JPS6341966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアームレスト付車両用シート、詳しく
は軽量化を目的とした線材製のアームレスト付リ
ヤシートバツク（乗用車）におけるアームレスト
格納用空間部の背面を閉塞せしめる化粧板の取付
構造に係るものである。

従来この種のシートは線材よりなる枠体（下枠
線）にＳばねなどを張架しその上にサポートパツ
ト、フオーム材などのパツト材を載せ表皮で被包
せしめて軽量化を図つているが、第１１図に示す
如くそのシートの中央に装着したアームレストＢ
は格納空間部背面左右端に沿つて上下方向に組み
込んだアングル状リンフオース１０，１０にヒン
ヂブラケツト１１，１１を介して取付け、その左
右のリンフオース１０，１０に、格納空間部の背
部を塞ぐ化粧板１３をビス１２で締着する構造で
あつたため、アングル状リンフオース１０により
シートの軽量化を図ることができないし、又この
線材製シートはその左右両端部を車体に掛着して
固定するが、その中央部に重いリンフオースが配
設されているため、その重量によつて車体に取付
後のシートの安定性が悪く車両の振動等により中
央部がガタ付く虞れがあつた。しかも化粧板はビ
ス止めにより固定するためその作業性が頗る悪い
欠陥があつた。

そこで本考案は斯様な従来品の欠陥を除去する
ことを目的とするものであり、その要旨とすると
ころは線材よりなる枠体に弾性部材を取付けて表
皮で被包すると共にアームレストを格納する格納
空間部の背面を化粧板で閉塞せしめてなるアーム
レスト付車両用座席において、格納空間部近傍の
下枠線における上、下部に渉つて複数の線材の固
定杆を所定の間隔をおいて並設状に架設すると共
に該固定杆の軸方向に複数個の係止突部に設け、
該係止突部に対応する位置に係止部を有する化粧
板を固定杆に当接し、該固定杆の係止突部と化粧
板の係止部とを係合せしめて化粧板を固定するこ
とを特徴とするアームレスト付車両用座席に係る
ものである。

以下本考案の実施例を図面にもとずいて説明す
ると、図中Ａはシート（リヤシートバツク）を示
し、このシートＡはシートの形状を呈する線材製
の下枠線１にフオームドワイヤなどを張架してフ
オーム材a′をその上に載せ表皮a″で被包してなる
従来周知構造のものであり、その左右両端の上下
が車体Ｃに固定され、左右方向の中央部には格納
空間部イに格納されるアームレストＢが取付けら
れている。

アームレストＢは前記下枠線１に、ブラケツト
５などを介して固定され、下枠線１全体で、アー
ムレストＢに加わる荷重を支承する構造に形成さ
れている。

図中２，２は線材製の固定杆で、スポツト溶接
などで下枠線１の上、下部に渉つて平行に架設さ
れており、その軸方向には所定の間隔をあけて複
数（図示するものは上、下に夫々一ケ）の係止突
部２ａ，２ｂが外方に向けて突設されている。係
止突部２ａ，２ｂは後述する化粧板３０，３１，
３２，３３，３４の係止部３０ａ，３１ａ…が挿
入して係合するように、コ字状等に固定杆２の一
部を折曲げ形成する。即ち、第１図乃至第８図に
示す如き化粧板３０，３１，３２，３３を固定す
るには、コ字状に形成して、夫々の化粧板３０…
の係止部３０ａ…が固定杆２の係止突部２ａに挿
着するようにし、又第１０図に示す如き化粧板３
４を固定するには、略Ｃ字状に折曲げ（第９図）
た係止突部２ｂを固定杆２に設ける。化粧板３０
…は合成樹脂、厚紙などの硬質軽量平板であつて
アームレストＢの格納空間部イの背部を閉塞し得
る大きさであり、前記係止突部２ａ…２ｂ…に対
応する位置に、係止突部２ａ，２ｂに係合する係
止部３０ａ，３１ａ，３２ａ…が設けてある。そ
して第１図乃至第５図に示す係止部３０ａ，３１
ａは係止突部２ａを差し通して係止する差込口を
設けその口縁に切込みを付けて、口縁に弾性部３
０ｂ，３１ｂを設けたものである。従つて化粧板
３０，３１の係止部３０ａ，３１ａを固定杆２に
係止突部２ａに係合するように化粧板３０，３１
を当てて押圧すると、固定杆２，２の係止突部２
ａ，２ａ…が化粧板３０，３１の係止部３０ａ，
３１ａより突出係止され、その係止部３０ａ，３
１ａを構成する切込によつて形成された弾性部３
０ｂ，３１ｂによつて脱落が防止される。又第７
図、第８図に示す係止部３２ａ，３３ａは係止突
部２ａ内に差し込んで係止する差込片よりなるも
ので、化粧板３２の左右端縁より突出状に設けた
ものであり（第７図）、第８図に示すものは化粧
板３２の左右端縁に切溝３３ｂ，３３ｂを切欠し
て設けたものである。そして第１０図に示すもの
は係止突部２ｂの全長より短い長孔に切込み３４
ｂを切設して係止突部２ｂに差し込んで係止する
ものである。

なお図中７，７は前記固定杆２，２の内側に平
行に下枠線１に架設せしめた線材製取付杆であつ
て、その下部には、格納空間部イ内の下部に支杆
８，８を水平状に横設し、その支杆８，８に前記
ブラケツト５，５を取付ける金属板製の取付片６
が溶接等で固着してある。

本考案は叙上の如く化粧板を固定した線材製の
フレームにアームレストを取付けているため、ア
ームレストを取付ける下枠線下部に荷重が集中す
るが、斯る部分を前記従来品の如くリンホースを
設けることなく補強し、荷重による変形を防止で
きる。

即ち、本考案はアームレスト取付部分の下枠線
の上、下部に渉つて複数の線材からなる固定枠を
架設することによつて、重量増を招くことがな
く、下枠線を補強でき、しかも、この固定枠に化
粧板を固定することにより、その化粧板を介して
下枠線下部にかかる荷重を下枠線全体に分散させ
ることができる。

つまり、本考案は線材製の固定枠と、この固定
杆を介して固定され化粧板によつて、線材製フレ
ームにおける荷重が集中するアームレスト取付部
分を補強でき、前記従来品の不具合を除去でき
る。更に化粧板を固定杆に当てて化粧板の係止部
を固定杆の係止突部に係合させるのみで化粧板が
取付けられるため、その取付作業が極めて簡単に
行うことができ、その作業性も極めて良い。

しかも固定杆が線材製でその係止突部は単に固
定杆の一部を折曲げ成形することにより形成でき
るから、固定杆自体の成形が簡単であるし、下枠
線成形時に同時に組立でき生産性を向上し得る。
更に、化粧板を固定杆に固定する締結部材が不要
になるため部品点数も削減できる。

加えて所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図乃至第４
図は第１実施例を示し、第１図は斜視図、第２図
は一部切欠して示す側面図、第３図は平面図、第
４図は化粧板の斜視図、第５図は第２実施例にお
ける化粧板の一部を拡大切欠して示す斜視図、第
６図は同平面図、第７図、第８図は他の実施例に
おける化粧板を示す斜視図、第９図は他の実施例
における化粧板の取付状態を示す縦断面図、第１
０図は同化粧板の斜視図、第１１図は従来例の平
面図である。 図中、１は下枠線、２は固定杆、２ａ，２ｂは
固定杆の係止突部、３０，３１，３２，３３，３
４は化粧板、３０ａ，３１ａ，３２ａ，３３ａ，
３４ａは化粧板の係止部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 線材よりなる枠体に弾性部材を取付けて表皮で
   被包すると共にアームレストを格納する格納空間
   部の背面を化粧板で閉塞せしめてなるアームレス
   ト付車両用座席において、格納空間部近傍の下枠
   線における上、下部に渉つて複数の線材の固定杆
   を所定の間隔をおいて並設状に架設すると共に該
   固定杆の軸方向に複数個の係止突部を設け、該係
   止突部に係合する係止部を有する化粧板を固定杆
   に当接し、該固定杆の係止突部と化粧板の係止部
   とを係合せしめて化粧板を固定することを特徴と
   するアームレスト付車両用座席。