住戸内の火災感知器を線路接
続するとともに、各住戸の中継器を中央の受信機
に線路接続して集中監視する設備構成が提案され
ている。

ところで、住戸内に設置する中継器に火災警報
受信盤としての機能をもたせた場合には、中継器
としては中央の受信機より引出された信号線に対
し接続しやすい場所、例えば住戸の出入口近傍に
設置する必要があり、一方、火災警報受信盤とし
ては住戸内の常に人が居る部屋等に設置する必要
があり、設置場所が制約されるという問題があつ
た。

そこで、住戸用の火災警報受信盤と中継ユニツ
トを分離し、各々適切な場所に設置することが考
えられるが、このように分離した場合にも住戸内
の火災の発生による火災警報信号を中央の受信機
に確実に移報出力するとともに、火災感知器と中
継器の間の線路監視を考慮しなければならず、こ
れを実現するためにコスト的に安価で信頼性の高
い装置構成が要求される。

本考案は、上記に鑑みてなされたもので、受信
機から引き出された信号線に複数の中継器を接続
し、中継器のそれぞれに各住戸毎に設けた火災警
報盤を接続し、火災警報盤の警報信号を中央の受
信機へ移報出力する共同住宅における火災報知機
の信号移報装置において、中央の受信機に対する
火災警報信号の移報出力、及び火災感知器の接続
線路の監視のそれぞれを適確に行なうとともに、
火災警報受信盤としての部分と中継ユニツトを分
離し、各々適切な場所に設置できるようにするこ
とを目的とする。

この目的を達成するため、本考案は、各住戸内
に設けた火災警報盤からの警報信号を住戸外に分
離設置した中継器により中央の受信機へ移報出力
する構成とし、火災警報盤には、一対の信号線間
に終端抵抗と火災感知器とを並列接続し、該火災
感知器の作動を検出して火災警報を報知する第１
のトランジスタを用いた火災警報信号検出回路
と、前記終端抵抗を介して導通監視電流を流し、
該監視電流の遮断による断線を検出して断線信号
を報知する第２のトランジスタを用いた断線検出
回路とを設ける。

次に、各中継器には、火災警報盤からの火災警
報信号（火災検出電圧）を受信して受信機へ移報
出力する火災警報信号移報回路をツエナダイオー
ドと第１のフオトカプラを用いて構成し、又火災
警報盤からの断線信号（線路監視電圧の遮断）を
受信して中央の受信機へ移報出力する断線信号移
報回路を第２のフオトカプラを用いて構成するよ
うにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図は、本考案の一実施例を示した回路図であ
る。

まず構成を説明すると、１は中継器であり、端
子Ｌ１、及びＣ１からは警報盤２に対し信号線
３、およびコモン線４のそれぞれが引き出され、
移報端子Ｌ２、およびＣ２のそれぞれに接続され
ている。

警報盤２とともに各住戸内に設置される火災感
知器５は警報盤２の一対の電源兼信号線間に端子
Ｆ１、およびＦ２を介して接続されている。端子
Ｆ２よりは抵抗Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４及びトランジス
タＱ２で形成される火災警報信号検出回路へ接続
され、火災感知器５の作動による線路電流の増加
を検出しダイオードＤ２を介して移報端子Ｌ２へ
電源電圧に略等しい火災検出電圧V_Fを伝送し、
且つトランジスタＱ２のオンでリレー７を駆動し
て火災を警報する。火災感知器５には線路監視電
を流す終端抵抗Ｒ５が並列接続され、この監視電
流は抵抗Ｒ１を介してトランジスタＱ１にベース
電流を流してオンし、線路の断線による監視電流
の遮断でトランジスタＱ１はオフとなる。トラン
ジスタＱ１のコレクタにはツエナダイオードZD
１及びダイオードＤ１が直列接続されている。こ
こで警報盤の電源電圧をV_Eとするツエナダイオ
ードZD１のツエナ電圧V_Z1はV_E＞V_Z1となる値に
選ばれているため、トランジスタＱ１のオンでツ
エナダイオードZD１が導通し、V_E−V_Z1に略等
しい電圧V_Wを移報端子Ｌ２に線路監視電圧とし
て供給するようにしている。

又、リレー６はトランジスタＱ１のオフによる
接点の閉成で断線を警報するようになる。

尚、正常の監視状態で作動し断線検出で非作動
となるリレー６、及び火災検出で作動するリレー
７のそれぞれのリレー接点は図示しないが、断線
検出、および火災検出の警報表示に使用するのは
勿論、他の消火設備等の制御信号として使用して
もよい。

次に中継器１の構成を説明する。警報盤２より
の一対の信号線３，４間には抵抗Ｒ６および発光
素子PC１が直列接続されて断線信号移報回路を
形成し、発光素子PC１は警報盤２から線路監視
電圧V_Wの受信で発光駆動し、断線検出による線
路監視電圧V_Wの遮断で発光を停止する。又この
断線信号移報回路と並列に抵抗Ｒ７、発光素子
PC２およびツエナダイオードZD２が直列接続さ
れ、火災警報信号移報回路を形成している。ここ
で、ツエナダイオードZD２のツエナ電圧V_Z2は火
災検出電圧V_F及び線路監視電圧V_Wに比してV_F＞
V_Z2＞V_Wとなるように選定されている。従つて警
報盤２からの火災検出電圧V_Fを受信したときの
ツエナダイオードZD２の導通による発光素子PC
２の発光で火災警報信号の移報出力を行なう。発
光素子PC２の発光する光を入射して導通する受
光素子PC４は発光素子PC２と一体に第１のフオ
トカプラを形成し、端子Ａ１，Ａ２に接続され中
央の受信機へ火災警報信号を送出する。又端子Ｂ
１，Ｂ２間には受光素子PC３が接続され、発光
素子PC１と一体に第２のフオトカプラを形成し
発光素子PC１の発光による光を入射して導通し、
中央の受信機よりの信号線に監視電流を流し、断
線検出時には受光素子PC３がオフして監視電流
を遮断することで断線信号を送出する。端子Ａ
１，Ａ２，Ｂ１，Ｂ２は中央の受信機と信号線に
より接続され、端子Ａ１，Ａ２は受光素子PC４
で受信される火災警報信号を中央の受信機へ移報
出力する出力端子で、端子Ｂ１，Ｂ２は受光素子
PC３で受信された断線信号を中央の受信機へ移
報出力する出力端子である。

次に動作を説明する。

まず通常監視状態における動作を説明する。通
常の監視状態にあつては、警報盤２からの電源供
給でトランジスタＱ１、抵抗Ｒ１および終端抵抗
Ｒ５で成る閉回路が形成され監視電流が流れる。
この監視電流でトランジスタＱ１をオンし、リレ
ー６を駆動するとともにツエナダイオードZD１
に導通電流を流し、警報盤２よりの電源電圧V_E
はツエナダイオードZD１のツエナ電圧V_Z1で定ま
る電圧でV_E−V_Z1に電圧低下し、ダイオードＤ１
を介してV_E−V_Z1に略等しい線路監視電圧V_Wを
移報端子Ｌ２に出力する。この線路監視電圧V_W
はツエナダイオードZD２のツエナ電圧V_Z2に比し
てV_W＜V_Z2となるように選定されているため中継
器１の発光素子PC１のみが発光する。端子Ｂ１，
Ｂ２間に接続される受光素子PC３は発光素子PC
１の発光する光を入射して導通し、中央の受信機
へ監視電流を流し正常信号を移報出力する。

次に正常監視状態における断線検出を説明す
る。各住戸毎に設置される火災感知器の接続線
路、例えば端子Ｆ２と抵抗Ｒ１との間が断線した
とすると、終端抵抗Ｒ５を介して形成される閉回
路が遮断され、トランジスタＱ１がオフとなる。
トランジスタＱ１のオフでリレー６をオフとする
とともに警報盤２からの線路監視電圧V_Wの供給
が断たれたことで、中継器１の発光素子PC１の
発光を停止させる。発光素子PC１と一体になつ
た受光素子PC３は光の入射が断たれたことでオ
フし中央の受信機へ断線信号を移報出力する。

次に火災感知器が住戸内の火災を検出して作動
したとすると、警報盤からの一対の電源兼信号線
間が火災感知器５の作動で低インピーダンスとな
り、線路インピーダンスの低下で流れる線路電流
の増加を検出してトランジスタQ2がオンする。
トランジスタＱ２のオンでリレー７が駆動すると
ともに電源電圧V_Eに略等しい火災検出電圧V_Fを
移報端子Ｌ２に伝送し、中継器１のツエナダイオ
ードZD２に導通電流が流れる。ツエナダイオー
ドZD２の導通で発光素子PC２が発光駆動され、
この発光による光の入射で受光素子PC４が導通
し、火災警報信号を中央の受信機へ移報出力す
る。

更に、火災と断線による障害が同時に又は相前
後して発生した場合、他の住戸内に設置される警
報盤での断線検出にかかわらずトランジスタＱ２
のオンで移報端子Ｌ２が火災検出電圧V_Fとなり、
発光素子PC２を発光駆動し、更に他の回路と分
離独立して端子Ａ１，Ａ２間に設けられた受光素
子PC４が導通する。従つて火災と断線の同時発
生については、断線検出の如何にかかわらず火災
警報信号を中央の受信機へ移報出力する。

以上説明してきたように、本考案によれば、受
信機から引き出された信号線に複数の中継器を接
続し、中継器のそれぞれに各住戸毎に設けられた
火災警報盤を接続し、火災警報盤の警報信号を受
信機へ移報出力する共同住宅における火災報知機
の信号移報装置において、各住戸毎に設けられる
警報盤には、一対の信号線間に終端抵抗と火災感
知器とを並列接続し、火災感知器の作動を検出し
て火災警報を報知する火災警報信号検出回路と、
前記終端抵抗を介して監視電流を流し、該監視電
流の遮断により断線を検出して断線信号を報知す
る断線検出回路とを設け、一方、各中継器には、
火災警報盤からの火災警報信号を受信して中央の
受信機へ移報出力する火災警報信号移報回路を第
１のフオトカプラを用いて構成し、又火災警報盤
からの断線信号を受信して中央の受信機へ移報出
力する第２のフオトカプラを用いた断線信号移報
回路とを設けるようにしたため、中央の受信機に
対する火災警報信号の移報出力、および火災感知
器の接続線路の監視のそれぞれを移報装置の回路
構成により実現し、共同住宅における火災報知設
備のシステム機能を適切、且つ確実に行う信号移
報装置を得ることができるという効果が得られ
る。

更に、従来の中継器における火災警報受信盤と
しての機能の部分と中継器ユニツトを分離したこ
とで、設置場所に制約されず各々適切な場所に設
置できるという効果が得られる。

又、本考案の特有の効果として、火災感知器の
接続線路が断線し障害状態となつた場合において
も、他の住戸での緊急を有する火災警報信号が確
実に中央の受信機へ移報出力され、非常時におけ
る警報が適切、且つ充分に徹底され、共同住宅に
おける非常時対策、若しくは避難活動を速やかに
行うことができる。

更に、中継器において火災警報信号、および断
線信号のそれぞれの信号発信部と受信部とを第１
および第２のフオトカプラを用いて分離独立させ
たことで、ノイズ等による誤動作を防止し、安定
した信号が得られ火災報知機の信頼性を更に向上
させるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案による一実施例を示した回路図であ
る。 １……中継器、２……警報盤、３……信号線、
４……コモン線、５……火災感知器、６，７……
リレー、Ａ１，Ａ２，Ｂ１，Ｂ２，Ｃ１，Ｌ１，
Ｆ１，Ｆ２……端子、PC１，PC２……発光素
子、PC３，PC４……受光素子、Ｒ１〜Ｒ７……
抵抗、Ｑ１，Ｑ２……トランジスタ、Ｄ１，Ｄ２
……ダイオード、ZD１，ZD２……ツエナダイオ
ード、Ｃ２，Ｌ２……移報端子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央の受信機から引き出された信号線に複数の
   中継器を接続し、該中継器のそれぞれに各住戸毎
   に設けられた火災警報盤を接続し、該火災警報盤
   よりの警報信号を中継器を介して前記受信機へ移
   報出力する共同住宅における火災報知機の信号移
   報装置において、 前記火災警報盤から引出された一対の信号線間
   に終端抵抗と火災感知器を並列接続し、 前記火災警報盤には、前記火災感知器の作動を
   検出して前記中継器への移報端子に火災検出電圧
   を供給する火災検出用トランジスタと、前記終端
   抵抗を介して流れる監視電流を検出してツエナダ
   イオードで定まる前記火災検出電圧より低い規定
   の線路監視電圧を前記移報端子に供給し、該監視
   電流の遮断を検出したときには移報端子に対する
   線路監視電圧の供給を遮断する断線検出用トラン
   ジスタとを設け、 前記中継器には、前記警報受信盤の移報端子か
   ら引出された信号線間に並列接続され、火災検出
   電圧の受信によるツエナダイオードの導通で前記
   受信機に火災警報信号を移報出力する第１のフオ
   トカプラと、前記線路監視電圧の遮断を受信して
   前記受信機に断線信号を移報出力する第２のフオ
   トカプラを設けたことを特徴とする火災報知機の
   信号移報装置。