JPS6342505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防爆形コンデンサに内蔵して用いるコ
ンデンサの保護装置に関する。

一般に蒸着電極形コンデンサは箔電極形コンデ
ンサと異なり絶縁破壊してもヒユーズやNFBを
動作させるだけの短絡電流が流れないことが多
い。そのため絶縁破壊に起因する爆発を防止する
手段としてガス圧によつて生ずるケースの膨張を
利用しコンデンサに内蔵した保護装置を構成する
金属片を切断し、それによつて電源を遮断するよ
うにしている。一般に従来から採用されているこ
の種コンデンサの保護装置は第１図に示すように
一端に取付金具１を取着した一対の絶縁支持板２
間に弱点部３を設けた金属片４を接続したものか
ら構成している。しかして該コンデンサの保護装
置は第２図に示すようにコンデンサ素子５を収納
したケース胴体６の開口部近傍に配設し、前記コ
ンデンサ素子５から導出した引出リード線７を前
記金属片４の一端に接続し、該金属片４の他端を
リード線８を介してケース上蓋９に固着した外部
端子１０に接続した防爆形コンデンサの一構成部
品として用いている。しかしながら上記構成にな
る保護装置は切断強度は比較的弱くケース胴体６
の膨張で充分切断できるが、切断後金属片４切断
間距離が比較的短く特に高電圧用の場合再点弧ま
たは再接触する危険性をもつている。すなわちこ
れらコンデンサの異常は一般に発熱をともなつて
おり金属片４が切断するときは内部温度が高い場
合が多くこのような状態で動作したものは温度の
低下によつてケースの変位が小さくなつて再点弧
または再接触したりあるいは発熱をともなわない
場合でも発生したガスが徐々に油に吸収されケー
スの変位が小さくなつて再点弧または再接触する
ものである。またこのような構造のものは例えば
切断距離が長くとも金属片４の切断動作が緩慢で
あるため切断時のアークが絶縁油を炭化させ再点
弧になる危険性をもつていた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので一対
の絶縁支持板間に動作時電気回路とコンデンサ素
子との接続を遮断するために用いる金属片とは別
に該金属片と平行で、かつ該金属片以上の引張強
度を有する切断片を緊張状態に設けることによつ
て異常時高速遮断機能を有し再点弧または再接触
を確実に防止できるコンデンサの保護装置を提供
することを目的とするものである。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。すなわち第３図に示すように一端に取付
金具１１を取着した一対の絶縁支持板１２間に電
気回路接続用金属片１３，１４を平行状態でたる
みをもたせて固定するとともに、該金属片１３，
１４間に該金属片１３，１４と平行で、かつ該金
属片１３，１４以上の引張強度を有する電気回路
とは接続しない切断片１５を緊張固定するように
構成してなるものである。図中１６は金属片固定
用リベツトで１７は切断片固定用リベツトであ
る。なおこの場合金属片１３，１４をたるませた
状態で固定するのは引張力が最初に切断片１５に
加わるようにするためである。

以上のように構成してなるコンデンサの保護装
置は従来同様ケース胴体開口部近傍側面に配設固
定し前記金属片１３，１４それぞれの一端部をコ
ンデンサ素子に他端部を外部端子に接続し用い
る。しかしてコンデンサ素子の絶縁破壊にともな
いケース胴体に内圧が加わりケース胴体が徐々に
膨張する張力が絶縁支持板１２間に加わり第４図
に示すように切断片１５が切断力に達すると切断
する。この場合電気回路を遮断する目的で用いて
いる金属片１３，１４は絶縁支持板１２間でたる
ませた状態にあり切断力も前記切断片１５より小
さくしてあるので切断片１５切断後前記金属片１
３，１４に前記切断片１５を切断した力が加わり
第５図に示すように金属片１３，１４は切断片１
５の切断力によつてほぼ同時に高速切断され電気
回路からコンデンサ素子が高速遮断されその後金
属片１３，１４切断部間の再点弧および再接触を
完全に防止できるものである。

つぎに本考案者の具体的実験例によつて本考案
の優位性を明らかにする。第３図に示す構造で切
断片として厚さ0.3mm、幅12mmの銅片を用い金属
片として厚さ0.15mm、幅３mmの銅片を用いた本考
案(A)と第１図に示す構造で金属片として厚さ0.15
mm、幅３mmの銅片を用いた従来例(B)のものにそれ
ぞれ6.6KVACの電圧を印加し動作試験を行つた
結果、(A)は切断片切断後同時に金属片は高速度に
切断され再点弧の発生はなかつたのに対し(B)は金
属片切断後再点弧が発生し高電圧では使用できな
いことが確認された。また(A)について金属片切断
後さらに13.2KAVCまで電圧を上昇したが再点弧
は見られずきわめてすぐれた効果を実証した。

以上述べたように本考案によれば一対の絶縁支
持板間にたるみをもたせて固定した電気回路接続
用金属片とは別に該金属片以上の引張強度を有す
る切断片を緊張固定することによつて異常時高速
遮断機能を有し再点弧または再接触を確実に防止
できるコンデンサの保護装置を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例に係り第１図はコ
ンデンサの保護装置を示す斜視図、第２図は第１
図に示す保護装置を内蔵したコンデンサを示す断
面図、第３図〜第５図は本考案の一実施例に係り
第３図はコンデンサの保護装置を示す斜視図、第
４図は第３図に示す保護装置の切断片が切断した
状態を示す斜視図、第５図は第３図に示す保護装
置の切断片および金属片それぞれが切断した状態
を示す斜視図である。 １１……取付金具、１２……絶縁支持板、１
３，１４……電気回路接続用金属片、１５……切
断片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の取付金具と、該取付金具間に間隔を設け
   取付けた一対の絶縁支持板と、該絶縁支持板間に
   たるみをもたせて固定した電気回路接続用金属片
   と、前記絶縁支持板間に緊張固定した前記金属片
   とは別に該金属片に対して平行で、かつ該金属片
   以上の引張強度を有する切断片とを具備したこと
   を特徴とするコンデンサの保護装置。