JPS6342338Y2

JPS6342338Y2 -

Info

Publication number: JPS6342338Y2
Application number: JP13052882U
Authority: JP
Priority date: 1982-03-19
Filing date: 1982-08-27
Publication date: 1988-11-07
Also published as: JPS58144236U; CH656225A5; DE3301117C2; DE3301117A1

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、支持部と可動の荷重受けと、前記荷
重受けを前記支持部に接続する平行案内手段と、
荷重測定装置と測定弾性部材とから成る測定部と
より成り、前記平行案内手段は、上部水平弾性案
内部材と下部水平弾性案内部材とから形成され
て、鉛直方向に荷重受けを前記支持部に対して案
内し、前記荷重測定装置は、一端が前記荷重受け
に他端が前記測定弾性部材の一方の端部に接続さ
れ、前記測定弾性部材のもう一方の端部は、前記
支持部に接続されているという構成を有する秤に
関するものである。

〔従来の技術・考案が解決しようとする課題〕

この種の秤はたとえばスイス特許明細書第
552799号および欧州特許出願公開明細書第16238
号により公知である。

一方の公知の秤では、アーム状の案内手段に、
特定の曲げ軸を形成する手段を設けて、案内手段
がその全長の一部においてのみフレキシブルなば
ねとして働くようにしている。荷重測定装置とし
ては渦巻きばねを使つている。他方の公知の秤で
は、全長にわたつて均等に曲げることのできるフ
レキシブルな弾性ばねにより案内手段や測定手段
を形成している。

これらの公知の秤には、荷重の変化によつて、
案内手段や測定手段を形成しているばねにクリー
プを生じる傾向があり、このために正しい秤量が
妨げられるという欠点がある。

本考案の目的は、このようなクリープ（つまり
ドリフト）に起因する秤量誤差を防止する秤を提
供することにある。

このような問題の解決を追及したものとして、
例えば、２個の機械的抵抗体から成る荷重表示装
置を開示したドイツ特許公報第2040978号がある。
前記抵抗体は荷重がかかつている間、外方へかた
よつて、表示器に作用する。この公知技術では、
これらの抵抗体に、抵抗体が表示装置へ及ぼす作
用を相互に補償するような力学的ヒステリシス特
性を与えることにより、上述の問題の解決をはか
つている。抵抗体としては、コイルばねまたは曲
げばねが用いられている。

しかし、事実の教えるところによれば、クリー
プの問題は、このような仕方によつては、十分に
解決されない。特に、コイルばねと曲げばねとを
併用したり、全長に亘つて曲げ弾性が一定である
平らな案内・測定ばねを用いることによつては、
容易に解決されるものではない。この問題を解決
する上での一番の障害は、上で述べた以外の他の
因子もまた弾性部材の寸法決定において重要であ
ること、また、できることなら秤量精度を損うす
べての因子を正しく評価する必要があること、に
ある。たとえば、測定部にかかる荷重受けの力を
軽減させるためには、一定の比を達成して、それ
を維持しなければならない。また、他方、温度の
変化が測定精度に及ぼす影響をできるだけ少ない
コストで、できるだけ低くおさえることのできる
ように設計する必要もある。

本考案は、このような従来技術による秤量装置
の欠点やその他の問題を解決するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の秤では、平行案内手段および測定弾性
部材を、平行で水平な曲げ軸を形成する曲げ部を
有する、平らな剛性部材で構成し、これらの曲げ
部をすべて同一の材料で形成し、かつ荷重の変化
に起因する曲げの応力の変化量の平均が、すべて
の曲げ部において等しくなるように曲げ部の寸法
を決めている。上述したような、クリープ（すな
わちドリフト）による問題は、このような構成上
の工夫により解決された。

〔作用〕

材料の伸び比を、すべての曲げ部で同一にする
と、平行案内手段と測定弾性部材とにおけるクリ
ープ作用の程度も同一になつて、それの結果、測
定部への影響が全く生じない。むろん、材料許容
差や寸法許容差のため完全な同一は達成されな
い。しかし、負荷範囲の上部（つまり、クリープ
作用が最も大きいところ）において、補償条件を
確実に満たすような、適切な構成を採用するな
ら、曲げ部をすべて同一の材料で形成し、かつそ
の形状も同一もしくは類似のものとすることによ
つて、前記の同一性を非常に高い精度で実現する
ことが可能になる。また、同一の材料を用いるか
ら、材料の伸びおよび弾性率に関する温度係数が
すべての曲げ部で等しくなり、この結果、温度の
変化が測定精度に及ぼす影響も、同様に、相当な
程度において、補償することが可能になる。

本考案によれば、荷重の変化によつて、各曲げ
部に生じる曲げ応力の変化量の平均を等しくする
ことを狙つている。ここで言う変化量の平均と
は、曲げ部の全長にわたる曲げ応力の変化に関係
している。クリープ作用の小さな材料の場合、こ
の平均変化量を等しくするだけで十分であるが、
クリープ作用の比較的大きい材料を使用する場合
に、クリープに起因する誤差を補償するには、さ
らに、最大曲げ応力の平均をすべての曲げ部で等
しくしなければならない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について、添付図面に関
連させながら説明する。

まず第１図に示した秤について述べる。この秤
は、秤のフレームＦに固定された支持部１と荷重
受け２とを有する。荷重受け２は、平行案内手段
により鉛直方向に動くように前記支持部に対して
接続されている。また、１本の振動紐からなる荷
重測定装置５と測定弾性部材６とを有する測定部
が設けられている。

前記平行案内手段は上方と下方の平面に設けた
上部水平弾性案内部材３および下部水平弾性案内
部材４で形成されている。

前記振動紐の一端は荷重受け２に接続され、そ
の他端は、水平な測定弾性部材６の一端に接続さ
れている。また、この測定弾性部材６の他端は、
支持部１に接続されている。

本考案によれば、上部水平弾性案内部材３、下
部水平弾性案内部材４および測定弾性部材６は、
平らで、比較的剛性な部材であつて、これらに
は、平行で水平な曲げ軸を形成する曲げ部３１，
３２，４１，４２，６１が部分に集中して設けら
れている。また、これらの水平弾性案内部材３，
４と測定弾性部材６は、支持部１および荷重受け
２と、一体的に形成されている。このため、前記
の曲げ部３１，３２，４１，４２，６１も、すべ
て同一の材料で形成されている。そして、これら
曲げ部の寸法に関しては、一方で、最大秤荷重が
かかつたときに、荷重受け２にかかる荷重Ｑに対
する振動紐にかかる力Ｋ（この力Ｋは、前記案内
部材３と４、振動紐、前記測定弾性部材６のばね
定数により与えられる）の比が、振動紐の負荷容
量に適合するように、また他方で、荷重の変化に
起因する曲げ応力の変化量−曲げ部の全長ｌにわ
たる平均変化量−が、前記案内部材３と４の曲げ
部３１，３２，４１，４２と前記測定弾性部材６
の曲げ部６１とで、同一になるように、曲げ部の
寸法〔長さｌ、高さｈ、幅（図面の平面に対して
垂直方向の寸法）〕を、決めている。

第２図および第３図に示す実施例は、第１図の
実施例と基本的に同じ構造を有する。この実施例
では、荷重受け１１は、部分的に高低差のあるほ
ぼ長方形の開放フレームから成る。荷重受け１１
は、平行案内手段により、支持部１０に接続さ
れ、鉛直方向に運動する。前記平行案内手段は、
上方と下方の平面に設けた上部水平弾性案内部材
１２，１４と下部水平弾性案内部材１４，１５と
により形成されている。前記案内部材１２，１３
は、同一平面上で、ウエブ１７と一体的に形成さ
れて、支持部１０に結合されている。同様に、前
記案内部材１４，１５は、同一平面上で、ウエブ
１８と一体的に形成されて、支持部１０に結合さ
れている。これら案内部材は、平らな剛性部材に
より形成されている。

また、この実施例では、測定弾性部材１６は、
前記案内部材１２，１３と同一の平面上を水平に
延び、ウエブ１７と一体的に形成されている。こ
のように、前記案内部材１２，１３と前記測定弾
性部材１６とは、同じ材料により一体的に形成さ
れており、これにより曲げ部での材料偏差最小に
している。これは、第１図の実施例の場合と同じ
である。同じように、前記案内部材１４，１５は
同一の材料により形成されているため、均一な曲
げ特性を得ることができる。

曲げ部の寸法に関しては、第１図の実施例の場
合と同じく、荷重受けに加わる荷重Ｑの変化に起
因する曲げ応力の変化量の平均が、すべての曲げ
部において等しくなるように、その寸法を選択
し、クリープによる誤差を最小におさえている。
また、この実施例においては、測定弾性部材１６
の自由端と荷重受け１１の下部に、それぞれ台座
１９と２０を設け、これらの台座間に振動紐から
なる荷重測定装置２１を接続している。

さらに、秤の固定フレームＦの振動から支持部
１，１０を守るために、上方の平面と下方の平面
に設けたメカニカル低域フイルターにより支持部
と固定フレームＦを連結する構成にしてもよい。
メカニカル低域フイルターは、それぞれ一対の弾
性手段（たとえば板ばね）により形成する。上部
メカニカル低域フイルターは、上部水平弾性案内
部材と、また下部メカニカル低域フイルターは、
下部水平弾性案内部材と、それぞれ同一平面にお
いて、一体的に形成してもよい。

〔効果〕

本考案の秤は、上述のような構成を有するもの
であるから、クリープに起因する測定誤差を防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例による紐秤の略図、第２図
と第３図は第２実施例の紐秤の断面図及び側面図
である。１，１０……支持部、２，１１……可動荷重受
け、３，４，１２，１３，１４，１５……水平弾
性案内部材、５，２１……荷重測定装置、６，１
６……測定弾性部材、３１，３２，４１，４２，
６１……曲げ部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 支持部１，１０と、可動の荷重受け２，１１と、前記荷重受けを前記支持部に接続する平行案
内手段と、荷重測定装置５，２１と測定弾性部材６，１
６とより成る測定部と、から成り、前記平行案内手段は、上部水平弾性案内部材
３，１２，１３と下部水平弾性案内部材４，１
４，１５とから形成されて、鉛直方向に前記荷
重受けを前記支持部に対して案内し、前記荷重測定装置は、一端が前記荷重受け
に、他端が前記測定弾性部材の一方の端部に接
続され、前記測定弾性部材のもう一方の端部
は、前記支持部に接続されている秤において、前記上部水平弾性案内部材、前記下部水平弾
性案内部材および前記測定弾性部材を、平行で
水平な複数の曲げ軸を形成する曲げ部を有す
る、平らな剛性部材により形成し、前記曲げ部はすべて、同一の材料で形成し、かつ前記荷重受けにかかる荷重の変化に起因
する曲げ応力の変化量の平均が、前記曲げ部の
いずれにおいても等しくなるように前記曲げ部
の寸法を決めたことを特徴とする秤。 (2) 最大曲げ応力の平均が、前記曲げ部のいずれ
においても等しくなるよう前記曲げ部の寸法を
決めたことを特徴とする実用新案登録請求の範
囲第１項に記載の秤。 (3) 前記の上部水平弾性案内部材と前記の下部水
平弾性案内部材を、一体的に形成することを特
徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
の秤。 (4) 前記測定弾性部材を前記平行案内手段の一つ
と同一の平面上に設けることを特徴とする実用
新案登録請求の範囲第１項に記載の秤。 (5) 前記測定弾性部材およびこの部材と同一平面
上に設けられた平行案内手段を一体的に形成す
ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
３項又は第４項に記載の秤。 (6) フレームと、前記支持部が鉛直方向に動くよ
うに前記支持部をこのフレームに結合するメカ
ニカル低域フイルターとを有し、このメカニカ
ル低域フイルターを、前記平行案内手段と同一
平面においてそれらと一体的に形成した複数対
の弾性手段から構成することを特徴とする実用
新案登録請求の範囲第３項に記載の秤。 (7) 前記荷重測定装置が少なくとも１本の振動紐
より成ることを特徴とする実用新案登録請求の
範囲第１項に記載の秤。 (8) 前記振動紐の上端を前記測定弾性部材に下端
を前記荷重受けに接続したことを特徴とする実
用新案登録請求の範囲第７項に記載の秤。