JPS6341850B2 - - Google Patents

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JPS6341850B2
JPS6341850B2 JP971384A JP971384A JPS6341850B2 JP S6341850 B2 JPS6341850 B2 JP S6341850B2 JP 971384 A JP971384 A JP 971384A JP 971384 A JP971384 A JP 971384A JP S6341850 B2 JPS6341850 B2 JP S6341850B2
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JP
Japan
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crystal
amorphous silica
crystals
calcium silicate
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JP971384A
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Teru Takahashi
Tooru Takigawa
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Ohara Inc
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Ohara Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、非晶質シリカの水性スラリー、詳し
くは成形能、即ち単に成形乾燥するだけで何等結
合剤等を用いずとも機械的強度を有する成形体を
与え得る性質を有する新しい非晶質シリカの水性
スラリーに関する。 背景技術 従来非晶質シリカとしては代表的なものとして
シリカゲルが知られている。これは主に珪酸ナト
リウム水溶液を塩酸、硫酸等の酸で中和し、沈殿
を析出させ、水洗乾燥して製造され、更に必要が
あれば減圧下に加熱して活性化される。該シリカ
ゲルは製造法により不定形又は球状で収得される
が、それ自体成形能を有さず、従つてこれを成形
するに当つては結合剤等の利用を必須とする。し
かるにかかる方法により得られるシリカゲル成形
体は、重質でありしかも強度が弱く、保温材、断
熱材等の用途には到底実用できない。 発明の目的 本発明は、上記従来公知のシリカゲルとは異な
る特定の形状(外形)及び大きさを有する非晶質
シリカ一次粒子を水中に分散させてなり、該水性
スラリーからは、これを単に成形(脱水成形)
し、乾燥するのみで、軽量にして且つ実用的機械
的強度を備えた成形体を与え得る特性を有する新
しい非晶質シリカの水性スラリーを提供するもの
である。 発明の構成 即ち本発明は、起源結晶とする珪酸カルシウム
結晶の晶癖を保有し、約1〜500μmの長さ、約
50Å〜約1μmの厚さおよび約100Å〜50μmの巾
を有し且つ長さが厚さの少なくとも10倍である外
観結晶様非晶質シリカ一次粒子を水に分散させて
なる成形能を有する非晶質シリカ水性スラリーに
係る。 本発明水性スラリーの最大の特徴とする所は、
何らバインダー等を用いることなく成形可能であ
り、軽量にして且つ強度を有する成形体を容易に
製造できる特異な性質を有する所にある。しかし
てこの特徴は該スラリーを構成する一次粒子が上
記特定の外形及び大きさを有することに起因して
おり、該一次粒子の外形及び大きさは、これが珪
酸塩結晶から導かれ、該結晶の形骸を残したまま
で珪酸塩結晶が非晶質シリカに変換されることに
よつてもたらされる。即ち該一次粒子は、X線回
折の解析の結果全く回折ピークを認め得ず、非晶
質であることが確認され、強熱脱水後の化学分析
結果によればSiO2含量が98重量%を越える高純
度であり、更に電子顕微鏡観察の結果非晶質であ
るにもかかわらず起源結晶の晶癖を保持した結晶
様外観を呈することが確認される。この結晶様外
観及び大きさは、その起源結晶である珪酸塩結晶
の外観及び大きさと実質的に一致する。例えばワ
ラストナイト、ゾーノトライト、フオシヤジヤイ
ト等の短冊状珪酸カルシウム系結晶から導かれる
非晶質シリカ一次粒子は短冊状外形を有する。ト
ベルモライト、ジヤイロライト、α―C2SH等の
板状珪酸カルシウム結晶から導かれるそれは板状
の外形を有する。之等短冊状、板状等を呈する非
晶質シリカは、長さ約1〜500μm、厚さ約50Å
〜1μm及び約100Å〜50μmの巾を有し且つ長さ
が厚さの少なくとも10倍である大きさを有する。
ゾーノトライト結晶から導かれる短冊状の非晶質
シリカは該結晶の晶癖を保持し通常約1〜50μm
の長さ、約100Å〜0.5μmの厚さ及び約100Å〜2μ
mの巾を有し長さは厚さの約10〜5000倍である。
トベルモライト結晶から導かれる板状のそれは該
結晶の晶癖を保持し約1〜50μmの長さ、約100
Å〜0.5μmの厚さ及び約0.2〜20μmの巾を有し長
さが厚さの約10〜5000倍である。ワラストナイト
結晶から導かれる短冊状のそれはその結晶の晶癖
を保持し約1〜500μmの長さ、約100Å〜1μmの
厚さ及び約100Å〜5μmの巾を有し長さが厚さの
約10〜5000倍である。ジヤイロライト結晶から導
かれる板状のそれは、その結晶の晶癖を保持し約
1〜50μmの長さ、約100Å〜0.5μmの厚さ及び約
1〜20μmの巾を有し長さが厚さの10〜5000倍で
ある。α―ダイカルシウムシリケートハイドレー
ト結晶から導かれる板状のそれは、その結晶の晶
癖を保持し約1〜300μmの長さ、約500Å〜1μm
の厚さ及び約1〜50μmの巾を有し長さが厚さの
10〜5000倍である。 本発明の水性スラリーは、上記非晶質シリカ一
次粒子を水に分散させることにより調製される。
該スラリーは通常水対固形分比(重量比)を4〜
50:1とするのがよい。また本発明の上記水性ス
ラリーには、必要に応じて石綿、ガラス繊維、岩
綿、合成繊維、天然繊維、パルプ、炭素繊維、ス
テンレスフアイバー等の繊維質補強剤、アルミナ
ゾル、コロイダルシリカゾル、クレー、セメン
ト、着色剤、充填剤等の各種添加剤を添加するこ
とができる。 本発明の水性スラリーを構成する上記非晶質シ
リカ一次粒子は、例えばSiO4四面体の網状又は
連鎖状構造を有する各種の天然又は合成珪酸塩結
晶から製造できる。その製造方法は特に制限され
ず任意の方法を採用できるが最も有利には珪酸カ
ルシウム結晶を原料として、これを水分の存在下
に炭酸ガスと接触させて非晶質シリカと極微細炭
酸カルシウムとに転換させ(炭酸化)、次いで生
成物を酸で処理して炭酸カルシウムを二酸化炭素
及びカルシウム塩に分解し、非晶質シリカをカル
シウム塩から分離する(酸処理)ことにより行な
われる。この方法の最大の特徴は、珪酸カルシウ
ム結晶の外形を実質的に変化させることなく該結
晶を構成する珪酸カルシウムを非晶質シリカに転
換させ得る点にある。従つてこの様にして得られ
る非晶質シリカ一次粒子は、珪酸カルシウム結晶
の形骸を実質的にそのまま有する。ここで起源結
晶として使用できる珪酸カルシウム結晶にはワラ
ストナイト、ゾーノトライト、フオシヤジヤイ
ト、ヒレブランダイト、ローゼンハナイト等のワ
ラストナイト系珪酸カルシウム結晶、トベルモラ
イト等のトベルモライト系珪酸カルシウム結晶、
ジヤイロライト、トラスコタイト、リエライト等
のジヤイロライト系珪酸カルシウム結晶、カルシ
オコンドロダイト、キルコアナイト、アフビイラ
イト等のγ―ダイカルシウムシリケート系珪酸カ
ルシウム結晶、α―ダイカルシウムシリケートハ
イドレート等が包含される。 上記各種の珪酸カルシウム結晶は何れも公知で
あり、公知の方法によつて製造出来る。たとえば
本出願人が先に開発した特公昭45−25771号に記
載される方法によつて製造される珪酸カルシウム
結晶の球殻状二次粒子及びこれから主として構成
される珪酸カルシウム結晶の成形体を適当に粉砕
するか或は特公昭30−4040号公報、特公昭41−
1953号公報、米国特許第2699097号明細書、米国
特許第2665996号明細書等に記載された方法によ
り製造される珪酸カルシウム結晶の成形体を粉砕
することにより製造される。 上記珪酸カルシウム結晶を得る為の原料として
用いられる珪酸原料としては、天然無定形珪酸、
珪砂、珪藻土、クレー、スラグ、白土、フライア
ツシユ、パーライト、ホワイトカーボン、シリコ
ンダスト等の珪酸分を主成分とする各種のものを
使用出来、これらは単独でまたは2種以上混合し
て使用出来る。また石灰原料としては例えば生石
灰、消石灰、カーバイト残渣、セメント等石灰分
を主成分とする各種のものを夫々例示することが
でき、これ等は単独でもしくは2種以上混合して
使用できる。これ等各原料は通常CaO:SiO2
モル比を0.5〜3.5:1程度の範囲とする様配合す
るのがよい。上記原料と共に必要に応じガラス繊
維、セラミツクスフアイバー、石綿、岩綿、ナイ
ロン、ビニロン、天然繊維、パルプ、ステンレス
フアイバー、炭素繊維等の補強剤や着色剤等の添
加剤が配合され得る。また上記に於いて使用され
る水量は、広い範囲に亘つて変化させ得る。一般
には固形分の合計重量に対して3.5〜30倍程度と
するのがよい。 上記の如くして得られる珪酸カルシウム結晶の
炭酸化は、反応系内に炭酸ガスを導入し、水分の
存在下に於いて上記結晶と炭酸ガスとを接触せし
めることにより行なわれる。上記炭酸化は好まし
くは例えば各種の珪酸カルシウム結晶を適当な密
閉容器中に入れ高湿度下乃至湿潤下に炭酸ガスを
導入するか、更には各種の珪酸カルシウム結晶を
水中もしくは炭酸水中に浸漬後之に炭酸ガスを導
入する等の方法により実施できる。この炭酸化は
系内に炭酸ガスを導入する限り常温、常圧下に於
いても充分進行するが好ましくは加圧下10Kg/cm2
程度迄のゲージ圧下に行なうのがよく、これによ
り炭酸化の速度が一層早くなり短時間で反応を完
結することが可能となる。炭酸ガスの使用量は化
学量論量又はそれ以上である。また珪酸カルシウ
ム結晶を水中に浸漬して炭酸化処理を行なう場合
には、反応系を撹拌することによつても炭酸化速
度を早めることができる。水対珪酸カルシウム結
晶の使用割合は通常1〜50:1好ましくは1〜
25:1(重量比)とするのがよい。この炭酸化の
速度は原料とする珪酸カルシウムの結晶化度によ
つて若干異なるが、例えばこの炭酸化速度が最も
遅いと認められるゾーノトライト結晶を炭酸化す
る場合には、その乾燥重量に対し水分添加量を2
〜6倍程度とすることにより4〜10時間で反応が
完結する。また該水分の添加量を5倍とし反応系
を2Kg/cm2(ゲージ圧)に加圧すれば、反応は通
常1時間前後で完結し、この加圧条件を3Kg/cm2
(ゲージ圧)とすれば30分程度という極めて短時
間で反応が完結することが認められている。 上記炭酸化反応は、原料とする珪酸カルシウム
結晶の種類及び結晶化度により下記反応式で示さ
れる如く進行する。 xCaO・SiO2・mH2O+CO2 →CaCO3+SiO2・nH2O 但し上記式中xは0.5〜3.5である。 いずれの珪酸カルシウム結晶を用いた場合に
も、該珪酸カルシウムは、その一次粒子の外形を
実質的に変化させることなく、従つて形態上の変
化を伴うことなく非晶質シリカと炭酸カルシウム
の極微結晶とに転化される。即ち珪酸カルシウム
一次結晶の骨格構造をなすSiO4四面体の連鎖構
造はそのまま保持され、該連鎖構造によつて結晶
の外観を有する非晶質シリカと之に付着した極微
細炭酸カルシウムとが生成する。 上記炭酸化により得られるシリカ―炭酸カルシ
ウム複合体の酸処理は、上記複合体を構成する非
晶質シリカから炭酸カルシウム分を分離するため
に行なわれるものであり、好ましくはシリカとは
反応性を有さないが炭酸カルシウムを分解して炭
酸ガスと水可溶性のカルシウム塩とを生成し得る
酸を用いて行なうのがよい。該酸としては例え
ば、塩酸、硝酸、酢酸、過塩素酸等が例示でき
る。またこの酸処理は通常上記複合体を例えば上
記各種酸の溶液中に浸漬するかまたは上記複合体
を水に浸漬又は分散させた後之に塩化水素ガス等
の酸性ガスを導入することにより実施できる。上
記において酸は炭酸カルシウムと反応する化学量
論量以上用いればよい。この酸処理は好ましくは
室温で行ない得るが、使用する酸の沸点迄の加温
も可能である。反応圧力は通常常圧が採用される
が、加圧条件でも反応は進行する。反応時間は一
般にきわめて短い。上記酸処理によれば複合体を
構成する非晶質シリカに付着して存在する炭酸カ
ルシウムは上記酸により分解され可溶性カルシウ
ム塩となる。従つて該カルシウム塩を次いで例え
ば水洗等によつて完全に除去し乾燥することによ
り、非晶質シリカから成る一次粒子が得られる。
この炭酸カルシウム除去の工程に於ても非晶質シ
リカの一次粒子の外形に変化はない。 本発明水性スラリーからの成形体の製造は、常
法に従い、該スラリーを脱水成形し、次いで乾燥
することにより行なわれる。得られる成形体の嵩
密度は成形時の圧力により任意に調節可能であり
広範囲なものとできる。好ましくは該嵩密度は約
0.1g/cm3から約1.0g/cm3とするのがよい。かくし
て得られる成形体は、通常次式で表わされる空隙
率が少なくとも50%、好ましくは60〜95%であ
り、軽量にして優れた機械的強度を有している。 空隙率(%)= (1−成形体の見掛比重/成形体の真
比重)× 100 殊に得られる成形体は何れも0.1〜0.4g/cm3
度の低嵩密度で3〜30Kg/cm2程度の大きな曲げ強
度を備えている。また上記嵩密度はより大きくす
ることも可能であり、この嵩密度に比例してより
大きな機械的強度を有する成形体が得られる。た
とえば0.4g/cm3〜1.0g/cm3の嵩密度の成形体では
20〜100Kg/cm2程度の大きな曲げ強度を有してい
る。従つて得られる成形体は、保温材、断熱材、
耐火過材、触媒担体等の用途に有用である。 実施例 以下本発明を更に詳細に説明するため参考例及
び実施例を挙げる。 各参考例及び実施例で得られる物質のX線回折
図及び電子顕微鏡写真を図面に示す。 第1図A〜Cは夫々出発原料であるゾーノトラ
イト結晶、該結晶を炭酸化処理して得られる非晶
質シリカ―炭酸カルシウム複合粒子及び非晶質シ
リカ一次粒子のX線回折図である。これはX線回
折計(X―ray diffractometer)を利用し、Cu
ターゲツトで波長が1.5418ÅのX線を発生させ、
これを試料に照射して、その回折角と回折強度を
求めることにより記録されたものである。回折強
度の最も高い3本の回折線を読み試料の同定を行
なつた。 第2図及び第3図は倍率20000倍の電子顕微鏡
写真であり、各図中Aは出発原料とする珪酸カル
シウム結晶及びBは非晶質シリカ一次粒子を表わ
す。 参考例 1 石灰原料として生石灰及び珪酸原料として350
メツシユ全通の珪石粉を用いる。之等を石灰と珪
酸とのモル比が0.98:1となる割合で水に分散さ
せ、水対固形分比(重量)を12:1として原料ス
ラリーを調製する。該原料スラリーをオートクレ
ーブに装入し191℃に加熱し12Kg/cm2の飽和水蒸気
圧下で8時間撹拌しながら水熱反応させてゾーノ
トライト結晶のスラリーを得る。 得られた結晶のX線回折図は第1図Aの通りで
あり、12.7゜、27.6゜及び29.0゜にゾーノトライト結
晶特有の回折ピーク(2θ)を示す。その強熱後の
組成は次の通りである。 SiO2 48.88% CaO 45.60 Al2O3 0.26 Fe2O3 0.54 Ig.loss 4.51 99.79 次いで上記スラリーを150℃で乾燥後粉砕して
二次粒子を一次粒子に分割し、白色微粉末を得
る。その電子顕微鏡写真は第2図Aに示される。
該図より上記一次粒子は短冊状の外形をもち、長
さ約1〜20μm、厚さ約0.02〜1.0μm及び巾約0.02
〜1.0μmの大きさを有し、長さが厚さの少なくと
も約10倍であることがわかる。該一次粒子は約50
m2/gの比表面積を有する。 参考例 2 石灰原料として消石灰及び珪酸原料として350
メツシユ全通の珪石粉を用いる。之等を石灰と珪
酸とのモル比が0.80:1となる割合で水に分散さ
せ、水対固形分比(重量)を12:1として原料ス
ラリーを調製する。該原料スラリーをオートクレ
ーブに装入し191℃に加熱し12Kg/cm2の飽和水蒸気
圧下で5時間撹拌しながら水熱反応させてトベル
モライト結晶のスラリーを得る。 得られた結晶はX線回折の解折の結果、7.8゜、
29.0゜及び30.0゜にトベルモライト結晶特有の回折
ピーク(2θ)を示す。その強熱後の組成は次の通
りである。 SiO2 48.38% CaO 38.55 Al2O3 0.31 Fe2O3 0.45 Ig.loss 11.36 99.05 次いで上記スラリーを150℃で乾燥後粉砕して
二次粒子を一次粒子に分割し、白色微粉末を得
る。その電子顕微鏡写真は第3図Aに示される。
該図より上記一次粒子は板状の外形をもち、長さ
約1〜20μm、厚さ約0.02〜0.1μm及び巾約0.2〜
0.5μmの大きさを有し、長さが厚さの少なくとも
約10倍であることがわかる。該一次粒子は約61
m2/gの比表面積を有する。 参考例 3 参考例1で得たゾーノトライト針状晶一次粒子
を出発原料とする。これを5倍重量の水と共に密
閉型圧力容器内に装入し、室温下該容器内に炭酸
ガスを圧入し、内圧を3Kg/cm2に保持して約30分
間炭酸化を行ない、非晶質シリカ―炭酸カルシウ
ム複合一次粒子を得る。得られた一次粒子のX線
回折結果は第1図Bに示す通りであり、第1図A
に認められた珪酸カルシウム結晶特有のピークは
すべて消失しており、代りに23.0゜、29.4゜及び
36.0゜に炭酸カルシウム結晶の回折ピーク(2θ)
のみが現出しており、炭酸化により珪酸カルシウ
ムが非晶質シリカと炭酸カルシウムとに転換され
たことがわかる。 次いで上記で得た非晶質シリカ―炭酸カルシウ
ム複合一次粒子を6N―HCl溶液に1分間浸漬す
る。炭酸ガスの発生が認められ上記一次粒子中の
炭酸カルシウムが塩化カルシウムに転換される。
次いで上記酸処理後の一次粒子を充分に水洗し生
成した塩化カルシウムを完全に溶出させる。その
後乾燥して非晶質シリカ一次粒子を得る。 かくして得られた一次粒子の強熱脱水後の元素
分析結果は次の通りであり、これが高純度シリカ
からなつていることがわかる。 化学組成(%) SiO2 99.1 Al2O3 0.35 CaO < 0.01 (Ig.loss 5.0 ) また上記一次粒子のX線回折図は第1図Cに示
す通りであり、出発原料とするゾーノトライト針
状結晶に基づくピーク及びこれを炭酸化後に得た
複合粒子に含有される炭酸カルシウムに基づくピ
ークはいずれも消失しており、該一次粒子が非晶
質シリカであることが確認される。 上記非晶質シリカ一次粒子の電子顕微鏡写真は
第2図Bに示す通りである。該図よりこれは同図
Aと全く同様に短冊状の外形をもつ結晶様外観を
呈することが認められる。その大きさは長さ約1
〜20μm、厚さ約0.02〜0.1μm及び巾約0.02〜1.0μ
mであり、長さが厚さの10倍以上であり、酸処理
によつても該針状晶様外観は全く損なわれないこ
とがわかる。 参考例 4 参考例2で得たトベルモライト板状結晶一次粒
子を出発原料とする。これを5倍重量の水と共に
密閉型圧力容器内に装入し、室温下該容器内に炭
酸ガスを圧入し、内圧を3Kg/cm2に保持して約30
分間炭酸化を行ない非晶質シリカ―炭酸カルシウ
ム複合一次粒子を得る。そのX線回折の解析結果
は第1図Bと同様であり、炭酸化により原料であ
る珪酸カルシウムが非晶質シリカと炭酸カルシウ
ムとに転換されたことが確認される。 次いで上記で得た非晶質シリカ―炭酸カルシウ
ム複合一次粒子を6N―HCl溶液に1分間浸漬す
る。炭酸ガスの発生が認められ上記一次粒子中の
炭酸カルシウムが塩化カルシウムに転換される。
次いで上記酸処理後の一次粒子を充分に水洗し生
成した塩化カルシウムを完全に溶出させる。その
後乾燥して非晶質シリカ一次粒子を得る。 かくして得られた一次粒子の強熱乾燥後の元素
分析結果は次の通りであり、これが高純度シリカ
からなつていることがわかる。 化学組成(%) SiO2 99.3 Al2O3 0.23 CaO < 0.01 (Ig.loss 4.7 ) また上記一次粒子のX線回折図は第1図Cに示
したと同様に出発原料とするトベルモライトの板
状結晶に基づくピーク及びこれを炭酸化後に得た
複合粒子に含有される炭酸カルシウムに基づくピ
ークはいずれも消失しており、該一次粒子が非晶
質のシリカであることが確認される。 上記非晶質シリカ一次粒子の電子顕微鏡写真は
第3図Bに示す通りである。該図よりこれは同図
Aと全く同様に板状の外形をもつ結晶様外観を呈
することが認められる。その大きさは長さ約1〜
20μm、厚さ約0.02〜0.1μm及び巾約0.2〜5.0μm
であり、長さが厚さの10倍以上であり、酸処理に
よつても該結晶様外観は全く損なわれないことが
わかる。 実施例 1 参考例3で得た非晶質シリカ一次粒子を水対固
形分重量比5/1で水に分散させて本発明スラリー
を得た。 これを型に入れ成形圧を変え脱水成形後乾燥し
て3種の成形体を得た。得られた成形体の物性を
下記第1表に示す。
【表】 実施例 2 参考例4で得た非晶質シリカ一次粒子を水対固
形分重量比5/1で水に分散させて本発明水性スラ
リーを得た。 これを型に入れ成形圧を変え脱水成形後乾燥し
て2種の成形体を得た。得られた成形体の物性を
下記第2表に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図A〜Cは夫々ゾーノトライト結晶、該結
晶を炭酸化処理して得られる非晶質シリカ―炭酸
カルシウム複合粒子、及び該複合粒子から得られ
る非晶質シリカ一次粒子のX線回折図である。第
2図及び第3図は倍率20000倍の電子顕微鏡写真
であり、各図中Aは出発原料とする珪酸カルシウ
ム結晶、及びBは該結晶からの非晶質シリカ一次
粒子を表わす。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 起源結晶とする珪酸カルシウム結晶の晶癖を
    保有し、約1〜500μmの長さ、約50Å〜約1μm
    の厚さおよび約100Å〜50μmの巾を有し且つ長
    さが厚さの少なくとも10倍である外観結晶様非晶
    質シリカ一次粒子を水に分散させてなる成形能を
    有する非晶質シリカ水性スラリー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007022883A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Clion Co Ltd 抗菌抗カビ消臭機能を備える無機成形体及びその製造方法
JP2007022884A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Clion Co Ltd 抗菌抗カビ消臭機能を備える無機成形体及びその製造方法

Cited By (2)

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JP2007022883A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Clion Co Ltd 抗菌抗カビ消臭機能を備える無機成形体及びその製造方法
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JPS59141415A (ja) 1984-08-14

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