JPS6342565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円筒コンデンサを使用して誘電体共振
器同志を静電的に結合する誘電体同軸TEM共振
器の結合構造に関するものであり、誘電体同軸
TEM共振器を使用して任意段数のフイルタを効
率よく製造するとともに、誘電体同軸TEM共振
器間の結合容量を自在に調整することを目的とす
るものである。

本考案の要旨は、各々が筒状の誘電体を有し、
各誘電体の内周面および外周面に夫々内導体およ
び外導体が形成されてなる一つの誘電体共振器と
いま一つの誘電体共振器とを静電容量結合する誘
電体同軸TEM共振器の結合構造であつて、内部
導体を有する筒状誘電体と、筒状誘電体の外周に
摺動可能に嵌合する金属製の弾性部材とが設けら
れ、該弾性部材は筒状誘電体に嵌合されて、弾性
部材と上記内部導体との対向部分の間に容量可変
の静電容量が形成され、形成された静電容量を介
して、上記両方の誘電体共振器を結合するように
したことを特徴とする誘電体同軸TEM共振器の
結合構造である。

以下、添付図面を参照して本考案の実施例を説
明する。

第１図に本考案の適用例を示す。

第１図において、１１，１１は誘電体同軸
TEM共振器、１２，１２は共振周波数調整部材、
１３，１３は弾性部材、１４，１４は円筒コンデ
ンサ、１５はリードワイヤである。

上記誘電体同軸TEM共振器１１は例えば酸化
チタン系のセラミツク誘電体を円筒状に焼結して
なる円筒状の誘電体１６の内周面および外周面に
夫々内導体１７および外導体１８を形成した周知
のものである。

上記誘電体１６内には共振周波数調整部材１２
のＵ字形状に湾曲させた部分を挿入し、該共振周
波数調整部材１２を上記内導体１７に半田等によ
り接着している。

上記共振周波数調整部材１２はその端部に弾性
部材１３を有する。

上記弾性部材１３は、第２図に示すように、弾
性を有する金属板をスプリツト円筒状に形成し、
筒状誘電体の外周面および内周面に夫々外面電極
１４ａおよび内面電極１４ｂを形成してなる円筒
コンデンサ１４に、その軸方向に摺接移動可能と
して静電容量結合値を変化できるように外嵌す
る。そして、上記弾性部材１３は、調整により静
電容量結合値が所定の値に設定された位置にて、
円筒コンデンサ１４の外面電極１４ａに半田等に
より固着される。

リードワイヤ１５は、第１図に示すように、上
記円筒コンデンサ１４の内面電極１４ｂおよびい
ま一つの円筒コンデンサ１４の内面電極１４ｂに
半田付けされる。

上記のようにすれば、複数個の誘電体共振器１
１，１１，…を円筒コンデンサ１４とリードワイ
ヤ１５を使用して、容易に結合することができ、
しかも、その結合度は、第３図に示すように、リ
ードワイヤ１５の円筒コンデンサ１４に対する突
出量l₁もしくは弾性部材１３に対する上記円筒コ
ンデンサ１４の突出量l₂を変化させることによ
り、リードワイヤ１５と上記弾性部材１３間の浮
遊容量を変化させて調整することができる。

なお、第１図の実施例において、円筒コンデン
サ１４，１４とリードワイヤ１５とに代えて、第
４図に示すように、上記リードワイヤ１５の長さ
程度の長さを有する筒状誘電体２１の外周面の両
端部に互いに分離された電極２１ａ，２１ａを形
成するとともに、内周面に電極２１ｂを形成した
円筒コンデンサ１４′を使用し、上記電極２１ａ，
２１ａに夫々弾性部材１３，１３を導通させるよ
うにしてもよい。

第３図および第４図において円筒コンデンサ１
４，１４′の電極１４ａ，１４ｂ，２１ａ，２１
ｂを省略してもよい。

すなわち、第３図において、円筒コンデンサ１
４の電極１４ａ，１４ｂのうち、電極１４ａが省
略された場合は、弾性部材１３とリードワイヤ１
５との対向部分および弾性部材１３と電極１４ｂ
との対向部分に静電容量が発生する。そして、こ
の静電容量は、上記弾性部材１３の円筒コンデン
サ１４の嵌合位置を変えることにより調整するこ
とができる。この位置調整後、上記弾性部材１３
は、接着剤により固定される。また、円筒コンデ
ンサ１４の電極１４ａ，１４ｂのうち、電極１４
ｂが省略された場合は、電極１４ｂに代わる内部
導体としてリードワイヤ１５が円筒コンデンサ１
４の筒状誘電体に接着剤により接着され、弾性部
材１３とリードワイヤ１５との対向部分および電
極１４ａとリードワイヤ１５との対向部分に静電
容量が発生する。この静電容量も上記と同様に、
上記弾性部材１３の円筒コンデンサ１４の嵌合位
置を変えることにより調整することができる。

一方、第４図において、筒状誘電体２１の電極
２１ａ，２１ｂのうち、電極２１ａが省略された
場合は、第３図において電極１４ａが省略された
場合と全く同様にして、弾性部材１３と電極２１
ｂとの間に発生する静電容量を調整することがで
きる。また、筒状誘電体２１の電極２１ａ，２１
ｂのうち、電極２１ｂが省略された場合は、筒状
誘電体２１に電極２１ｂに変わる内部導体（図示
せず。）が挿通され、接着剤により固定される。
この場合も、第３図において電極１４ｂが省略さ
れた場合と全く同様にして、弾性部材１３と上記
内部導体との間に発生する静電容量を調整するこ
とができる。

以上、詳述したように、本考案は、誘電体共振
器を静電容量結合するための筒状誘電体を弾性部
材を使用して保持し、弾性部材を誘電体共振器の
内導体に導通させるようにしたものであるから、
任意個数の誘電体共振器を弾性部材を利用して簡
単に結合することができ、任意段数のフイルタを
効率よく製造するとともに、弾性部材を筒状誘電
体の軸方向に移動させることにより弾性部材とリ
ードワイヤの間の浮遊容量を変化させて結合容量
を自在に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図本考案の適用例を唆す説明図、第２図は
弾性部材の説明図、第３図は結合調整の説明図、
第４図は第１図の変形例の説明図である。 １１……誘電体共振器、１２……共振周波数調
整部材、１３……弾性部材、１４……円筒コンデ
ンサ、１５……リードワイヤ、１７……内導体、
２１……筒状誘電体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 各々が筒状の誘電体を有し、各誘電体の内周面
   および外周面に夫々内導体および外導体が形成さ
   れてなる一つの誘電体共振器といま一つの誘電体
   共振器とを静電容量結合する誘電体同軸TEM共
   振器の結合構造であつて、 内部導体を有する筒状誘電体と、筒状誘電体の
   外周に摺動可能に嵌合する金属製の弾性部材とが
   設けられ、該弾性部材は筒状誘電体に嵌合され
   て、弾性部材と上記内部導体との対向部分の間に
   容量可変の静電容量が形成され、形成された静電
   容量を介して、上記両方の誘電体共振器を結合す
   るようにしたことを特徴とする誘電体同軸TEM
   共振器の結合構造。