JPS6343049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上型と下型の間隙で加圧成形された
合成樹脂成形品の表面に塗料を付着させるための
塗料液圧入装置の圧入ロツド構造に関する。

一般に、プレス上下型で加圧成形された合成樹
脂成形品の表面に塗料をコーテイングする装置
は、塗料を型内に注入するための射出機と塗料を
成形品の表面に拡散させるための圧入機とから成
つている。圧入機には垂直方向に往復運動する圧
入ロツドが備えられ、一般にこの圧入ロツドは円
筒状に作られてパイロツト孔内に吐出された塗料
液を成形品表面に向けて押出す作用をする。

しかしながら、従来の圧入ロツドはその上端が
円形断面に作られているので射出機の吐出ノズル
の先端との間に隙間を生じ、この隙間から塗料液
が漏出してノズルの周辺に蓄積したり、残存した
塗料カスが新鮮な塗料液に混入した塗装面の品質
を低下させる等の欠点があつた。

本考案は上述の点に鑑みてなされたものであ
り、本考案の目的は塗料液の漏出を防止しかつ塗
装面の品質を高めることにある。

本考案に係る塗料液圧入装置の圧入ロツド構造
は、合成樹脂成形品の圧縮成形後に上型を少量上
昇させることによつて生じる該合成樹脂成形品の
被塗装面といずれか一方の型の表面との隙間に塗
料液を加圧注入するための塗料液射出機と塗料液
圧入機とを備え、該塗料液射出機及び該塗料液圧
入機は前記一方の型に設けられ、前記塗料液圧入
機の円筒状圧入ロツドはその上端付近の側面に軸
線と平行な切欠平面部が形成され、前記圧入ロツ
ドの上昇時には前記切欠平面部が前記塗料液射出
機の吐出ノズルの先端に摺接して該吐出ノズルを
封止するようになつていることを特徴としてい
る。

本考案の圧入ロツド構造によれば、圧入ロツド
とノズル先端とが面接触して完全に封止されるの
で、塗料の浪費が防止できると共に塗料カスの排
除に要する作業時間が短縮され、さらに塗装面の
品質が高められる。

以下、図面に示す実施例を参照しながら本考案
をさらに詳細に説明する。第１図は本考案に係る
塗料液圧入装置を表わし、合成樹脂成形品１０の
圧縮成形後に成形品１０が付着した上型１２を微
小量ｄ、例えば１〜５mmだけ上昇させ、上昇によ
つて生じた下型１４の上面と成形品下面との隙間
１１内に向けて塗料液を加圧注入する。

第１図の実施例では塗料液射出機１６及び塗料
液圧入機２０を下型１４内に設けているが、これ
らは上型１２内に設けることも可能であり、その
場合には上型の微小量上昇後に生じる上型１２の
下面と成形品上面との隙間内に向けて塗料液を加
圧注入する。

塗料液射出機１６は本体部分１７とノズル１９
とから成り、下型１４内のパイロツト孔１５内に
向けて塗料液を吐出する。塗料液圧入機２０はシ
リンダ２１と、ピストンロツド２２に固定された
圧入機２３と、圧入機２３から上方に延伸する圧
入ロツド２４とから成り、シリンダ２１の上昇ス
トロークＳに基づいて圧入ロツド２４の上端が上
昇し、パイロツト孔１５内に充満している塗料液
を前述の隙間１１内に向けて押し出す。押し出さ
れた塗料液は下型１４のキヤビテイに沿つて流れ
ながら下型と成形品１０との間に充填されて行
き、最後に上型１２が下降して塗料液に圧力が加
えられて硬化する。塗装面の乾燥後に上型を上昇
させて製品を取出す。

第２図は、圧入ロツド２４が下降している時に
下型１４内のパイロツト孔１５内に向けてノズル
１９の先端１９ａから塗料液を吐出した状態を表
わしている。

第３図は、第２図の状態から上型１２に成形品
１０を付着させたままで微小量ｄだけ上昇させ、
この上昇によて生じた下型１４上面と成形品１０
の下面との隙間１１に向けて圧入ロツド２４を上
昇させて塗料液を押し込んだ状態を表わしてい
る。この状態におけるノズル先端と圧入ロツドと
の関係は第４図の断面図で示され、円筒状の圧入
ロツドの上端付近の側面に形成された軸線と平行
な切欠平面部２４ａ（第１図参照）がノズル１９
の先端１９ａに摺接してその塗料流通孔２６を封
止している。ノズル１９の先端１９ａは垂直にカ
ツトされており、塗料液は完全に遮断されるので
ノズルの周囲に漏出したり蓄積したりすることが
ない。

第５図は、従来の装置におけるノズル先端と圧
入ロツドとの関係を示しており、圧入ロツド３０
の上端が円形断面に作られているために垂直にカ
ツトされているノズル先端１９ａとの間に隙間が
でき、この隙間から塗料液が漏出して周囲に蓄積
し塗料カスを生じていた。

圧入ロツド２４によつて押し出された塗料液は
下型１４のキヤビテイに沿つて流れながら下型と
成形品１０との間に充填されて行き、最後に上型
１２が下降して塗料液に圧力が加えられて硬化す
る。塗装面の乾燥後に上型を上昇させて製品を取
出す。

以上詳細に説明した如く、本考案によれば塗料
の浪費が防止できると共に作業時間が短縮でき、
さらに塗装面の品質を高めることができる等、そ
の実用的価値には顕著なものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る塗料液圧入装置の縦断面
図、第２図は塗料液をパイロツト孔内に吐出した
状態の部分断面図、第３図は塗料液を隙間内に圧
入した状態の部分断面図、第４図は圧入ロツドと
ノズル先端との関係を表わす第３図の線−に
沿う断面図、第５図は従来の圧入ロツドとノズル
先端との関係を表わす断面図である。 １０……成形品、１１……隙間、１２……上
型、１４……下型、１６……射出機、１９……ノ
ズル、１９ａ……ノズル先端、２０……圧入機、
２４……圧入ロツド、２４ａ……切欠平面部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上型と下型の間隙で加圧成形された合成樹脂成
   形品の表面に塗料を付着させるための塗料液圧入
   装置の圧入ロツド構造であつて、 合成樹脂成形品の圧縮成形後に上型を少量上昇
   させることによつて生じる該合成樹脂成形品の被
   塗装面といずれか一方の型の表面との隙間に塗料
   液を加圧注入するための塗料液射出機と塗料液圧
   入機とを備え、該塗料液射出機及び該塗料液圧入
   機は前記一方の型に設けられ、前記塗料液圧入機
   の円筒状圧入ロツドはその上端付近の側面に軸線
   と平行な切欠平面部が形成され、前記圧入ロツド
   の上昇時には前記切欠平面部が前記塗料液射出機
   の吐出ノズルの先端に摺接して該吐出ノズルを封
   止するようになつていることを特徴とする合成樹
   脂成形型に設けた塗料液圧入装置の圧入ロツド構
   造。