JPS6342336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は熱電対に関するものであり、特に磁界
内において磁界の変化による誘導電圧の発生を防
止して、正確な温度を計測する熱電対を提供する
ものである。 連続鋳造の鋳型は、溶鋼からの抜熱量を多くす
るために、熱伝導の大きい銅及び銅合金が実用化
されている。この鋳型の抜熱量を計測するため
に、銅板厚み方向の温度分布を計測することが必
要である。 この測温方法は、測温対象物が銅板であり、し
かもその温度が最大で300〜350℃であることか
ら、銅−コンスタンタン熱電対が利用されてい
る。第１図は銅板測温方法を示すものであり１が
鋳型であり、この鋳型は銅板２と銅板２を冷却す
るための水箱３によつて構成されている。銅板２
の温度を計測するために、水箱３と銅板２に小穴
４を設けて、熱電対のコンスタンタン５及び５′
を銅板２に取付ける。一方、熱電対の銅側も同様
に銅棒６を埋込み、コンスタンタン５又は５′と、
銅棒６間に発生する熱起電力値を温度計７で計測
し、記録計８等によつて記録するものである。 最近連鋳鋳造において、鋳型内の溶鋼９を磁界
発生コイル１０の磁界で撹拌しながら鋳造する技
術が開発されて来た。この電磁撹拌中における銅
板２の温度測定を前記した測温方法で実施した場
合には、当然、磁界による誘導電圧が発生する。
本出願人が経験した誘導電圧は300〜500mVにも
達した。一方銅板の温度による熱起電力値は５〜
20mVであるために、測温は不可能であつた。 この誘導電圧は２本の熱電対間の磁束の差の時
間的変化によつて発生するものである。このため
に２本の熱電対線をねじり合せて、相互線間の誘
導電圧を相殺するいわゆるツイスト熱電対が考え
られる。この方法では、鋳型の銅板の測温は前記
したように、水箱側より挿入して計測するため、
水箱の厚みが100〜300mmもあり、熱電対が軟質の
ためこの先の銅板に熱電対の温接点を接触するこ
とが不可能である。 この考案は前記の欠点を解消することを目的と
する熱電対を提案するものである。 第２図は、本考案の熱電対の構造の一例であ
る。図中の１１が棒状コンスタンタンであり、そ
の径が２〜4φのものを用いている。これに絶縁
材として１２のテフロンチユーブを設け、これに
１３の銅線を１１のコンスタンタン棒の外周に
100mm当り100回巻付けて、コンスタンタン１１の

【表】 この様に、この考案によれば、鋳型の銅板への
取付けが極めて容易であり、しかも電磁撹拌用鋳
型において正確な温度の計測ができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものゝ説明図、第２図はこの考
案の実施例の説明図である。 １１……棒状コンスタンタン、１２……テフロ
ンチユーブ、１３……銅線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁界内の温度計測用熱電対の１線が絶縁物被覆
   した棒状であり、熱電対の他線が上記棒状線に１
   回以上巻付けられており、両線の１端が接続され
   て温接点とした磁界内の温度測定用熱電対。