JPS634261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気シート再生装置における磁気ヘツ
ドの位置及び角度の微調整装置に関し、特に磁気
シートに形成した録音トラツクの方向と同一方向
の傾き角の調整、録音トラツクの方向と直交する
方交の傾き角の調整、上下位置の調整、アジマス
調整及び録音トラツクと平行な位置の調整の全て
を可能とした磁気ヘツドの微調整装置に関する。

一般に磁気シート再生装置にあつてはターンテ
ーブルに長孔を形成し、ターンテーブル下方に磁
気シートの渦巻状録音トラツクに対向する溝部を
形成し、この溝部に磁気ヘツドを取付けた基板を
嵌め込むとともに長孔から磁気ヘツドが突出する
如くし、ターンテーブルを回転せしめることで磁
気ヘツドが磁気シートの渦巻状録音トラツクを走
査するようにしている。

ここで、再生を最良の状態で行なうには磁気シ
ートと磁気ヘツドとの接触位置及び接触角度が常
に最良のものでなければならない。このため従来
から種々の調整装置が提案されている。例えば本
出願人は先に出願した実願昭50−58234号におい
て、スプリングを介設することによる上下位置の
調整、偏心支柱を立設するとともに突起を設ける
ことによるアジマス調整及び録音トラツクに平行
な位置の調整を可能にしたものを提案している。

しかしながら、録音トラツクの方向と直交する
方向即ち磁気シートの径方向に対する傾き角の調
整は従来装置にあつては容易になし得ない。つま
り従来の磁気ヘツドの調整装置にあつてはターン
テーブルの長孔に沿つて移動可能とした基板上に
支持板を介して磁気ヘツドを取付けているため、
支持板自体の径方向に対する角度を変化せしめる
か或は支持板への磁気ヘツドの取付角度を変化せ
しめる必要があり、たとえその角度を変化できる
としても微調整を行うことはできない。

本考案者等は上述の如き問題点に鑑みこれを有
効に解決すべく本考案を成したものであり、その
目的とする処は磁気シートの径方向における傾き
角の調整を含んだあらゆる位置及び角度の微調整
を簡単な部材と容易な操作で確実に行えるように
した磁気ヘツドの調整装置を提供するにあり、斯
る目的を達成すべく本考案は基板上に２本の強制
的に回転可能な偏心支柱を立設し、この偏心支柱
にスプリングを介して支持部材を上下動自在に装
着し、この支持部材にその取付位置を変化し得る
如く取り付けられる保持部材と支持部材との間で
磁気ヘツドを挟持するとともに、上記支持部材の
磁気ヘツドに対向する側面には突起を形成し、ま
た上記保持部材の上記突記の位置と上下位置を異
ならせた位置には磁気ヘツドを押圧することで上
記突起を支点として磁気ヘツドを回動せしめる調
節部材を設け、更に上記保持部材と磁気ヘツドと
の間に調節部材による回動方向と逆方向に磁気ヘ
ツドを弾圧するバネ部材を介設したことをその要
旨としている。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従つ
て詳述する。

第１図は本考案に係る磁気ヘツドの微調整装置
の全体斜視図、第２図は正面図、第３図は一部破
断側面図であり、１はターンテーブルに形成した
長孔に沿つて移動可能とされた基板であり、この
基板１上には２本の偏心支柱２，３を強制的に回
転し得るように立設し、この偏心支柱２，３に支
持部材４をスプリング５を介して装着している。
即ち支持部材４は板状部４ａの上下の両側部から
側方に舌状片を延出し、第１図中右側部の上下の
舌状片４ｂ，４ｃには円孔６，６を夫々穿設し、
右側部の上下の舌状片４ｄ，４ｅの上方の舌状片
４ｄの長さを短かくし、下方の舌状片４ｅには長
孔状の開口７を穿設している。そしてこの開口７
に一方の偏心支柱２が、また円孔６，６に他方の
偏心支柱３が夫々節度をもつて挿通している。

上記支持部材４には中間部をコ字状に折曲した
保持部材８を取り付けている。即ち、支持部材４
の板状部４ａの左右に離間して一方を長孔９、他
方を円孔１０とした取付孔を形成し、これら取付
孔９，１０にビス１１を介して保持部材８の両端
部を固着し、支持部材４と保持部材８の折曲した
中間との間に形成される空間部において磁気ヘツ
ド１２を挟持している。

更に上記支持部材４の板状部４ａの磁気ヘツド
１２と対向する側面には水平方向に離間して２個
の突起１３，１３を形成し、また保持部材８と磁
気ヘツド１２との間に板バネ１４を介設し、磁気
ヘツド１２を第３図に示す如く突起１３，１３を
支点として反時計方向に回動するように弾圧付勢
している。そして保持部材８の略中央部で上記突
起１３，１３よりも下方位置には調節部材である
ところのネジ１５を取り付け、これ１５を回わす
ことでこれの先端が磁気ヘツド１２の下部を押
し、板バネ１４に抗して磁気ヘツド１２を時計方
向に回動せしめるようにしている。

本実施例にあつては特に水平方向に離間して２
個の突起を形成したものを示しており、このよう
に左右に２個の突起を設けることで１個設けた場
合に比べ磁気ヘツドの保持にガタが生じない。

以上の如き構成からなる磁気ヘツドの微調整装
置の調整操作を各調整毎に以下に説明する。

先ず第４図に示す如き磁気シート１６の録音ト
ラツクの方向と同一方向における傾き角の調整
は、保持部材８と支持部材４とを固着しているビ
ス１１…を緩め一方の円形取付孔１０を中心とし
他方の長孔９内で保持部材８を所定角度傾けた後
ビスを締め付け固着する。これにより磁気ヘツド
１２は保持部材８とともに傾くので磁気シートの
録音トラツクの方向と同一方向における傾き角を
調整することができる。

次に第５図に示す如き磁気シートの録音トラツ
クの方向と直交する方向における傾き角の調整
は、保持部材８に設けたネジ１５の締緩によつて
行う。つまりネジ１５を締める方向に回すとネジ
１５は第３図中左方向に移動し、磁気ヘツド１２
は突起１３，１３を中心として時計方向に回動す
る。逆にネジ１５を緩めると板バネ１４の弾発力
によつて磁気ヘツド１２は反時計方向に回動す
る。したがつて録音トラツクの方向と直交する方
向における磁気ヘツド１２の傾き角を微調整でき
る。

また第６図に示す上下方向の位置調整は偏心支
柱３に装着したスプリング５の強さを変えること
により行い、第７図に示すアジマス調整及び第８
図に示す如き録音トラツク１７と平行な位置ズレ
の調整は偏心支柱２，３を強制的に回動せしめる
ことにより行う。即ち、各偏心支柱の中心と回転
中心はズレているため、偏心支柱を回動すること
で上記ズレの分だけ磁気ヘツドの水平位置を変化
せしめることができる。例えば調整前の各偏心支
柱２，３の偏心方向と偏心量が同一の場合には、
左右の偏心支柱を逆方向に回動すれば水平方向の
移動が逆方向になるので磁気ヘツドはそのコア部
を中心として回転することになりアジマス調整が
できる。更に各偏心支柱を同一方向に同一量だけ
回動すれば磁気ヘツド１２は録音トラツク１７と
平行に移動することとなり位置ズレの微調整を行
える。ただし調整前の各偏心支柱の偏心方向が異
なる場合等にあつては適宜偏心支柱の回動方向と
回動量を選択することにより行なう。

尚以上は本考案の単なる一実施例に過ぎず、偏
心支柱を挿通すべく支持部材に形成した開口部は
両方とも長孔状の開口としてもよく、要は偏心量
をカバーできる形状であればよい。また本実施例
では支持部材に取付孔たる長孔９を設けている
が、保持部材８の方に長孔を形成してもよく、更
に取付孔９，１０の双方を長孔としてもよい。ま
た突起１３と調節部材たるネジ１５の上下位置は
任意でありいずれを上方に位置せしめてもよい。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、タ
ーンテーブルに形成した長孔に沿つて移動可能と
された基板上に２本の偏心支柱を立設し、この偏
心支柱にスプリングを介して支持部材を上下動自
在に装着したので磁気ヘツドのアジマス調整、録
音トラツクの方向と平行な位置の調整及び上下位
置の調整が行え、また支持部材との間で磁気ヘツ
ドを挟持する保持部材を長孔等を介して支持部材
に取り付けたので、録音トラツクの方向と同一方
向における傾き角を調整でき、更に支持部材の磁
気ヘツドと対向する側面には突起を形成し、保持
部材には該突起を中心として磁気ヘツドを回動せ
しめるネジ等の調節部材を上記突起と上下位置を
異せて設け、且つ保持部材と磁気ヘツドとの間に
調節部材による回動方向と逆方向に磁気ヘツドを
弾圧せしめるバネ部材を介設したので、録音トラ
ツクと直交する方向における傾き角の調整が行え
る。したがつて磁気ヘツドの全ての位置及び角度
の調整が簡単な部材により容易な操作で行なうこ
とができるという利点を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適一実施例を示すものであ
り、第１図は本考案に係る磁気ヘツドの微調整装
置の全体斜視図、第２図は同装置の正面図、第３
図は同装置の一部破断側面図、第４図乃至第８図
は磁気ヘツドの位置及び角度の調整方向を示す説
明図である。 尚、図面中１は基板、２，３は偏心支柱、４は
支持部材、５はスプリング、８は保持部材、１２
は磁気ヘツド、１３は突起、１４はバネ部材、１
５は調節部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ターンテーブルに設けた長孔に沿つて移動する
   基板上に立設した２本の回転可能な偏心支柱と、
   この偏心支柱にスプリングを介して上下動自在に
   装着された支持部材と、この支持部材に取付けら
   れ支持部材との間で磁気ヘツドを挟持する保持部
   材と、上記支持部材の磁気ヘツドに対向する側面
   に形成された突起と、この突起と上下位置を異せ
   るように上記保持部材に設けられ、磁気ヘツドを
   上記突起を支点として回動せしめる調節部材と、
   上記保持部材と磁気ヘツドとの間に介設され、上
   記調節部材による回動と逆方向に磁気ヘツドを弾
   圧するバネ部材とからなる磁気ヘツドの微調整装
   置。