JPS6343521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、多点入力信号を共通の設定レベル
と比較してその差に対応した出力を発生する機能
を有する共通設定器に関するものである。

多点入力信号を共通の設定値と比較してその差
に対応した出力を取出す場合、この入力信号が低
レベルであれば、大地雑音などの影響を避けるた
めに、多点入力相互間を高度に絶縁することが必
要である。このアイソレーシヨンは、各入力回路
に個々に設定電圧を印加し、各々の出力をトラン
スを介して取出すことによつて達成されるが、複
数の設定電圧を設けることは、構造の複雑化を招
き、また相互間の調整も困難になる。また一つの
設定電圧源からの設定電圧をフオトカプラを介し
て各入力回路に印加するようにした回路も提案さ
れているが、フオトカプラの入力−出力特性の直
線性は良くないので、応答速度および誤差の点で
劣る。

この考案の目的は、フオトカプラのすぐれたア
イソレーシヨン特性を活用し、その非直線性を改
善することによつて、すぐれた特性を有する共通
設定器を提供しようとすることである。

この考案の一実施例を図面にしたがつて説明す
る。第１図において符号１−１，１−２……１−
ｎは、入力信号発生源である、熱電対を示し、
各々の出力は、コンパレータ２−１，２−２……
２−ｎの一方の入力端にそれぞれ供給される。各
コンパレータ２−１〜２−ｎは、対応する熱電対
１−１〜１−ｎからの出力電圧と、後述する設定
回路から供給された設定電圧とを比較し、この両
者の差が所定の値に達したときに、出力回路であ
るリレー３−１，３−２……３−ｎを駆動するた
めの出力を発生するように働く。

設定回路は、一方の入力端に一定の基準電圧
Esが印加されている反転増幅器４を有し、その
出力側には、コンパレータ２−１〜２−ｎと同数
のフオトカプラ５−１〜５−ｎの各発光ダイオー
ドと、帰還用のフオトカプラ６の発光ダイオード
とが直列に接続されている。フオトカプラ６は、
反転増幅器４の出力信号の符号がプラスのときに
発光する発光ダイオードからの光を受けてONに
なるフオトトランジスタを有していて、このフオ
トトランジスタのON，OFF動作は、この動作に
同期して符号が反転するパルス信号を発生するよ
うにスイツチ７を制御する。ここに得られた信号
は、抵抗R₁およびコンデンサC₁で構成された充
放電回路を経て、反転増幅器４の他方の入力端に
供給される。

設定電圧Esが一定であるとすると、初期状態
では反転増幅器４の出力はプラスであり、フオト
カプラ６はスイツチ７をプラス側に接続する。こ
れによつて抵抗R₁を介してコンデンサC₁に充放
電電流が流れ、その端子電圧が基準電圧Esに
徐々に近づく。そしてこの端子電圧が基準電圧
Esに等しくなると、反転増幅器４の出力の符号
が反転し、フオトカプラ６の発光ダイオードは発
光を停止する。この時点でスイツチ７はマイナス
側に切換えられ、コンデンサC₁は抵抗R₁を通し
て放電し、その端子電圧が徐々に降下してくる。
反転増幅器４には、その反転動作についてヒステ
リシス特性が与えられており、したがつてコンデ
ンサC₁の端子電圧が基準電圧Esに対して第１の
値V₁まで上昇したときに反転し、第１の値V₁よ
りも低い第２の値V₂まで降下したときに再び反
転するような動作を繰り返す。抵抗R₁およびコ
ンデンサC₁からなる充放電回路の充放電特性と、
反転増幅器４のON，OFF特性（出力の符号がプ
ラスである状態をON状態とする）との関係を第
２図に示す。基準電圧Esの値が充電曲線A₁と放
電曲線A₂との交点に相当する値に選ばれていれ
ば、充電時間と放電時間とは等しく、反転増幅器
４のON期間およびOFF期間は相互に等しくな
る。しかし基準電圧Esをこれよりも高い値Es₁ま
で上昇させたとすると、充電時間に比して放電時
間が短かくなり、ON期間が長く、OFF期間が短
かくなる。また逆に基準電圧Esをこれよりも低
い値Es₂まで下降させると、ON期間が短かく、
OFF期間が長くなる。この結果として、反転増
幅器４の出力信号としてパルス信号が得られ、そ
のデユーテイ比は基準電圧Esによつて決定され
る。

さらに反転増幅器４の出力側に接続されたフオ
トカプラ５−１は、上記の帰還用フオトカプラ６
を同期してスイツチ８−１を切換え、これによつ
て得られたパルス信号は、抵抗R₂およびコンデ
ンサC₂からなる平滑回路で平滑されたのち、コ
ンパレータ２−１に設定信号として供給される。
この設定信号のレベルは、平滑回路に供給された
パルス信号のデユーテイ比に対応し、このデユー
テイ比は、前述のように基準信号Esのレベルに
対応する。同様に他のフオトカプラ５−２〜５−
ｎも対応するスイツチ８−２〜８−ｎを制御し、
平滑回路を通して平滑された設定電圧を各コンパ
レータ２−２〜２−ｎに供給する。

前述のようにフオトカプラ５−１〜５−ｎは、
入力信号と出力信号との間の変換特性について特
有の非直線性を有しているが、これらに供給され
る信号自体が、帰還用フオトカプラ６の作用で逆
の非直線性を有しているので、この両者の非直線
性は相殺されることになり、フオトカプラによる
アイソレーシヨンで唯一の問題とされている非直
線性をほぼ完全になくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による共通設定器
の構成を示す回路図、第２図はその動作を説明す
るためのグラフである。 １−１〜１−ｎ……熱電対、２−１〜２−ｎ…
…コンパレータ、３−１〜３−ｎ……リレー、４
……反転増幅器、５−１〜５−ｎ，６……フオト
カプラ、７，８−１〜８−ｎ……スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 設定回路によつて設定された設定電圧と入力信
   号のレベルとを比較する複数個の回路を具備し、
   上記各回路に共通の設定電圧を与える共通設定器
   において、帰還電圧が第１の値まで上昇したとき
   にオンになり、上記第１の値よりも低い第２の値
   まで下降したときにオフになる反転増幅器と、こ
   の反転増幅器の出力に応じて発光する帰還用フオ
   トカプラと、この帰還用フオトカプラによりスイ
   ツチング制御された電圧を所定の充放電特性で充
   放電し、上記反転増幅器に上記帰還電圧として供
   給する充放電回路と、上記帰還用フオトカプラに
   直列接続され、上記反転増幅器の出力に応じて発
   光する複数のフオトカプラと、上記各フオトカプ
   ラの出力によりスイツチング制御された各電圧を
   対応する上記各コンパレータに上記設定電圧とし
   てそれぞれ供給する複数の平滑回路とを有してい
   ることを特徴とする共通設定器。